2020.01.14
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Garbage In Garbage Out(ガーベジ・イン・ガーベジ・アウト)という言葉をご存知ですか?不正確なデータを入力すれば、不正確なデータが出力される……
公開日:2020.11.30
周知のとおり、TwitterやInstagramといったSNSのユーザー数は年々増加しています。
情報収集行動においても、若年層を中心に「ググる」(Googleでキーワード検索する)から「タグる」(SNSでハッシュタグ検索する)へ変化していると言われており、企業にとっては各種webサイトや広告媒体と同等かそれ以上にSNSにおける広報活動が重要になると考えられます。
SNSを活用したマーケティングには、「アカウント運用」「広告出稿」「インフルエンサーマーケティング」などいくつかの手法がありますが、今回は企業が情報をコントロールすることができて低コストで発信可能な「アカウント運用」についてお話ししていきます。
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SNSの「アカウント運用」とは、企業の公式アカウントを運用して自社に関する情報発信を行うことです。アカウント運用者は一般的に「中の人」と呼ばれ、SNS担当者としてプライベートを織り交ぜながら情報発信するものもあれば、ブランドを擬人化してユニークな発信をするものなど、そのキャラクター設計は様々です。
SNSアカウント運用は「投稿」による情報発信のほかに、コメント返信や「いいね」、リツイート(リポスト)などのユーザーとのコミュニケーションも重要な活動のひとつです。
SNSならではのリアルタイムな発信や交流機能を有効に活用し、ユーザーに好感が持たれるアカウント運用ができると、ファン獲得や口コミによる情報拡散、ひいては企業のブランディングが期待できます。
ユーザーに好意的に受け取られる発信は企業にとってポジティブな効果をもたらしますが、センシティブなものやユーザーの感情を煽るような発信をしてしまうと、「炎上」と呼ばれるネガティブな評判を集めてしまう危険性があります。実際に、昨今「中の人」が意図せず炎上してしまったいくつもの事例があります。
このような事例も、企業のSNS担当者が自社のイメージダウンに繋がるような発信を狙ってするということは考えにくく、多くの事例において、後に不適切な表現があったことを謝罪していることから、実際に起こっているほとんど全ての事例が意図せず炎上に繋がってしまった結果と言えるでしょう。その原因は以下のようなことが考えられます。
冒頭でもお伝えした通り、SNSはユーザーとの相互コミュニケーションが取れることが特徴のひとつで、企業側の発信に対する反応も他の広報活動より目に見えやすいです。それがメリットである一方、炎上してしまった多くのケースでは「中の人」と一部のファンとが内輪で盛り上がってしまい、個人的な価値観に寄せすぎた本来のターゲット向けでない投稿や企画をした結果と考えられます。
実際に過去に話題になった企業アカウントは「中の人」のセンスが光り、そこを成功事例として取り上げられることが多かったことから、好感を持たれるアカウントは「中の人」の個性やユニークさが最重要であるという固定概念が持たれています。「中の人」にとっての「面白さ」「他にない企画」を優先した結果、多くのユーザーにとって不快感を覚える内容だったと言えそうです。
過去のコラムで「ファン・マーケティング」の重要性について触れていますが、ここで指す「ファン」作りにおいて、企業と消費者による気軽な交流を実現したSNSアカウント運用は重要な役割を担います。その反面で、ターゲティングを誤ったり独自性を重視しすぎてリスク管理を怠った投稿をしたりしてしまうと、一気に炎上し自社の評価を落としてしまう危険性があります。
企業の公式アカウントが「バズる」(評判が広がり情報が周知される様、ポジティブな拡散)ケースも「炎上する」ケースも過去には多くの事例があるにも関わらず、未だにSNS担当者がバズる発信をするために頭を悩ませ、意図しない炎上の対応に追われているのは、SNSマーケティング施策には再現性がないものが多いことが要因のひとつと考えられます。特に「拡散」は再現性がないことの最たるものだと言えます。「バズ」「炎上」のいずれも社会情勢やその時のユーザーの関心事によって大きく左右されるため、体系化が難しいためです。
例えば、新型コロナウイルスの流行により緊急事態宣言が発令された2020年4月は、休校により消費が激減してしまった牛乳(乳製品)を使ったレシピの紹介とともに牛乳を積極的に購入するよう呼びかけるツイートが話題となりました。まさに当時の社会情勢やユーザーの関心にマッチしていたからだと言えます。バズる施策の体系化はSNSマーケティングを行ううえでの課題であり、もし体系化することが出来たら企業にとって非常に有用なものになるでしょう。
SNSマーケティングのひとつである「インフルエンサーマーケティング」は、一部では崩壊を迎えつつあると言われています。企業から報酬をもらって行うPR活動の一環であるということに消費者が気付き、発信される情報に懐疑的になっているからです。一方で「既存のファンを大切にし、ファンによる売り上げを安定させながら、新規顧客の獲得を目指す」というファンベースマーケティングが注目されている昨今、SNSを通じたマーケティング活動は今後も企業による重要な広報活動のひとつになると考えられそうです。
【参考資料】
2020.01.14
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