公開日:2015.08.01
- 小売・外食
プライベートブランド(PB)に関するアンケート調査
ナショナルブランドとプライベートブランド、8割以上の人は「価格が安いほう」を選ぶ
これまで、 PB 食品パッケージは「製造所固有記号」の使用が認められ、消費者がパッケージを見ただけでは、生産者がわからない商品があった。しかし、 2015 年 4 月「食品表示法」が施行され、ここから 1 年後の 2016 年 4 月には、新しい基準に基づく「製造所固有記号」が施行される。新基準では一部の例外を除き、原則として製造所固有記号を使用せず、製造所(又は加工所)の所在地、製造者(又は加工者)の氏名又は名称を表示することになっている。
そもそも消費者の製造元に対する意識はどの程度なのだろうか。また PB 食品を選ぶ基準はなんだろうか。
そこで今回は、今までに PB 食品を購入したことがある 15 ~ 69 歳の男女 480 名に対して 調査を行った。
まずスクリーニング調査を行い PB 食品の購入経験をみると、 PB 商品の購入率が高かったのは、「菓子」「パン」「飲料(アルコールを除く)」が高い。反対に PB 商品に忌避があるのは、「化粧品」「電化製品」「シャンプー・ボディーソープなど」などであった。
次に、ナショナルブランド(以後 NB と表記)とプライベートブランド(以後 PB と表記)が同じメーカーで作られているとわかった時にどちらを選ぶか尋ねると、 8 割以上は「価格が安いほう」であった。 NB 選好率は 15 ~ 19 歳が最も高く、 40 ~ 49 歳までは年齢が上がるほど減少傾向にあるが、 50 歳以降は NB 選好率が高くなる傾向がみられた。
NB 選好者と価格が安いほうの選好者を比較すると、 NB 選考者は、安心感やいつも買っているなど普段の製品への信頼から商品を選んでいる。価格が安いほう選考者は、余計なコストがかかっていない、同じメーカーなら味・品質はかわらないなど、より合理的な判断から商品を選択している。
PB 食品の重視点は、「価格」「味・おいしさ」「品質」が上位である。 60 ~ 69 歳は「品質」「原産国・製造国」「原材料・添加物」「製造元」などが高く、安全性を重視している傾向がみられる 。 NB 選好者は、「価格」よりも「品質」を重視している。
次に、 PB と NB で比較してどちらにより当てはまるかを尋ねると、「価格が安い」「コストパフォーマンスが良い」では PB 食品が圧倒的に高い。 NB 食品では「品揃えが多い」「パッケージデザインが良い」が高い傾向がみられる。
NB 選好者でみると、「おいしい」「信頼できる」「品質が良い」「原産国・製造国に安心感がある」「原材料に安心感がある」などでは NB 食品が半数以上と高い傾向がみられる。NB 選好者でも、「価格が安い」「コストパフォーマンスが良い」は、 PB 食品が圧倒的に高い。
PB と NB の店頭希望割合を<スーパー>でみると、最も多いのは「 PB と NBは同じ位 」で、次に多いのは「 NB メインで PB も多少」であった 。年代でみると、 60 ~ 69 歳は NB メインが高い。
<コンビニエンスストア>もスーパーと同様で、最も多いのは「PB と NB は同じ位」、次いで「 NB メインで PB も多少」だが、スーパーよりも PB メインの割合が高い傾向がみられる。
いずれの店頭も PB・NB 共に店頭にはどっちもあったほうが良く、同程度か NB メインで多少 PB が、消費者からみて店頭の品揃え構成としては支持されているようだ。
最後に製造元の確認について尋ねると、「たまに確認する」も含めると約 8 割は製造元を確認するという結果であった。年代が上がるほど確認する割合は高くなる傾向がみられる。 NB 選好者は、ほぼ全員が製造元を確認している。
製造元の確認理由としては、「知っているメーカーだと安心するから」が最も高く、次いで「製造している地域が気になるから」、「安全性に不安があるから」。50 ~ 59 歳は特に「知っているメーカーだと安心するから」が高く、保守的なことが伺える。NB 選好者は「安全性に不安があるから」が最も高く、半数以上であった。
現在、 15 ~ 69 歳の 7 割近くの人が何らかの PB 食品の購入経験があり、PB 食品は私たちの生活に身近な存在になっている。店頭では PB 食品が占める割合が増え、NB 食品よりもプレミアム感のある PB 食品も発売している。
本調査でもあったように、価格以外の NB と PB の評価は「どちらともいえない」が 5 割ということから PB 食品も品質やおいしさは NB 食品と同程度のレベルと評価されていることがわかる。一方で食品の安全性への意識の高まりもあり、制度の改正も進められ、企業側が変化を余儀なくされている。
今後も PB 食品の開発は進んでいくことと思うが、今後一層、企業側が消費者の意識の変化に柔軟に対応することが求められていくだろう。
スクリーニング調査結果(一部抜粋)
対象者属性
性別 N=698 | |
---|---|
年代 N=698 |
SC.あなたが、ご自身で購入したことがあるものを全てお知らせください。その内、プライベートブランド(PB)商品を購入したことがあるものを全てお知らせください。また、もしあなたが今後プライベートブランド(PB)では購入したくないものがあればお知らせください。(それぞれ複数選択可)
PB商品の購入率が高かったのは、「菓子」65.0%、「パン」49.1%、「飲料(アルコールを除く)」47.9%と続く。PB忌避があるのは、 「化粧品」13.0% 、「電化製品」12.3%、 「シャンプー・ボディーソープなど」11.3%であった。
Q1.あなたが普段、ナショナルブランド(NB)商品を購入している食品で、同じメーカーで製造されている似たような内容のプライベートブランド(PB)商品があったら、どちらを選びますか。(1つ選択)
8割以上は「価格が安いほう」であった。NB選好率は15~19歳が最も高く、40~49歳までは年齢が上がるほど減少傾向にあるが、50歳以降はNB選好率が高くなる傾向がみられる。
Q2.あなたは、プライベートブランド(PB)の食品を購入するときに製造元を確認しますか。(1つ選択)
「たまに確認する」も含めると約8割は製造元を確認するという結果であった。その内、必ず確認すると回答したのは17.3%で、60~69歳では31.3%が必ず確認するであった。年代が上がるほど確認する割合は高くなる傾向がみられる。NB選好者は、ほぼ全員が製造元を確認している。
調査概要
調査名 | プライベートブランド(PB)に関するアンケート調査 | |||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
対象者条件 | 全国、 15 ~ 69 歳、 『PB 食品 』 を自分で購入したことがある | |||||||||||||||||||||
調査項目 |
|
|||||||||||||||||||||
サンプルサイズ | 480s | |||||||||||||||||||||
割付 |
|
|||||||||||||||||||||
調査期間 | 2015年8月19日(水)~8月21日(金) | |||||||||||||||||||||
調査方法 | インターネット調査(アスマークの自社モニター ) | |||||||||||||||||||||
調査機関 | 株式会社アスマーク |
調査対象
性別 N=480 | |
---|---|
年代 N=480 | |
未既婚 N=480 | |
居住地 N=480 | |
子供の人数 N=480 | |
職業 N=480 | |
世帯年収 N=480 | |
同居家族 N=480 |
調査結果の引用・転載について
- 本レポートの著作権は、株式会社アスマークが保有します。
- 引用・転載される際は、必ず「アスマーク調べ」と出典を明記してご利用いただくようお願いします。
- その際、引用・転載される旨を当社までご一報ください。
- 調査の内容の一部または全部を改変して引用・転載することは禁止いたします。
- 自社商品の宣伝・広告・販促を目的とした使用を検討されている場合は、必ず事前に当社までご相談ください。
- 引用・転載されたことにより利用者または第三者に損害その他トラブルが発生した場合、当社は一切その責任を負いません。