公開日:2024.08.28

オンラインで実施するエスノグラフィ調査とは|メリット、事例、成功へのポイントを紹介

  • マーケティングリサーチHowto

コロナ禍で変化を遂げた、エスノグラフィ調査の新手法

消費者の行動をありのままに捉え、潜在ニーズを探るエスノグラフィ調査。従来は自宅訪問調査を主とするオフライン型が主流でしたが、コロナ禍の影響で状況は一変しました。そこで注目されているのが、オンラインで実施するエスノグラフィ調査です。
 
本記事では、オンラインで実施するエスノグラフィのメリット・デメリット、事例、そして成功させるためのポイントをご紹介します。
 
「オンラインでのエスノグラフィのメリット・デメリット 無料ダウンロードはこちら>
 
 

オンラインでのエスノグラフィ調査とは? なぜ注目されているのか?

エスノグラフィ調査とは、観察やインタビューを通じて生活者の行動を深く理解し、商品開発やマーケティングに活用する調査手法です。従来は自宅訪問調査を中心としたオフライン型が主流でしたが、コロナ禍で実施が困難に。そこで台頭したのが、オンラインで実施するエスノグラフィ調査です。
詳しい「エスノグラフィ調査」はこちら>
 
オンラインでのエスノグラフィ調査は、インターネットを通じて対象者の生活空間を覗き見ることができるため、コロナ禍でも実施可能な調査手法として注目されています。
 
 

オンラインでのエスノグラフィ調査のメリット

オンラインでのエスノグラフィ調査には、従来のオフライン型調査と比較して、以下のようなメリットがあります。

  • コスト削減
  • 移動費や会場費などのコストを大幅に削減できます。

  • 時間短縮
  • 移動時間がなくなるため、調査期間を短縮できます。

  • 対象者への負担軽減
  • 自宅から参加できるため、対象者の負担を軽減できます。

  • 広範囲なリクルート
  • 全国各地の対象者へアプローチが可能になります。

  • リラックスした環境での観察
  • 自宅というリラックスできる環境下での観察が可能になります。

 
 

オンラインでのエスノグラフィ調査のデメリット

一方で以下のようなデメリットも存在します。

  • ネット環境やデバイスの制限
  • 対象者はインターネット環境とデバイスが必要となります。

  • 機密保持の難しさ
  • 同居家族への情報漏洩のリスクがあります。

  • 五感で得られる情報の制限
  • オンラインでは、香りや温度など五感で得られる情報が制限されます。

 
 

オンラインでのエスノグラフィ調査の事例紹介

オンラインでのエスノグラフィ調査の事例を、以下4つご紹介します。
 
 
事例1:学習ツールの調査

  • 調査目的は、アフターコロナを見据えた新規サービス開発 各学習ツールに向けた子供の自宅学習に関する実態把握
  • 事前課題として、子どもに姿勢の学習プログラムに取り組んでもらい、その様子を撮影した動画を提出してもらった
  • インタビュー中は、子どもに別の学習プログラムに取り組んでもらい、その様子をリアルタイムで観察

 
 
事例2:スマホアプリのユーザビリティ調査

  • 調査目的は、上市前のアプリについて、ユーザビリティ調査、ユーザビリティ改善のために使っている様子を観察する調査
  • PCでオンラインインタビューを行いながら、スマホでアプリを操作している様子を画面共有で観察
  • PCのカメラで指の動きを映してもらい、操作性を観察

 
 
事例3:日用品の使用実態調査

  • 調査目的は、市場規模拡大のための既存製品の使用実態調査、日用品が評価対象
  • 事前課題として、普段の掃除方法をエクセルで提出してもらった
  • インタビュー中は、指定された製品を使って掃除をしている様子をスマホのカメラで撮影してもらった

 
 
事例4:食品の調理・喫食実態調査

  • 調査目的は、既存商品の調理、喫食実態の構造観察(喫食シーン、タイミング、食べ合わせを確認することで、今後の商品の訴求ポイント拡大を目指すために構造観察)
  • 事前に指定された食品を喫食する様子を、1週間程度クラウド上のプラットフォームに記録してもらった
  • オンラインインタビュー中は、商品の喫食までの準備の様子から、普段食べている場所への移動、実際の喫食状況を観察

 
 
これらの事例から、オンラインでのエスノグラフィ調査は、従来のオフライン型調査では得られなかったような、生活者のリアルな行動や意識を捉えることができる手法であることが分かります。
 
 

オンラインでのエスノグラフィ調査を成功させるためのコツ

最後に、オンラインでのエスノグラフィ調査を成功させるためのポイントをご紹介します。
 

  • 事前課題の活用
  • 事前にアンケートや動画撮影などを実施することで、インタビュー時に確認すべきポイントを明確化できます。

  • カメラ画角のイメージを持つ
  • 事前に撮影場所やアングルなどを決めておくことで、当日のスムーズな観察を実現できます。

  • 接続テストの徹底
  • インタビュー前に接続テストを実施することで、通信環境によるトラブルを回避できます。

 
 

まとめ

オンラインでのエスノグラフィ調査は、従来のオフライン型調査と比較して、コスト削減、時間短縮、対象者への負担軽減などのメリットが多い調査手法です。
 
一方で、ネット環境や機密保持などの課題も存在します。これらの課題をクリアすることで、オンラインでのエスノグラフィ調査は、生活者のリアルな行動や意識を捉えることができる、非常に有効なマーケティング調査手法となるでしょう。
 
オンラインでのエスノグラフィ調査を検討されている企業担当者様は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
 
エスノグラフィ調査についてのご相談はこちら>
 

執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク 営業部 マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

アスマークの編集ポリシー
 
 

オンラインでのエスノグラフィのメリット・デメリット

オンラインでのエスノグラフィのメリット・デメリット

下記に当てはまる方にお薦めの資料です。
・オンラインでのエスノグラフィ調査のコツを知りたい
・オンラインインタビューで調査に失敗したことがある
・コロナ禍のエスノグラフィ調査をオンラインで実施したい

> 詳しく見る


エスノグラフィ調査

エスノグラフィ調査

訪問調査は一般的に、一軒一軒対象者の自宅・職場等を直接訪問してアンケートをして回る“定量調査”と、生活者の行動を「見る」「観察する」ことに重きを置く“定性調査”の二種類があります。
前者の場合は単に「訪問調査」と呼び、後者の場合は「訪問観察調査」「行動観察調査」「エスノグラフィ調査」等の呼び名があります。

> 詳しく見る