2021.11.02
ブランド編②~認知度調査~
4コマ漫画でわかるマーケティングリサーチ
ブランドの認知度を調べることで、どのくらいの人がそのブランドを知っているか、どのくらいの人が、そのブランドが自社のブランドであることを知っているかがわかります。……
公開日:2023.02.17
顧客満足度調査(以下CS調査)はその目的によって、あるいはBtoCかBtoBか、業種、職種等の対象によっても質問内容が異なります。ここでは「加工食品」を対象としたCS調査のテンプレートについて解説しています。
この調査を行うときのターゲットは以下の方々を想定しています。
また、調査の目的や調査設計の際の注意点、実施の流れ、調査結果の活用方法についても説明しています。解説したテンプレートは無料でダウンロードできます。
生活者が日常的に購入する加工食品の種類は多岐に渡ります。さらに同じ加工食品でも、価格、味のバリエーション、品質基準、容量、常温保存や要冷蔵や冷凍食品などの保管方法、使用原材料の区分(オーガニック、すべて国産品など)、ブランドではナショナルブランドまたはプライベートブランド、今日ではさらにダブルブランドなど、様々な要素が存在します。
CS調査によって、生活者が商品を選ぶ評価要素は何か、どの評価要素が総合顧客満足度のアップに貢献しているのか、逆に課題は何かを知ることができます。さらに「購入場所」と「購入頻度」などの情報を重ね合わせることで、自社商品の品質、ブランドロイヤルティに基づく自社の強みと弱みを認識し、現行商品の改良や新商品を開発する手立てとなります。
加工食品は主食や副食、間食のためという購入シーン、またそれを購入する人の立場(単身世帯、子育て世帯など)、自身の世代(若者、高齢者など)により、購入の際に重視するポイントが異なります。「どの商品を」、「どのような立場の人が」、「どのような購買行動を取るのか」など、調査の目的とする指針を明確にする必要があります。
調査対象とする加工食品を具体的に決めます。調査対象を指定する場合、個別の商品を指定する以外に、例えば「食品の種類はハンバーグ、さらにレトルトや冷凍など形態区分、容量区分などを特定」する場合や、「食品の種類は問わずに冷凍食品全般」とする場合などもあります。その場合は、調査対象の指定が当該企業のレトルト食品全般なのか、ハンバーグ全般なのか、レトルトのハンバーグなのかを具体的に示す必要があります。
生活者にとって、加工食品と関わる機会は様々です。アンケート項目には、いつ、どのような時のための商品なのか、TPOを意識した状態で満足度を評価してもらう必要があります。例えば定時の食事(朝・昼・夜)用なのか、中食か、おやつや嗜好品としてなのかです。また運動時や高齢者のための栄養補給食など、様々な目的も想定されます。
CS調査では、起承転結の一連の流れがあります。「起」は生活者が対象商品を知るという「認知」、「承」は生活者がどのように商品を使うのかという「使用状況」、「転」は購入(継続購入意向を含む)という生活者の「意思決定行動」、「結」は実際に購入した結果となる「満足度評価」とつながって行きます。調査の指針と一連の流れが調和するようなアンケート項目の設計、調査票の作成が重要です。
単純集計、属性クロス集計、質問間クロス集計などの分析方法を考慮した、適切な回答方式を選択します。
設問の目的に応じた分析方法を選択します。
関係メンバー以外の社内の方に、客観的な検証してもらう必要があります。回答者が回答しやすい表現になっているのか、その確認が大切です。
CS調査の実施は、次のような流れで進めるのが基本です。
対象商品の顧客の満足度を聞くことで、自社商品の強みと弱み、ブランドおよび企業イメージの認知(共感の強さ)(好感度)を知ることができます。アンケート調査の一連の流れにそって、活用方法を例示します。
顧客がどのような認知経路で対象商品を知ったか、その結果から自社の情報発信効果の仮説を検証することができます。仮説に大きな差異が見られる場合、自社の広告宣伝やHPなど公式サイト、パブリシティ活動などを含め、情報発信方策の見直しをする契機となります。
顧客の購入方法と食べる場面という消費行動を知ることで、TPOの状態を知ることができます。TPOに応じた発信情報のあり方、商品コンセプトの検証など、商品設計から販促活動まで多様な活用が期待できます。
顧客が商品を選ぶ際の重視点は何か、逆に何が課題となるのかを知ることができます。その結果から対象商品のコンセプトや品質など、顧客への訴求力の検証が可能となります。
現状と今後優先的に改善すべきポイントも知ることができます。また満足度が低い項目は、対象商品の弱みと同時に顧客の潜在ニーズも表している可能性があります。
さらに、ブランドロイヤルティの基本となる対象商品の「継続購入意向」と「他者への推奨意向」も聞きます。ブランド力を認識、顧客層を広げる可能性を知ることができます。
ここでは、加工食品を対象とした「総合的な顧客満足度を知るためのテンプレート」を紹介します。設問は、起承転結の流れにそって構成しています。
この設問では、対象商品に関連する情報に触れる主な場面はどこか、認知経路について聞きます。
【購入状況】
Q3. この●は、主にどのような時に購入しますか.(お答えはひとつ)
1.日常の買い物時
2.通勤(通学)時
3.勤務時(就学時)の合間
4.散歩などのついでに
5.遊びや用事で出かけたついでに
6.その他( )
【購入状況】
Q4. この●は、直近の1年間でどれくらいの頻度で購入していますか。(お答えはひとつ)
1.週に3回以上
2.週に1~2回
3.月に2~3回
4.月に1回
5.2~3ヶ月に1回
6.半年に1回
7.それ以下
8.●は購入しない
【使用状況】
Q5. この●は、主にどのような場面で食べていますか(お答えはいくつでも)
1.朝食
2.昼食
3.夕食
4.間食
5.気分転換時
6.運動前後
7.体調不良時
8.ダイエットなど健康管理時
9.その他( )
これらの設問では、対象商品を購入する際に重視した点について聞いていきます。重視点毎の満足度を見ることで改善点の優先順位を把握できます。
【最重視点】
Q7. この●を選ぶ際にもっとも重視した点を教えてください。(お答えはひとつ)
該当する回答例の番号を記入してください。
記入欄 ( )
これらの設問では、対象商品を購入する際に重視した点について聞いていきます。重視点毎の満足度を見ることで改善点の優先順位を把握できます。
この設問では、対象商品全体の総合的な満足度を聞きます。項目別の満足度との相関を見ることで、顧客が求める商品の姿、商品コンセプトの見直しなどへの活用が可能となります。
非常に満足 | やや満足 | どちらともいえない | やや不満 | 非常に不満 | |
味や香りなど商品品質 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
安心感(使用原材料、生産地などの表示) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
栄養成分の充実 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
体によさそうなイメージ(健康長寿、ヘルス&ビューティーなど) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
パッケージ(機能性、保管性、デザイン性など) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
SDGsへの配慮 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
トレンドへの適合 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
メーカーの信頼性 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
販売店の信頼性 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
価格の妥当性 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
この設問では、Q6で質問した重視する項目別に満足度を評価してもらいます。今後の強化ポイントと同時に改善ポイントも判断することができます。さらに満足度の低い項目は、顧客の潜在的なニーズを示す可能性もあります。
商品によって評価要素は異なりますので、対象の商品に合わせて評価項目を決定します。
【推奨意向】
Q11. この●を友人や家族に勧めたいと思いますか。(お答えはひとつ)
1.強く勧めたい
2.やや勧めたい
3.どちらともいえない
4.あまり勧めたくない
5.全く勧めたくない
この商品の「継続購入意向」と「他者への推奨意向」は、対象商品のロイヤルティの強さを知るための設問です。
商品やメーカーのあり方など、顧客の自由な意見を聞きます。アンケート項目では思いつかない顧客の生活感覚や、商品に求める事柄、自由な発想での意見が期待できます。
顧客満足度調査は、食品メーカーが顧客の声を聞き、製品やサービスの改善につなげるために重要な手段です。テンプレートを使用することで、調査の効率性が向上し、より精度の高いデータを収集することができます。テンプレートは無料でダウンロードしていただけます。ぜひご利用ください。
顧客満足度調査( CS 調査)についてのご相談はこちら>
顧客満足度調査(CS調査)
”顧客満足度調査(略してCS調査)とは、自社の商品ユーザーやサービス利用者から評価・改善点などのアドバイスをいただくための調査です。
顧客が満足する商品・サービスを提供し続け、既存顧客の満足度を維持するだけでなく、新規顧客獲得に結びつけるためにも非常に重要な役割を果たします。また、顧客の「継続購買」や「推奨行動」といった「エンゲージメント」につなげることにあります。
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