2023.08.25
ブランドを育てる秘訣: 効果測定と評価の重要性
ブランディングとはブランドを通して、顧客へ信頼や共感を与えて企業や商品の価値を高める活動です。ブランディングは顧客に認知度や好感度などの影響を与えますが、その効……
公開日:2023.02.28
「顧客満足度調査(以下、CS調査)は、目的やBtoCかBtoBか、業種、職種等の対象によって質問内容が異なります。ここでは、「ITシステム・サーバーの運用・メンテナンスサービス」を提供する企業に所属する経営企画、営業、マーケティング部などの方々が実施するCS調査のテンプレートについて解説します。
この調査を行うときのターゲットは以下の方々を想定しています。
また、調査の目的や注意点、実施の流れ、調査結果の活用方法についても説明しています。解説したテンプレートは無料でダウンロードできます。
CS調査とは、自社が提供している製品やサービスが、どのように顧客に評価されているのかを知るための調査です。また企業としての信頼性、顧客との関係性の強さも知ることができます。CS調査の最終的な目的は、企業収益の向上、既存顧客の維持確保と新顧客の獲得のための手段を見出すことです。
ビジネス場面において、ITの活用が不可欠となっている今日、情報システムの障害は重大な損失を生じるリスクとなります。このビジネスの生命線とも言えるITシステムの正常な稼働を維持するために、ITシステムのメンテナンス(保守)は顧客にとって必須事項となっています。またITに関わるメンテナンスは、専門的な知識とスキルが必要であることから、外部に委託するアウトソーシングというサービスが主流になって来ています。
アウトソーシング需要の増加に伴い、このサービスを提供する事業者間の競合が激しくなっています。事業者としての競争力を高めるためには、顧客満足度の向上が重要な課題となります。ここでは顧客満足度を高めるために必要な要件、現行サービスの改善と新たなサービスを見出す手立ての発見を目的としています。
ITシステムのメンテナンスの目的は、業種業界を問わずシステムの正常な稼働を維持することです。しかし、そのシステムを構成するハードウェアやソフトウェア、システム構成などは、企業ごとに異なります。また、アウトソーシングを利用する理由も、顧客の経営環境によって様々です。顧客の満足度を高めるには、それぞれの環境条件に合わせたメンテナンス方法が必要です。そのため、アンケート項目を考える際には、メンテナンス品質だけでなく、アウトソーシングを利用する背景についても考慮する必要があります。例えばメンテナンス品質、適正な経費負担、社内リソース活用などの観点が挙げられます。
ITシステムのメンテナンスにおいては、調査対象をサーバー単体のメンテナンスなのか、サーバーを中心にしたITシステム全体なのか、または特定の機器やシステムなのかを明確にする必要があります。この点が不明瞭な場合、回答者は何について回答すべきかを理解できず、戸惑うことになります。
利用する顧客の経営環境によっては、ITシステムのメンテナンスに対する満足度の理由が異なる場合があります。業種(製造業、販売業、サービス業など)や企業規模によって、メンテナンスの方法に差異が生じるためです。したがって、どのような状況下で満足度を評価するのか、目的に合わせた項目設計が重要です。
CS調査では、起承転結の一連の流れがあります。「起」は顧客が対象サービスを知るという「認知」、「承」は顧客がなぜ対象サービスを導入したのか、どのような事業者を選んだのか、ITと顧客自身の経営環境の実情を反映した理由を聞きます。「転」は導入決定という意思決定行動、続いて「結」の実際に導入した結果となる満足度評価へとつながって行きます。調査の指針と一連の流れが調和するようなアンケート項目の設計、調査票の作成が重要です。
単純集計、属性クロス集計、質問間クロス集計などの分析方法を考慮した、適切な回答方式を選択します。
設問の目的に応じた分析方法を選択します。
関係メンバー以外の社内の方に、客観的な検証してもらう必要があります。回答者が回答しやすい表現になっているのか、その確認が大切です。
対象サービスの顧客の満足度を聞くことで、顧客が自社に期待するメンテナンス品質、顧客の経営環境への適応性の評価、自社に欠けているサービス要素などを知ることができます。自社の強みと弱み、顧客との関係性の強さを知る手だとなります。アンケート調査の一連の流れにそって、活用方法を例示します。
顧客がどのような経路で対象サービスを知ったかを調べ、自社の情報発信効果を検証することができます。もし仮説との大きな差異があれば、自社の広告宣伝、公式サイトやパブリシティ活動を見直すきっかけになります。
顧客がアウトソーシングする理由を調査することで、顧客の満足度を高めるためのサービス提案を検討することができます。例えば、ハードウェアのメーカー保証期間が終了したため、メンテナンス専門要員を確保できない、自社専門要員のスキル不足、システム変更やIT投資効率の見直しが必要など、ビジネスチャンスが示されることがあります。また、事業者を選んだ理由を調査することで、自社と顧客の関係性の一面を見直すこともできます。
顧客のサービス導入理由から、メンテナンスに求められるサービス内容を確認できます。また、必要とされていないサービスの検証も可能になります。主要な導入理由に対応する情報発信やサービスメニューの拡充など、事業全般に渡る活用が期待できます。さらに、継続契約の意向を確認することで、顧客との関係性を把握することができます。
顧客満足度調査を通じて、現在のサービス提供状況や今後の改善すべきポイントを把握することができます。また、満足度が低い項目は、対象サービスの弱点と同時に、顧客の潜在的なニーズを表している可能性があることに留意することが重要です。そのため、低評価を受けた項目については、顧客とのコミュニケーションを深め、改善策を検討することが必要です。
ここでは、対象としたITシステムのメンテナンスの「総合的な顧客満足度を知るためのテンプレート」を紹介します。設問は、起承転結の流れにそって構成しています。
・この設問では、「ITシステムのメンテナンス」に関連する情報に触れる主な場面はどこか、認知経路について聞きます。
・この設問では、アウトソーシングするメンテナンスの対象範囲を聞きます。
・この設問では、顧客がアウトソーシングを導入したきっかけ、なぜアウトソーシングが必要なのか、顧客ニーズを聞きます。
・この設問では、アウトソーシング先の選定理由を聞きます。ITシステムのメンテナンスで、顧客がアウトソーシング先に求めるニーズの一面を知るためです。
・これらの設問では満足度を評価する項目の優先順位、その中でも決定要因となる項目は何かを聞きます。
・この設問では、ITシステムのメンテナンス全体の総合的な満足度を聞きます。項目別の満足度との相関を見ることで、顧客が求めるサービスの姿、サービスコンセプトの見直しなどへの活用が可能となります。
非常に満足 | やや満足 | どちらともいえない | やや不満 | 非常に不満 | |
提示予算 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
提示導入所要期間 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
平時のメンテナンス業務仕様 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
メンテナンス情報共有体制 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
メンテナンス品質の向上提案 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
最新のメンテナンスツールを提供 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
最新のメンテナンス情報システムを提供 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
.最適なメンテナンスマニュアルを共有 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
仕様変更への対応要件 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
その他( ) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
・この設問では、今後の強化ポイントと同時に改善ポイントも判断することができます。さらに満足度の低い項目は、顧客の潜在的なニーズを示す可能性もあります。サービス内容によって評価要素は異なりますので、対象のサービスに合わせて評価項目を決定します。
・この設問では、サービスの満足度を背景として、これからの顧客と事業者の関係について聞きます
・サービスやベンダー(事業者)のあり方など、顧客の自由な意見を聞きます。アンケート項目では思いつかない顧客の現場感覚や、サービスに求める事柄、自由な発想での意見が期待できます。
・これらプロフィールについての設問は、顧客が属する業界や事業環境ごとに異なる満足度を把握するためのものです。満足度の評価項目とのクロス分析に使います。
CS調査は、顧客のITシステムメンテナンスサービスの満足度を聞くことで、今後の製品やサービスの改善に導く手段となります。さらに、課題の先取りを読み取る手段として、より付加価値の高い方策を検討する手立てとしての活用が期待できます。テンプレートを使用することで、調査の効率性が向上し、より精度の高いデータを収集することができます。テンプレートは無料でダウンロードしていただけます。ぜひご利用ください。
顧客満足度調査( CS 調査)についてのご相談はこちら>
顧客満足度調査(CS調査)
”顧客満足度調査(略してCS調査)とは、自社の商品ユーザーやサービス利用者から評価・改善点などのアドバイスをいただくための調査です。
顧客が満足する商品・サービスを提供し続け、既存顧客の満足度を維持するだけでなく、新規顧客獲得に結びつけるためにも非常に重要な役割を果たします。また、顧客の「継続購買」や「推奨行動」といった「エンゲージメント」につなげることにあります。
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