2024.10.04
顧客インサイトとビッグデータの活用:データ分析で深層心理を見抜く方法
ビッグデータと顧客インサイトの関係 顧客インサイトは、消費者の深層心理や潜在的なニーズを理解するために不可欠なものです。近年、ビッグデータの活用により、顧客の……
公開日:2022.12.01
アンケートは自社の顧客や調査の対象者から様々な情報を収集するのにとても有効的な手法です。そんなアンケートで、データをより多く集めるために意外と大切なのが「依頼文」。実は依頼文の良し悪しで、アンケートの回収率が大きく変わる場合があります。そこで今回の記事では、アンケート依頼文の書き方と、回答率を上げるポイントについて解説します。
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そもそもアンケートには、なぜ依頼文が必要なのでしょうか。その理由は、アンケートは回答者への「お願いごと」だからです。そのためアンケートに回答してもらうためには、回答者の「ネガティブな感情」を取り除き、「モチベーション」を高める必要があります。
依頼者と回答者の間に適切な関係性を構築できていれば良いのですが、そうでない場合は警戒心を持たれることが多々あります。このような状況ではアンケートに回答してもらうのは難しく、回答率も低下してしまいます。
そこでアンケート依頼文は「回答者からの信頼を得られる」内容を記載し「回答者に大きな負担をかけない」ことを明記して、回答者の警戒心を取り除くことが大切です。その上で、回答するメリットを提示すれば、積極的にアンケートへの協力が期待できます。
このようにアンケート依頼文には、回答者の心を開くというとても重要な働きがあります。だからこそアンケートの回答率を上げるためにも、回答者が気持ちよく回答できる依頼文が必要なのです。
メールや文章でアンケートをお願いする際、多くの回答者は警戒心を抱いています。その警戒心を少しでも和らげるために、依頼文は以下のポイントに注意して作成しましょう。
みなさんは街中で知らない人に声をかけられたら、とっさに恐怖心や警戒心を抱きませんか?これは自分が知らない人や分からないことに恐怖心を抱くという、人間が持っている本能です。
この本能はアンケートをお願いするときにも強く働きます。そこでこの本能を和らげるためにも、まずは依頼者の正体を明らかにすることが大切です。
情報化社会の現代では、多くの人が忙しい日々を過ごしています。そのため、入ってくる情報については、瞬時に取捨選択されてしまうことを理解しましょう。
回答者に「読んでみてもいいかな」と思ってもらうためには、簡潔にお願いの内容が伝わる文章を作成しましょう。回答者へのストレスが少ないほど、アンケートに回答してもらえる可能性が高まります。
回答者は潜在的に「アンケートが悪用されるのでは?」という不安を抱いています。その不安を払しょくするために、アンケートの利用目的をしっかりと回答者に伝えてください。
アンケートが悪用されないと理解されれば、回答する不安は大きく和らぎます。また、利用目的が回答者の興味や関心を持っている内容であれば、積極的に回答してもらえるケースもあります。
みなさんは「1万円をもらえた喜び」と「1万円を失った悲しみ」では、どちらの方が心に強く残りますか。実は多くの場合、「1万円を失ったとき」の方が印象に残るという傾向があります。これは人が無意識に「得することよりも損することを避ける」という性質で、「損失回避の法則」と呼ばれています。
これはアンケート依頼文においても同様に発生します。回答者に「損失回避の法則」ができるだけ働かないようにするためにも、デメリットについては「率直に」「少ない」ことを明記しましょう。例えば、質問数、所要時間等を明記すると良いでしょう。依頼文でデメリットを明らかにすることで、回答者はどの程度の手間になるかを理解でき、過剰な損失回避を考えなくてすむようになります。
回答者の警戒心や不安を取り除いた後は、いかにポジティブなモチベーションを与えられるかが重要となります。モチベーションを高めるには、回答者に何かしらの報酬を与えることが効果的です。
報酬には金銭や品物などの「物理的報酬」と、回答者の承認欲求を満たす「精神的報酬」があります。なかでも、アンケートに回答することが「何かしらの役に立つ」と感じられる精神的報酬は、回答者にとって非常に強いモチベーションとなります。新商品開発やサービス改善などにつなげるアンケートの場合は、その内容を分かりやすく伝えましょう。
アンケート依頼文に記載する項目は、回答者の立場になって考えることが大切です。回答者に心地よく回答を検討してもらうために、以下の項目はしっかりと記載しましょう。
私たちはあいさつを何気なく行っているため、単なる礼儀だけの問題と考えている場合が多々あります。ですが、あいさつにはとても大きな心理効果があり、無意識に相手へとあるメッセージを伝えています。そのメッセージとは「私はあなたに関心を持っていますよ。」
このメッセージを的確に伝えるために、以下の内容をあいさつに記載しましょう。
回答者は、基本的にアンケートへの不安を抱いています。アンケートの目的を明確に記載して、悪用されないことを回答者に印象付けましょう。また、アンケート結果の利用方法を詳しく記載すれば、「精神的報酬」を回答者に与えられる可能性が高まります。
回答者に金銭や謝礼品などの「物理的報酬」を提供できる際は、その内容を伝えましょう。その際、より魅力的な報酬を得られるほど、回答者のモチベーションが高まります。
アンケートの回答方法、回答にかかる所要時間や設問数を明記して、事前にどの程度の手間が発生するかを伝えましょう。郵送での返送などが必要な場合は、その旨をしっかりと記載してください。
「個人情報保護法」の成立以降、個人情報への意識はとても高くなっています。定型文的な表現でも構いませんので、個人情報への対応について記載しましょう。この記載があることで、回答者が「しっかりと個人情報を意識してくれている」という印象を抱く効果が期待できます。
依頼文の最後は、簡潔ながらも丁寧なあいさつで締めましょう。人間には「感情がピークの時と、最後の印象に強く影響される」という「ピーク・エンド効果」が働いています。最後を丁寧なあいさつで締めくくれば、アンケート全体への印象を高めることができるでしょう。
見知らぬ相手からアンケートをお願いされる回答者は、とても強い警戒心を抱いています。その警戒心を刺激するような記載があると、アンケートへの拒否反応が更に強くなるかもしれません。ここでは、依頼文に記載しない方が良い項目について解説します。
あいさつやアンケート目的の記載は重要です。しかし、その記載が長くなってしまうのは、回答者に不要な負担を与えてしまいます。記載する内容は常に簡潔をモットーとして、「遠回し」や「分かりにくい」文章にならないように意識しましょう。
メールなどでWebアンケートを依頼する際は、アンケートURL以外のリンクは記載しないようにしましょう。他のリンクの記載があるとそちらをクリックしてしまい、そのまま戻って来ないということも起こりえます。アンケートのように回答者に強いモチベーションがない場合は、複数のリンク先があるだけで回答率を下げてしまいます。
文章内のリンクはアンケートURLに限定し、それ以外のURLは記載しないことを原則にしてください。もし、どうしてもアンケートURL以外のリンクが必要な場合は、文字サイズや色を変えるなどの工夫をして、回答者が誤解しないように配慮しましょう。
アンケートを実施する際、せっかく費用をかけて実施するのだから「自社商品やサービス」「イベント」などの情報を記載しようとするケースがあります。ですが、アンケート以外の情報やコンテンツを記載するのはできるだけ避けた方が良いでしょう。
もし、アンケート以外の情報が記載されていると、回答者が「本当の目的はPR?」という疑念を抱く可能性が高まります。このように感じられると、アンケートへの警戒心が更に高まり、回答率が大きく下がってしまうかもしれません。
また、事前に商品やサービスの情報に触れてしまうと、アンケート回答に対して様々な先入観が発生する可能性があります。これらの先入観が回答結果に影響してしまうと、本来のアンケート目的を達成できなくなることも考慮しましょう。
日頃より株式会社○○のサービスをご利用くださり、誠にありがとうございます。
私、株式会社○○の山田花子と申します。
この度は弊社が提供している商品開発を行うにあたり、皆様の貴重なご意見をいただきたくアンケートへのご協力をご連絡させていただきました。
本アンケートにご回答いただいた内容は、今後の商品開発の参考にさせていただきます。
なお、アンケートにお答えいただいた際は、日頃の感謝の気持ちを込めて、ささやかではありますが、謝礼として「〇〇」をお送りさせていただきます。
アンケート回答については、以下のURLからご回答いただけますと幸いです。
https://www.○○○○.com/
※設問数は10問で、約3分ほどの所要時間がかかります。
また、ご回答いただきました個人情報等については、「個人情報保護法」ならびに「弊社プライバシーポリシー」に従って適正に取り扱います。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご回答いただけますよう心よりお待ち申し上げております。
アンケート依頼文は、依頼者と回答者が接点を持つ「最初の機会」となります。この依頼文でどれだけ回答者に良い印象を持ってもらえるかが、回答率や回答内容に大きく影響します。もし、アンケート依頼文に不安を感じるのであれば、マーケティングの専門家に相談してみるのも一案です。回答者にできるだけ良い印象を持っていただくためにも、回答者とのつながりを築けるアンケート依頼文を作成していきましょう。
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アンケートの回答率を上げる方法とは?
マーケティングにおいて重要な情報となるのが、「顧客ニーズ」です。現代においては、ほとんどのビジネスで顧客側が選択権を持っており、「顧客ニーズ」にどう応えていくかがビジネスの命題ともなっています。「顧客ニーズ」を知るために有効な手段が「アンケート」です。
この記事では、アンケートにおける「回答率」の重要性と、「回答率」をアップさせる方法について解説します。
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顧客満足度調査(CS調査)
”顧客満足度調査(略してCS調査)とは、自社の商品ユーザーやサービス利用者から評価・改善点などのアドバイスをいただくための調査です。
顧客が満足する商品・サービスを提供し続け、既存顧客の満足度を維持するだけでなく、新規顧客獲得に結びつけるためにも非常に重要な役割を果たします。また、顧客の「継続購買」や「推奨行動」といった「エンゲージメント」につなげることにあります。
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学術研究のための調査(アカデミックリサーチ)
学術研究、修士論文、卒業論文のための調査を数多くご依頼いただいております。脳波や視線の動きのような生理学的指標を測定する際の被験者の収集も可能です。
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