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定性調査の設計方法を事例で解説~売上低迷の要因調査~
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公開日:2022.11.01
スーパーやドラッグストア、コンビニエンスストアなど、様々なお店の店頭で色々な商品が並べられています。お店に入りまず目に入るのは商品のパッケージです。しかし、これらの商品が置かれているすぐ隣には、多数のライバル商品も並べられています。その中から自社の商品が選ばれるかどうかはパッケージデザインによるところが大きいでしょう。商品イメージを良いものにするか、悪いものにするかはパッケージのデザインにかかっています。そのため、商品開発において、パッケージデザインは大変重要なポイントと言えます。
そこでこの記事ではパッケージデザインの重要性について解説します。
さらにパッケージデザイン開発の流れとポイントについても確認していきます。
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商品開発においてデザインはとても重要な要素となりますが、中でも「商品のデザイン」と「パッケージのデザイン」の2つは特に重要なポイントとなります。そこでまずは、商品開発におけるデザインの意義について解説します。
商品のデザインは、機能に付随したものと、機能から切り離したものの2つに分けられます。
機能に付随したデザインとは、例えば、手でつかみやすい形にすることです。見た目ではなく、手でつかみやすいという機能に付随したデザインに分類できます。
機能から切り離したデザインには、商品そのものの見た目があげられます。商品の見た目は商品選択の際の重要なポイントになります。
商品のデザインでは、機能的なデザインも非機能的なデザインも求められます。
パッケージとは商品を包むもの、もしくは保護するものでもありますので、パッケージそのものが機能を有しています。
一方で、商品パッケージは消費者が「買う・買わない」を決めるためのとても重要な要素でもあります。パッケージには、機能的な要素だけでなく、消費者の購買意欲を高める要素が必要です。
そのため、売れる商品をつくるには、パッケージに商品を保護する機能を持たせたうえで、非機能的な要素も持たせる必要があります。
パッケージの最終目標は消費者を購買に誘導することであり、この「大役」を担うことができるのは、パッケージデザインが持つ複数の役割が機能するときです。
パッケージデザインの役割には、短期的で瞬発力を伴うものと、中長期的で持久力を伴うものの2種類があります。
売り場で目立つデザインのパッケージは、小売店の売り場で消費者の目を引きます。客の注意を引けば、それだけ手に取ってもらえる確率が高くなり、それにともなってレジに運んでもらえる確率も高くなる、と期待できます。格好よさや美しさよりも売り場で目立つことを優先したデザインのパッケージがあるのはそのためです。商品の機能や性能、性質を集中的に宣伝したパッケージも、瞬発力を持ちます。例えば「業界初の機能を搭載」とパッケージに書けば、ライバル商品にはない機能をPRできます。ただし、売り場で目立つパッケージや商品の特徴をダイレクトにうたったパッケージの効果は短命に終わる可能性があります。
格好いいパッケージや美しいパッケージは、瞬発力や目立つ力は弱いものの、消費者に長く愛用してもらえるメリットがあります。
そして、あえて商品の機能をパッケージで紹介しないことで、商品に品格を持たせることができます。ブランドが確立されていたり、これからブランディングをしたりする商品には、中長期的に買ってもらえるデザインをパッケージに施したほうがよいかもしれません。
また、あえて地味で目立たないデザインをパッケージに採用することもあります。長年使い続けてもらいたい日常品の場合、生活のなかに溶け込む外観が好まれるので、パッケージも派手にしないほうがよいと考えることができます。
パッケージでデザインが重要になるのは、パッケージで「4つのこと」を成し遂げることができるからです。
● 消費者の記憶に残ることができる
● あるカテゴリーに属すことを知らせることができる
● 独自性を打ち出すことができる
● ターゲット層に「刺さる」ことができる
1つずつみていきます。
「赤いラベルの炭酸ジュース」と聞くと、多くの人がコカ・コーラを思い浮かべるのではないでしょうか。味でもなく、成分でもなく、赤いラベルだけで商品を特定させられるのは、パッケージの重要な作用です。消費者はある商品を買い続けると、パッケージでその商品を認識するようになります。つまりパッケージが消費者の記憶に残ります。
ジュースでもガムでもスイーツでも、ミント味の商品のパッケージには青や水色が使われる傾向があります。ラーメンでも漬物でもポテトチップスでも、辛い味の商品のパッケージには赤が使われることが多いでしょう。これは、ある商品群(商品カテゴリー)と特定の色が、人々の感覚にマッチするからです。このようにパッケージのデザインによって、その商品がどのカテゴリーに属するものか表すことができます。消費者が一目でその商品の属するカテゴリーを認識できると、消費者は迷わずその商品を買い求めることができます。
「パッケージで独自性を打ち出すこと」は、先ほど紹介した「パッケージであるカテゴリーに属すことを知らせること」と逆の作用といえます。ある商品カテゴリーにライバル商品が乱立すると、独自性を出しにくくなります。そのときパッケージのデザインを、そのカテゴリーでよく使われているデザインとかけ離れたものにすることで独自性を打ち出すことができます。商品の埋没を防ぐ効果があります。
デザインでは尖ることができ、それは商品パッケージのデザインでも同様です。尖ったデザインは万人に受け入れられない一方で、特定の人に深く「刺さる」ことがあります。特殊な商品をつくり、最初から大量に販売することを目指していない場合、尖ったデザインのパッケージで包装することでコアなファンにしっかり「刺さる」ことができます。
パッケージデザインをつくる流れをみていきましょう。
衝撃に弱い商品の場合、パッケージで保護する必要があり、このとき機能、性能、利便性が最優先課題になります。機能、性能、利便性を確保してからデザインする、という順番になるでしょう。
例えば、真空容器は、醤油のパッケージの概念を一新したほどのインパクトがありました。このような機能性パッケージの場合、そのデザインは機能性を邪魔しないものにする必要があります。
先ほど紹介したとおり、パッケージには短期的役割と中長期的役割があります。この2つの役割を1つのデザインに持たせることは難しいのでどちらを狙うか決めたほうがよいでしょう。
また、パッケージでできる「4つのこと(記憶、カテゴリー、独自性、刺さる)」の中で、どのような機能を持たせるのかを検討します。
このような検討を重ねることでデザイン・コンセプトができます。
パッケージの機能、性能、利便性を検討し、デザイン・コンセプトが固まったら、それに基づいてデザイナーにパッケージをデザインしてもらいます。複数のデザインを作成し、それぞれのデザインで試作品をつくります。
パッケージの色や素材の質感、ロゴ、イラストなどは、消費者の購買意欲や注目度に大きな影響を与えます。
そのため、サンプルをいくつかつくって消費者に好みを尋ねる調査は、デザイン選定で有効です。
パッケージデザインの試作品のなかから、コンセプトに最もマッチしたものを選びます。
そのデザインを商品のパッケージにあしらうことになります。
パッケージデザインの開発では、変えないことも、変えることも重要になります。自社の主力商品では、変えるのか変えないかの決断は一大事であり、経営者の判断に委ねられることもあります。
どのようなときにパッケージデザインを変えないほうがよく、どのようなときに変えたほうがよいのでしょうか。
定番商品として顧客に定着していて、売上高も販売個数も安定している場合、パッケージデザインは変えないほうがよいでしょう。
定番商品として定着している場合、パッケージのデザインを変えても売り上げ増が見込めない一方で、変えることで顧客が違和感を持ち離脱しかねないからです。
もし商品を成長させたい場合、パッケージデザインを一新する方法が有効かもしれません。
例えば、コストパフォーマンスを重視してきた商品を、利益率の高いプレミアム商品に格上げしたい場合、パッケージデザインをクオリティの高いデザインに変える必要があるでしょう。また、短期的なヒットを狙っていた商品が予想を超えてロングセラーになったら、中長期的なブランドに成長させることができるかもしれません。このときパッケージデザインをガラリと変えると、これまでのファンの一部が離反してしまうかもしれませんが、新しいファンを獲得するきっかけにはなるかもしれません。
消費者にとっての商品の価値は、機能、性能、利便性、価格、商品のデザインなどが影響して決まりますが、パッケージデザインでも高めることができます。よいパッケージデザインなら商品の魅力をより強く伝えることができますし、悪いパッケージデザインはせっかくの商品の魅力を台なしにしてしまうかもしれません。
そのためパッケージデザインの選考は慎重に行ったほうがよいでしょう。そのパッケージにどのような役割を持たせるのか、パッケージを使ってどのように消費者にアプローチするのかといったことを検討して、最良のパッケージをつくっていきましょう。
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