2022.11.24
アスマーク社員対談企画
~企画・開発メンバーが語る~
「チャットインタビューシステム・開発までの道のりとは」
社員紹介 宮城 圭佑(Keisuke Miyagi)営業部 営業2G/チャットインタビューシステム企画・開発担当者 板谷 理恵(Rie Itay……
公開日:2023.08.28
ブランドとは、消費者の心に残る印象や感情、価値観などを表現するものです。ブランドは企業においてとても重要な資産であり、いかに強いブランド力を築くかはマーケティング上の重要課題です。
しかし、ブランド力にはその印象や強弱を把握しにくいという特徴があります。そのため、ブランディングを進めていく中で企業とユーザーの間にズレが生じて、思うようなブランド効果を発揮できなくなるケースが起こる場合があります。
このようなズレの発生を回避するために、ブランドがユーザーにどのように認知されていくかを調べるのが「ブランド評価」です。ブランド評価はブランドがユーザーに与える影響を適切な指標を用いることで、ブランドの価値を測定する手法です。
この記事ではブランド評価の基礎概念を解説するとともに、具体的な応用方法について紹介します。
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ブランドとは企業や商品、サービスなどに関してユーザーが抱く認知や感情であり、ユーザーの購買行動において重要な選択肢や判断基準になります。
ここでは、ブランド評価の意味とその重要性について解説します。
ブランド評価とはブランドがユーザーに与える影響について、適切な指標を用いながらブランドの価値を測定するものです。ブランド評価は大きく経済的価値(ブランド経済価値など)と消費者価値(ブランド力、ブランド・エクイティなど)の2つに分類されます。
ブランド評価は、ブランドの資産価値を把握するだけでなく、ブランドの強みや弱み、競合との違い、市場でのポジションなどを明らかにします。それにより、企業は自社ブランドの価値を的確に把握し、事業戦略やマーケティング施策の立案に役立てることが可能です。
ブランド評価はブランドの価値を測定するために行われ、その価値は経済的価値と消費者価値の2つの側面から測定されます。
経済的価値とは、ブランドを金額に直した場合の価値を算定するものです。ブランドの経済的価値を把握することは、企業財務におけるブランドの重要性を明確にします。また、ブランドの使用料や売買における算定の根拠ともなります。
消費者価値とは、ブランドが消費者にどのようなイメージや影響力を与えているかを測定するものです。消費者価値は、ブランド・エクイティやブランド力などと呼ばれることもあり、マーケティング施策における重要な情報として活用されます。
例えば、ブランドがユーザーにどのような感情を与え、ユーザーのどのようなニーズや欲求を満たしているかなどを分析すれば、ブランディングの方向性や、競合との差別化ポイントなどを明らかにできます。
ブランド価値を評価する方法は、その目的によって様々な手法があります。目的に沿った視点や指標を活用することで、より深い洞察や具体的な分析が可能となります。
ここでは、ブランド評価の方法について、どのように選択すれば良いかについて解説します。
ブランドの評価には、経済的価値と消費者価値の2つの側面があります。経済的価値とはブランドを金額に直すといくらになるか算定したもので、消費者価値とはブランドが消費者にどのようなイメージや影響力を与えているかの測定です。
マーケティング施策立案において重要なのは消費者価値です。消費者価値はブランドの強みや弱み、競合との差別化ポイントなどを明らかにすることができますが、経済的価値のように絶対的な指標はありません。
ブランドの消費者価値を評価したい場合は、自社のマーケティング課題に対して、どのような指標を用いるのが最適かを選択する必要があります。ブランドの知名度を知りたいのであればブランド認知度、ブランドに対するイメージを知りたいのであればブランドイメージが評価すべき指標です。
この他にも、ブランドの社会的責任や存在意義を表すブランドパーパスや消費者とブランドとの親近感を表すブランドアフィニティなどの指標を用いる場合もあります。
ブランド評価を行う際、重要なのは消費者の視点で評価することです。多くの場合、自社で働く経営者や従業員は、自社ブランドに対して様々な思い入れを持ちます。そのため、どうしても消費者とは異なるイメージを持つ傾向にあります。
この状況を例えるなら、子供に対する親の気持ちのようなものです。 親は自分の子供に対して愛情や期待、心配など様々な感情を抱くため、その評価にはどうしても偏りが生じてしまいます。
しかし、子供が成長して社会で働きだしたときには、社会は親と違った基準で子供を評価します。これと似たような状況が、ブランド評価においても起きやすくなります。
市場におけるブランドの価値を決定するのは、自社ではなく消費者です。消費者は自社とは違った基準でブランドを評価します。マーケティング施策における方向性やヒントを得るためには、消費者の評価を正しく知ることが大切です。
そのためにも、ブランドの消費者価値を把握するには、マーケティング調査を行うことが重要です。徹底して消費者の視点に立ったブランド評価を知ることが、価値ある情報分析へとつながります。
ブランド評価の方法には、量的と質的の2つの方法があります。量的側面とは数値で評価する方法で、質的側面とは「こだわりがある」「おしゃれ」など数値では表現できない評価方法です。
量的なブランド評価は、消費者の認知や感情などを数値化することで、ブランドの強みや弱み、競合との差別化ポイントなどを明らかにできます。具体的な調査方法としては、ブランド認知度、ブランド選好度、点数によるイメージ評価などが該当します。
ブランド認知度とは消費者がブランドの名称やロゴを見聞きしたときに、そのブランドを思い出すことができるかの評価方法です。また、ブランド選好度とは、消費者が複数のブランドから自分の好きなものを選ぶ際に、そのブランドをどのくらい好むかを測定します。
通常は数値の把握が難しいブランドイメージについても、イメージを点数評価することで、数値による把握を可能とする評価方法があります。この方法を用いると、ブランドのポジショニングや差別化要因を把握できます。
質的なブランド評価は、消費者の認知や感情を言葉や概念で表現することで、ブランドの魅力や特徴、問題点などを感覚的に理解できます。質的なブランドの評価方法には、ブランド連想や口述によるイメージ評価などがあります。
ブランド連想とは消費者がブランドに関連付けて思い浮かべる言葉やイメージを調査する手法で、消費者がブランドに持つ印象や感情を把握します。
また、口述によるイメージ評価とは、消費者が自分の言葉でブランドに持つイメージを説明する方法です。口述によるイメージ評価はインタビュー形式などで行われ、消費者が持つイメージを深掘りすることで、消費者が求めているニーズや欲求を知ることができます。
ブランドとは本来、抽象的な存在です。そのため、1つの側面だけで評価してしまうと、その的確な価値を見誤る可能性があります。だからこそ、ブランドを量的・質的両面から評価することで、ブランドの評価をより的確に把握できます。
ブランド評価モデルとは、ブランドの金銭的な価値を評価するための枠組みです。ブランド評価モデルにはさまざまな類型がありますが、ここでは代表的な2種類について紹介します。
コストベースのブランド評価
コストベースのブランド評価とは、ブランドを確立するために費やしたコストを合計して評価する方法です。ここでのコストとは、ブランドの開発や維持にかかった費用や投資なで、ブランド名やロゴの制作費用、広告宣伝費用、研究開発費用などが該当します。
コストベースのブランド評価モデルには、比較的簡単で客観的にブランドの価値を算出できるというメリットがあります。しかし、コストはあくまで過去に費やした費用です。そのため、現在の市場でのブランド価値を反映していないという問題点があります。
マーケットベースのブランド評価
マーケットベースのブランド評価モデルとは、市場で販売されている類似ブランドと比較することで、自社ブランドの価値を評価する方法です。マーケットベースのブランド評価では、売上高や利益率、市場シェアなどブランドが持つ収益性や成長性などが考慮されます。
そのため、 現在のブランド価値を把握することができ、市場における優位性や競合他社との比較ができることがメリットです。一方で、市場環境や消費者動向に影響されやすい、類似ブランドとの比較が難しいなどの点を考慮する必要があります。
ブランド評価とは具体的にどのように進めれば良いのでしょうか?
ここでは、ブランドロイヤリティの評価に用いられるNPSという指標を例にして、ブランド評価の進め方について解説します。
ブランド評価の適用事例として、NPSという指標について紹介します。NPSとは「Net Promoter Score」の略で、ブランドに対するユーザーの「推奨意向」を測る指標です。
NPSでは「あなたは友人や同僚に、(ブランドやサービスの名前)をどの程度薦めたいと思いますか?」という質問を行います。選択肢には0(薦めない)~10(薦める)までの11段階を用意し、どの段階にあたるかを答えてもらいます。
その結果、10~9と答えた集団を推奨者(Promoter)、8~7を中立者(Passive)、6~0を批判者(Detractor)の3つに分類し、「推奨者」-「批判者」の割合の差を算出する指標です。
NPS指標が高いほど、顧客がブランドやサービスを他人に薦める可能性が高くなります。 一方、NPS指標が低ければ低いほど、顧客がブランドやサービスから離れる可能性が高くなります。
NPS指標だけだと、ブランドに対するユーザーの「推奨意向」しか分かりません。しかし、この指標と他の情報を組み合わせて分析すれば、ブランドの強みや弱みなどより詳細なブランド評価を読み取ることができます。
例えば、NPS指標と顧客満足度の相関関係を分析すれば、以下のような顧客心理が読み解けます。
このような相関関係を踏まえたうえでインタビューなどの定性調査を行えば、よりユーザーのブランド評価を的確に洞察できます。ブランドへの量的と質的な評価を知ることで、より具体的なマーケティング施策立案へとつなげられます。
ブランド評価の分析を行ったら、次はブランド評価を改善・向上させるステップです。ここでは、ブランドロイヤリティを改善・向上させるための戦略について解説します。
ブランドロイヤリティ向上手法
ブランド評価を踏まえたうえでブランドロイヤリティを高めるには、以下のような手法があります。
好循環サイクルの構築
ブランド評価を高めると、安定した利益を確保しながらブランド力を高めていける好循環サイクルを構築できるようになります。
ここでは、好循環サイクルを構築するための4つのステップを紹介します。
ブランドの価値を高めるためには、ブランド評価の結果をもとに、どのような戦略を立てるかが重要です。その戦略を立案するためには、ブランドに関連する概念を理解しておく必要があります。ここではブランド評価に関する重要な概念として、「ブランドロイヤリティ」と「ブランドストラテジー」について紹介します。
ブランドロイヤリティとは、消費者が特定のブランドに対して抱く忠誠心や選好度です。 ブランドロイヤリティが高いと、消費者はそのブランドの商品やサービスをリピート購入したり、他人に薦めたりなどの行動をとるようになります。
ブランドロイヤリティの高いユーザーは以下のような行動をとるようになります。
ブランドロイヤリティを高めることは、ブランドの長期的な売上や利益の安定化につながります。
ブランドストラテジーとは自社のブランドの目的や方向性やポジショニングなどを定め、どうやって消費者に浸透させていくかを考える戦略です。ブランドストラテジーは、ブランドの価値を高めるための基本方針にあたり、ブランドの存在意義を決定づける重要な方針と言えます。
ブランドストラテジーと混同されやすい言葉にブランディングがあります。両者の関係はブランドストラテジーが上位概念となり、そのもとで具体的にブランドを浸透させる活動がブランディングに当たります。
ここまで、ブランド評価の基礎概念から、具体的な応用方法について解説しました。
ブランド評価は、ブランドが消費者にどのように捉えられているかを知るための重要な情報です。この情報があればこそブランドの現状を把握でき、今後、どのようにブランドを浸透させていけばよいかの方向性が見えてきます。
ブランド評価を的確に実施して、次はブランドを浸透させるステップへと進んでいく。そうすることで、自社ブランドをユーザーのオンリーワンへと成長させることができるようになります。
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