2019.12.05
分散(variance)とは
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公開日:2022.06.16
ブランドロイヤリティとは、顧客がブランドに感じる忠誠心や愛着心です。顧客はブランドから有形・無形の価値を提供されることで、ブランドロイヤリティを段階的に高めていきます。そして、ブランドロイヤリティに連動して、顧客の購入頻度は高まっていきます。
ブランドの顧客には「新規顧客」と「リピート顧客」がいます。ブランドが拡大していくためには、新規顧客の獲得は欠かせません。しかし、新規顧客を獲得するには多額の宣伝コストがかかり、必ずしもブランドに利益をもたらすとは限りません。
一方、リピート顧客は宣伝コストも少なく、安定した購入でブランドの売上や利益を支えてくれます。ブランドとは「いかに安定したリピート顧客をつくるか」の事業戦略です。そして、リピート顧客がブランドに対して抱く想いが「ブランドロイヤリティ」なのです。
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顧客がブランド商品をリピート購入するということは、そのブランドに価値を感じていることの証です。しかし、顧客がブランドに感じている価値は必ずしも同じではありません。
・競合商品より優れているから
・何となく馴染みのあるブランドだから
・そのブランド商品を買い集めているから
・ブランドコンセプトに共感や愛着を感じているから
このように、同じリピート顧客でもブランドへの考え方は様々です。
もし、顧客が競合より優れているから購入しているのであれば、それはブランドロイヤリティが高くない状態です。そのような顧客は競合の商品力が高まれば、簡単にブランドから離れてしまうでしょう。
しかし、ブランドロイヤリティが高い顧客であれば、多少、競合の商品力がアップしても乗り換えてしまうことはありません。なぜなら、このような顧客にとって、ブランドの持つコンセプトは、ある意味で自分の価値観と同一視されているからです。彼らにとってそのブランドを支持することは自分のアイデンティティとなっていて、多くの人にそのブランドが持つ価値を広めていこうとします。このような顧客を「ロイヤルカスタマー」と呼びます。
ロイヤルカスタマーは、自分が支持する企業やブランドに強い忠誠心を抱いています。代表的な例では、「アップル」「ソニー」「任天堂」などがあります。これらの熱烈な愛着を持つ顧客は、価格や機能だけで商品を判断しません。ブランドの持つイメージや哲学など無形の価値を非常に高く評価します。
ロイヤルカスタマーが増えると、ブランドにはとても大きなメリットが生まれます。
一つは「安定した売上と利益」です。ロイヤルカスタマーは長期間にわたってブランド商品を購入します。しかも、自ら進んでブランド情報を入手しようとするため、宣伝コストを大きく抑えられます。結果、ブランドに安定した売上と利益が生まれ、計画的なブランド投資が可能となります。
もう一つは「新規顧客の獲得」です。ロイヤルカスタマーはブランドの価値を多くの人に広げようとします。それは、自分が感じているブランドの素晴らしさを誰かと共有したいという想いがあるからです。ロイヤルカスタマーの口コミは、SNSが社会インフラとなった現在では、とても強力な宣伝となります。ブランドとしては高い宣伝コストをかけなくても新規顧客が獲得できるため、将来的な売上と利益が期待できます。
ブランドとは、見方によっては「ロイヤルカスタマー」を獲得するための戦いとも言えます。いかにブランドに魅力を感じてもらい、ロイヤルカスタマーへとステップアップさせていくか。それこそが長期にわたって企業が反映していくための重要ポイントとなります。
ブランドに様々な価値を生み出してくれるロイヤルカスタマー。しかし、ただ商品を販売しているだけでは、顧客はロイヤルカスタマーにはなりません。ブランドは明確な戦略を立てて、顧客をロイヤルカスタマーへと育てていく必要があります。ここでは、ロイヤルカスタマーを育てるステップについて解説します。
顧客ロイヤルティとは、顧客が企業や商品に抱いている「信頼」や「愛着」です。顧客ロイヤリティは「顧客推奨度調査」によって数値データとして把握できます。
「顧客推奨度調査」は、海外では「Net Promoter Score」と呼ばれています。顧客に「自社、もしくは自社の商品・サービスを家族や友人、同僚へ薦める可能性はどのくらいありますか?」という質問を0~10によって評価してもらいます。この評価が9、10の顧客は「推奨者」となり、ロイヤルカスタマーへステップアップする可能性が高いと考えられます。
「顧客推奨度」をはじめ、「購入金額」「購入頻度」「購入継続年数」などを元に、ターゲットとする顧客を設定します。仮に顧客推奨度が高くても、その顧客の購入金額が高いとは限りません。そのような顧客はブランドへの好感度が高くても、「高額すぎるから」などの理由で購入につながっていないケースもあります。
ロイヤルカスタマーを育てるには、各ターゲットに合わせた施策が必要となります。そのためにも、顧客を特性に合わせて分類し、施策対象となるターゲットをしっかりと設定しましょう。
顧客にブランドロイヤリティを感じさせるには、「特別感」を与える手法が有効です。人は本能的に、自分を特別扱いして欲しいという欲求を持っています。ブランドがその欲求を満たすと人はブランドのファンとなり、ロイヤルカスタマーへと育っていきます。
例えば、なぜ多くの人が「ブラックカード」に憧れるのか?それはブラックカードが自分に「特別感」を与えてくれると期待しているからです。ブラックカードの具体的メリットを知らなくても、「特別感」が得られれば顧客はブランドロイヤリティを抱きます。
この「特別感」をターゲットに合わせて提供していくことが、ロイヤルカスタマー育成の具体的作戦となります。
ブランドロイヤリティを感じさせるには、「特別感」を与えることが必要です。しかし、具体的に何をすれば良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか?「ブラックカード」を実例にあげられても、それは高いステータスがあるカード会社だからできること。自社ブランドでは同じことはできないと考えるのも当然です。
しかし、人間心理をうまく応用すれば、特定の顧客へ多額の費用をかけずに特別感を与えられます。そのポイントが「助ける体験」です。
例えば、ロイヤルカスタマーの代表となっているのが、「推し」にハマる人々です。彼らは「推し」のために、お金、時間、情熱を費やし、自分の生活をかけて応援しています。
ファンでない人には、なぜ「推し」にそこまでの情熱を傾けるのか理解できない人も多いと思います。しかし、彼がそれほどの熱量で「推し」を応援するのは、ある心理効果が働いているためです。彼らは応援すればするほど、ますます「推し」への忠誠心を高めていきます。その心理効果が、「ベンジャミン・フランクリン効果」です。
ベンジャミン・フランクリン効果とは、「誰かを助けた時に、助けた相手を好きになる」という心理現象です。「助けられた人が助けた人を好きになるのでは?」と思うかもしれませんが、間違いなくこの心理効果は、助けた人が好きになる効果です。
人の脳には、「考え」と「行動」に一貫性を保とうとする特性があります。例えば、誰かを助けることは、通常、親近感を持っている人にしか行いません。そんな時、何とも思っていない人からお願いごとをされて、その相手を助けたとします。すると、頭の中では「考え」と「行動」が食い違って、モヤモヤ感を抱くようになります。
脳はこのモヤモヤ感を解消するために、何とか「考え」と「行動」を一致させようとします。脳は過去の行動を変えられませんので、「私はあの人に好感を持っていたんだ」と考えの方を変えてしまいます。これがベンジャミン・フランクリン効果の正体です。
この心理効果は、ブランドロイヤリティを高める方法として有効です。
・クラウドファンディングでイベントに出資してもらう
・キャンペーンでSNSにブランド商品を口コミしてもらう
・キャンペーンで友達を紹介してもらう
このように、顧客が何かしらの形で「ブランドを助ける体験」をすると、ベンジャミン・フランクリン効果により顧客のブランドロイヤリティは一気に高まります。この方法であれば、現状では高いステータスの無いブランドでも、工夫次第でロイヤルカスタマーを育成できます。
ブランドロイヤリティは、ブランドが目指す最終的な価値です。そして、その価値はしっかりとしたターゲット設定と特別感を与えるアイデアがあれば、多額の費用をかけずに高めていけます。
ブランドロイヤリティを高めて、ロイヤルカスタマーを育てる。そのロイヤルカスタマーが新規顧客を呼び込み、ブランドを発展させる。この好循環を生み出すための取り組みを、ぜひ検討してください。
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