2023.04.24
介護サービスの利用者満足度アップに向けて:CS調査テンプレートを解説
介護サービスは、高齢化社会が進む中でますます重要になってきています。利用者満足度を向上させることは、利用者の家族や関係者にとっても大きな意味を持ちます。しかし、……
公開日:2025.01.09
昨今、商品やサービスはあふれる中、顧客の心を掴む魅力的な商品開発は、企業にとって重要な課題の1つだと考えます。しかし、いざ新しい商品やサービスのアイデアやコンセプトを考え、用意したとしても、それが実際にターゲットから評価され、売れるかどうかを開発前に予測することは非常に難しいです。もし、ターゲットのニーズとずれた商品を開発した場合は、市場での成功は難しいのが現実でしょう。
そこで、登場するのが「コンセプト調査」です。手探りや予想でターゲットのニーズを予測するのではなく、より良い意思決定をするには、ターゲットに直接聞くことが必要です。商品コンセプト案がターゲットのニーズに応えているものになっているかどうかを検証するための調査が「コンセプト調査」となります。
そんな「コンセプト調査」について、本記事ではコンセプト調査の基本から、見積り例、スケジュール例などを解説しています。この記事でマルっと『コンセプト調査』についてわかる内容となっておりますので、コンセプトを考えるときの参考として、ぜひお役に立てください。
コンセプト調査とは、商品やサービスのアイデアや方向性がターゲット市場にどのように受け入れられるかを評価するための調査です。この調査は、商品化やプロモーション前の段階だけでなく、上市後の見直しを定期的に行うことで、競合との差別化ができているかを確認し、戦略の方向性を修正するための重要な指標となります。
『コンセプト』とは、製品やサービスの基盤となるアイデアや価値を表現したものであり、ターゲット層がその製品やサービスを選ぶ理由や魅力に直結します。そのため、顧客視点に立った説得力のある明確な表現が求められます。
しかし、ありがちな失敗例として、コンセプトが曖昧なまま製品やサービスを市場に投入してしまうケースがあります。この場合、売上結果を見ても「何がターゲットに響いて売れたのか」「何が響かず売れなかったのか」が不明確なままとなり、次の施策に迷うことになります。
伝えたいメッセージや競合との差別ポイントが明確であるコンセプトほど、市場での競争優位性が高まり、ブランドや製品の成功につながります。そのため、コンセプト調査は競争の激しい市場において欠かせないプロセスと言えます。
コンセプト調査には、主に「製品コンセプト調査」と「広告コンセプト調査」の2種類があり、それぞれ目的や内容が異なります。以下では、その特徴と重要性を解説します。
製品コンセプト調査は、製品自体の基本アイデアや提供価値がターゲット市場に適しているかを評価する調査です。この調査では以下のポイントが検証されます。
これにより、消費者にとって製品の利点や価値が十分に伝わるかどうか、ターゲットに響くかを判断し、価格設定や販売戦略に活かします。
調査結果は、製品の改善案や方向性を具体化し、マーケティング戦略を立てる上での重要なデータとなります。
広告コンセプト調査は、広告のメッセージやビジュアルがターゲット層に効果的に伝わっているかを確認するための調査です。具体的には以下を検証します。
この調査の結果は、広告クリエイティブやメッセージをターゲットに適した内容に最適化するのに役立ちます。また、ターゲットに響く広告設計、最適なチャネル選定やメディア戦略を構築するための指標となります。
コンセプト調査は、『受容性調査』の一環として、ネーミング、価格、デザイン評価などを含めて実施されることが多くあります。この調査を通じて、製品やサービスが市場でどのように受け入れられるかを多角的に把握することが可能です。以下に、調査を通じて明らかにできる主なポイントを解説します。
自社スタッフだけでコンセプトを考えていると、「消費者が求めている」ではなく「自分達が売りたい」コンセプトになりがちです。コンセプト(受容性)調査では、魅力度、好意度、斬新度、理解度、ユニーク度、購入意向等様々な指標を段階的に評価し、消費者に伝わる部分、伝わっていない部分を指標別で把握することでブラッシュアップの方向性を定めることが可能です。
以下に、コンセプト調査を行った結果と、そこからの活用方法の事例を紹介していきます。
コンセプト調査を行うにはいくつかの手法がありますが、調査方法を選ぶ際にはそれぞれの手法の特徴を理解し、調査目的、明らかにしたいこと、ターゲット属性から総合的に判断することが求められます。何をどこまで知りたいのかだけではなく、実施に掛かるコストやスピードも選定の重要なポイントです。
以下に、コンセプト調査を行う上での手法ごとの特徴について詳しく解説していきます。
項目 | 内容 |
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手法の特徴 | ネットリサーチはコンセプト調査で最も活用されている調査手法です。定量データを収集するのに優れていることに加え、ニッチなターゲットでもある程度の母数を見込めることや、まだ製品化されていない商品でもアンケート画面にてサンプル画像で表すことができることも強みです。 |
費用感 | 他の手法に比べ、比較的コストを抑えやすい手法です。設問数や回収サンプルサイズを最小限に抑えることで費用調整が可能です。一方で調査企画や調査票の質が調査の質に直結するため、部分的に調査会社へ委託し質を担保することもお勧めです。 |
スピード感 | 他の手法に比べ、比較的短い納期の対応も可能です。調査企画、設問設計、レポート作成は一定の期間が必要なため、方向性を事前にしっかり決めておけば、納期を早める対応も可能です。 |
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項目 | 内容 |
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手法の特徴 | グループでの対話形式により、消費者が持つ潜在的なニーズや感情を深堀したいときはグループインタビューがお勧めです。コンセプトに対する認識や価値の感じ方がどう異なるかといった多様な意見が引き出されやすく、他の参加者の意見から影響を受けることで、新たな視点が得られることが特徴です。この手法は、初期段階のコンセプト検証や改善案を検討する際に有効ですが、意見が他者の影響を受けやすい為、バイアスを最小限にするためにモデレーションの工夫が求められます。 |
費用感 | 非常に安価にできるという手法ではありませんが、サンプルサイズを調整したり、モデレーションやレポート部分を自社で対応する等すれば費用調整は可能です。オンラインインタビューにすれば会場費も抑えられる為、調整設計が費用削減の鍵となります。 |
スピード感 | 費用感と同様に、他手法と比べて短納期とまでは言えませんが、インタビューフローや対象者条件をはじめから固めていればスピーディーな進行も可能です。ヒアリング対象者の割付数によってサンプルサイズも変動するため、調査設計とインタビュー人数の設定は注意が必要です。 |
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手法の特徴 | 会場調査は、消費者がコンセプトを実際に体験することで、視覚や触覚を通じたリアルな反応を得るのに向いています。特にサンプル製品やプロトタイプに対する消費者の反応が見えるため、コンセプトの具体的な魅力度やインパクトを把握しやすく、定性的なデータも収集可能です。また、参加者の非言語的な反応(表情や仕草)も観察できるため、直感的な受容性を評価しやすいのも特徴です。 |
費用感 | 定量的な分析に耐えられる人数を呼集するため、コストがかかりやすく一般的な調査手法の中ではコストは高い傾向にあります。どのような割付で調査をするか、試用や試食も同時にやるのか等によって調査時間やリクルート人数を調整することも可能なので、企画を進める段階で概算予算を把握し、実査を委託する会社に事前に相談しておくと良いでしょう。 |
スピード感 | リクルート人数が多くなるため、他手法に比べて余裕を持ったスケジュールが求められます。対象者の出現率によってもリクルーティングのスケジュールが変わるため、ターゲット選定も重要なポイントです。 |
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コンセプトを作成する場合、基本的に複数のコンセプト案を作成しその中から絞り込んでいく作業が発生します。調査実施の際、消費者は情報がない状態からコンセプトのみを見て考えて判断しなければならない為、見落とされがちですが、実は調査対象者の負荷を考慮した調査設計も大きなポイントです。
コンセプトの提示数は、調査対象者の集中力や記憶力を考慮し、3案程度に絞るのが理想とされています。これにより、全案で公平性を保った評価が可能となります。
例えば、あるメーカーが新商品コンセプトを8案提示した調査では、回答者が案を混同してしまい、後半の案が記憶されず正確な評価が得られないというケースがありました。適切な提示数を選ぶことで、データのばらつきを防ぎ、精度の高い結果を得ることが可能です。すべての案を提示したい場合は、段階的に複数回に分けて調査を行うなど、柔軟な対応を検討しましょう。
調査において、コンセプトの提示順も重要な要素です。人間は、最初に提示されたものを基準として評価する心理傾向があるため、公平性を保つには提示順をローテーションすることが効果的です。
ある食品メーカーの調査では、有力な案を常に最初に提示した結果、その案が高評価を得る一方で、後の案が過小評価される傾向が見られました。次回の調査でローテーションを実施したところ、各案の評価が均等化し、より信頼性の高いデータが得られました。
ただし、提示数や調査対象者の特性によって、ローテーションが必須ではない場合もあります。提示内容に応じて適切に判断しましょう。
コンセプトシートの仕様を統一すること、 聴取項目と選択肢を定型化すること、意思決定の指標を明確化すること等で、全社的に一貫した意思決定が可能となります。
コンセプト調査を行う企業は多いものの、評価基準や調査方法が統一されておらず、部署や担当者ごとに異なるアプローチが採られています。共通の判断軸がないと、製品やサービス毎に意思決定にバラつきがありナレッジが溜まりにくくなってしまいます。標準化が進むと、企業全体の意思決定精度が向上し、商品開発の成功確率を高めることにもつながります。更には、統一された基準に則って誰もが同じレベルで調査設計ができるため、現場の労力を削減できる点も大きなメリットです。
調査が簡易化されれば、担当者は本来のコア業務である商品の開発や売上拡大に専念できるようになります。
一度の調査結果だけで判断するのではなく、リトライや再検討のプロセスを設けることで成功の確率を上げることが可能です。
コンセプトテストの結果が期待通りでない場合、その理由を深掘りすることで、新たな改善点が見つかる可能性があります。テスト内容や対象者の設定、調査手法などに見落としがある場合や、アイデアの磨き上げが足りなかった場合に、企画内容の見直しやコンセプトの表現方法の変更により大きく反応が変わることもあります。
例えば、ネットアンケートで良い結果が得られなければ、アンケート結果からネガティブな反応を示したターゲットセグメントに、何故そう思うのか、どうすれば改善されるのかを深掘りするインタビューを行っても良いかもしれません。良い結果が出て上市した後でも、消費者ニーズや市場環境は常に変化しているため、事前にタイミングを決めて定点調査を行っていくことも売れ続ける商品づくりのポイントです。
コンセプト調査のアウトプットは、様々な形があります。部分的にピックアップしてご紹介していきます。
商品コンセプトを「印象評価」「利用意向」「購入意向」毎に自社と競合を比較することによって、自社商品の現状を客観的に把握し、強みを活かし弱点を補う戦略を立案しやすくなります。
下図の「印象評価」を例にとると、自社コンセプトがほぼ全ての項目で競合コンセプトを上回っていますが、注目すべきは、『目新しい』のスコアのみ競合を下回っている点です。その他の要素は競合を上回っているのでOKとする判断もあれば、製品は『目新しさ』を強みとして打ち出していく予定だったとすれば、今後の戦略にも影響がある部分の為、早急な対策が求められます。
このアウトプットは、「ポートフォリオ分析」という手法を用いた例です。この手法を使うことで、コンセプト案を「魅力度」や「新規性」の観点から評価し、他社と比較して優れている点や劣っている点を4象限に分けて可視化することが可能です。
今回の例では、プラチナピーチというゼリードリンクのコンセプト調査を実施しました。その結果、「多くの美容成分をバランスよく摂取できる」「飲みやすさ」を重視したコンセプトは4象限の右上の『他にはない魅力エリア』にプロットされ、高く評価されました。一方で、機能や成分の詳細を強調したコンセプトは、左下の『改善の余地ありエリア』にプロットされ、魅力度や新規性が薄くターゲットからの評価が低いことがわかりました。この調査結果を踏まえ、成分や機能を強く訴求するのではなく、シンプルに『おいしさ』や『飲みやすさ』を訴求することが、効果的な方向性であると結論付けることができました。
自由記述設問の内容をまとめることによって、定量的な選択肢では拾いきれない『第一印象』を拾い、消費者が考えている具体的な意見やアイデアを直接知ることができます。
消費者は自分の感情を言葉にできないケースが多く、選択肢を作ることで近い選択肢を無理に選んでしまうこともあります。特に消費者が商品に対して抱いている『感情』を言葉として得ることができ、商品の感性的な魅力を確認するヒントになります。
下図の事例では、『肌へのダメージが少なそう』『使いやすそう』といったポジティブな意見がある一方で、『効果が少なそう』というネガティブな意見がありました。これらは表裏一体の感想でもあるため、コンセプトの方向性を振り切るのか、パッケージやその他の要素でネガティブ要素を緩和するのか等を判断する材料となります。自由記述設問は回答者への負担が高いことや、全体傾向の把握はできず定量的な分析をするには時間やコストがかかる為、聴取目的をしっかりと精査して設置することが重要です。
ネットリサーチを例にとって費用感と費用を考える上でのポイントを解説していきます。
調査概要 | |
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対象者条件 | 全国/男女/20~60代(10歳刻み)/チョコレート菓子を週1回以上自購入 |
設問詳細 | 本調査500サンプル・25問以内/スクリーニング5,000サンプル・7問以内 |
見積り例 | |
企画・調査票作成費用 | ¥150,000 |
スクリーニング費用 | ¥65,000 (5,000ss回収/7問) |
基本費用 | ¥380,000(500ss/~25問) |
集計費用 | ¥50,000 (GT/クロス集計) |
レポート費用 | ¥270,000(サマリ+標準レポート) |
合計 | ¥915,000 |
費用を考える上で以下3点が重要です。
前述のネットリサーチ案件を例にとり、スケジュール例とスケジュールを考える上でのポイントをご紹介します。
スケジュールのポイントは、以下3点です。
コンセプト調査のサービスの詳細はこちら
アスマークでは、コンセプト調査サービスを提供しております。商品コンセプトが消費者ニーズに合っているか、関心が示されるか、魅力・強化すべきところはどこか、改善点はないか、などを確認することを目的とした調査です。
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ここまで、商品やサービスのアイデアがターゲット市場にどのように受け入れられるかを評価するための調査「コンセプト調査」について解説しました。
コンセプト調査を行うことで、開発中もしくは上市後の製品やサービスがターゲットのニーズに一致しているか、どこまで理解が得られているか等を知ることにより、今後のマーケティング施策の方向性を検討したり、コンセプト自体の見直しをしたりすることが可能になります。
消費者は、時代の流れとともに変化していきますので定期的な実施をすることがオススメです。
コンセプト調査についてのご相談はこちら>
コンセプト調査の調査票作成のポイント【テンプレート付】
「これは絶対に売れそうだ!」と思える、新しい商品やサービスのアイデアやコンセプトがあったとしても、それが実際にターゲットから評価され、売れるかどうかを、開発前に予測することは非常に困難です。このような課題に応えてくれる「コンセプト調査」。設問の意図の解説つき【テンプレート】を公開しました。
下記に当てはまる方にお薦めの資料です。
● 「コンセプト調査」を実施予定
● 「コンセプト調査」のやり方が分からない
● 簡単に「コンセプト調査」をやりたい
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商品コンセプトの作り方と調査のコツ・検証方法まで事例を交えて解説
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