ブランドの健康診断:STEP2

購入の実態を把握する(POSデータによる消費者の行動を把握)

STEP2:購入の実態を把握する(POSデータによる消費者の行動を把握)

市場の状況を踏まえたうえで、今度は消費者側からブランドの状況を確認し、自社ブランドが現在抱えている課題を洗い出す。

  1. 消費者パネルデータから購買量を分解する
    ⇒購買量を「間口」(購入している人の多さ)と「奥行き」(購入者あたりの購入量)に分解することで、そのブランドの特徴がみえる。間口は「購入率」、奥行きは「購入者あたりの購入個数・金額」として、競合とともにプロットすることで、大まかな分類が可能(下記参照)
消費者パネルデータから購買量を分解する
Cにプロットされたブランド =買う人に広がりはないが、1人当たりの購入量は多く、リピート・ロイヤルティの形成に成功している状況 Aにプロットされたブランド =多くの人にトライアルもリピートもされている状況
Dにプロットされたブランド =買う人が少なく、1人当たりの購入量も少ない。リピート、ロイヤルティの育成も不十分な状況 Bにプロットされたブランド =多くの人がトライアル購入しているが、量的にはまだ改善の余地がある状況 リピート購入の率が少ないのか、ロイヤルティの育成不足か、ヘビーユーザーをつかまえられていないのか

リサーチデータから購買量を分解する

トレンドでの比較

売り上げやシェアとともに、購入率、購入者あたり購入量の動きをトレンドで把握し、ブランドの買われ方(購入率)に変化がないかを確認。新規ユーザー(トライアラー)、従来は買っていたのに買わなくなってしまった人(ストッパー)の率を把握することによって、トライアラーを獲得できているか、固定ユーザーからの流出はないかといった視点で、購入者の行動のトレンドを確認し、危険信号をいち早く察知することができる。

競合との比較

ボリューム層、優良顧客(リピーター)が獲得できているかをみるために、次のような指標を競合と比較しながらみていくことも必要!

  • ・売上・シェアや購入率などの指標
  • ・購入者のプロファイル(特性)の比較
  • ・ロイヤルティ(カテゴリー購入総量に占める自社ブランドの割合)の比較
  • ・量層構造の比較(ヘビーユーザーをどれだけ取り込めているか)
    ※パレートの法則(売り上げの8割は2割の顧客が生み出している)

その他に、以下の項目もwebアンケートをデータ取得し、分析しておきたい項目です。

新規の購入者は取り込めているか、一度購入してくれた人は定着しているか、他のブランドとの行き来など、競合との関係性の中で見ていくことも重要 2期間を設定して追う購入者の動きや、主要ブランド間での流出入の動きなどは、消費者パネルデータ(POSデータ)から確認できるが、webアンケートでも大枠を捉えることは可能。 浸透状況を定点で観測することにより、ブランドが順調に育っているか、購買プロセスのどこかに障害が生じていないかを確認する。