2021.07.21
料理で例える脳計測のメリット/デメリット NeuroAI(D-Planner)コラム
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公開日:2020.04.18
新型コロナウイルスの感染拡大による社会的な混乱の中、市場調査業界でもグループインタビュー・CLTの中止など、大きな影響を受けています。
このような状況においても、マーケティングリサーチ会社は、生活者の「いま」の声を届けるべく、事業を継続し、社会的責務を果たす必要があると考えています。
それでは、この混乱にある「いま」、調査で気を付けなければならないことは何でしょうか。
主な調査手法別に注意ポイントをまとめました。
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<インターネット調査>
■アドホック調査(1回限りの調査)
緊急事態宣言による外出自粛や企業活動の縮小、停止を受けて、アンケート回答者の意識や行動が、普段と違うことを踏まえる必要があります。
生活のすべてに影響が出ていますが、特に影響が大きいと思われる意識や行動に関する項目は以下の通りです。
・食事(特にどこで食べるか→自宅or外食)
・買い物
・エンターテイメント・レジャー
・仕事環境(在宅勤務など)
・人間関係(家族や友人との付き合い方)
・移動(電車利用など)
上記は、いずれもこれまで見られない傾向を示すことも考えられます。
新型コロナウイルスによる混乱前の意識や行動が知りたい場合は、「※新型コロナウイルスの影響前における状況についてお答えください。」と注釈を入れるなど、設問文(聞き方)にも工夫が必要です。
ただし、調査課題によっては新型コロナウイルスの影響も踏まえた意見を集めたい場合もあるかと思います。
その場合は、現状をお答えいただくように、「今現在のお気持ちをお答えください。」などの文言をあえて記載することも検討すべきです。
アンケート結果の解釈については、得られた回答が、外出自粛や新型コロナウイルスへの不安感の影響を受けているのか、見極めながら見ることも大切です。
例えば、レジャー施設の広告に関するアンケートを行った場合、「広告を見てすぐに行きたいと思った」というスコアは、現時点では低くなるでしょう。
しかし、広告自体が魅力的に感じられていた場合、外出自粛が解除された後の行動喚起には広告が効果を発揮するかもしれません。
回答者がどのような状況で回答しているのかを考慮し、全体を見ながら結果を読み解くことも、これまで以上に留意すべきです。
これらはインターネット調査以外のアドホック調査にも当てはまりますので、どのような場合においても気に留めておくことが肝要です。
■トラッキング調査(継続した調査)
アドホック調査と同様のポイントに気を付ける他、トラッキング調査ならではの注意点も挙げられます。
「いま」、どのような状況なのか、どのような不安があるのかなど、追加で聴取したい場合もあるかと思いますが、トラッキング調査においては、過去調査から設問数や設問文を変えることは、おすすめ出来ません。
何故ならば、聞き方を変えることで回答傾向が変わってしまい、生活者の変化を正しく追えなくなる可能性があるからです。
どうしても設問を追加したい場合は、最後に聞くなど、他の設問に影響がでないように十分に気を付ける必要があります。
また、選択肢の数を増やしたい場合も、多くなりすぎていないか、他の選択肢と内容が重複しないかなど、注意しなければなりません。
加えて、回答者の属性についても、留意すべきです。
例えば、性年代構成は割り付けて調査を行っていても、休校に伴い多くの学生が回答し、職業構成比における学生の割合が高まっているかもしれません。その場合、過去の調査よりも学生の意見が全体に大きく影響する恐れもあります。
このような変化は、職業構成に限らず、あらゆる属性において考えられます。
分析時には、以前の調査と変わっていないか、変わった場合どのような影響があるのか、これまで以上に配慮すべきです。
海外での調査も行っている場合は、各国の状況を考慮することも欠かせません。
各国毎にロックダウンなどの大きな出来事・変化がいつ起きたのか、手元に控えておくと、調査結果を読み解く際、役に立ちます。
<デプスインタビュー、グループインタビュー>
複数人集まると、感染拡大が懸念されるため、基本的には実施できない状況が続いています。
今後、実施できるようになったとしても、以下のような点に注意を払う必要があります。
・調査対象者や関係者の健康状態の確認(検温など)
・会場のドアや窓を開けて、空気を循環させる
・密接しないように席の間隔をあける
・マスクを必須にする(会場で用意しておく)
・消毒液を用意して、調査対象者、関係者及び調査会場の消毒を行う
デプスインタビュー、グループインタビューの代わりとしてオンラインインタビューを実施する企業も増えています。
調査対象者がどこにいてもインタビューが可能で、1人の対象者でも、複数の対象者でも調査が実施できるため、現状に適した調査と言えます。
また、関係者が自宅からインタビューの様子を視聴することも可能なため、在宅勤務中も家から出ることなく、調査を見守ることができます。
<CLT>
「デプスインタビュー、グループインタビュー」と同様に、感染拡大が懸念されるため、また、調査協力者が集まりにくいため、実施できないことが多くなっています。
特に飲食を伴う調査は、調査対象者に感染者がいた場合、クラスターとなりかねないため、実施が難しい状況です。
CLTの代替としては、ホームユーステスト(HUT)が挙げられます。
調査対象者の自宅に製品を送付し、試した結果をアンケートで答えてもらうため、外出自粛中でも、調査を滞りなく行うことができます。
最後に・・・
この他にも、調査によって注意しなければいけないポイントは、色々と挙げられます。
ただし、どの調査においても「いま」最も忘れてはならないポイントは、「回答者」の立場に立って考えることではないでしょうか。
回答者とはすなわち生活者のことであり、その生活は、新型コロナウイルスによって混乱がもたらされています。
「いま」という状況はいつもと違う環境であることを十分に踏まえたうえで、調査を設計し、結果を読み解く必要があります。
そして、このような状況だからこそ、市場調査会社の一員として、生活者の「いま」を反映した正しい声を伝えていきたいと考えています。
尚、アスマーク社では新型コロナウイルスの感染拡大が生活者にどのような影響を与えているのか、4月の1ヶ月間、週3回調査を実施しております。
(詳細はこちら https://www.asmarq.co.jp/news/corona0403/)
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