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公開日:2022.10.17
ブランディングとマーケティング。何となく違いがありそうですが、その中身を詳しく説明できる人は少ないのではないでしょうか。
どちらも企業や団体が、商品やサービスを販売するための活動を意味しています。ですが、その内容には似ている点と明らかに違う点があります。
この記事では、ブランディングとマーケティングの役割と違いを、できるだけわかりやすく解説します。
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マーケティングの世界では、ブランディングとマーケティングの違いを以下のように説明する場合があります。
このように説明されても、なかなか具体的なイメージがわかないと思います。そこで、マーケティングの考え方がよく用いられる「恋愛」を題材として、マーケティングとブランディングの違いを説明しましょう。
まずは、あなたが異性に恋人として受け入れてもらうために、自分の魅力を伝えようと考えたとします。ですが、あなたがどれだけ一生懸命伝えようとしても、伝える内容が相手にとって価値を感じなかったり、そもそも異性と出会うきっかけがなければ、恋人として受け入れられることはないでしょう。このようなことにならないよう、あなたが「魅力的な異性」であることを計画的かつ効果的に伝える活動が「マーケティング」となります。
以上のようなポイントを分析して具体的に実行すれば、深く考えないでアプローチするよりも恋人ができる可能性は飛躍的に高まるでしょう。
しかし、恋愛マーケティングとしては、もう一歩ハイレベルな戦略があります。
それは、「相手からアプローチされる」状況になること。
相手から「選ばれる」のではなく、「選ぶ立場」になれるよう、どうやって自分の価値を高めていくかを考えていくのが「ブランディング」になります。
例えば男性の場合、「見た目」「収入」「コミュニケーション能力」などの要素を劇的に良くすれば、自分から積極的にアプローチしなくても、恋のチャンスが訪れてきます。そのために、「自分が異性からどう見られているか?」「どうやって希少価値の高い男性と認識されるか」という戦略を立てるのが「ブランディング」です。この例のように、ブランディングはマーケティングにおける、かなり高度な差別化戦略という位置づけになります。定義上はこのように大きな違いがありますが、実際の現場ではマーケティング活動も含めて「ブランディング」と呼ばれることもあります。
ブランディングの役割は顧客に「抽象的な価値」、言い換えれば「イメージ」を提供することです。
この代表的な例として取り上げられるのが、「コカ・コーラ」と「ペプシコーラ」です。みなさんはコカ・コーラとペプシコーラには、どのような違いがあると思いますか?おそらく成分での違いを認識している方はとても少なく、多くの方は「味の好み」だと考えていないでしょうか。
1970年代の米国ではコカ・コーラが人気で、ペプシコーラは苦戦していました。そんな中、ペプシコ社は2つのコーラを飲み比べてもらうというキャンペーンを展開しました。始めに目隠しした状態で飲み比べて美味しいと思う方を選んでもらうと、ペプシコーラが圧勝しました。ところが、ラベルが見える状態で飲み比べると、コカ・コーラの方が美味しいと圧勝したのです。これは「味」という商品イメージとは関係ない要因であっても人はイメージによって感じ方が変わるという現象で、「ペプシパラドックス」とも呼ばれます。
コカ・コーラがこのような良いイメージを持たれている理由は、ペプシコーラよりも「ブランド戦略」が優れていたからです。特に有名なブランディング手法が、スポーツとのタイアップです。ご存じのように、コカ・コーラ社は多くのスポーツイベントで、公式スポンサーとなっています。みなさんもオリンピック、FIFAワールドカップなどのビッグイベントで、コカ・コーラの大々的な宣伝を見かけたことがあるのではないでしょうか。
一見、清涼飲料水とスポーツに大きな関連があるとは考えにくいものです。しかし、スポーツという多くの人から共感されるイベントとコカ・コーラを重ねることで、コカ・コーラのブランドイメージはとても高くなっています。そこで築かれたブランドイメージという「抽象的な価値」が、食品の最も重要な要素とも考えられる「味」の認識すら変えてしまう影響力を持っているのです。
価格や品質といった「具体的な価値」は競合と差別化をしやすいという特徴があります。ですが、それは競合からも差別化されやすいことにもつながり、価格競争という消耗戦につながる可能性が高くなります。一方、ブランディングによって築かれた「抽象的な価値」は、商品そのものではなく顧客の心に形作られています。そのため、競合がそのイメージを覆すのはそう簡単ではありません。その結果、顧客との長い関係が築け、価格競争に巻き込まれにくい市場ポジションを得られます。
マーケティングの役割は、顧客に商品やサービスを購入してもらうための仕組みをつくることになります。
ブランディングが「抽象的な価値」に重点が置かれているのに対して、マーケティングは製造、販売、流通、プロモーションなど、あらゆるフェーズにわたっての活動が求められます。
例えば、どんなにコカ・コーラのイメージが良くても、「商品が製造できない」「商品を輸送できない」「自販機を含めた販売場所を確保できない」などの問題が起きれば、売上や利益にはつながりません。マーケティングの最重要目的は、「想定した売上または利益達成」です。その目的を「効率的」「効果的」「顧客視点」を重視しながら、達成するための活動がマーケティングです。
ブランディングの大まかな進め方は以下の通りとなります。
ブランディングの基本となる戦略を立案します。立案は以下のステップで進めます。
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立案したブランディング戦略に基づき、ブランドイメージの訴求方法を組み立てていきます。
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みなさんは100円ショップにどのようなイメージを持っていますか?最近では「安い」「かわいい」「便利」など、好感を持たれている方が多いと思います。ですが、十数年前の100円ショップには「安い」「便利」というイメージはあっても、「かわいい」「オシャレ」というイメージはありませんでした。
そのような中、100円ショップ後発の「セリア」は、「Color the days – 日常を彩る。」をブランドプロミスとして打ち出し、女性層をターゲットとして「かわいらしさ」「ナチュラルさ」というイメージを訴求しました。このイメージ訴求により「セリア」の人気は高まり、「好きな100円ショップ調査」では最大手ダイソーを上回り、幾度となくトップの座に輝いています。また、その人気の高まりは売上にも反映され、今では業界第2位の売上となっています。
ここまで、ブランディングとマーケティングの役割について解説しました。現代は品質での差別化がより難しくなっています。企業が価格競争から逃れ安定的な売上や利益を確保するためにも、ブランディング戦略に基づくマーケティングがますます重要になっています。
ブランディングは、決して待っているだけでは実現できません。現状を的確に把握し、進むべき方向性を明確にして、計画的に実行することで、少しずつユーザーの心にイメージが形成されていきます。
まずは、ブランディングの方向性を判断するためにも 自社ブランドに対するユーザーイメージを把握することが重要です。ユーザーが自社ブランドをどのように評価しているか理解できれば、ブランドが進むべき方向性が明らかになります。
ユーザーに対する「抽象的な価値」を創造し、長期的に支持される関係性を構築するためにも、そのファーストステップとして、自社ブランドのイメージ調査をご検討ください。
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ブランディングのための分析と戦略立案
現代は生産技術の向上により、世の中に必要な機能が満たされた商品が数多く存在しています。今や機能的価値だけでは競合との差別化が難しくなり、このままの状態では先の見えない価格競争に巻き込まれてしまいます。
この記事では、ブランディングを始める際のステップを、「ブランディング分析」と「ブランド戦略立案」に重点を置いて解説します。
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