2020.12.15
日本のマーケティングリサーチ20年の変遷
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公開日:2020.10.22
近年、先日のコラム(モノを持たない消費)で紹介したように、「コト消費」を求める人が増えていました。
※「コト消費」とは、商品・サービスによって得られる経験に価値を感じて消費をすること
ただ、SNSで、体験のシェア・配信が増えることにより、「コト消費の疑似体験」ができるようになり、”人と違う体験する”ことが難しくなってしまいました。
そこで新たな消費スタイルとして、価値が出てきたのが「トキ消費」です。
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「コト消費」と違う点は、
”参加型”で、”二度と同じ体験ができず”、”貢献した”という実感ができる点です。
※博報堂生活総合研究所より
2020年、新型コロナウイルスの影響で、ライブやイベントなど、リアルな体験ができなくなり、「トキ消費のオンライン化」が加速しています。
アーティストの音楽ライブ配信にとどまらず、同じ趣味や嗜好を持ったファンミーティング、スポーツのリアルタイムオンライン指導、オンラインサロンはコロナ前と比較して増加しています。
さらに、ライブ配信アプリ17LIVEの調査によると、”ライバー”という生配信を行い、主に投げ銭を収入源とする職業がコロナ禍において倍増しているという結果が出ています。
オンラインでの「トキ消費」の特徴として、リアルな「トキ消費」よりも、配信者や一緒に参加している見知らぬ人と、より直接的な交流がはかりやすいことではないでしょうか。
チャット上でファン同士コメントしあったり、配信者と直接やり取りしたりと、場所や立場を選ばず、参加者が自ら発信し、レスポンスを受けることで”自分がその場に貢献している”ことをより実感できていると考えられます。
最近の音楽ライブで例えると、事前にファンからもらった応援メッセージ動画や録画したコールを、ライブ中に音楽に合わせて流したり、配信中に見ているファンの映像をステージのバックに映したりと、会場にいなくても参加者がそこにいる実感ができる工夫がされています。
「放送・配信」と考えると、どうしても一方的になりがちですが、オンライン化により”交流”ができるようになりました。今後5Gが普及すればこうした動きも加速していき、アタリマエになってくるでしょう。トキ消費はデジタルの進化とリンクしているといえます。
今後、5GやVR/ARを利用したイベントも増えていくかと予想されますが、今後求められる「トキ消費」は、”リアルな体験よりもリアルな交流”ではないかと思います。
もしコロナウイルスが終息して、ライブやスポーツ観戦が生で気軽に見ることができるようになっても、会場の参加者同士や、選手やアーティストへオンラインを通じて直接メッセージを送ることができたりと、その時その場所にいるだけでなく、”その時その場所で交流を行う”ことに価値を置かれるかもしれません。
イベント参加者の交流により、よりその場にいる人が共感し、より価値を感じ、そのコンテンツの消費が増えていくのではないでしょうか。
共感は、ファンを増やし、ロイヤルユーザーの獲得にもつながります。
トキ消費は、エンターテインメントだけではありません。
2017年に某ハンバーガーチェーン店では、売上最下位のメニューの生き残りをかけたキャンペーンを行いました。対象期間中にその商品の売上が全メニューのうち8位以内に入ればメニュー継続、入らなければ販売終了というもので、SNSを通じてリアルタイムに売上状況を配信していました。
その結果、そのメニューの売上は、キャンペーンの前の3倍以上にも跳ね上がり、見事メニュー継続となっています。
他にも、
といった、キャンペーンが実際に行われています。
また、直近では中国を中心に、「ライブ・コマース」が注目されています。
※企業やインフルエンサーが生配信で紹介した商品をその場で購入するイベント。
これらも「トキ消費」と言われていますが、企業と消費者が交流を行い、消費者が”自分が参加することで貢献できる”と実感できたために、得られた消費ではないでしょうか。
プラットホームも増え、企業・ユーザー共に直接交流することが容易になっています。
ユーザーの声を反映することで、共感を得られ、企業のファン獲得・ブランド力向上にもつながると考えられます。
※参考資料
2020.12.15
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