2019.12.04
助成想起とは
助成想起とは・・・ 例えば「これらのビールの銘柄の中でご存知のものに全て○をつけてください。」などと質問して回答させる質問方法です。助成知名や再認(知……
公開日:2022.05.12
デフレ時代に多くの企業が悩んでいる「価格競争」。価格を安くすれば、商品は確かに売れるようになります。しかし、そこで待っているのは体力勝負の消耗戦。価格競争の先には、顧客、企業、従業員のいずれかにしわ寄せがあり、誰かが不幸になる可能性が高くなります。
それでは、どうすれば関係者全員がwin-winの関係になるビジネスモデルをつくれるのでしょうか?その一つの答えが「ブランディング」であり、それを視覚的に展開する方法が「ブランディングデザイン」です。
なぜ、ブランディングによって価格競争から抜け出せるのか?そして、ブランディングデザインはどのような役割を果たすのかについて解説します。
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アメリカの心理学者マズローは、人間の欲求を5段階に分けています。
①生理的欲求 食べる、寝るなどの生きていくために最低限必要な欲求。
②安全の欲求 住居や衣服など自分の安全を守る欲求。
③社会的欲求 集団に所属して周りから必要とされたい、愛されたい欲求。
④自我・自尊の欲求 他人に賞賛されたい、社会的地位を得たい欲求。
⑤自己実現の欲求 目標達成や自分を成長させることで自分の価値を認める欲求。
これらの欲求の中では、①が最も低次で人々が真っ先に満たそうとする欲求です。人は低次の欲求が満たされると、より高い欲求を満たそうとします。そして、⑤の欲求が満たされた時、最も高い満足感を得られます。
例として、この欲求を「食品」に置き換えてみましょう。
①低価格商品 安価でそれなりの味。お腹を満たすことが最重要。
②安全な商品 食べることで身体に良い食品。
③人気商品 食べることで多くの人と価値を共有できる商品。
④プレミア商品 三ツ星など食べたことで他人から称賛される食品。
⑤自作食品 自家野菜など自分の生き方を満たす食品
人は高次の欲求になるほど、より多額の対価を払います。つまり、「価格競争」から抜け出すには、より高次な満足度を提供する商品を販売しなければなりません。
ブランディングとは、簡単に言うと企業や商品について、ブランドをつくることです。このブランドとは、消費者が特定の商品やサービスを見た時に、その企業や商品ならではの価値を感じることを意味します。
つまり、ブランディングとは、自社の商品やサービスが「そのブランドならではのもの」として認識させるための取り組みです。ここで言う「そのブランドならではのもの」とは、自社ブランド商品が競合よりもより高次な人間の欲求を満たせるという期待値を与えることでもあります。
例えば、競合が「低価格商品」というイメージの場合、自社商品に対して消費者が同じ欲求を求めているのであれば価格競争が起きる可能性は高くなります。(①の商品)
しかし、同じような味であっても、「身体に良い」商品という特徴を持てば消費者からの評価は高くなり、より高い価格設定ができます。(②の商品)
加えて、その身体に良い特徴が、消費者の間で人気となっている成分を含んでいるとします。すると、消費者はその成分が入っている商品を食べることで、多くの人と話題を共有できる楽しみを得られます。(③の商品)
このように、高次の欲求を満たす商品であるほど顧客の満足度は高くなり、より高額な対価を得られるようになります。特に、③以上の欲求を満たすのは必ずしも商品の物理的特徴ではありません。それよりも「安心や信頼感」「社会的価値」「特別感」など、イメージによる満足度を求める傾向が強くなります。
その満足度を高められれば利益率が高いビジネスモデルが構築され、顧客、企業、従業員の満足度も高められます。そのためにも、高次の欲求を満たすイメージを効果的に認知させる「ブランディング」が重要となります。
ブランディングにおいて最も重要な要素は、「ブランドコンセプトの構築」と「ブランドイメージの訴求」。ブランドにしっかりとしたコンセプトがなければ、消費者が同じようなイメージを持つことはありません。また、どんなにしっかりしたコンセプトがあっても、それを効果的に訴求していかなければ、ブランドイメージは伝わりません。
この中の「ブランドイメージの訴求」にあたる部分が、「ブランディングデザイン」です。人間が五感で得る情報の割合は、視覚83%、聴覚11%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚は1%と言われています。この割合から考えると、「ブランド」において視覚情報は、消費者に訴求するための最も重要な手段です。
その視覚情報を効果的にデザインして、ブランドロゴやイメージカラーなどを統一していくことが「ブランディングデザイン」です。デザインがブランドの持つイメージと一体化すると、そのデザインがブランドと同じ価値を持つようになります。
消費者はブランドのロゴやイメージカラーを見るだけで、細かい説明がなくてもブランドイメージを瞬時に思い浮かべます。そのイメージを持つことでブランド商品は競合との差別化が図られ、より高次の満足感を期待させられるのです。
ブランディングデザインを成功させるためには、前提条件として「ブランドコンセプト」がしっかりと構築されていなければなりません。ブランディングの目的は「ブランドコンセプトを消費者に伝える」ことであり、ブランディングデザインはそのための手段です。
伝えるべき内容があいまいだと、どれだけ見た目のデザインを良くしても消費者がブランドとして認識するのは難しくなります。「商品の特性」「企業が目指す社会的意義」「消費者に感じてもらいたい価値」などを検討して、ブランドコンセプトをつくりましょう。
その上で、コンセプトに基づいて、デザインの統一感をつくってください。商品パッケージ、パンフレット、Webサイト、広告など多様な媒体に利用しても、消費者が同じようなブランドイメージを持つことが大切です。
デザイナーに正しく「ブランドコンセプト」を伝え、そのイメージがうまく視覚化されているかをすり合わせてください。作成している人達の視点だけでなく、消費者の視点でチェックすることも大切です。コンセプトが伝わるデザインになっているかを、従業員やモニターを活用して調べてみましょう。
ブランディングデザインの成功事例としてよく取り上げられるのが、愛媛県の「今治タオル」です。今治は日本最大のタオル産地で、高い技術力で有名海外ブランドのOEM生産などで栄えていました。
その後、安価な海外製品との価格競争にさらされ、多くのタオルメーカーが倒産や廃業に追い込まれました。この状況を打破するために、今治タオルのブランド化をスタートさせました。
今治タオルの本質的価値を「安心・安全・高品質」と定め、それらを「赤・青・白」のイメージカラーで構成したブランドロゴを作成。一貫したブランドコンセプトを伝えることで競合との差別化を図り、多くの消費者に認知されるブランドへと発展させています。
※参照 「今治タオル公式ブランドサイト」
消費者が商品に求めている価値は、商品が持っている機能や価格だけではありません。その商品を使うことで得られる満足感に応じて、ふさわしい対価を支払います。商品が持つ特性を活かして、消費者がいかに素敵な体験を得られるか伝えていく。それこそが企業や商品の価値を高めていく「ブランディング」です。
「ブランディング」に成功すれば、ブランドを支持する固定ファンを獲得でき、価格競争から脱却できます。そして、関係者全員がwin-winとなれる持続可能なビジネスを構築できる可能性が生まれます。
そのためにも、自社商品のブランド化やブランディングデザインを推進して、消費者に新しい価値を提供していきましょう。
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デザイン心理学で直観を数値化するデザイン評価~STP~
STPとは、デザイン心理学を元に人間の直観(一目惚れ)からクリエイティブのデザイン・表現などを評価することができるパッケージ評価です。
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