2019.12.05
SWOT(スウォット)分析とは
SWOT(スウォット)分析とは、企業が経営戦略を立案する際に使用するフレームワークで、内部環境と外部環境の強み(Strength)、弱み(Weakness)、機……
公開日:2019.12.05
エスノグラフィは「観察調査」と訳されることもあり、ビジネスやマーケティングの場で、課題の発見・解決のためにエスノグラフィが活用されることも多くなってきました。
エスノグラフィとは、もともと文化人類学などの学術調査において異文化・コミュニティーの中に実際に入り込み行動観察やインタビューを行うことを指します。マーケティングの場でのエスノグラフィも同様の手法を用いて、外部からは見えない消費者の深層心理や行動の要因の調査行います。
情報を容易に手に入れられるようになった現代において、もはや生活者自身ですら製品・サービスとどのように出会い、どの部分に価値を持ち取捨選択したかという自覚を認識・可視化することが容易ではありません。
生活者の「行動」に注視し生活実態を包括的に理解することにより、製品・サービスそのもののニーズやベネフィットを発見し、ターゲットやユーザーの生活価値観を抽出することができる近年注目度の高い調査手法の一つです。
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エスノグラフィは定性調査に分類されます。しかしグループインタビューやフィールド調査などの他の定性調査とはとは異なる性質を持っています。
それはインタビューやフィールド調査が「他者」という立場から話を聞いたり観察を行ったりするのに対して、エスノグラフィはその文化・コミュニティーに入り込んで内部から調査を行うという点です。
定量調査やインタビュー、行動観察調査では浮き彫りにできなかった生活者の深い心理や背景、価値観などのコンシューマーインサイトを発見することができます。エスノグラフィを行うことで、より消費者目線で商品開発や事業展開することが可能となるでしょう。
エスノグラフィは課題発見から解決まで調査することができるため、商品・カテゴリーのニーズやベネフィットの発見、ターゲットやユーザーの生活価値観の抽出などその活用場面は多岐にわたります。
例えば、企業の業務効率向上のための施策や、メーカーの商品コンセプトにおける消費者の深層意識の理解、カスタマージャーニーの設計等利用されています。
またエスノグラフィでは、消費者の無意識的な考えにアプローチできるため、ユーザーエクスペリエンスのデザインにも生かすことも可能です。
質疑応答のラリーを行うだけではなく、いずれも「生活者の行動ありき」の調査手法であるため、下記のような調査で多く用いられます。
訪問調査は一般的に、一軒一軒対象者の自宅・職場等を直接訪問してアンケートをして回る“定量調査”と、生活者の行動を「視る」「観察する」ことに重きを置く“定性調査”の二種類があります。前者の場合は単に「訪問調査」と呼び、後者の場合は「訪問観察調査」「行動観察調査」、ダイレクトに「エスノグラフィ調査」等の呼び名があります。訪問観察調査では、生活者の無意識行動の背景にあるインサイトの抽出や生活行動における「なぜ」を探ることに優位性があります。
<訪問観察調査の事例>
調査内容 :加熱式タバコユーザー宅へ訪問し、喫煙実態の視認把握を行う
対象者条件:20-30代男性/首都圏/自宅で加熱式タバコの喫煙習慣がある/持ち家に居住
サンプルサイズ:n=10
訪問観察調査は、対象者宅へお邪魔する、非常にセンシティブな調査となります。
当日の訪問者人数も分かり次第、事前に対象者へ告知します。
ちなみに対象者宅のキャパシティを考慮し、許容人数は3~4名位といえます。日本人の生活実態を見たいという観点において、訪問観察調査は海外の方からも需要も高いです。
訪問者の中に外国人が含まれる場合も、事前に対象者へ合わせて告知します。写真や動画の撮影有無も事前に許諾を取ります。加えて、調査当日に行うタスクがあれば、こちらも事前に対象者へ告知しておきます。
上記の実例で例えると「当日実際に自宅で喫煙をしてもらう」といったタスクを実際に行います。実際に喫煙をする準備をしてもらう必要があります。
タバコが切れていないようにしてもらう、喫煙状況を撮影されることに了承いただく、など対象者にも準備や心づもりをしてもらう必要があります。
一定期間、生活者に日常行動を文章や画像・動画で記録してもらうことで、リアルタイムはもちろん、時を選ばず過去の事実状況や実態を確認することできる手法が日記調査となります。訪問観察調査と異なり、実態を目で見られない代わりに生活者の生の言葉や投稿時間、イメージが残るため長期的かつ遡った行動観察をすることが可能です。日記調査はモバイルデバイスの普及に伴い、参加モニターや調査元が選ぶ調査手法として需要が増えています。全国のモニターや会場に来場できないモニターを対象にできる点がその理由として挙げられます。
<日記調査の事例>
調査内容 :普段スーパーPとQを並行利用している主婦に日々の食卓日記を写真と共に記録してもらう
対象者条件:30-40代女性/全国/既婚/小学生の子供と同居/週に5日以上家族の夕飯を作る
サンプルサイズ:n=100
利用するプラットフォームによりますが、対象者の撮影した画像や動画を投稿させる場合、事前に対象者の利用可能なデバイスおよびインターネット環境などを確認します。また「食卓の撮影」といっても食卓全体なのか、おかず一品一品の撮影なのか、人にとっての捉え方は多種多様です。アウトプットのバラつきを小さくするために定義付けとなる注釈や見本を掲載するようにします。
モバイルデバイスの普及が進む現代において、他人と対面する必要のない日記調査の需要は年々増加しています。「日記調査」といえど、対象者の日常記録を得るだけではなく近年では、付随して事前にテスト製品を対象者宅へ送付し、試用状況や生活状況の変容を記録させる形式など、ハイブリッド調査も増加しています。評価+行動観察いずれも得たいといった場合などに有効であるといえます。
■購買調査(ショップアロング)
購買調査は、生活者の買い物に同行し、その時その時の行動について観察し分析できるフィールド型調査となります。通常のインタビューとは異なり、生活者の買い物動線や時間の使い方、目線や手の動きを観察することにより、購買行動により密着した示唆を得ることが可能です。オンライン上での購買行動も多様化する昨今。オンラインショッピングの行動観察については、生活者の手元の動作にフォーカスし生活者のボタン押下や画面スクロールを観察する形式で、ユーザビリティ寄りの購買行動を把握することも可能です。
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エスノグラフィ調査
訪問調査は一般的に“定量調査”と“定性調査”の二種類があります。「訪問調査」と呼び、後者の場合は「訪問観察調査」「行動観察調査」「エスノグラフィ調査」等の呼び名があります。こちらのコンテンツではエスノグラフィ調査のメリット・デメリット、特徴等の詳細をご紹介しています。
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日記調査とは、一定期間継続して、対象者にWEB上の日記システムを利用して、生活行動や利用シーンの写真、商品利用の感想などを記録してもらう調査手法です。さまざまな調査と組み合わせて実施することで、日々の行動と合わせて消費者の実態を、より詳細まで把握することができます。
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