公開日:2023.09.04

【アスマーク×文教大学】一人暮らしの新卒社員の離職意向における学術分析レポート
~大橋洸太郎先生のインタビュー記事を公開~

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2022年の10月に文教大学(湘南キャンパス)の情報学部情報社会学科の大橋洸太郎先生が受け持つ講座にて「マーケティング課題からみる、調査事例セミナー」の登壇をさせていただいたアスマークの学術調査チームが、新たに大橋先生が受け持つゼミ生たちと「一人暮らしの新卒社員の離職意向」についてを共同調査し、その結果を公開しました。
調査における進行・アドバイスをアスマークが、質問紙設計とレポート作成を文教大学が行っております。
当調査は、マーケティングリサーチを学生に学んでもらうことを目的にしており、アスマークの学術調査チームの活動の一環として実施しております。
 

調査概要

調査名 一人暮らしの新卒社員の離職意向における学術調査
対象者条件 ・関東圏在住
・一人暮らし
・関東圏勤務
・入社5年以内の新卒社員
サンプルサイズ 196s
割付 性別、離職検討者・非検討者で均等
※既婚の2名、群馬県在住の2名を除く
調査期間 6/27(火)~7/3(月)
調査方法 Webアンケート
調査機関 株式会社アスマーク

 
 
 
 
離職を考えている理由

 
 
 
 
一都三県内外に実家を持つ対象者の帰省のハードルの程度

 
 
 

 

共同調査企画を終えて~大橋洸太郎先生(情報学部 情報社会学科専任講師)へのインタビュー~

共同調査企画を終えて、ゼミ生を受け持つ情報学部情報社会学科の大橋洸太郎先生にインタビューさせていただきました。

大橋 洸太郎 先生
略歴

2009年 早稲田大学第一文学部卒業
2011年 早稲田大学大学院文学研究科心理学コース修士課程修了
2014年 早稲田大学大学院文学研究科心理学コース士後期課程修了、博士(文学)
2014年 立教大学社会情報教育研究センター助教
2018年 文教大学情報学部情報社会学科専任講師

研究分野
心理統計学、多変量解析、社会調査、データサイエンス

著書
・日本心理学諸学会連合心理学検定局 心理学検定一問一答問題集[B編] 実務教育出版(2016, pp.274-286)
・村上征勝 監修/金明哲・小木曽智信・中園聡・矢野桂司・赤間亮・阪田真己子・宝珍輝尚・芳沢光雄・渡辺美智子・足立浩平 編 文化情報学事典(2019, pp.662-665)

 

大橋ゼミの研究テーマについて教えてください

世の中に対する疑問を明らかにし、客観的なデータを取得・分析しながら、その結果を用いて対話をするための素養を身に付けることをテーマ・目標として活動を行っています。

振り返ると今回の離職意識に関するテーマも、教員と学生がブレイン・ストーミングを行う中で、地方出身者も少なくない大学生達が、自分たちがこのまま関東圏に就職した場合に心細くないか、また、今のようにスマートフォンゲームで遊ぶ余裕は残されているのだろうかという素朴な疑問から生まれたものでした。

ごく近い将来に、彼彼女らの多くは新卒生となっていることでしょう。その将来像に抱く疑問に対する答えを、エビデンスドベース(Evidenced base)な対話が求められる情報社会において見つけてもらいたい、そのために必要な環境を用意してもらいたい。そのような思いでゼミ活動を行っています。
 

大橋先生が学生に求めるものは?

1つ目は「協働できる姿勢と技能」です。私の所属する学部・学科では「プロジェクト・マネジメント」の基礎を育むカリキュラムがあり、それを学んだ学生たちがやってきます。私自身はその専門ではありませんが、ゼミナール活動の開始学年までに学生達は、課題達成に向けていかにチームとして取り組み、成功を収めるか。その基礎的な技能を習得してきます。今回の企画はアスマークさん、本物の企業様とのコラボ事業です。これを成功させようという姿勢をまずもってもらい、学んできた技能を一分なりとも発揮してもらえたら嬉しいと思っています。

2つ目は「データの取得に対する姿勢とその取扱い方」です。データの取得には資金や時間、労力等、様々なコストがかかっており、基本的にその時に聞きそびれてしまった内容は後から取り返すことは難しいという性質があります。限られた資源を大切に、その中で自分たちの知りたいことを明らかにするにはどのような質問項目を用意し、どのような結果が得られると期待されるのか。得られたデータをどのように分析し、結果として表すのか。その結果からどのような意見を考察として述べられるのか。チームとしても、できれば個人としても、このようなことができる人材になってほしいと思っています。
 

学生の取組み姿勢から感じたこと

 

 
 
初めての取組でしたが、チームとしてよく頑張ってくれたと感じています。コミュニケーションを取ることが上手な学生達は、全体の音頭を取ってくれたり、ざっくばらんに意見を述べてくれたりして、話しやすい、意見を述べやすい雰囲気を作ってくれていました。また、苦手な作業を担っていた学生を自身の小チームに取り込み共に作業にもあたってくれて、ありがたかったです。一方、実直さが取り柄の学生達は、私が出した課題以上に作業に取り組んでくれたり、意見を問えば思っていたことをきちんと述べてくれたりと、着々と成果をあげていってくれました。また私が忘れていた業務にも気付いてくれて、裏側でサポートしてくれていたりと、こちらもとてもありがたかったです。
私も含め、個々人には長所と短所がありますが、お互いにそれを補い合いながら結果報告に繋げられたと思っています。
 

今回の企画を通して感じたこと

アスマーク様のデータ取得に至るまでの間のサポートの厚さを感じました。今回は学生の前期の授業期間を使って取り組ませて頂きましたが、テーマ設定、調査対象の設定、質問項目の設定、実査に渡って何度もやり取りをさせて頂きました。私達が考えたテーマについて真摯にとらえ、適切な調査対象やサンプルサイズ、加えた方が良い質問項目、聞き方を変えた方がよい選択肢、画一的な回答になってしまう自由記述型質問項目があることなど、誤字・脱字を見る以上の、長年調査データに関わってきたからこそ分かるアドバイスを頂くこともできました。
 

調査結果について

年齢、婚姻、子供の有無、居住形態、新卒・中途採用の別、就業年数、現在の居住地域、勤務先の地域といった部分まで条件を揃えた上で離職の意向のある男性100名、女性100名のデータを取得することができ、各群が抱える孤独感や就業上の不満の程度について、既存のしっかりとした尺度に基づいて得点化をすることができました。コラボをすることによって、今回のような貴重なデータを得ることができましたので、もし引用を考えて下さる方がいらっしゃったときのために、紙面でもこの結果を報告できるように準備したいと思っております。
 

調査会社に求めるもの

今回、改めてスクリーニングの力強さを感じました。調査データを用いて仮説の検討を行う際には、交絡の問題の考慮は避けて通ることができないと思います。例えば、「コミュニケーションがとりやすい相手」に対する家族の選択肢の選択率は、対象が「一人暮らし」か「家族と同居」しているかで異なる可能性があります。また、恋人と同居している場合は一人暮らしに当たるのか、子供の有無で離職の意志が変わるのか等、サンプルに対して、あらかじめ条件を絞っておくことができるのは、実験を行う際に群間の統制を行うように、交絡の問題を緩和する良い手段だと思います。このようなスクリーニングができる力が調査会社の強みの1つではないかと思います。

また、このほかに求めるものがあるとすれば、既に実装されている部分もあるかと思いますが、例えば選ばれた対象を経時的にモニタリングし、例えば、200名の孤独感の変化を追うなど、縦断的なデータを取得しやすいパッケージがあると良いと思います。
 
 
 
大橋先生、今回もありがとうございました。
 

執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク 営業部 マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

アスマークの編集ポリシー

【アスマーク×文教大学】一人暮らしの新卒社員の離職意向における学術分析レポート

アスマークの学術調査チームが文教大学(大橋ゼミ)と共同で実施した自主調査。
調査における進行・アドバイスをアスマークが実施し、質問紙設計とレポート作成を文教大学様にて実施しています。
「一人暮らしの新卒社会人」の離職意向の有無によって、「帰省の阻害要因」「コミュニケーションをとる相手」「孤独感・幸福感・職務満足度」などでどのように差異が生まれるのかを大橋先生およびゼミ生の皆様が学術的に分析・考察しています。

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【アスマーク×文教大学】
学術調査チームが講演、「マーケティング課題からみる、調査事例セミナー」
~大橋洸太郎先生へのインタビュー記事を公開~

2022年10月24日、文教大学(湘南キャンパス)にて情報学部情報社会学科の大橋洸太郎先生が受け持つ「調査集計法B」の講座にて、アスマークの学術調査チーム(富田、曽我部)が「マーケティング課題からみる、調査事例セミナー」と題し、セミナー登壇させていただきました。
当講座は、マーケティングリサーチを学生に学んでもらうことを目的にしており、アスマークの学術調査チームの活動の一環として実現に至りました。

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