2024.04.26
カイ2乗検定とは
カイ二乗検定(χ²検定)は、観測データが理論的分布からどの程度逸脱しているかを測定する統計的手法です。この検定は特に、名義尺度の連続していないデータ(カテゴリカ……
公開日:2020.02.19
パネル調査とは、調査対象者を固定化(パネル化)し、任意の期間において、同じ質問の調査を繰り返すアンケート調査のことです。(パネル調査に対し、調査設計、実施、集計、分析などが1回で完結する単発調査のことをアドホック調査と呼びます。)
パネル調査は、半年から数年にかけて行なうことが多く、時間の経過とともに結果データがどう変化していくのかを比較することができます。特に、消費者に対して行うパネル調査のことを消費者パネル調査と呼びます。
■メリット
一定期間、パネル調査を行うことで、ある商品に対し、「いつ」「どこで」「誰が」「どれぐらいの頻度で」「どの程度の数を」購入したのか、といった買い方の実態データを蓄積させることができます。時間経過に伴う蓄積データを分析することで、「ブランドスイッチのタイミング」「ブランドスイッチする人の割合」など、競合に関するデータも同時に取ることができます。単発のアドホック調査にはない、”時間”という軸で分析ができるのも大きなメリットです。
また、パネル調査における回答者は、事前に年齢や地域、性別などの基本情報が事前に把握されていることが多いため、無駄な質問を削ることができ、効率よく調査をすることができます。
■デメリット
パネル調査は、同じ調査対象者に長期間に渡って継続的にアンケートに答えてもらう必要があるため、回答者への負担が大きくなってしまう恐れがあります。回答者の負担が大きくなると、途中で回答離脱してしまい、調査期間が終わる頃には、回答者が想定より少なくなってしまう可能性があります。そのため、パネル調査の場合は、途中離脱者を少なくするために、通常のアンケート調査よりも回答負担を極力減らすよう調査票を作成する必要があります。
また、予め途中離脱者が出ることを想定し、調査スタート時には調査対象者数を多く確保しておくことが望ましいです。回答者の割付が必要な場合には、割付ごとに調査対象者を多く確保しておく必要があります。調査終了時に、調査開始時と比較してどの程度の回答者が残っているのかは、パネル調査の内容と調査会社が保有するモニターパネルの特性により異なります。回答者の残存率を上げるために、調査期間が終了してから回答者へまとめて謝礼をお渡しすることもあります(途中離脱者には謝礼を渡さない。)
パネル調査の場合、長期間に渡り継続的に同じ回答者にアンケートに答えてもらうため、アドホック(単発)のアンケート調査に比べ、回答者そのものの”質”がより重要になってきます。そのため、パネル調査を依頼する際には、モニターをしっかり管理している調査会社を選んだ上で、調査開始時点のスクリーニング(調査対象者の抽出)時に「ここでは”3″にチェックを入れてください」等、きちんと設問文を読んでいれば必ず回答できるような内容のダミー設問を混ぜて、いい加減な回答をする対象者を予め除外するような工夫も必要となります。
単発のアドホック調査と比べ、スタート時に考慮しておくべき点が多いため、パネル調査に慣れた方に窓口に就いてもらうよう調査会社に相談してみるのも良いでしょう。
■消費者の需要を知る
消費者の顧客満足度や認知度の変化を調査することに加え、どのようなサイクルで商品を買うのかといった時間に軸を置いた調査を行うこともできます。特に、家電製品や携帯の機種変更や買い替えのスパンやニーズを調査するのにパネル調査を行っています。
■事業計画を立てる
パネル調査ではユーザーの中長期的な動向を把握することができるので、消費者のニーズやトレンドの移り変わりを知ることができます。これを活用し、商品開発のスケジュールを算出することで、市場のニーズが高まっているタイミングで売りだすことが可能です。また回答の傾向の変化から、市場の推移やユーザーの評価の変化をデータ化することはマーケット全体の動向予測や次の流行を先取りすることにも活用できるでしょう。
■広報活動に活用する
商品やサービスのイメージや認知度について時間経過やキャンペーンごとのデータを蓄積することで、より効果的な広告・PR活動につなげることができます。特に新規ブランドの立ち上げや大きな広告プロジェクトの際には、有力なマーケティングデータとなるでしょう。また、マス広告など成果の見えにくい広告の効果検証にも活用されます。
■パネル調査×インタビュー調査
前述の通り、パネル調査では途中離脱者を極力出さないようにするために、必要最低限の設問数に抑えたボリュームでアンケートを行なうことが多いため、アンケートだけで回答の深掘りを行なうことは非常に難しくなります。ただし、調査対象者を固定化することで、回答者毎の回答データの変化を見ることができるため、変化が気になる回答者に対しては、任意期間終了後にインタビュー調査などで追加調査を行なうことができます。インタビュー調査により、パネル調査だけではわからなかった回答理由や行動心理などを明確化させることができます。簡易的なアンケートしか実施できていなかった分、効果的に回答の深掘りが可能です。
■パネル調査中の施策の効果検証に
パネル調査の実施期間中に並行して施策を打つことができるため、その施策により調査対象者にどのような反応が表れるのかについて簡単な効果測定としても活用することができます。
■買い替えに至るまでの平均期間の算出に
家具や家電製品のように、長期間使うことが前提となる商品に対してパネル調査を行なう場合、アンケートの設問内容で買い替えの予定を聴取しておくことで、買い替えに至る平均的な期間の推移を把握することができるため、商品開発や発売のタイミングなどの算出に役立てることもできます。
新商品開発において、ユーザーの実態把握を行うことは非常に重要です。パネル調査を実施し、市場動向や消費者行動の推移について把握することは、商品開発面だけに限らず、どのチャネルにプロモーションをするのかといった4Pを構築/見直しする上でも有用となります。
パネル調査をすべきなのか、アドホック調査でも十分なのか、課題に合わせて適切な調査を実施しましょう。
アンケートモニター
アスマークが運営するモニター組織「D style web」と合わせ、1,900万人以上の提携パネルからなる国内でも最大規模のパネルネットワークを構築しています。
アンケート調査はもちろんのこと、モニターリクルート分野における圧倒的な業界実績を持つ強みを活かし、インタビュー調査や会場調査、学術研究における被験者募集などの調査リクルーティングにも活用しやすいのが特徴です。大規模調査や出現率が低いニッチなターゲットへの調査など、あらゆる場面で活用できます。
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