2024.01.19
学術調査チームが語る~学術調査のいろは~
学術調査には独自の要点や注意点が必要であり、アスマークではそれに対応すべく学術調査チームを立ち上げ、現在では年間約500件の学術調査プロジェクトに取り組んでいま……
公開日:2024.02.13
会場調査は、製品やサービスの開発において不可欠な情報を提供する重要な手法の一つです。その裏で、実査チームがどのような役割を果たし、どのように調査を成功へ導いているのか。
アスマークでは業界トップクラスの会場調査リクルート実施件数により、豊富な経験とノウハウを培ってきました。今回、そんな会場調査(CLT)チームのリーダーとして活躍しているお二人にインタビューを行い、会場調査の舞台裏を交えながらチームの役割と会場調査成功の要因についてお話いただきました。
パネリスト
近藤 里帆(Riho Kondo)
・所属:実査部CLT G第1チーム
・役職:リーダー
橘内 真琴(Makoto Kitsunai)
・所属:実査部CLT G第2チーム
・役職:リーダー
インタビュアー
東川 亜紀(Aki Higashikawa)
・所属:マーケティングコミュニケーションG 営業推進チーム
東川:初めにチームの役割と主な業務について教えてください。
近藤:CLTチームは会場調査を専門とした実査チームです。
主な業務としては、「クライアントとの打ち合わせ」から「調査設計」「実査準備」「実査」「集計・納品」等、ご相談段階からご納品まで、案件をハンドリングすることです。お客さまとのお打ち合わせから同席し、最適な調査方法をご提案したり、その調査を実現するための備品準備や調査票作成をしたり、終了した調査のアウトプットを確認したり、と業務範囲は多岐にわたります。相談段階からご納品まで一気通貫で担当するため、調査をした商品が実際に発売された時は、とても嬉しい気持ちになります。
東川:店頭に並んでいたりCMで流れているのを見ると嬉しいですよね! 続いて、チームの紹介をお願いします。
近藤:現在9名のメンバーが在籍しています。通常では、1人で1案件担当するということが一般的だと思いますが、CLTチームは、例えば「実査を得意とする人」「集計を得意とする人」というように、それぞれのスペシャリストが集まったメンバーで構成されているため、1つの案件を複数人で協力し合いながら進めるケースが多いです。
打ち合わせに出たり、実査に出たり、備品準備をしたりと、日々忙しなく動いているチームで、オフィスに全員揃うことはレアですが、コミュニケーションを密に取り合いながら、それぞれの持ち場で責任感をもって取り組んでいます。
東川:お二人の担当ポジションについても教えてください。
近藤:私は年間案件をお任せいただいているクライアントの主担当として、案件のハンドリングをしています。この案件は毎週実査があるので、滞りなく実査・納品を行えるように社内の各関係者と連携をとったり、適切な調査設計で毎週実査を行えるようにクライアントとも毎日コミュニケーションをとっています。
橘内:私は年間案件・新規案件に関らず、実査の運営を主に担当しています。
受注前の営業さんとの相談から始まり、クライアントとの打ち合わせ、タイムテーブルや調査票の作成、調査員や備品の手配、実査当日までに必要な準備から当日の運営まで一連の流れを行っています。
東川:お二人ともリーダーという役職ではありますが、リーダーとしての役割はいかがですか?
橘内:お客様の窓口をリーダーが担当しています。先陣を切ってやるのがリーダーだと思うので、自分で動くようにしています。持ち場がそれぞれ違うためメンバーの業務をすべて把握しているわけではありませんが、何か困ったことがあった際は報告や相談をもらうようにしています。
近藤:私の方は年間案件のチームで動いているので、メンバーが持っている仕事や進捗は随時把握するようにしています。コミュニケーションは積極的にとるようにしています。
東川:両チームコミュニケーションを大事にされているということが伝わります。東京以外でも実査があると思うのですが、出張等もありますか?
橘内:私はたまにありますね。様々な地域で実施していますが、事業所がある大阪や福岡で実施することが比較的多いですね。
東川:次に、スケジューリング方法について教えてください。
橘内:営業メンバーが案件の相談をとってきて、そこから実査対応可能日を確認して、逆算してスケジュールを組みます。実査日だけでなく、その前後のデータ処理や画面作成、リクルートとの兼ね合いもありますので、加味しながらのスケジューリングになります。当日のタイムテーブルは、人数や調査概要で一斉進行であったり五月雨式であったりが変わってくるので、タイムテーブルは基本的には打ち合わせに参加した担当者が作成します。
東川:所要時間はどのように算出されているのでしょうか?また、会場調査に適した所要時間はありますか?
橘内:クライアントと話し合い、意見を摺合せていく中で設問数や呈示物のボリューム感をある程度固めた上で算出します。CLTは100案件あれば100通りの方法があるので、希望のデータをベストな状態で取れる時間で行うので「この時間が適正である」というのはないです。ただ一般的な試食調査やパッケージ調査であれば、クライアントの意見をしっかりと反映できるかつモニターも飽きがこない時間の設定で30分~45分程度が多いです。
東川:30~45分だと調査票の設問数としてはどのくらいですか?
橘内:SA、MA、FAで全く変わってくるのですが、大体30~40問ぐらいかと思います。
東川:事前準備についても教えてください。
橘内:はい、事前準備は案件ごとに多種多様で、食品の買い出しから棚の作成まで幅広く行っています。より良い調査にするには事前にどれだけ意見をすり合わせて細かく準備をできるのかが重要になってきます。紙を切って貼り合わせたりすることもあります。
東川:紙の切り貼りについてもう少し詳しく聞かせてください。
橘内:クライアントが印刷してきたパッケージ画像を店舗の棚のように作成することもあるんですね。例えば「この商品は〇個売れました!」みたいなポップとかあると思うんですが、そういうのを持参された際は幅や高さを合わせて見栄えを気にしながら展示したり、組み立て前の模型の箱を持参された際は両面テープで貼りながら模型を作ったりもします。
東川:お店に置いてある状況を再現するために色々と工夫されているのですね。事前準備といえば、サンプルの買い出しはどのようにされているのでしょうか?
橘内:オンラインで購入することもあれば、直接足で出向いて買いに行くこともあります。
東川:比較製品が多かったりすると、かなり大変な作業になるんじゃないですか?
橘内:本当にそうですね。この数を用意するのかってぞっとする時もあります(笑)100個以上集めなきゃいけないとか、おにぎり40個×3種類買うとか、店員さんもびっくりですね!
東川:足りない場合は店舗をはしごするのでしょうか?
橘内:基本は賞味期限を揃えたいので、事前に予約して集めるのですが、どうしても集まらない時ははしごして集まるまで何店舗でも回りますね。
東川:賞味期限を揃えたいというのは、どのような理由からですか?
橘内:レストランではなく調査なので、なるべく全員が同じ状態で同じものを食べてもらうっていうのが前提にあります。大変な手間ではありますがそこは細かく揃えるようにしています。
東川:素晴らしいですね!テスト品の管理方法はどのようにされていますか?
橘内:地下倉庫があるので大型のものはそちらへ運んだり、食品であれば業務用の大型冷蔵庫や冷凍庫の用意があるので、温度設定を変えたり、ルームにあるモニタリング室を冷房19度で冷やしておにぎりや常温だけど冷暗所保管することもあったり、商品にあった保管方法で管理しています。
東川:テスト品をいただく際の注意事項等はありますか?
橘内:温度管理や衝撃に弱いものなのかなどは、確認が必須です。食品であれば賞味期限なども注意が必要です。
東川:テスト品が届かなかったなどのトラブルもあるのでしょうか?
橘内:本当にたまにですがありますね。物はあるけれど物流の関係で届かない場合は取りに行ったこともありますし、クライアントが送り忘れた場合は最悪中止や延期することもありますね。テスト品が届かないというのは大トラブル事項にあたりますので、そういうことがないようクライアントと発送については十分に擦り合わせさせていただきます。
東川:当日スタッフについても教えてください。
橘内:社員やパートだけでなく、提携している外注先から調査員を派遣してもらいます。若い時に調査会社で働いていた方などベテラン勢も揃っています。
東川:ベテラン勢が揃っているのは心強いですね!調査員の方のコントロール方法も重要なポイントとなると思いますがそちらについても教えてください。
橘内:インストラクションの際は、なるべく細かく・重要なことはしつこく・動線を確認したりデモンストレーションの要素も加えて、分かりやすく動きやすいように行っています。“明るく・厳しく・正しく”伝えることを意識しています。
東川:“明るく・厳しく・正しく”伝えるってシンプルですがとても良い言葉ですね!そのように伝えることを意識している理由はありますか?
橘内:やはり調査って細かいところまで気にして欲しいところがあるので、ここは絶対に行くように!ここは絶対に見落とさないで!と、どうしても詰め込みすぎないといけない状況になるんですよね。でも厳しくしすぎてしまうと逆に緊張して聞きたいことが聞けなかったり、見落としたりすると思うので、“明るく”絶対に聞こうね!というように、プレッシャーをかけないように伝えています。
東川:指導をする上で大切なことですよね。とても勉強になります。
橘内:クライアントも参加したりするのであまりにも言いすぎると雰囲気の悪いインストラクションになってしまうんですよね。盛り上げるという意味でも明るさは大事にしています。
東川:調査進行時のポイントを教えてください。
橘内:誰にでも一目見てわかるように、なるべくシンプルに調査票を作ることが大切です。シェルフの使用や見本の確認で、モニターが立ち上がったりする動作が発生する際は、調査員とモニター両側からの動線も考えながら会場を設営します。
東川:当日急なトラブルに見舞われることもあると思うのですが、どのように対処されていますか?
橘内:トラブルが起きることは多いので、今できることで何がベストなのかを考えて、手間を惜しまずピンチはチャンスの気持ちで動いています。急遽必要になった備品を会社にいるメンバーに探してもらったり、電車に乗って持って来てもらったり、データを送ってもらうこともあるのでチームの協力体制が抜群に整っていることも、トラブルを乗り越えられる大きな理由です。
東川:本当にチームワークが良いのが伝わってきます。次に対応可能な調査について教えてください。
橘内:基本的に出来る範囲内であれば、食品、飲料、日用品、ゲーム、電化製品、アプリ開発など何でも引き受けます!!!相談や事前の打ち合わせの内容を社内で話し合い調べたりしながら、シミュレーションをしてみて慎重に検討しています。
受けてみたけどできませんでした、、、は調査会社として許されないと思うので、難しい調査の際はその分野に詳しそうな他部署の方に相談したりもします。
東川:この調査は大変だった!というエピソードはありますか?
橘内:大変なことは沢山あったのですが、クライアントが特定出来てしまいそうなので、、、しいていうならばコロナ過での実査の運営ですかね。皆の意識が自粛に向いている中で、どう安全に進めていくのかが課題でした。備品の消毒や二酸化炭素の測定、人数の制限、空気清浄機の追加導入などできることは全てやりつくしていたかと思います。
東川:すごく苦労しながら運営されていたのですね。今はコロナも明けていますが、コロナの際に導入された運営で今も続いているものはありますか?
橘内:コロナ前は一つのテーブルに二人座って実施していましたが、今は一つのテーブルに一人という形で、なるべく人との距離は保つようにしています。参加者の不安を少しでも取り除ければという思いで、それはコロナが明けても継続しています。
東川:案件数も大きく減ったのではないかと思いますが、今はいかがでしょうか?
橘内:今は戻ってきたというか、逆にコロナ前を超えてきた位の件数で入っていますね。
東川:コロナの間対面での調査はお客様も我慢されていたと思うので、その反動でしょうか?
橘内:そうだと思います。コロナが明けて、昨年の夏くらいからCLTルームが三ヶ月先まで常に満員という形で予約をいただいています。
東川:それはありがたいですね!
東川:アスマーク会場について紹介してください。
近藤:アスマークの本社と同じビル内にあるので、印刷や備品など臨機応変に対応が可能です。文具から家電まで幅広く保有しています。電力もその他外部会場と比べて多くとっているのでそこも強みです。電子レンジでしたらMAX10台同時に回すことも可能です。また、専用のキッチンがあるので、その場で調理した出来立てほやほやのサンプルをモニターへ提供することも可能です。
東川:試飲・試食調査において適温かつ全員に同じ温度で提供することはとても大事ですもんね。提供時の温度管理で何か工夫されていることはありますか?
近藤:試食やアンケート回答をするスピードがモニターによってバラバラなので、モニターのアンケートの進捗状況を見ながら、調理開始時間をずらして、全員にできたてのものを提供できるように管理しています。その他にも、製品によっては中心温度を計ったり、提供時間から逆算して前もって下準備をしておくなど、モニターを待たせることなく、一番良い製品の状態で提供できるように常に管理しています。
東川:まるで飲食店みたいですね!
近藤:そうですね。できるだけ一番おいしい状態で食べてもらえるように心がけています。
東川:キッチン以外にアピールポイントはありますか?
近藤:渋谷にありますので、立地的に一都三県の各方面からモニターが集まりやすい環境となっています。また、CLTルーム内に一つお部屋がありますので、当日クライアントが実査に立ち会いにいらした際には、控室としてご使用いただいたり、会場調査に参加したモニターをピックアップして15分程度のミニインタビューを行ったりすることも可能です。
東川:1日どのくらいのサンプル数が実施できますか?
近藤:調査内容にもよりますが、シンプルな内容であれば1日で最大110サンプル程度の実施が可能になっています。
東川:アスマーク会場以外でも実施することもあると思うのですが、その際に気をつけているポイントはありますか?
近藤:外部会場になると忘れ物が一番痛手になります。会社に取りに帰ってきたり、最悪買いに行ったりできるものであればいいんですが、取り返しがつかなくなることもあるので、備品の準備リストを作って持ち忘れがないよう十分に気をつけています。
東川:チームとしての今後の課題や目標を教えてください。
橘内:チームとしての目標は「世界一の実査チーム」です!夢が大きいと言われるかもしれませんがこれは全然冗談ではなく本気で目指しています。
一口に世界一と言っても色々な方向からありますが、実査のクオリティ、臨機応変な対応力、欲しいデータが取れるようなお客様目線での提案、調査票の見やすさ・回答のしやすさなど挙げれば沢山ありますが、痒い所に手が届くお客様に寄り添った、かつ調査会社としてプライドを持って、ハイレベルな環境で実査ができるように日々自分たちのスキルを磨いています。やる気だけはすでに世界一のチームだと思います!!!
東川:世界一の実査チーム、応援しています!近藤さんはいかがですか?
近藤:橘内さんが言った通り、「世界一のCLTチーム」を目標に掲げ、対応力のあるチーム作りをしていきたいと思っています。CLTチームは2015年に立ち上がりましたが、その当初からどんな難しいご相談やご要望に対しても、決して「できない」とは言わず、まずできる方法を考えるというマインドを培ってきました。今後もそのマインドをもって、お客様からの満足度の高いCLTを実現していきたいと思っています。
インタビューを通して、会場調査を支えるCLTチームの熱意とプロフェッショナリズムに触れることができました。
試食や試飲調査における温度管理や提供方法に対する細やかな配慮や工夫、テスト品の管理や備品準備に至るまでの徹底した準備と計画性はとても印象的でした。常にクライアントやモニターのニーズに寄り添いながら調査を行っていると強く感じました。
“明るく、厳しく、正しく”伝える指導方針や、トラブルに直面した際の臨機応変な対応と前向きな考え方はチームの成果にも繋がっていると思います。常に高みを目指す彼女たちの成長と、世界レベルの実査チームへの更なる飛躍を期待しています。
2024.01.19
学術調査には独自の要点や注意点が必要であり、アスマークではそれに対応すべく学術調査チームを立ち上げ、現在では年間約500件の学術調査プロジェクトに取り組んでいま……
2020.04.14
「ロイヤルカスタマー」=「ファン」と定義されることが多いのですが、そもそも「ファン」というものを、みなさんはどのように解釈されているでしょうか。 熱狂顧客……
2020.09.23
はじめに 情報番組や新聞、雑誌などで、「〇〇世代」と耳にすることが多くないでしょうか? 「団塊の世代」「バブル世代」などや、当社でも以前紹介させていただいた……
2024.06.14
モニターリクルートは、市場調査やデータ収集のプロセスにおいて非常に重要な役割を果たします。アスマークでは自社パネルを保有しており、年間約7~8万人のリクルートを……