公開日:2015.06.01
- インターネット
メッセージアプリのマナーに関するアンケート調査
急ぎの用事があるから…「迷惑かもしれない」と思いつつ、半数の人がメッセージを送っている
「迷惑かもしれない」と思いつつ、半数の人がメッセージを送っている
やっと眠りについたころに鳴る携帯、朝から送られてくる重い内容のメッセージ、仕事中なのに何通も繰り広げられるメッセージのやり取り…。「不快、嫌だ、迷惑だ。」とまでは思わなくても、「微妙な心境」を感じる人は、多いのではないだろうか 。電話からメール、メールから LINE等のメッセージアプリ変遷していく中で、いつでも、どこでも気軽に連絡をとれる便利さが増す一方、相手の状況を気にする心遣いやマナーはどんどん薄れてきているのではないだろうか。気にすることが正しいのか、そもそも気にしなくてもいいツールとして認識されているのか、20代~40代の社会人を対象に、マナー意識について調査を実施した。
まず、メッセージを送ってきて欲しくない状況があるか問うと、85%の人が送ってきて欲しくない状況があることが分かった。その状況として最も多かったのは、男女共に「就寝中」だが、男性は3割強に対し、女性は5割弱と、1割以上差が出る結果であった。また、男性は、「勤務中」「通勤中」と、就労時に関わる状況が上位に挙がるのに対し、女性は「身支度中」「就寝前」が上位に挙がり、ここでも男女の違いが現れた。
続いて、実際に「あまり送ってきて欲しくない状況」に送られた時の不快感を尋ねると、「不快」と言い切る人は1割強、「やや不快」が半数で、4割弱は「何とも思わない」と不快に感じつつも、メッセージが来ることを許容している様子が窺えた。しかし、6割強がその相手次第では、不快感を増すことがあると回答しており、最も不快感を増すのは「あまり親しくない友人(同性)」で、身近な人ほど許容できると感じる人が多い様だ。
また、相手にとって迷惑な状況かもしれないと思いつつもメッセージを送ることがあるかを問うと、半数が「送る」もしくは「たまに送る」と回答しており、理由として最も多いのが「急ぎの用事があるから」で6割強、2番目が「相手の都合のいい時に読んでもらえばいいから」で6割弱となり、「メッセージアプリの音が鳴らない等、設定していると思うから」「携帯電話の音が鳴らない等、設定していると思うから」の自己防衛については、1割以下という結果であった。
今回の調査結果から、「メッセージアプリ」の受信タイミングについて、ほとんどの人は送ってきて欲しくない状況があるにも関わらず、自身の行動については、迷惑かもしれないと思いつつも「送ってしまう人」と、「送らない人」で二分する結果となった。また、送ってしまう理由として「相手の都合のいい時に返信してくれればいいから」と考えており、「着信音が鳴ること」で迷惑がかかることには、配慮されていない様子が窺えた。
アプリ、スマートフォン本体には、着信音を設定する機能が充実しているが、まだ自己防衛をする習慣がある人は少なく、マナー意識の強い人に対し、自分本位に行動しすぎると、印象や関係が悪化する可能性すらありそうだ。便利ツールとはいえ、最低限のマナーと配慮は必要なのではないだろうか。
調査概要
調査名 | メッセージアプリのマナーに関するアンケート調査 | ||||||||||||
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対象者条件 |
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調査項目 |
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サンプルサイズ | 300s | ||||||||||||
割付 |
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調査期間 | 2015 年 6 月 29 日~ 7 月 1 日 | ||||||||||||
調査方法 | インターネット調査(アスマークの自社モニター ) | ||||||||||||
調査機関 | 株式会社アスマーク |
調査対象
性別 N=300 | |
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年代 N=300 | |
居住地 N=300 | |
職業 N=300 | |
婚姻状況/子有無 N=300 | |
スマートフォン保有 N=300 | |
連絡頻度(家族仕事関係除く) N=300 | |
メッセージアプリ主利用端末 N=300 |
Q1.ここからは、メッセージアプリ(LINEやカカオトーク等)の利用に関して伺います。
あなたは、「あまりメッセージを送ってきて欲しくない」と思う状況がありますか。あてはまるものをお知らせください。(複数選択可)
Q2.Q1で、「あまりメッセージを送ってきて欲しくないと思う状況はない」と、お答えになった理由をお知らせください。(複数選択可)
■最も多い理由は「返信は自分のタイミングでするから」で70.2%。 n=47
次いで「自分の都合で読めばいいから」が63.8%と続き、好きな時に、確認・読めればいいと考えていることがわかった。また、受信時の設定を変えている人はわずか1割に留まった。
Q3.Q1でお答えいただいた、「あまりメッセージを送ってきて欲しくない」と思っている状況でメッセージが届いた時のあなたのお気持ちに当てはまるものを、お知らせください。(1つ選択)
■「不快」「やや不快」(計)は、どの年代でも60%を越えた。 n=253
一方で、「何とも思わない」人が、各世代35%前後存在した。また、性年代では「不快」「やや不快」(計)には、差が見られないものの、「不快」と言い切る人は男性でやや多い傾向が見られた。
Q4.では、「あまりメッセージを送ってきて欲しくない」と思っている状況で、メッセージが届いた時、【不快】または【より不快】に感じる相手はいますか。(複数選択可)
■20代女性では、「あまり親しくない友人(異性)」だと不快さが増す人が、半数以上。 n=253
全体よりも約20ポイント上回った。さらに「相手が誰でも気持ちは変わらない」は、全体よりも10ポイント下回っており、20代女性は相手によって気持ちに変化が大きいことがわかった。一方、30代、40代男性は、「あまり親しくない友人(異性)」が全体よりも10~20ポイント程低く、男女の意識に大きな差が見られた。
Q5.あなたはメッセージアプリ(LINE・カカオトーク等)でメッセージを送信する際、相手の状況を考えますか?あてはまるものをお知らせください。(1つ選択)
■「必ず考える」「たまに考える」(計)は、全体で71.7% N=300
40代女性では、「必ず考える」「たまに考える」(計)が、84.0%と全体を10ポイント以上、上回った。
Q6.あなたは、相手にとって迷惑な状況かもしれないと思いつつも、メッセージアプリ(LINE・カカオトーク等)でメッセージを送ることはありますか?あてはまるものをお知らせください。(1つ選択)
■全体では「送る」「たまに送る」(計)が、53.3% N=300
Q5で相手の状況を考える人が最も多かった40代女性は、「送らない」がどの年代より高く46.0%、「迷惑な状況はないと思う」が0%と思いやりの意識の強さが伺えた。
Q7.「相手にとって迷惑な状況かもしれない」と思いつつも、メッセージを送ってしまう理由をお知らせください。(複数選択可)
■急用を除くと、最も高い理由は「相手の都合のいいときに読んでもらえばいいから」で56.9% n=160
迷惑かもしれないと思いつつ送ってしまう理由は、上位2つが主な理由となり、急用だけに限られない結果となった。また、「メッセージアプリの音が鳴らない等、設定していると思うから」「携帯電話の音が鳴らない等、設定していると思うから」の、自己防衛については、それぞれ1割以下に留まり、音が鳴るかもしれないと思いつつも送られている状況が窺える。
Q8.最後に、メッセージアプリの、ルールやマナーについてのお考えを、ご自由にお書きください。(自由記述)
N=300
■返信の早さに関して
- すぐに返信する( 男性 20 代 )
- その日のうちに返信する。( 女性 30 代 )
- 基本メッセージが送られてきたらなるべく早く返信するようにしている。 ( 男性 40 代 )
- ルールはとくになく、自分の好きな時に返信や既読にすればいいと思います。 ( 女性 20 代 )
- 気づいたときに読んだり返信すればよい( 男性 30 代 )
- 返事を急がないし、相手にも求めない( 女性 30 代 )
■既読に関して
- 既読スルーはしないこと。時間帯をわきまえる。( 女性 30 代 )
- 既読スルーはよくないと思う ( 男性 20 代 )
- 簡単に連絡を済ませたいタイプなので、既読無視は全然気にならない。むしろ既読がわかるので返信はいらない。( 女性 20 代 )
- 既読 になったからって返事を催促しない( 女性 20 代 )
■時間帯や状況に関して
- 仕事中はひかえる ( 女性 40 代 )
- 時間帯を気をつけている ( 男性 40 代 )
- 就寝中は、止めて欲しい ( 男性 40 代 )
■ 内容に関して
- 簡単にやり取りできるからといって、いい加減な内容や文章で送らない。( 女性 30 代 )
- 礼儀を重んじる ( 男性 40 代 )
- 言葉遣い ( 男性 30 代 )
- 一方的にはならないように する ( 男性 30 代 )
■その他
- 自由でいいと思う ( 男性 30 代 )
- 特になし。電話じゃないし自由に好きな時に送ればいい ( 男性 20 代 )
調査結果の引用・転載について
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■「あまりメッセージを送ってきてほしくない状況」1位は、男女とも「就寝中」であった。 N=300
男女別に見ると、男性が33.3%、女性が46.7%と、女性のほうが、「就寝中」に「あまりメッセージを送ってほしくない」と思っている人が10ポイント以上多い結果となった。また、男性は、2位「勤務中」3位「通勤中」5位「仕事の休憩中」と、女性に比べて仕事の時間に抵抗がある様子がうかがえた。