
2024.08.28
ブランドイメージ調査の手法と経年推移分析の重要性とは?
変化の時代におけるブランド戦略の重要性 今日の市場環境は、かつてないほどのスピードで変化し続けています。グローバル化、デジタル化、そして消費者の価値観の多様化……
公開日:2025.02.26
現代のビジネスにおいて、自社の商品やサービスがどれだけ消費者に認知されているかを把握することは、とても重要です。認知度調査は、その現状を客観的に把握し、今後のマーケティング戦略を立案するための重要な情報源となります。しかし、一口に「認知度調査」と言っても、その手法や目的は様々です。どのような情報を収集し、どのように分析すれば、より効果的なマーケティング施策に結びつくのでしょうか?
この記事では、認知度調査の基本から、具体的な手法、アンケート項目の設計、結果の活用事例などについて解説します。
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認知度調査は、企業や商品、ブランドがどれだけ消費者に知られているかを測定する調査です。具体的には、自社の商品やブランドが、世間にどの程度浸透しているかを明らかにします。
認知度調査では、単に商品やブランドを知っているかだけでなく、その認知の深さや質を把握することも目的としています。例えば、商品名を知っているか、その特徴や利点を理解しているか、競合他社の商品と比較してどのようなイメージを持っているかなども調査対象となります。
認知度調査の結果は、マーケティング戦略の立案や改善に役立ちます。現状の認知度を把握することで、ターゲット層へのリーチ状況、PRの効果、競合との差別化などを評価できます。また、新商品の市場導入やブランドのリブランディングなど、重要な意思決定の際にも、客観的なデータとして活用することが可能です。
なお、この記事では、認知度調査の中でも、特に「ブランド認知度調査」に焦点を当てて解説します。ブランド認知度調査は、自社のブランドがどれだけ認知され、どのようなイメージを持たれているかを把握するための調査であり、ブランド戦略の立案や見直し、広告の効果測定などに役立ちます。
認知度調査は、様々なビジネスシーンで活躍します。ここでは、代表的な4つのシーンを紹介します。
そのため、イメージ調査の場合、消費者の購買行動モデルの初期フェーズである「認知」について聴取することは必須となり、認知済みの消費者に対し、ニーズや満足度などを把握できる設問が厚くなるように調査設計をし、認知度調査の場合、認知の有無や認知経路、想起レベル(純粋想起や助成想起)が把握できる設問を厚くなるように調査設計をします。
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認知度調査の手法として、主に以下4つがあります。
①ネットリサーチ(WEBアンケート)
ネットリサーチ(WEBアンケート)は、広範囲の対象者に効率的にアプローチできる手法であり、数値データを集めるのに適している手法です。特に、一般的な認知度を把握する際には、幅広い層から素早く偏りの少ない情報を収集できます。ただし、高齢者やデジタルリテラシーの低い層への調査には向かない場合があります。
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②インタビュー調査
インタビュー調査は、ブランドイメージや利用体験といった定量調査では得られない質的な情報を深く掘り下げるのに適した調査手法です。ユーザーの声を直接聞くことで、ブランドへの印象やその背景を詳しく把握できるのが大きな特徴です。ただし、ネットリサーチに比べるとコストは高くなりがちであり、対象者の選定やスケジュール調整などに時間がかかるため、実施には十分な準備が必要です。
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③郵送調査
郵送調査は、ネットリサーチではリーチしにくい高齢者層にもアプローチできる手法です。また、企業など法人対象の調査にも適しているため、特定の業界や層をターゲットにする場合に効果的です。ただし、回答率はネットリサーチよりも低くなりがちで、費用面でも比較的高くなる傾向があります。
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④会場調査
会場調査は、特定の条件に合った対象者を会場に集めて実施する手法です。そのため、属性を絞り込んだ調査が可能です。例えば、対象者に試食品やサンプルを提供し、その場で感想を聞くことができるため、より詳細なデータを得やすいというメリットがあります。しかし、ネットリサーチよりも時間とコストがかかるため、目的や費用対効果の検討が必要です。
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認知度調査から有益なデータを得るためには、調査目的に沿った適切なアンケート項目を設計することが重要です。
ここでは、認知度調査で伺うべき代表的なアンケート項目について、具体的な質問例とともに解説します。
純粋想起は、広告やPOPなどの外部からの刺激(ヒント)なしで、回答者が特定の商品やブランドを思い出すことを言います。そして、この項目は消費者の記憶にどれだけブランドが強く根付いているかを測る項目となります。また、「思いつく順」について回答いただくことで、第一想起率(最初に思い浮かべるブランド)を算出することもできます。最初に思い浮かべるブランドというのは、消費者の購買行動に大きな影響を与えるため、マーケティング戦略上、重要な指標の一つとなります。
項目
具体例
助成想起とは、広告やPOPなどの外部からの刺激(ヒント)によって、回答者が特定の商品やブランドを思い出すことを言います。純粋想起に比べて、より多くのブランドが認識される傾向があり、消費者の潜在的な認知度を把握するのに役立ちます。
項目
具体例
認知経路に関する項目は、消費者がどのようにして商品やブランドを知ったのかを把握するための項目です。認知経路を把握することで、どの情報源が最も効果的であるかを判断し、マーケティング予算の配分を最適化できます。また、ターゲット層が利用する情報源を特定できれば、より効果的な広告戦略を展開することが可能です。
項目
具体例
商品理解に関する項目は、消費者が商品やサービスについてどの程度理解しているかを把握するための項目です。商品やサービスへの理解度を把握することで、消費者が商品やサービスにどのような価値を見出しているかを理解できます。また、消費者が商品やサービスに抱いている誤解や認識不足を把握できれば、それを解消するマーケティング施策の立案につながります。
項目
具体例
好感度に関する項目は、消費者が商品やブランドに対して抱く感情的な評価を測定するための項目です。好感度は、購買意欲やロイヤルティに大きく影響するため、ブランド戦略において重要な指標となります。消費者の好感度を把握できれば、ブランドの強みや弱みを特定し、消費者の感情に訴えかける効果的なマーケティング戦略の立案につなげられます。また、競合ブランドとの比較分析にも効果的です。
項目
具体例
広告・プロモーションへの接触に関する項目は、消費者がどのような広告やプロモーションに接触しているかを把握するためのものです。これを把握することで、どの広告媒体やプロモーションがPRに効果的であるかを判断できます。また、広告やプロモーションに対する消費者の評価を把握できれば、今後の改善点を特定することも可能です。
項目
具体例
下表のネットリサーチ案件を例に取り、『スケジュール例』とその考え方を解説します。
調査概要
項目 | 内容 |
---|---|
対象者条件 |
【性別】男性・女性 【年齢】20~60代(10歳刻み) 【地域】全国 【その他】ヨーグルトを週1回以上自購入している人 |
設問詳細 |
【本調査】400サンプル・15問以内 【スクリーニング】5,000サンプル・7問以内 |
スケジュール例
そして、スケジュールを立てる際は以下のポイントに注意しましょう。
認知度調査の結果は、ブランドの認知状況や市場におけるポジショニングを明確にするために活用します。ここでは、ヨーグルト市場におけるブランド認知度調査を例に、具体的なアウトプット例を2つ紹介します。
①「認知」「購入ブランド」がわかるアウトプット
ヨーグルト市場において、各ブランドの「認知」「購入・喫食経験」「1年以内の喫食経験」を調査することで、認知から購入、直近の購入までの流れを段階的に把握し、それぞれのステップでの競合との差を分析しました。
下のグラフを見ると、「認知」「購入・喫食経験」「1年以内の喫食経験」において、ブランドI、F、Jが市場を独占していることが分かります。
また、ブランドAとBが他のブランドに比べて「認知」と「購入・喫食経験」の差が大きいことも特徴的です。これは、消費者がブランドを認知しているにもかかわらず、実際の購入や喫食に至っていないことを示しており、この問題に対する施策が重要課題と考えられます。
具体的な対策としては、試食会の開催やクーポンの提供を通じて、消費者に商品を実際に体験してもらう機会を増やし、商品理解を深める方法が考えられます。また、PRにおいても商品の特徴や競合商品との違いを明確に伝え、消費者にどのようなメリットがあるのかを訴求する方法が効果的です。
②「ブランドイメージ」「ブランドイメージのポジション」がわかるアウトプット
消費者に各ブランドのイメージを選択してもらい、それを下図のようにマッピングすることで、競合に対する自社ブランドの立ち位置を視覚的に把握できます。
上のマップを例にとると、ブランドイメージによるポジショニングは以下の3つのエリア分かれていることが見て取れます。
エリア | 内容 |
---|---|
メジャーヨーグルト | 認知の高い「ブランドI」など多くのブランドが集中するエリア |
おしゃれヨーグルト | 「ブランドC」などが集中するエリア |
健康志向ヨーグルト | ややイメージとの関係性は低いものの「ブランドA」「ブランドB」が位置するエリア |
これにより、目標とするブランドイメージと現状とのギャップを把握し、訴求方法の見直しに役立てられます。
これらのアウトプット例は、ブランド戦略の立案や見直しに役立つだけでなく、マーケティング施策の効果測定にも活用できます。
認知度調査では、様々な指標を用いて商品やブランドの認知度を測ります。ここでは、代表的な3つの指標について解説します。
認知度調査を行う際は、適切なデータを得るために、下表のポイントに注意する必要があります。
注意すべきポイント | 内容 |
---|---|
調査対象の選定 | 調査の目的に合わせて、適切な対象者を設定しましょう。全国的な認知度を測るのか、特定のターゲット層の認知度を測るのかによって、対象者の属性やサンプルサイズは大きく変わります。 |
設問のバイアスに注意する | 誘導的な質問や、特定のブランド情報を提示した後の認知度に関する質問は、実際の認知度よりも高い数値を示す可能性があります。客観的なデータを取得するためには、質問文言や順番に注意し、回答者の自由な意見を引き出すように工夫しましょう。 |
結果の解釈と活用 | 認知度調査は、あくまで現状把握のための手段であり、最終的な目的はブランド戦略の改善です。認知度が高くても購入につながっていない場合は、認知度以外の要因(商品の品質や価格、ブランドイメージなど)に課題がある可能性があります。調査結果を多角的に分析し、課題を特定した上で、具体的な改善策につなげることが重要です。 |
認知度調査の費用は、対象者の条件、設問数などによって変わります。下表(調査概要)のネットリサーチを例にとって、費用感とその費用を考える上でのポイントを紹介します。
調査概要
項目 | 内容 |
---|---|
対象者条件 |
【性別】男性・女性 【年齢】20~60代(10歳刻み) 【地域】全国 【その他】ヨーグルトを週1回以上自購入している人 |
設問詳細 |
【本調査】400サンプル・15問以内 【スクリーニング】5,000サンプル・7問以内 |
見積り例(税抜き)
項目 | 内容 |
---|---|
企画・調査票作成費用 | ¥150,000 |
スクリーニング費用 | ¥65,000 (5,000ss回収/7問) |
基本費用 | ¥210,000(400ss/~15問) |
集計費用 | ¥50,000 (GT/クロス集計) |
レポート費用 | ¥246,000(サマリ+標準レポート) |
合計 | ¥721,000 |
費用を考える上でのポイントは以下の通りです。
この記事では、認知度調査の重要性から具体的な手法、アンケート項目の設計、アウトプット例、そして見積り例までを解説しました。
「認知」は、マーケティング活動における第一段階であり、認知が消費者に広まり、その後のマーケティング活動も動き始めます。そのため、自社の商品やサービスが消費者にどのように認知されているかを把握することは、マーケティングにおいて重要なことです。
認知度調査は、ブランドの健康状態を定期的にチェックし、常に最適なマーケティング戦略を実行するための指標となります。ぜひこの記事を参考に、認知度調査を積極的に活用して、効果的なマーケティング戦略の立案や改善につなげていきましょう。
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ブランドイメージ調査は、商品・サービス、企業ブランドイメージを顧客への浸透度やロイヤリティ、評価・イメージなどを多面的・定期的に測定し、競合市場での自社ブランドの位置付けを把握できる調査です。 顧客が持っているイメージとお客様が期待しているイメージとのギャップを知ることができます。 定量的なデータが必要なケースが多いので、調査手法としては、ネットリサーチが多く用いられます。
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ブランド認知度調査とは?各手法からアウトプット例、見積まで解説
ブランド認知度調査は、自社の商品やサービスが市場でどの程度認知されているかを測るための重要な調査です。一方で、ブランド認知度調査と一口に言っても、様々な手法があり、ターゲットや状況に合わせて最適な方法を選択する必要があり、そもそもの調査理解も必要です。
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