公開日:2021.11.08

エクセルでのアンケートデータの集計方法

  • データ集計・分析・活用

単純集計(GT集計)とクロス集計

アンケートを実施した後、どのようにデータを活用すればいいのか困ったことはありませんか?

主な集計方法に、「単純集計(GT集計)」「クロス集計」がありますが、自分で集計をしようと思うと何から始めればいいのか分からない方も多いと思います。

単純集計(GT集計)
データ(数値)を一覧表にまとめることで、「どんな回答をした人がどのくらいいるのか」を視覚的に分かるようにする集計のこと
クロス集計
単純集計で得た数値に対して、性別・年代などを掛け合わせてその違いを読み取ることができる集計のこと

「自分で集計したいがやり方が分からない」「Excelやピボットテーブルを使って集計したい」方に向けて、本稿はお手持ちのデータの回答の傾向を知りたい際に用いる単一回答(SA)/複数回答(MA)の集計方法についてご紹介します。
 
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単一回答(SA)質問の集計方法

まずは、単一回答(SA)質問の集計方法について手順を紹介していきます。
設問に対し、選択肢のどれかひとつだけを選んで回答したデータの集計方法で、リッカート尺度を用いた”●件法”のような回答をまとめる際にも多く用いられます。

関数を使って集計する

下記のデータは弊社で自主調査を行った際のデータの一部です。
この状態では、数字や文字ばかりで、どのような人が、どのような回答をしているのか といった回答の傾向などは見えてきません。
そこで、回答結果を視覚的にわかりやすくするために、「集計」という作業を行うと、回答結果を整理でき、回答の傾向も見えやすくなります。

データ例

それでは早速、回答結果をまとめてみましょう。

COUNTIF関数で回答をまとめる

ここでは、指定した条件に一致するデータをカウントする<COUNTIF関数>を使います。

[性別]を聴取したデータから、男性と女性の人数をカウントしてみます。
セルに【=COUNTIF( 範囲:ローデータの性別列 , 検索条件:「1」 もしくは 「”男性”」 )】と入力すると男性の数を算出できます。

COUNTIF関数で回答をまとめる

 

SUM関数で回答をまとめる

全体の人数(集計母数)は、数値を合計する <SUM関数>を使い、セルに【=SUM( 範囲 )】と入力して算出します。

集計母数の求め方

全体の人数(集計母数)のうち、男性の割合を求める場合は、セルに【=男性の数(度数)/全体の人数(集計母数)*100】と入力すると算出できます。

割合の求め方

質問数の多い調査の集計をExcelを使って手作業でやるのは大変ですが、数問だけ集計したい場合などは、ぜひ上記の方法で集計してみてください。

[性別]の質問は、単一回答質問でしたが、複数回答質問も同様に<COUNTIF関数>で集計できます。
ただし、複数回答質問のデータがどの形式になっているのかで関数の使い方が異なりますので、次は複数回答質問の集計方法について見ていきましょう。
 
 

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複数回答(MA)質問の集計方法

複数回答(MA)質問の集計方法について手順を紹介していきます。
設問に対し、当てはまる選択肢を複数選んで回答したデータの集計方法です。

データ形式に合わせた集計方法

複数回答質問は、使用したアンケートシステムによってデータの形式(出力方法)が異なります。
データの形式を選べるアンケートシステムもありますので、このページを見てどの形式でデータを用意したらいいかなど参考にしてみてください。

主な形式は3つあります。

① 0,1(フラグ)式
② フラグ式
③ コード式

ここではポピュラーな「0,1(フラグ)式」、「フラグ式」をメインに取り上げご紹介しつつ、指定した条件に一致するデータをカウントする<COUNTIF関数>を使った集計方法をご説明します。
※お手持ちのデータが文字データの場合、検索条件に指定する選択肢番号に代わり、「 ”検索したい文字” 」を入力してください。

0,1(フラグ)式データを集計する

選択肢ごとに列が分かれており、チェックされた選択肢は「1」が入力され、チェックされていない選択肢は「0」が入力される

[配偶者]と回答した人数をカウントする場合、セルに【=COUNTIF( 範囲:配偶者の列(F列) , 検索条件:「1」 )】と入力します。
0,1(フラグ)式では、<COUNTIF関数>の検索条件は全て「1」となり、範囲のみ変更します。
そのため、[子ども]と回答した人数をカウントする場合は、範囲を子どもの列(G列)にします。

0,1(フラグ)式データを集計する

 

フラグ式データを集計する

選択肢ごとに列が分かれており、チェックされた選択肢の番号が入力され、チェックされていない選択肢は空白

[配偶者]と回答した人数をカウントする場合、セルに【=COUNTIF( 範囲:該当質問の列すべて(F~N列) , 検索条件:「1」 )】と入力します。
フラグ式では、<COUNTIF関数>の範囲は該当する質問全体とし、検索条件のみ変更します。
[子ども]と回答した人数をカウントする場合、検索条件を「2」にします。

フラグ式データを集計する

 

コード式データを集計する

複数回答質問も単一回答質問と同じく1列になっており、チェックした選択肢の番号が、セル内にカンマ(コンマ)区切りで入力される

コード式データを集計する

同じセル内にカンマ(コンマ)区切りで複数のデータがある場合、「0,1(フラグ)」や「フラグ式」のように<COUNTIF関数>の検索条件を「1」と指定しても完全一致しないためカウントすることができません。
そのため、お手持ちのデータに「コード式」の複数回答質問があるのであれば、Excelで集計をしやすいように「フラグ式」の形式に近いかたちになるようにExcelの『区切り位置』機能を用いてデータを変えてから集計する方が良いでしょう。

上記の理由により「コード式」の場合、Excelで集計をするには他の形式に比べて手間がかかってしまいますので、「0,1(フラグ)式」「フラグ式」でローデータを準備されることをおすすめします。

弊社にて集計をご依頼いただいた場合は、特別なご要望がなければ「0,1(フラグ)式」にてご納品いたします。
 

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執筆者
小山 茜
株式会社アスマーク 実査部 定量3G 集計チーム
追手門学院大学卒業、社会心理学修士。 2016年新卒入社。定量調査のアンケート画面作成・データチェックを経験後、2019年より現職に至る。現在は定量調査・定性調査の集計を担当。これまで1000件以上の集計業務に携わる。実査の経験を生かした後輩育成、また社内への集計に関するアドバイスや提案活動を行っている。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

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