2024.11.14
ホームユーステスト(HUT)とは?メリットとデメリット、注意点を解説
近年、商品開発の競争が激化する中で、消費者の本音を知り、本当に求められる商品を開発することがますます重要になっています。そこで注目されているのが、ホームユーステ……
公開日:2023.04.04
顧客満足度調査(以下CS調査)は、その目的によって、あるいはBtoCかBtoBか、業種、職種等の対象によっても質問内容が異なります。ここでは「飲食店」利用者に対する顧客満足度調査のテンプレートについて解説しています。これまでに該当の飲食店を利用したことがある方が調査対象となります。
また、調査の目的や実施時の注意点、アンケート項目設定時のポイント、実施の流れ、調査結果の活用方法についても解説しています。解説したテンプレートは無料でダウンロードできます。
CS調査とは、飲食店として、自店がどのように顧客に評価されているのかを知るための調査です。また顧客との関係性であるロイヤルティの強さ、先々の来店の可能性を知る手立てともなります。CS調査の最終的な目的は、自店の収益の向上、既存顧客の維持確保と新顧客の獲得のための手段を見出すことです。
生活者が飲食店に求める満足度は、社会環境の変化やライフスタイルの変容に伴い、その意味合いに変化が生まれています。少子高齢化とITの進展、SDGsに向けた活動、さらに新型コロナ渦が近年における大きな変容の要因です。その社会環境の変化は、生活者の外食および中食、内食のあり方に影響を及ぼしています。
その状況を反映して、飲食店は美味しい料理を提供するだけでなく、顧客の様々な要望を叶えなければいけない時代となっています。飲食業界の原則であるQSC(Quality/料理・Service/サービス・Cleanliness/清潔さ)を超えて、来店者にどのような感性評価、共感を持って利用してもらえるのか、その追求が重要な課題となります。
生活者の外食には、それぞれの理由と目的があります。家事の軽減、家族団らんや記念日、懇親などですが、いずれにしても飲食店を訪れての食事です。来店者に飲食を提供するというのが基本のビジネスモデルです。それが自宅で有名店の料理を楽しむ、Webでいわゆる「出前」を頼む感覚でデリバリーを利用するなどの中食機会が増加し、飲食業界のビジネスモデルへ影響を及ぼしています。さらに新型コロナ渦で、テイクアウトやデリバリーを加えた新しい飲食店モデルの広がりが加速しています。そのため、外食と中食の境界線を越えたビジネスモデルの検討が必要になっています。
口コミサイトなどグルメ情報が錯綜する今日ですが、業界の様変わりにそった満足度のあり方を知る手段が必要になっています。ここでは「自店」を選んだ理由だけでなく、飲食店の現状を踏まえた満足度を高める要件の検証、現行サービスの改善と新たなサービスの発見を目的としています。
顧客満足度の調査においては、「どのような人」が、「どのような状況」で、「どのような目的や期待を抱いて」飲食店を利用するのかなど、調査の目的をどこに置くのかを明確にすることが重要です。飲食店の業態は非常に幅広く、さらに顧客の食に対する好みやこだわりの移り変わりもあります。そのため、調査目的の設定では、顧客の食に対する意識への考慮も必要となります。
調査の目的によって、調査対象とする顧客層が変わってきます。飲食店の業態ごとの満足度なのか、飲食店の利用目的にそった満足度なのか、さらに料理や飲食サービスに限定した満足度なのかなど、様々な満足度を求める場面が存在します。どの場面における顧客満足度を評価するのか、対象を明確にすることが必要になります。
飲食店を利用する目的は、美味しい料理を楽しむだけでなく、その美味しさを他の人と共有し、喜びを共感したいという期待もあります。その美味しさは、店の雰囲気や同席者に左右されることもあります。そのため、飲食の場で得られた共感を誰に対して、どのような気持ちを伝えたいのかなど、具体的な場面が見えるような項目設計が重要になります。
CS調査では、起承転結の一連の流れがあります。ここでの「起」は利用した飲食店を知るという認知、「承」で利用したのは誰か、どのような目的で、どれくらいの頻度でなどの利用状況を聞きます。「転」は利用する飲食店を決定するという意思決定行動、続いて「結」の実際に来店した飲食店の「満足度評価」とつながって行きます。
単純集計、属性クロス集計、質問間クロス集計などの分析方法を考慮した、適切な回答方式を選択します。
分析に応じて集計・分析軸を設定します。
関係メンバー以外の社内の方に、調査票全体を客観的に検証してもらう必要があります。回答者が回答しやすい表現になっているのか、その確認が大切です。
CS調査の実施は、次のような流れで進めるのが基本です。
飲食店の顧客満足度を聞くことで、自店の強みと弱み、現在とこれからの飲食店としてのあり方も知る機会となります。アンケート調査の一連の流れにそって、活用方法を例示します。
どのような経路で顧客は「自店」を知ったのか、その結果から自店の情報発信効果が検証できます。広告宣伝やHPなど公式サイト、キャンペーン活動などを含め、自店の情報発信の方法を見直す契機ともなります。
顧客が自店を知った経路をたどり、その結果として訪れた来店者の状況を知ることができます。利用目的や同行者の様子、利用頻度は店として期待通りの結果となっているのかどうか、その成果を具体的に示してくれます。自身が想定した顧客が取り込めているのかなど、その成果を見ることで、現在のセールスポイントの強化や発信情報の見直しを図る機会としても活用できます。
顧客はどのような飲食店を選んだのか、誰とどのような目的で利用したのか、さらに店を選んだ理由を重ねることで、顧客が求める飲食店のイメージが確認できます。このイメージと自店の現状との比較が、今後の強化および改善すべき要件の発見へとつながります。その発見は、自店のセールスポイントを充実、コンセプトを進化させる原動力として期待できます。
現状と今後について、優先的に改善すべき顧客の評価ポイントを知ることができます。また満足度が低い項目は、飲食店としての弱みと同時に顧客の潜在ニーズも表している可能性があります。新たなビジネスチャンスを見出す機会として、活用が期待できます。
さらに利用目的や重視点との相関を見ることで、顧客が求める飲食店のあるべき姿やコンセプトなど、気づきを得る機会として期待できます。
ここでは、飲食店の「総合的な顧客満足度を知るためのテンプレート」を紹介します。設問は、起承転結の流れにそって構成しています。
※「自店」の部分に御社の店舗名等を当てはめます。
この設問では、「自店」の情報に触れた主な場面はどこか、認知経路について聞きます。
この設問では、飲食店の業態により、利用目的に特徴が見られるかどうか、検証の意味合いがあります。
この設問では、利用した飲食店の利用者について特徴が見られるかどうか、検証の意味合いがあります。
この設問は、業態、利用目的、利用者それぞれのケースで、利用頻度との関係を見るためのものです。自店が求める顧客層の想定に役立つ情報となります。
この設問では、「自店」を選んだ理由を聞きます。飲食店としてのセールスポイントの一面を知るためです。
【最重視点】
Q7. 「自店」を選ぶ際にもっとも重視した点を教えてください。(お答えはひとつ)該当するQ7の回答例の番号を記入してください。
記入欄( )
これらの設問では満足度の評価で重視する項目は何か、さらに決定要因となる項目は何かを聞きます。
この設問では、「自店」の飲食店全体としての総合的な満足度を聞きます。他の設問と総合的な満足度との相関を見ることで、顧客が求めるサービスの姿、店のコンセプトの見直しなどへの活用が可能となります。
非常に満足 | やや満足 | どちらともいえない | やや不満 | 非常に不満 | |
料理、飲み物の品質 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
料理、飲み物品質と価格の納得感 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
注文から配膳までの円滑さ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
従業員の対応と身だしなみ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
落ち着いて飲食が楽しめる(席の配置やBGMなど) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
清潔で安心して飲食が楽しめる | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
快適さの配慮(バリアフリー、トイレの使いやすさなど) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
継続利用者へのサービス(優先予約、ポイント付与など) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
この設問では、評価項目のそれぞれについて、満足度を聞きます。現在の評価項目の順位から、優先的に強化または改善すべき事柄を見極める手立てとなります。
この設問では、飲食店の満足度を背景として、これからの顧客と飲食店との関係について聞きます。
この「継続利用意向」と「他者への推奨意向」は、「自店」と顧客のロイヤルティの強さを知るための設問です。
飲食店のあり方など、顧客の自由な意見を聞きます。アンケート項目では思いつかない顧客の生活感覚や、飲食の場に求める事柄、自由な発想での意見が期待できます。
F2.年齢(お答えはひとつ)
1.20歳未満
2.20代
3.30代
4.40代
5.50代
6.60代
7.70歳以上
F3.世帯構成(お答えはひとつ)
1.単身世帯
2.夫婦世帯
3.二世代世帯(親・子)
4.三世代世帯(祖父母・親・子)
5.その他( )
F3.職業(お答えはひとつ)
1.学生
2.会社員
3.会社役員
4.自営業
5.公務員
6.団体教員
7.パート・アルバイト
8.専業主婦
9.無職
10.その他( )
これらのプロフィールについての設問は、飲食店の利用目的や利用状況、満足度についてのクロス分析に使用します。飲食店の利用場面と満足度を、より具体的に表現するためのものです。
CS調査は、「自店」の満足度を聞くことで、今後の飲食店のあり方、ビジネスモデルの改善のヒントとなります。飲食店の満足度評価にライフスタイルの変容がどのように影響しているのか、また感性評価をどのように捉えて行くのかなど、今後の課題を見出す手立てとしても期待できます。テンプレートを使用することで調査の効率性が向上し、より精度の高いデータを収集することができます。テンプレートは無料でダウンロードしていただけます。ぜひご利用ください。
顧客満足度調査( CS 調査)についてのご相談はこちら>
顧客満足度調査(CS調査)
”顧客満足度調査(略してCS調査)とは、自社の商品ユーザーやサービス利用者から評価・改善点などのアドバイスをいただくための調査です。
顧客が満足する商品・サービスを提供し続け、既存顧客の満足度を維持するだけでなく、新規顧客獲得に結びつけるためにも非常に重要な役割を果たします。また、顧客の「継続購買」や「推奨行動」といった「エンゲージメント」につなげることにあります。
> 詳しく見る
2024.11.14
近年、商品開発の競争が激化する中で、消費者の本音を知り、本当に求められる商品を開発することがますます重要になっています。そこで注目されているのが、ホームユーステ……
2024.04.08
ネットリサーチは、デジタル社会の利便性を活用する調査手法の一つです。インターネットを介して行われるこの調査は、迅速なデータ収集と効率的な分析を可能にし、従来の調……
2024.10.01
現代のビジネスを取り巻く環境は、刻々と変化しています。企業がこの変化に対応するためには、状況に合わせて迅速に意思決定することが大切です。しかし、これまでのように……
2019.12.05
PSM分析とは、商品・サービスに対する“価格帯”を解析する分析手法です。しかし、具体的にどのようなシーンで活用すべきか?具体的な分析方法は?と迷う方も多いでしょ……