公開日:2025.02.12

BIツールだけでは顧客ニーズを見逃す!? 従来の分析の落とし穴を解消する新時代のアプローチ

  • マーケティングリサーチHowto

はじめに:BIツール導入で解決したいことは何?

BIツール(Business Intelligenceツール)の導入によって、企業が抱える大量のデータを効率的に分析・可視化し、迅速な意思決定に活かす──そんな明るい未来を描いている方は多いのではないでしょうか。実際、売上管理や在庫管理などの定量的な情報はBIツールを使えば即座に可視化でき、意思決定スピードが上がるといったメリットがあります。
 
しかし、一方で「BIツールを活用しているのに、なかなか顧客が求める商品・サービスを打ち出せない」「具体的なマーケティング施策に落とし込むまでに、現場が混乱してしまう」という声も少なくありません。
なぜこうしたギャップが生まれてしまうのでしょうか?
 
その答えのひとつが、BIツールが提供するデータが“表層的な数値”に偏りがちだという点にあります。本コラムでは、従来のBIツールだけでは網羅しきれない“深い顧客理解”にスポットを当て、今求められている「新時代のアプローチ」をご紹介します。
 
 

従来のBIツールが抱える3つの落とし穴

落とし穴1:可視化どまりで顧客ニーズの深層がわからない
多くのBIツールは、売上やPVなど“数値”の変化をダッシュボード上でビジュアルに示すことに長けています。
しかし、「何が原因で数字が上下しているのか?」「顧客は本当に何を求めているのか?」といった”行動や心理の背景”を捉えるには、別途アンケートやインタビューなどの定性調査が必要です。数値データだけでは、人間の感情や行動パターンの裏側まで読み取れないため、顧客の本音に迫れずに終わるケースがあります。
 
落とし穴2:現場の施策に落とし込む“橋渡し”が不足
BIツールを使いこなしてグラフやレポートを作成しても、そこから実際に「どんなプロモーションを打つか」「既存顧客との関係強化をどう図るか」などのマーケティング戦略への橋渡しにはノウハウが必要です。
たとえば「売上が10%下がった」という事実がグラフで可視化されても、その原因分析や具体的な改善施策を検討する段階で、現場担当者やマーケティング部門が迷ってしまうことがあります。
 
落とし穴3:データの追加調査や統合が難しく、分析精度が落ちる
「もっと詳しい顧客像を把握するためにアンケート調査を行いたいが、社内リソースが足りない」「複数の部署がそれぞれ違ったフォーマットでデータを持っており、取りまとめが大変」──こうした状況で、必要なデータの整理や統合が進まず、BIツールに取り込む情報が限られるという問題も起こりがちです。結果として分析範囲が狭まり、立案できる施策も限定的になってしまいます。
 
 

新時代のアプローチとは?──より深い“顧客理解”を目指して

では、こうした従来型BIツールの限界を超え、顧客のニーズをより深く捉えるためにはどのようなアプローチが必要なのでしょうか。キーワードは、”複数のデータソースを統合し、顧客の行動や心理を立体的に把握する”という点です。
 

数値データ + 定性情報(アンケート・インタビュー)
  • なぜその商品を買ったのか」「どんな悩みがあったのか」などの生の声を可視化データに加味することで、顧客理解が深まる。
    データを分析するだけでなく、その先の戦略立案・施策設計まで含めて考える。
  • 経営陣やマーケティングチームが具体的に行動できるよう、レポート作成から提案書づくりまでワンストップでサポートできる仕組みがあると理想的。

 
 
データの種類が増えると分析は複雑化しますが、そのぶん潜在的なインサイト(洞察)を得られる可能性が高まります。顧客が何を求め、どう行動しているかを多面的に捉えられれば、マーケティングROIの向上やエンゲージメント強化につながる施策を打つことが可能です。
 
 

顧客の本音まで含めたデータ分析がもたらすメリット

メリット1:ターゲット設定と施策立案の精度が飛躍的にアップ
定量データだけでなく、アンケート結果やインタビューなどの”顧客の声”をあわせて分析すれば、より明確なターゲットセグメントを設定できます。たとえば、「20代の女性」の中でも「健康志向が高く、SNSでの情報収集を積極的に行う層」といったように、細やかなユーザープロファイルを描くことができます。
 
メリット2:意思決定のスピードと説得力が高まる
「この数値の変化は、こういう心理背景を持つ顧客が増えているからだ」という説明ができれば、経営陣に対しても根拠ある施策を提案しやすくなります。ビジネス判断のスピードが上がるのはもちろん、社内の合意形成がスムーズになり、計画実行までのリードタイム短縮が期待できます。
 
メリット3:顧客満足度向上とロイヤル顧客の育成
顧客が“なぜ買うのかだけでなく、なぜ買わないのか”まで把握できれば、適切なプロモーションやアフターサポートが可能になります。さらにパーソナライズされたキャンペーンを打てば、顧客体験が向上し、リピート購入やブランドロイヤルティの確立につながりやすくなるでしょう。
 

まとめ:データ分析の一歩先を目指す方へ

いまや多くの企業がBIツールの導入を検討・実施していますが、データ活用が“可視化”のレベルで止まっているケースも少なくありません。顧客ニーズの深層まで踏み込み、具体的なマーケティング施策に結びつけたいなら、数値データと顧客の声を統合した包括的な分析が欠かせない時代に突入しています。
 
そして、ここでご提案したいのが、従来のBIツールの枠を超えたアプローチで企業のマーケティングを総合的に支援するサービスです。
 
「購買履歴や行動データはあるのに、どこから手をつければいいか分からない」
「アンケートやインタビューの設計・実施まで含めてサポートしてほしい」
「分析結果を具体的なプロモーションや商品の改善案に落とし込みたい」
 
もし、こうした悩みを抱えている場合、顧客理解をさらに深める次世代型のデータ統合・分析サービスが大きな手助けになるはずです。
その具体策として、「データクリアパス」 では、事前コンサルティングからデータ整理、分析、追加のアンケートやインタビュー調査まで包括的に行い、企業が顧客の深いニーズと行動パターンを捉えるための仕組みを提供しています。これにより、”従来のBIツールでは見えなかったマーケティング戦略の“落とし所”を明確にし、効率的な施策立案をサポートいたします。
 
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執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク 営業部 マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

 
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