2023.05.31
顧客の声を活かす:ホテル業界のための効果的なCS調査テンプレートとその活用法
人々の選択肢が増え、顧客のニーズや期待が急速に変容する昨今、ツーリズムや観光、ホテル業界も前例のない変化を遂げています。多様化する利用機会に適応しなければならな……
公開日:2023.05.18
保険販売員や保険会社が提供する各種生命保険商品やサービスが顧客にどのように評価されているかを把握することは、生命保険業界において非常に重要です。高い顧客満足度を実現することで、顧客のロイヤルティを向上させ、長期的なビジネス成果につながります。本コラムでは、生命保険契約者を対象とした保険販売員の対応品質、保険会社のサポート体制、および保険内容の適切性についての顧客満足度調査を実施する際に活用できる、効果的なCS調査テンプレートを解説いたします。
これから紹介するテンプレートは、保険販売員や保険会社が顧客との関係を強化し、顧客満足度を最大限に引き上げるための重要な要素を取り入れています。例えば、顧客の話を聞く姿勢のよさや説明のわかりやすさ、顧客の要望に対応した提案などの項目が含まれています。どのような生命保険商品に焦点を当てているかに関わらず、このテンプレートを使うことで、効率的かつ効果的な顧客満足度調査を実施することができます。ぜひ参考にして、保険販売員、保険会社と顧客との信頼関係を築くための一助としてください。
また、このコラムでは調査の目的や実施時の注意点、アンケート項目設定時のポイント、実施の流れ、調査結果の活用方法についても解説しています。解説したテンプレートは無料でダウンロードできます。
CS調査とは、自社の保険販売員が、どのように顧客に評価されているのかを知るための調査です。またここでは保険販売員の満足度だけなく、保険の成約に保険販売員がどの程度の影響力があるのかも知ることができます。CS調査の最終的な目的は、企業収益の向上、既存顧客の維持確保と新顧客の獲得のための手段を見出すことです。
生命保険は多くの人が利用していますが、長寿化や少子高齢化により生命保険に対する生活者の意識が大きく変わってきています。大きな保障と高めに設定された終身保険モデルから、定期保険や医療保険、介護保険などの適切な組み合わせを交えるなど、個々人の事情に適応した保険の選択と活用が進んでいます。また、職場や家庭への訪問販売から、ショッピングモールなどに開設されている保険ショップの利用、さらには通販へと保険の相談および契約の場の様変わりも見られます。
生命保険に対する生活者のニーズの変化に伴い、保険販売員が対応する場面が広がっています。生命保険会社に在籍して職場や家庭への訪問販売だけでなく、保険ショップや通販型保険サイトに在籍して契約や相談業務を行うなどです。また保険の種類の多様化により、顧客の状況に応じた保険を提案できるスキルが求められています。
顧客の立場から見ると、自身を担当した保険販売員の評価が保険会社の評価に直結します。ここでは保険販売員の評価だけでなく、保険販売員の評価を通して、保険事業者が総合的な顧客満足度を高めるために必要な要件の発見を目的としています。
顧客が生命保険に加入する目的は様々です。どのような人が、どのような目的や安心を求めて加入しているのか、家庭の状況や加入している保険の種類によって顧客の満足度は変わってきます。万が一に備えるのか、将来の生活の安定と安心のためなど様々です。その顧客の状況に考慮しながら、保険販売員は最善の保険プランの提供を目指しています。ここでは、その保険販売員の顧客満足度の評価を最優先の目的としています。
保険販売員には保険会社に在籍する保険販売員、来店型保険ショップで接客をする保険販売員、通販型保険でオンラインや電話で接客をするスタッフが想定されます。なお保険販売員は資格が必要ですが、ここでは通販型保険のスタッフについて資格は問いません。ここで調査対象となるのは保険販売員ですが、その顧客満足度は保険販売員個人に限定しての評価なのか、バックグランドにある保障内容や保険会社の評価も含むのかなど、調査目的にそった対象範囲の明確化と具体的な表現が必要になります。
生命保険の加入は、万が一の時や非常事に備えるだけでなく、子供の成長を見守る「こども保険」や老後に備えた「個人年金保険」なども販売されています。生命保険のバリエーションの広がりが見られる今日、家庭それぞれの事情を聞き取りながら保険販売員は営業を行っています。保険販売員の顧客満足度を見るためには、その役割と行動を踏まえた項目設計が必要です。
CS調査では、起承転結の一連の流れがあります。ここでの「起」は契約した保険会社を知
るという認知、「承」で契約者と被保険者は誰か、保険の種類は何かなど、その状況を聞き
ます。「転」は加入する保険会社と保険の決定理由、顧客の意思決定に際しての保険販売員
の影響度合いを聞きます。「結」では保険販売員に対する顧客満足度の確認へと発展します。
単純集計、属性クロス集計、質問間クロス集計などの分析方法を考慮した、適切な回答方
式を選択します。
分析に応じて集計・分析軸を設定します。
関係メンバー以外の社内の方に、調査票全体を客観的に検証してもらう必要があります。回答者が回答しやすい表現になっているのか、その確認が大切です。
CS調査の実施は、次のような流れで進めるのが基本です。
保険販売員の顧客満足度を聞くことで、保険事業者における保険勧誘現場の強みと弱み、現在とこれからの顧客とのつながりのあり方も知る機会となります。アンケート調査の一連の流れにそって、活用方法を例示します。
顧客が加入した生命保険をどのような経路で知ったのか、その結果から自社の情報発信効果が検証できます。HPなど公式サイト、保険の紹介サイトを活用した広告宣伝、テレビやラジオ、新聞、チラシなど、発信情報の内容と方法を見直す契機ともなります。
保険の契約者や保険の種類など、保険の加入状況を知ることができます。だれが、どのような保険を必要としているのか、顧客層別に見た保険のニーズを見ることができます。保険契約者と被保険者の関係、加入している保険の種類を組み合わせた顧客層のセグメントが可能になります。
保険の勧誘方法が、職場や家庭への訪問から来店型の保険ショップ、通販方式へと広がっています。それに伴い、生命保険の種類や加入条件の緩和など、顧客獲得に向けた方策が展開されています。その状況下で、保険の契約方法、なぜその保険会社(保険)を選んだという理由、さらに契約の意思決定に保険販売員はどの程度の関与したのかも知ることができます。顧客層のセグメントと合わせることで、保険事業者の満足度を向上させる要件を発見する手立てとしての活用が期待できます。
自社の保険販売員について、その強みの確認と同時に優先的に改善すべきポイントを知ることができます。満足度が低い項目は、早急に保険販売員のスキルアップが必要なポイントになります。顧客層のセグメントと、項目別の満足度の相関を見ることで商品としての生命保険、販売窓口となる保険販売員のあるべき姿など、生命保険ビジネスのコンセプトの見直しなどへの活用も期待できます。
ここでは、保険販売員の「総合的な顧客満足度を知るためのテンプレート」を紹介します。設問は、起承転結の流れにそって構成しています。
この設問では、契約した保険の情報に触れた主な場面はどこか、認知経路について聞きます。
ここでは保険の契約者と被保険者との関係を聞きます。
ここでは契約者が加入した保険の種類を聞きます。
ここでは保険会社との契約方法について聞きます。
ここではこの保険会社の保険を選定した理由を聞きます。
ここでは生命保険の加入決定に際して、保険販売員の対応の影響度合いを聞きます。
この設問では、保険販売員の対応状況を聞きます。保険販売員の重要な役割は何かを知るためです。
これらの設問では満足度を評価する項目は何か、その中でも決定要因となる項目は何かを聞きます。
この設問では、保険販売員の総合的な満足度を聞きます。
非常に 満足している |
やや満足 | どちらとも いえない |
やや不満 | 非常に不満 | |
保険に関する業務知識の豊富さ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
販売員の好感度と信頼感 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
保険内容の説明のわかりやすさ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
契約内容について、詳細で丁寧な説明 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
顧客の要望に対応した提案 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
顧客の話を聞く姿勢のよさ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
契約を押し付ける態度が見られない | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
家計の相談や最適なライフプランの提示 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
フィナンシャルプランナーの資格を持つ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
契約後の問い合わせの対応姿勢 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
保険以外の話への対応のよさ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
身だしなみへの配慮 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
この設問では、保険販売員の対応状況を聞きます。保険販売員の重要な役割は何かを知るためです。
この設問では、今後の顧客と保険販売員との関係について聞きます。
この「継続受講意向」と「他者への推奨意向」は、保険販売員と顧客のロイヤルティの強さを知るための設問です。
保険販売員の役割や印象など、顧客の自由な意見を聞きます。アンケート項目では思いつかない自由な発想での意見が期待できます。
これらプロフィールについての設問は、保険販売員の顧客セグメントなどで見る満足度の違いを把握するためのものです。保険販売員の満足度の評価項目とのクロス分析に使います。
CS調査は、保険会社の保険販売員の満足度を聞くことで、今後の生命保険ビジネスの現場のあり方、現在の強みと弱みの改善を含めたコンセプトの見直しをする機会となります。テンプレートを使用することで調査の効率性が向上し、より精度の高いデータを収集することができます。テンプレートは無料でダウンロードしていただけます。ぜひご利用ください。
顧客満足度調査( CS 調査)についてのご相談はこちら>
顧客満足度調査(CS調査)
”顧客満足度調査(略してCS調査)とは、自社の商品ユーザーやサービス利用者から評価・改善点などのアドバイスをいただくための調査です。
顧客が満足する商品・サービスを提供し続け、既存顧客の満足度を維持するだけでなく、新規顧客獲得に結びつけるためにも非常に重要な役割を果たします。また、顧客の「継続購買」や「推奨行動」といった「エンゲージメント」につなげることにあります。
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