2023.07.27
顧客の声を活かす銀行のCS調査テンプレート:競争力強化と顧客獲得の鍵への一歩
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公開日:2022.11.01
マーケティングにおいて重要な情報となるのが、「顧客ニーズ」です。現代においては、ほとんどのビジネスで顧客側が選択権を持っており、「顧客ニーズ」にどう応えていくかがビジネスの命題ともなっています。「顧客ニーズ」を知るために有効な手段が「アンケート」です。企業が効果的なマーケティング戦略を立案するためには、精度の高い情報が欠かせません。だからこそアンケートでは、より精度が高い情報を得ることが求められます。
そんなアンケートで得られる情報の精度を図る指標に「回答率」があります。調査内容にもよりますが、ある意味では「回答数の多さ」よりも「回答率の高さ」の方が、より情報の精度が高いと考えられる場合もあるほどです。
この記事では、アンケートにおける「回答率」の重要性と、「回答率」をアップさせる方法について解説します。
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みなさんは、SNSなどで「ネット炎上」するニュースを見たことがあるのではないでしょうか。今やネット炎上は社会現象となり企業や個人に多大な影響を与えるようになっています。ですが、2016年に行われたアンケート調査によると、ネット炎上に書き込んだことがある人の割合は、1年以内に絞ると約0.5%しかいなかったそうです。このように少数の意見だけが大きくクローズアップされると、「大きな声」ばかりが目立ってしまい「物言わぬ多数派」の意見が取り上げられない事態が起きてしまいます。
実はアンケート調査においても、この炎上と似たような現象が起きる場合があります。調査方法やアンケート内容に問題があり、企業やブランドに対して極めて好意的もしくは敵意を抱く意見が実態よりも過剰に集まってしまうケースです。このような偏った意見が多すぎるデータでは、炎上のようにごく少数の意見があたかも多数派のような分析結果が出てしまいます。
そのため、アンケートではできるだけ偏りの少ないデータを集める必要があり、それを図る重要な指標が「回答率」です。回答率が高いアンケートは回答者の幅広い意見が集まっているため、分析結果に大きな偏りが発生する可能性はとても低くなります。一方、回答率の低いアンケートは「物言わぬ多数派」の意見が反映されない可能性が高く、分析結果を鵜吞みにするのはとても危険です。
だからこそ、アンケートではより高い「回答率」が得られるように、調査設計の段階から工夫することが大切です。
アンケートの回答率は「回答数÷配布数」によって計算されます。ですがここで一点、注意しなければならないことがあります。それは集められた回答の中には、記載漏れや不適切な回答などにより、集計に利用できない「無効回答」が含まれていることです。
回答率がデータの信頼性を図る指標であることを考えれば、無効回答は回答数から除く方が望ましいでしょう。このように回答数から無効回答を除いた回答率を「有効回答率」と呼び、「(回答数-無効回答数)÷配布数」によって求められます。アンケート分析などで「回答率」を考える際は「有効回答率」を前提とすべきで、結果報告などでも「有効回答率」を使用することをおすすめします。
アンケートは様々な要因によって、回答率が変わります。ここでは、アンケート回答率に影響を与える要因について解説します。
回答者のアンケートに対する関心度は、回答率に大きく影響します。「アンケート内容に対して興味がある」「自分の意見が商品に反映されるかもしれない」「魅力的な謝礼がもらえる」など、回答者がアンケートに回答することで何かしらのメリットを感じられなければ、回答率は低下してしまいます。
アンケートの質問内容によっても、回答率は大きく変化します。「質問の意図が分かりにくい」「自由回答など記入が大変」「質問数が多い」など、回答する人の視点にとって負担が大きいアンケートは、やはり回答率が低下してしまいます。
アンケートはその性質上、回答者に相応の手間をかけてしまいます。当然、その手間が増えるほど、回答率はどうしても低下してしまいます。「回答後に郵送が必要」「回答が複数日にわたる」など、回答者に手間がかかるほどアンケートに応える意思を失ってしまいます。
アンケートの回答率は、調査方法やアンケート内容を工夫することで大きくアップさせられます。ここでは、アンケート回答率を上げるためのポイントを紹介します。
みなさんがいきなり街角で「アンケートをお願いします!」と尋ねられたら、少し不信感を抱きませんか?アンケートには、一部ネガティブなイメージがあるのも事実なので、回答者から怪しいと思われないための工夫が必要です。
上記のような工夫によって、ユーザーのアンケートに対する警戒心を少しでも取り除いてください。また、アンケートの性質上、どうしても自社名を明かしたくない場合は、外部の調査会社に依頼するのも有効な手段です。
アンケートの回答には、内容に応じて時間や手間が発生します。回答者から前向きな回答を得るためには、回答へのモチベーションを上げる手立てを考えましょう。
アンケートに答えることで、回答者にどのようなメリットが発生するかを考えて、アンケートを実施しましょう。
アンケートは作成内容によって、回答しやすさが大きく変わります。作成する側としては多くの情報を知りたいところですが、回答率を上げるためにも答えやすいアンケートを意識しましょう。
アンケート内容の出来は、特に有効回答率へ大きな影響を与えます。回答者がアンケートを最後まで心地よく回答していただける内容を意識してください。
アンケートの回答率をアップさせるには、アンケートの作成方法がとても重要です。ここでは、回答率をアップさせるアンケートの作成方法について解説します。
アンケートを作成する際は、その調査目的を明確にすることが重要です。よく起こりがちなケースに「せっかく費用をかけて調査するのだから」と考えて、アンケートにたくさんの目的を設定しようとすることがあります。ですが、アンケートに多くの目的を設定してしまうと、回答者には「質問の幅が広くて思考がついていかない」「質問数が多すぎる」という状況になり、回答率の低下を招いてしまいます。
基本的には1回のアンケートでの目的は、1つに絞ることをおすすめします。そして、アンケートの目的が設定出来たら、その目的を達成するために必要な情報は何かを抽出します。情報を抽出する際は、目的と情報の間にある「関係性」について仮説を立ててみましょう。
例えば、新商品開発のために既存商品の不満点を知りたい場合は、「顧客心理には、○○のような不満があるのでは?」というような仮説を立ててみます。もし、仮説通りであれば的確な分析結果が得られますし、仮説通りでなかったとしても新たなヒントを見つけやすくなります。
目的を達成するために必要な情報が明確になったら、その情報を把握するための質問を作成していきます。質問を作成する際は、「できるだけ質問数を減らす」「簡潔で分かりやすい質問にする」ことを意識しましょう。
また、回答する選択肢については、「モレ」「ダブリ」「不必要」がないかをしっかりとチェックしましょう。幅広い意見を得られる自由回答は、回答率に大きな影響を与えます。そのため、できるだけ重要な質問だけに絞ることを心がけましょう。
アンケートが作成できたら、作成に携わっていない方にテスト回答をお願いしてみましょう。作成関係者はアンケートに思い入れがあるため、回答者の視点になり切れない場合があります。できるだけ素直な意見を言ってもらえそうな人に回答してもらい、アンケート内容の改善に活かしましょう。
アンケートで得られる情報はマーケティング施策に大きく貢献することもあれば、一部の意見だけが大きく取り扱われて誤った分析結果になる危険性もあります。企業やブランドがより実態に近い情報を把握するためにも、アンケートの「回答率」は強く意識するべき指標となります。回答率を上げるには、明確なコツやテクニックがあります。それらを意識しないで調査を進めてしまうと、良い分析結果を得ることがとても難しくなります。
もし、アンケートの実施をお考えであれば、まずは調査分析に詳しい人か、外部の専門業者に相談することをおすすめします。できれば相談相手から「回答率が高かったアンケートのサンプル」を教えてもらい、そこからヒントを見つけるのが効果的です。相応のコストをかけて実施するアンケートだからこそ、できるだけ的確な分析結果を得られるアンケートづくりが求められます。今回の記事を参考にして、ぜひ「回答率が高い」アンケートの作成につなげてください。
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