2024.05.10
デプスインタビューの定義~分析:効果的な方法で本音とインサイトを引き出す
「顧客や利用者の本音」や「深層に潜むインサイト」を探るための強力な手法として注目されているのが、デプスインタビューです。この手法は、従来のアンケート調査やグルー……
公開日:2023.03.09
オフィス機器には、パソコン、コピー機、複合機、ビジネスフォン、ファクシミリ、レジスターなど、多岐にわたる種類があります。顧客満足度調査(以下CS調査)はそれらのどの機器を対象にするのかによって、あるいはその目的によっても質問内容が異なります。ここでは「オフィス機器のメンテナンスサービス」を提供する企業に所属する経営企画、営業、マーケティング部などの方々が実施するCS調査のテンプレートについて解説します。
この調査を行うときのターゲットは以下の方々を想定しています。
また、調査の目的や調査設計の際の注意点、実施の流れ、調査結果の活用方法についても説明しています。解説したテンプレートは無料でダウンロードできます
CS調査とは、自社が提供している製品やサービスが、どのように顧客に評価されているのかを知るための調査です。また企業としての信頼性、顧客との関係性の強さも知ることができます。CS調査の最終的な目的は、企業収益の向上、既存顧客の維持確保と新顧客の獲得のための手段を見出すことです。
オフィス機器には様々な種類がありますが、ここではオフィスオートメーション(OA)機器を対象とします。OA機器のトラブルは、即時に処理すべき業務ができない、社内外とのコミュニケーションが中断するなど、日常業務に重大な支障を来たすことがあります。状況によっては、取引の中断や延期、様々な事故の原因となりかねません。具体的な損失に加え、取引先からリスク管理体制の適切さを問われる懸念も予想されます。
IT化の進展に伴い、オフィス機器のトラブル対策への関心が高まっています。一方で、機器の技術革新が進み、点検や修理は専門業者のスキルが不可欠な状況となっています。そのため、機器トラブルの解決のためにメンテナンスを委託する顧客層が増加しています。このメンテナンス需要の増加に伴い、参入業者が増加し、業者間の競争が激化しています。業者としての競争力を高めるためには、顧客満足度の向上が重要な課題となります。ここでは、顧客満足度を高めるために必要な要件や現行サービスの改善、新たなサービスを見出すための方法を探ることを目的としています。
オフィス機器のトラブル対策として、メンテナンスと保守があげられます。この言葉を使う人の立場などにより、意味合いの重複と違いが見られます。ここでは機器トラブルの発生前後の対処全体を包括して、メンテナンスとします。
オフィス機器メンテナンスの目的は、円滑で正常なビジネス環境の維持です。オフィス機器には様々な種類があり、また使用場面やトラブルの程度によってメンテナンスの緊急性や重要性が異なります。そのため、メンテナンスサービスを利用する場面や顧客の機器トラブルのリスクの捉え方など、オフィス機器運用の実情を踏まえたアンケート項目を考える必要があります。調査の目的は、どのようなケースにおける満足度を明らかにするか、明確に設定する必要があります。例えば、顧客のメンテナンス意識から見た満足度を調査するのか、オフィス機器ごとのメンテナンス品質から見た満足度を調査するのか、などです。目的を明確にすることで、調査の重点がぼやけることを防ぎ、より効果的なアンケートの設計が可能になります。
オフィスで使用される機器には、パソコン、コピー機、複合機、ビジネスフォン、ファクシミリ、レジスターなど、多種多様な種類があります。例えば、コピー機にはシンプルなものから多機能なものまであり、パソコンにもデスクトップやノート型、タブレット端末など、幅広い種類が存在しています。
これら機器に対するメンテナンスの契約形態は一般的に、パソコンは購入時にベンダーの保証(メンテナンスを含む)があることが多い一方で、コピー機は保証がなくメンテナンス契約が必要な場合があります。さらに、メンテナンスの契約には、機器の定期点検を含む保守契約や、トラブルが発生した際に対応するスポット契約など、多様な形態があります。
しかし、業界標準としての契約モデルが存在しないため、アンケートにおいては、具体的な機器に対して、どのような契約形態であるかなども含め、アンケート対象を明確にする必要があります。
オフィス機器のメンテナンスは、その機器が担っている業務、顧客のリスク管理意識の違いなどによって、同質のメンテナンスサービスを提供しても、顧客満足度に違いが生じることが予想されます。また業種(製造業、販売業、サービス業など)や企業規模によって、メンテナンスのあり方に差が生まれることも考えられます。どのような状況における満足度の評価を求めるのか、目的にそった項目設計が重要です。
CS調査では、起承転結の一連の流れがあります。「起」は顧客が対象となるサービスを知るという「認知」、「承」は顧客がなぜ対象サービスを導入したのか、どのような事業者を選んだのか、オフィス機器の使用状況と業務運営環境はどうかなど、「転」は委託決定という意思決定行動、続いて「結」の実際に導入した結果となる満足度評価へとつながって行きます。調査の指針と一連の流れが調和するようなアンケート項目の設計、調査票の作成が重要です。
単純集計、属性クロス集計、質問間クロス集計などの分析方法を考慮した、適切な回答方式を選択します。
設問の目的に応じた分析方法を選択します。
関係メンバー以外の社内の方に、客観的な検証してもらう必要があります。回答者が回答しやすい表現になっているのか、その確認が大切です。
CS調査の実施は、次のような流れで進めるのが基本です。
対象サービスの顧客の満足度を聞くことで、顧客が期待するメンテナンスの品質、オフィス機器使用環境と提供サービスの適合性、また自社に欠けているサービス要素なども知ることができます。また自社の強みと弱み、顧客との関係性の強さを知る手だとなります。アンケート調査の一連の流れにそって、活用方法を例示します。
顧客がどのような認知経路で対象サービスを知ったか、その結果から自社の情報発信効果の仮説を検証することができます。仮説に大きな差異が見られる場合、自社の広告宣伝やHPなど公式サイト、パブリシティ活動などを含め、情報発信方策の見直しをする契機となります。
調査対象とするオフィス機器の種類や機器の所有形態、対象業務、機器トラブルのリスクに対する認識を知ることで、様々な場面における顧客満足度の違いが確認できる機会となります。顧客が重視する満足ポイントを見出す手段として期待できます。
顧客の契約理由から、メンテナンスに求められるサービス内容を確認できます。反対に、必要とされていないサービスの検証も可能になります。主要な導入理由に対応する情報発信やサービスメニューの拡充など、事業全般に渡る活用が期待できます。さらに継続契約の意向を確認することで、顧客との関係性を知るひとつの尺度となります。
現状の満足度と、今後優先的に改善すべきポイントを知ることができます。また満足度が低い項目は、対象サービスの弱みと同時に顧客の潜在ニーズも表している可能性があります。
ここでは、オフィス機器メンテナンスの「総合的な顧客満足度を知るためのテンプレート」を紹介します。設問は、起承転結の流れにそって構成しています。
この設問では、「オフィス機器のメンテナンス」に関連する情報に触れる主な場面はどこか、認知経路について聞きます。
この設問では、メンテナンスを委託した機器を聞きます。
この設問では、メンテナンスを委託した機器の導入方法聞きます。
この設問では、委託したメンテナンスの契約方法を聞きます。機器の種類によって、契約内容に偏りがあるのか、顧客が受け入れやすい契約内容は何かを知るための設問です。
この設問では、メンテナンスを委託した機器の使用場面を聞きます。よりメンテナンスが重視される業務は何か、顧客のメンテナンスニーズを知るための設問です。
この設問では、機器のトラブルによって引き起こされるリスクを聞きます。顧客が懸念するリスクは、メンテナンスのニーズに直結する可能性が高いです。
この設問では、メンテナンスサービスを契約したきっかけを聞きます。導入のきっかけは、顧客へのアプローチ機会を広げる手立てとなる可能性があります。
この設問では、委託先の選定理由を聞きます。メンテナンスサービスの委託先に求めるニーズの一面を知るためです。
これらの設問では満足度を評価する項目の優先順位、その中でも決定要因となる項目は何かを聞きます。
この設問では、オフィス機器のメンテナンス全体の総合的な満足度を聞きます。項目別の満足度との相関を見ることで、顧客が求めるサービスの姿、サービスコンセプトの見直しなどへの活用が可能となります。
非常に満足 | やや満足 | どちらともいえない | やや不満 | 非常に不満 | |
メンテナンス品質 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
リーズナブルな料金設定 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
メンテナンス対象範囲 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
契約条件の妥当性(相互の責任範囲の明確化など) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
平時のメンテナンス業務内容 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
障害・トラブル時のメンテナンス内容 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
メンテナンス情報共有体制 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
機器の更新や代替のサポート | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
サービス提供事業者の事業内容 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
この設問では、今後の強化ポイントと同時に改善ポイントも判断することができます。さらに満足度の低い項目は、顧客の潜在的なニーズを示す可能性もあります。サービス内容によって評価要素は異なりますので、対象のサービスに合わせて評価項目を決定します。
この設問では、サービスの満足度を背景として、これからの顧客と事業者の関係について聞きます。
これらプロフィールについての設問は、顧客が属する業界や事業環境ごとに異なる満足度を把握するためのものです。満足度の評価項目とのクロス分析に使います。
CS調査は、顧客のオフィス機器メンテナンスの満足度を聞くことで、今後の製品やサービスの改善に導く手段となります。さらに、課題の先取りを読み取る手段として、より付加価値高い方策を検討する手立てとしての活用が期待できます。テンプレートを使用することで調査の効率性が向上し、より精度の高いデータを収集することができます。テンプレートは無料でダウンロードしていただけます。ぜひご利用ください。
顧客満足度調査( CS 調査)についてのご相談はこちら>
顧客満足度調査(CS調査)
”顧客満足度調査(略してCS調査)とは、自社の商品ユーザーやサービス利用者から評価・改善点などのアドバイスをいただくための調査です。
顧客が満足する商品・サービスを提供し続け、既存顧客の満足度を維持するだけでなく、新規顧客獲得に結びつけるためにも非常に重要な役割を果たします。また、顧客の「継続購買」や「推奨行動」といった「エンゲージメント」につなげることにあります。
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