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公開日:2021.02.18
統計調査をするとき、調査対象となる母集団をすべて調べることを「全数調査」といいます。全数調査は、「悉皆(しっかい)調査」ともいいます。
5年に1度行われる、国民全員を調査する国勢調査が全数調査の代表例です。
全数調査では母集団全てに調査を行うため、「標本調査」などの全体の一部分に対する調査を実施する際に生じるような「標準誤差」が生まれません。そのため、性別ごとの結果やサンプルの詳細な地域別の結果など細かいセグメントも統計することが可能です。
日本で最もポピュラーで大規模な国税調査においても、全国結果のみならず、細分化された地域ごとの結果や年齢性別などの詳細な結果においても調査することが可能です。
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標本調査とは全体調査と対をなす調査のことで、母集団から標本(サンプル)を抽出して、母集団の性質を推定する方法です。
サンプルを選ぶことをサンプリングというので、「サンプリング調査」ともいいます。
標本はしっかりと代表として成り立つかという、代表性が保証される必要標があります。
標本調査は、視聴率調査や、商品の抜き取り検査などに使用される調査方法です。
全数調査
全てを調べる
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標本調査
一部を調べる
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標本の抽出方法は、大きく分けて、有意抽出法と無作為抽出法の2種類あります。
有意抽出法は調査対象の条件を決めて意図的に選ぶため、統計的な評価ができません。
一方、無作為抽出法は調査対象をランダムに抽出するため、信頼性の高い結果となります。
無作為抽出法には、対象を全て乱数から選ぶ最も基本的な方法である「単純無作為抽出法」や、最初の対象を乱数で選び、そこから「n個飛ばし」で等間隔に抽出する「系統抽出法」などのやり方があります。
単純無作為抽出法
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系統抽出法
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母集団全体を(ここの例では1~16)乱数を使用してランダムに標本を抽出する
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母集団を(ここの例では1~16)乱数を使用して最初の標本を抽出する
↓ 抽出された数を基準に「n個飛ばし」で標本を抽出する 例では、抽出された「4」を基準に「3個飛ばし」で、等間隔に標本を抽出している |
全数調査は母集団全部を調査し、データを得ることができるので、標準誤差が生じず、信頼性の高い結果となります。それにより、調査対象の全体像を正確に把握することができます。母集団の構造特性や多角的な情報を得ることが可能な点も、この全数調査のメリットの一つです。
性別や年齢だけでなく、都道府県や市区町村はもちろんのこと、町丁・字などの小地域単位での調査も可能となります。
全数調査では、すべての母集団を調査するとなると膨大な労力・時間・コストがかかります。例えば、ある特定の病院で働く看護師の平均年収を調査するとします。病院内にいる看護師の年収を調査するのであれば、そこまで大きな費用も時間もかかりません。しかしこれが、全国に多数ある病院すべての看護師の年収となると、膨大な時間とコスト・労力を用いることになります。全数調査では、調査対象のデータが多くなるほどデメリットが大きくなります。
しかし、国税調査のように全てのデータを必要とする調査や、調査する母集団が小さいときは全数調査が適しています。
標本調査のメリットは、全数調査とは逆に、労力・時間・コストがかからないことです。
一方デメリットは、母集団の中から標本を抽出するので、調査対象の全体像は推測でしか分からず、標準誤差が発生します。
母集団の規模が大きいときや、全てを調べなくてもよい調査は標本調査が適しています。
標本調査では、調査する対象を無作為に抽出して調査をするので、全体調査を行った場合で、得られたはずの値と調査結果に差が生じます。この、差のことを標準誤差といいます。
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