アンケート調査とは、定型の質問票を用いて多数の方に回答してもらう定量調査のことを指すのが一般的です。マーケティングリサーチの中でも実施頻度の高い調査方法です。
一方、調査票を用いないインタビュー形式の調査は定性調査と呼ばれ、言葉や情報をアウトプットとし、アイデア出しやテーマの深掘りの際に用いられます。これらはアンケート調査に含まないことが一般的です。
アンケート調査は数的データとして結果を出すことが出来るため、客観的な裏付けやエビデンスとしても活用することができます。
街頭調査や郵送調査などオフラインで実施する方法に加え、インターネットを利用したオンラインアンケートの実施も増加しています。調査手法によってそれぞれ特徴があるので、目的に応じて使い分けることが重要です。
アンケート調査にはいくつかの調査手法があり、それぞれ実施方法が異なります。調査手法により押さえるべきポイントが異なりますので、まずは、調査目的や予算、納期などから、どのタイプのアンケート調査が適しているのか確認する必要があります。
これらの、調査票という設問文と選択肢を用いるアンケートの場合は、回答データは数値で落とし込むことができる定量調査と呼ばれ、データとして傾向やまとまりを把握する上で用いられます。
アンケートには、質の高いデータが集まり、得られたアンケートデータがマーケティング戦略の意思決定の判断材料となりうるアンケートと、せっかく集めても質の低いデータが集まり、不正確で、知りたいことが分からない、利用価値の低いデータとなってしまうアンケートがあります。
「質の高いアンケート」と「質の低いアンケート」にはどんな違いがあるのでしょうか。解説していきます。
あまり違わないよう思えるかもしれませんが、細かく見ていくと以下の点が正確なデータを集める妨げになっているのが分かります。
Q1は分かりにくいかもしれませんが、誘導的な質問になっています。「~に賛成ですか」と聞かれると「賛成です」と答えやすくなります。同様に「~を良いと思いますか」と聞かれると「良いと思います」と答えやすくなります。そのため、Q1は誘導的な質問と言えます。
Q2は主語が抜けています。この聞き方ではあなたご自身のことなのか、あなたの家族のことなのか分からず、回答者はご自身のこととして答える人や、ご家族のこととして答える人が出てきて、正確なデータが集められません。
Q3は「普段」という言い方が曖昧で、人によって解釈が変わり、直近の1週間のこととして答えたり、1か月あるいは3ケ月くらいのこととして答えたりすることが考えられます。そうすると答える人によって期間の認識が違うので、正確なデータとはなりません。
Q4は一つの質問の中でお弁当と清涼飲料水お二つのことに質問しています。お弁当と清涼飲料水で購入頻度が違った場合に、回答者はどちらのことを答えれば良いのか判断ができず、正確に答えることができません。
Q5はコンビニエンスストアではよく売れているため、重要な選択肢と考えられるお弁当が選択肢に入っておりません。選択肢に偏りがあると正確な回答を得ることができません。
このようにアンケートの調査票は、ただ聞いてみたいことを並べるだけではうまくいきません。それでは「質の高いアンケート」はどのように作ればよいのでしょうか。以下の「アンケート調査票の作り方」のページで詳しく解説しています。
アンケート調査は、短期間で大量の回答を集めることができる一方、あまり作りこまれていない調査票で実施してしまうと目的とズレた、でたらめな回答ばかり集まってしまう結果となります。
アンケート調査全般に言えることですが、表現の一言一句を含め、調査票の作り方によって回答者一人一人にとって意味の捉え方が異なってしまいます。さらに、欲しいデータを得るためには、どのような回答者属性の方にアンケートを答えてもらう必要があるのかも十分考慮しなければなりません。
また、そもそもの大前提にはなりますが、「何の目的で」アンケートを実施し、「そのデータをどう活用したいのか」をしっかりイメージした上で、調査票を作りこまないと「こんなデータが欲しかったんじゃない」という結果に陥ってしまいます。
そのため、アンケートから得られるデータの質を向上させるためには、調査票を作成するスキルが何より重要です。調査票がアンケートの全てといっても過言ではありません。
上記を十分考慮し、アンケート調査を心掛けてみましょう。
アンケート調査の流れは、「調査の設計企画」「調査票作成」「実査」「分析・レポーティング」の大きく4つの段階に分けることができます。
調査の設計企画では、マーケティング課題から調査の目的に合わせて適切な調査の計画を行います。調査手法の選定など調査の方向性を決定するフェーズのため、最も重要な過程と言っても過言ではありません。
次の調査票の作成では、実際にモニターに回答してもらう質問文や回答の選択肢を作ります。文章の書き方によって無意識に回答を操作してしまうこともあるため、慎重に検討する必要があります。
実査はアンケート調査の実施を指します。郵送調査の場合、回答や配送に時間がかかるため数週間以上かかることもあります。一方、ネットアンケートなら数時間で完了させることも可能です。
調査が終了次第、結果の分析を行います。簡単な表集計から統計学を用いた複雑な分析まで様々です。レポーティングは、分析をもとにマーケティングに活用しやすい形に落とし込むことを指します。分析結果をインフォグラフィックにまとめたり、社内で共有しやすいように資料化したり必要に応じて利用することが可能です。
ネットリサーチの場合は以下の流れになります。
アスマークでは、調査のご相談をいただきましたら、まず、お客様が抱える課題の共有のため、丁寧にヒアリングさせていただきます。「今回どのような経緯でアンケート調査をされることになったのか?」といった、調査の背景等をお伺いして、お客様がどんなマーケティング課題を解決しようとされているのかを共有させていただきます。ご相談の中で、調査の目的、調査課題を探っていき、どんな手法が最適なのか(調査手法)、誰に訊けばいいのか(対象条件)、どのくらいの人数に訊けばいいのか(サンプルサイズ)、どんな質問をすればいいのか(設問項目)等をご提案いたします。
調査設計からのご相談の場合は、社内リサーチャーがヒアリングさせていただき、調査の企画設計から実査後の報告書の作成までトータルにサポートさせていただきます。また、調査の一部、お客様が必要な部分のみをご依頼いただくことも可能です。例えば、「集計のみ」、「報告書作成のみ」のような部分的なご依頼もできます。Web画面をお客様で手配済み場合は、Web画面への「回答者の誘導のみ」のサービスもございます。グループインタビュー、デプスインタビュー、会場調査のようなオフライン型の調査の場合でしたら、「対象者のリクルートのみ」をお受けすることも可能です。このように自社でできることは自社で実施することで、無駄なコストが削減できるだけでなく、より重要なところにコストをかけることができます。
20~34歳女性150名へ8問のアンケートをWebアンケートで実施した場合の料金例です。
条件: | 一都三県、有職者、出勤時に毎日コンビニエンスストアを利用する方(出現率8% ※弊社自主調査より) |
有料オプション: | 単純集計、クロス集計(1集計軸)、標準レポート |
¥180,000(税別)
基本料金: | ¥75,000 | (150名、8問以内) |
スクリーニング料金: | ¥35,000 | (2,000名、7問以内) |
単純集計料金: | ¥10,000 | (10問以下) |
クロス集計料金: | ¥20,000 | (10問以下、1集計軸) |
標準レポート料金: | ¥40,000 | (¥5,000×8問) |
(税別) |
※スクリーニング料金は、出現率を元に試算しております。(150名÷出現率8%=1,875名)