公開日:2024.11.20

アンケート設計の作り方とは?基本から回答率アップのポイントまでを解説

  • マーケティングリサーチHowto

ビジネスにおいて、顧客の声を収集し、そのニーズや実態を的確に把握することは、商品開発やサービス改善、そして顧客満足度向上のために、とても重要です。そのための有効な手段として、マーケティングなどの多くの分野で活用されているのが、アンケート調査です。
 
しかし、せっかくアンケートを実施しても、その設計に問題があれば、意図するデータにならないだけではなく、回答率も低下し十分なデータを得られない可能性が高まります。
 
この記事では、アンケート設計の基本から、回答率をアップさせるための具体的なポイントまでを、分かりやすく解説します。
 

 
 

アンケートとは

アンケートとは、標本調査の一種であり、事前に設定した質問項目(設問)に対する回答を、調査対象者から収集する調査手法です。得られた回答データは、量的・質的分析を通じて、調査対象全体の傾向や特性を把握するために活用できます。
 

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アンケートの設計方法

アンケート調査は、顧客のニーズや市場動向を把握するための有効な手段ですが、その効果を最大限に発揮するには、適切なアンケート設計が大切です。漠然とアンケートを作成してしまうと、本当に知りたい情報を得られなかったり、分析が困難になったりする可能性があります。
 
この章では、アンケートで有益な結果を得るための設計方法について解説します。
 

アンケートの設計の流れ

効果的なアンケートを作成し、信頼性の高いデータを得るためには、以下の流れに沿って設計を進めることが重要です。
 

図 アンケートの設計の流れ
図 アンケートの設計の流れ

 
STEP1 目的の明確化
まず、アンケートを実施する目的を明確に定義します。「顧客満足度を把握したい」「新商品のニーズを調査したい」など、具体的な目標を設定することで、必要なデータとそれを得るための設問を明確化できます。

STEP2 ターゲットの決定
次に、アンケートの対象者(ターゲット)を絞り込みます。年齢、性別、職業、居住地など、調査対象となる属性を明確にすることで、より的確な設問設計が可能になります。

STEP3 質問項目の選定
目的とターゲットを踏まえ、必要な情報を収集するための質問項目を選定します。全体像を把握するための質問から具体的な内容を掘り下げる質問へと、段階的に構成していくことが重要です。

STEP4 設問形式の決定
質問項目ごとに、適切な設問形式を選択します。自由回答(FA)、選択式「単一回答(SA)、複数回答(MA)」、数値回答など、回答しやすい形式を採用することで、回答率の向上とデータ分析の効率化を図ります。

STEP5 質問文の作成
質問文は、簡潔で分かりやすい表現を心がけ、誤解を招くあいまいな表現は避けましょう。また、質問の意図が明確に伝わるよう、具体的に記述することが重要です。

STEP6 回答尺度の設定
選択式や数値回答の場合、回答尺度を適切に設定する必要があります。選択肢の数は適切か、数値の範囲は適切かなど、回答者の負担を軽減し、正確な回答を促すような尺度を設定しましょう。

STEP7 アンケートの構成
質問項目の順番や配置を考慮し、アンケート全体の構成を決定します。回答しやすい流れを意識し、質問の順序によって回答が偏らないよう注意が必要です。

STEP8 事前調査の実施
作成したアンケートを実施する前に、可能であれば少人数を対象に事前調査を行いましょう。設問の分かりやすさや回答にかかる時間などを確認し、必要があれば修正することで、アンケートの精度を高められます。

これらのステップでアンケート設計を進めれば、目的とする情報を効率的に収集し、信頼性の高い分析結果を得ることが可能です。
 

事前準備
図 事前準備で押さえておくべきこと
図 事前準備で押さえておくべきこと

 
アンケート調査を始める前に、上図の4つの事前準備をしっかりと行うことで、調査の精度を高め、有益な結果を得るための基盤を築くことができます。下表に内容を説明します。
 

表 事前準備事項
事前準備事項 内容
①調査目的の設定 まず、「なぜアンケート調査を行うのか」という目的を明確にしましょう。目的があいまいなままでは、必要な情報を得られないだけでなく、分析の際に迷いが生じ、誤った解釈につながる可能性もあります。

例えば、「顧客満足度を向上させたい」という抽象的な目的ではなく、「新商品の改善点を特定し、顧客満足度向上につなげたい」のように具体的な目的を設定することで、収集すべき情報が明確になります。
②仮説の設定 調査目的を達成するために、検証すべき仮説を複数立てましょう。仮説とは、調査によって検証したいと考える「仮の答え」のことです。

例えば、「新商品の価格が高すぎるため、購入意欲が低いのではないか」という仮説を立てたとします。この仮説を検証するために、価格に関する質問や、価格と購入意欲の関係性を分析するための質問を設けることができます。

仮説を立てることで、アンケートの設計がより具体的になり、得られた結果を分析する際の指針となります。
③調査対象者の決定 誰にアンケートに答えてもらうのか、調査対象者を明確にしましょう。ターゲット層を絞り込むことで、より的確な質問項目を設定し、偏りのないデータを集めることができます。

例えば、新商品のアンケートであれば、その商品の主な利用者を想定し、年齢や性別、職業、居住地などを考慮して調査対象者を決定します。
④調査手法の決定 アンケートの実施方法を決定します。オンライン調査、郵送調査、電話調査など、様々な手法がありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。調査対象者、調査目的、予算、期間などを考慮し、最適な手法を選びましょう。

例えば、広範囲の意見を短期間で集めたい場合はオンライン調査が適していますし、より詳細な意見を聞きたい場合は電話調査が効果的です。

 

設問設計

アンケートの設問設計は、調査の目的を達成し、信頼性の高いデータ(調査結果)を得るために、とても重要な要素です。
 

図 設問設計における重要なポイント
図 設問設計における重要なポイント

 
ここでは、設問設計における重要なポイントを4つに分けたイメージとなり、以下解説します。
 

表 設問設計における重要なポイント
ポイント 内容
①設問数について 設問数は、多すぎると回答者の負担が増し、回答率の低下や途中離脱につながります。また、集中力も途切れやすくなるため、データの質にも影響します。

設問数は20~25問程度を目安とし、長くても10分以内で回答できる設問数に抑えましょう。どうしても設問数が多くなる場合は、複数ページに分けたり、途中保存機能を設けたりするなどの工夫が必要です。

また、分析から逆算した回答者の属性(年齢や性別など)に関する項目が十分にあるのか、気を付ける必要があります。十分にある場合には、分析から今後の施策などに繋げられる可能性が広がります。
②設問文について 設問文は、簡潔で分かりやすい表現を心がけ、誤解を招くような表現は避けましょう。できるだけ専門用語や業界用語の使用は控え、誰にでも理解できる言葉で記述することが重要です。

また、誘導的な質問にならないよう、中立的な表現を心がけることが大切です。「~だと思いますか」といった誘導的な質問ではなく、「~についてどう思いますか」のように、客観的な意見を聞ける質問にしましょう。

さらに、時間や数量を質問する場合は、「最近」や「たくさん」といったあいまいな表現ではなく、「1週間以内」や「3個以上」のように具体的な数値で示すことで、回答の精度を高められます。
③選択肢について 選択肢を設定する際は、回答者が迷わずに選択できるよう、以下の点に注意しましょう。

・選択肢の数
選択肢は5段階程度を目安とし、多くても7段階までに抑えましょう。選択肢が多すぎると、回答者が適切な選択肢を選べなくなる可能性があります。

・選択肢の内容
選択肢の内容は重複せず、それぞれが明確に区別できるように設定しましょう。また、選択肢は短く簡潔な文章で記述し、目安として20文字以内に抑えることが大切です。

・その他回答
「その他」の選択肢を設ける場合は、具体的な内容を記述できる自由回答欄も用意しましょう。
④選択肢の順番について 選択肢は、その提示順序によって回答に偏りが生じる可能性があります。オンラインアンケートでは、選択肢の表示順序をランダムにすることで、この偏りを軽減できます。

また、頻度や金額に関する設問では、選択肢の順序を統一すると回答者が理解しやすくなります。一般的に、頻度は「高いもの→低いもの」、金額は「小さいもの→大きいもの」の順に並べることが推奨されます。

 

 

データ集計と分析

アンケートを実施してデータを回収できたら、次は集計と分析を行います。

図 データ集計とデータ分析のイメージ
図 データ集計とデータ分析のイメージ

 
集計と分析を的確に進めることで、隠れたニーズや課題を発見することが可能です。
 

  1. データの集計方法
    集計とは、バラバラに集まった回答データを整理し、全体像を把握することです。主に2つの集計方法が用いられます。

    • 単純集計
      各質問項目への回答を集計し、回答数や割合を算出します。全体の傾向を把握するのに役立ちます。例えば、「商品の満足度」に関する質問で、「満足」と回答した人が全体の何%を占めるのかを把握できます。
    • クロス集計
      複数の質問項目を組み合わせて集計します。項目間の関係性を分析することで、より深い洞察を得られます。例えば、「年齢」と「商品の満足度」をクロス集計することで、年齢層によって満足度に違いがあるのかを分析できます。

     
    集計結果は、表やグラフなどを用いて視覚的に分かりやすく表示すれば、解釈しやすくなります。
     

  2. データの分析方法
    データ分析では、集計結果に基づき、データに隠れた意味や傾向を読み解きます。

    • 定量データの分析
      数値で表されるデータの分析には、平均値、中央値、標準偏差などを用います。また、回帰分析などの統計手法によって、回答の分布や関連性を把握し、仮説の検証などを行います。
    • 定性データの分析
      自由回答のようなテキストデータの分析には、テキストマイニングなどの手法を用います。回答に含まれるキーワードや頻出する単語を抽出することで、顧客の意見や感情を深く理解できます。

     
    分析結果を解釈する際には、調査の目的や仮説を常に意識することが重要です。また、データの偏りや誤差にも注意し、客観的な視点で分析を行うように心がけましょう。

 

 
 

アンケート設問例(テンプレート)

アンケート設計の基礎を理解した後は、具体的な設問例を見てイメージを深めることが重要です。ここでは、社外向けと社内向けの目的別に、アンケート設問例を紹介します。
 

社外向けの目的別アンケート設問例(テンプレート)
コンセプト調査
このアンケートは、メーカーが商品のコンセプトに対するお客様のご意見を伺うためのアンケートです。

Q1. あなたは、〇〇(商品名)のコンセプトについて、どの程度目新しさを感じましたか。(1つ選択)
1. とても目新しさを感じた
2. やや目新しさを感じた
3. どちらともいえない
4. あまり目新しさを感じなかった
5. 全く目新しさを感じなかった
 
Q2. あなたは、〇〇(商品名)のコンセプトにどの程度魅力を感じましたか。(1つ選択)
1. とても魅力を感じた
2. やや魅力を感じた
3. どちらともいえない
4. あまり魅力を感じなかった
5. 全く魅力を感じなかった
 
Q3. あなたは、〇〇(商品名)をどの程度使ってみたいと思いましたか。(1つ選択)
1. とても使いたい
2. やや使いたい
3. どちらともいえない
4. あまり使いたくない
5. 全く使いたくない
 
Q4. あなたは、〇〇(商品名)をどの程度購入したいと思いましたか。(1つ選択)
1. とても購入したい
2. やや購入したい
3. どちらともいえない
4. あまり購入したくない
5. 全く購入したくない
 
Q5. Q4で選択した理由について、具体的にお書きください。(自由記述)

 
 
Q6. 〇〇(商品名)の想定価格(〇〇円)について、どう思いますか。(1つ選択)
1. 高すぎる
2. やや高い
3. 妥当
4. やや安い
5. 安すぎる
 
Q7. 〇〇(商品名)のコンセプトについて、他に何かご意見やご要望がありましたら、ご自由にお書きください。(自由記述)

顧客満足度調査(CS調査)※食品メーカー向け
このアンケートは、食品メーカーが定番商品の顧客満足度を調査するためのアンケートです。
 

Q1. あなたは、〇〇(商品名)をどこでお知りになりましたか。(1つ選択)
1. テレビCM
2. インターネット広告
3. SNS
4. 知人からの紹介
5. 店頭で見かけて
6. その他(具体的に:)
 
Q2. あなたは、〇〇(商品名)を主にどこで購入しますか。(1つ選択)
1. スーパーマーケット
2. コンビニエンスストア
3. ドラッグストア
4. インターネット通販
5. その他(具体的に:)
 
Q3. あなたは、直近1年間にどのくらいの頻度で〇〇(商品名)を購入しましたか。(1つ選択)
1. 週に3回以上
2. 週に1~2回
3. 月に2~3回
4. 月に1回程度
5. 2~3ヶ月に1回程度
6. 半年に1回程度
7. 1年に1回程度
8. それ以下
 
Q4. あなたは、どのような時に〇〇(商品名)を召し上がりますか。(複数選択可)
1. 朝食時
2. 昼食時
3. 夕食時
4. 間食時
5. 仕事や勉強の合間
6. リラックスしたい時
7. その他(具体的に:)
 
Q5. あなたが〇〇(商品名)を選ぶ際に重視する点は何ですか。(複数選択可)
1. 味
2. 価格
3. 量
4. カロリー
5. 原材料
6. パッケージ
7. ブランドイメージ
8. その他(具体的に:)
 
Q6. 〇〇(商品名)の総合的な満足度を、5段階で評価してください。(1つ選択)
1. 非常に満足
2. やや満足
3. どちらともいえない
4. やや不満
5. 非常に不満
 
Q7. 〇〇(商品名)について、以下の項目をそれぞれ5段階で評価してください。

→ヨコ回答 非常に満足 やや満足 どちらとも
いえない
やや不満 非常に不満
香り
食感
価格
パッケージ

 
 
Q8. あなたは、〇〇(商品名)を友人や家族にすすめたいと思いますか。(1つ選択)
1. ぜひすすめたい
2. すこしすすめたい
3. どちらともいえない
4. あまりすすめたくない
5. 全くすすめたくない
 
Q9. 〇〇(商品名)について、ご意見・ご要望がありましたらご自由にお書きください。(自由記述)

ブランド認知度調査
このアンケートは、〇〇(商品カテゴリー)におけるブランド認知度やイメージを調査するアンケートです。

Q1. あなたは、「〇〇(商品カテゴリー)」と聞いて、いくつのブランド名を挙げることができますか。(例:ブランドA、ブランドBなど)(自由記述)

 
 
Q2. あなたは、「〇〇(商品カテゴリー)」に対して、どの程度こだわりを持っていますか。(1つ選択)
1. とてもこだわりがある
2. ややこだわりがある
3. どちらともいえない
4. あまりこだわりはない
5. 全くこだわりはない
 
Q3. あなたが知っている「〇〇(商品カテゴリー)」のブランドをすべて教えてください。(自由記述)

 
 
Q4. 以下のブランドについて、それぞれ当てはまるものをすべてお選びください。(複数選択可)

→ヨコ回答 名前を聞いたことがある 購入を検討したことがある 購入したことがある 現在使用している 商品の特徴を説明できる
自社ブランドA
競合ブランドB
競合ブランドC
競合ブランドD
競合ブランドE

 
 
Q5. Q4で挙げたブランドを、それぞれどこで知りましたか。最初のきっかけをお答えください。(1つ選択)

→ヨコ回答 テレビCM インターネット
広告
雑誌広告 新聞広告 店頭・
店内
屋外広告 知人からの紹介 その他
自社
ブランドA
競合
ブランドB
競合
ブランドC
競合
ブランドD
競合
ブランドE

 
 
Q6. Q4で挙げたブランドについて、それぞれどの程度好きか教えてください。(1つ選択)

→ヨコ回答 とても好き やや好き どちらともいえない あまり好きではない 全く好きではない
自社ブランドA
競合ブランドB
競合ブランドC
競合ブランドD
競合ブランドE
社内向けの目的別アンケート設問例(テンプレート)
基本属性の項目
Q1. あなたの性別をお知らせください。(1つ選択)
1. 男性
2. 女性
3. その他
 
Q2. あなたの年齢をお知らせください。(1つ選択)
1. 10代以下
2. 20代
3. 30代
4. 40代
5. 50代
6. 60代
7. 70代以上
8. その他
 
Q3. あなたが現在お住まいになっている都道府県をお知らせください。(1つ選択)

 
Q4. あなたの婚姻状況をお知らせください。(1つ選択)
1. 未婚
2. 既婚
3. その他
 
Q5. あなたの職業をお知らせください。(1つ選択)
1. 会社員(正社員)
2. 会社員(派遣社員・契約社員)
3. 公務員
4. 自営業
5. 自由業
6. 専業主婦/主夫
7. パート・アルバイト
8. 学生
9. 無職
10. その他
 
Q6. あなたの世帯年収をお知らせください。(1つ選択)
1. 300万円未満
2. 300万円~500万円未満
3. 500万円~700万円未満
4. 700万円~1,000万円未満
5. 1,000万円~1,500万円未満
6. 1,500万円以上
7. その他
従業員満足度調査(ES調査)
①職場環境について

Q1. あなたの職場環境について、総合的にどの程度満足していますか。(1つ選択)
1. とても満足
2. やや満足
3. どちらともいえない
4. やや不満
5. とても不満
 
Q2. 以下の項目について、それぞれどの程度満足していますか。(それぞれ1つ選択)

→ヨコ回答 とても満足 やや満足 どちらともいえない やや不満 とても不満
オフィス環境
(広さ、清潔さ、設備など)
設備・備品
(PC、デスク、椅子など)
作業スペース
休憩スペース
職場の人間関係

 
 
②仕事内容について

Q3. あなたの仕事内容について、総合的にどの程度満足していますか。(1つ選択)
1. とても満足
2. やや満足
3. どちらともいえない
4. やや不満
5. とても不満
 
Q4. あなたは、現在の仕事にやりがいを感じていますか。(1つ選択)
1. とてもそう思う
2. ややそう思う
3. どちらともいえない
4. あまりそう思わない
5. 全くそう思わない
 
Q5. あなたは、仕事を通して自分自身の成長を感じていますか。(1つ選択)
1. とても感じている
2. やや感じている
3. どちらともいえない
4. あまり感じていない
5. 全く感じていない

 
 
③待遇・福利厚生について

Q6. あなたは、会社の給与や待遇について、総合的にどの程度満足していますか。(1つ選択)
1. とても満足
2. やや満足
3. どちらともいえない
4. やや不満
5. とても不満
 
Q7. あなたは、会社の福利厚生について、総合的にどの程度満足していますか。(1つ選択)
1. とても満足
2. やや満足
3. どちらともいえない
4. やや不満
5. とても不満

 
 
④教育・評価制度について

Q8. あなたは、会社の研修・教育制度について、総合的にどの程度満足していますか。(1つ選択)
1. とても満足
2. やや満足
3. どちらともいえない
4. やや不満
5. とても不満
 
Q9. あなたは、会社の評価制度について、どの程度納得していますか。(1つ選択)
1. とても納得している
2. やや納得している
3. どちらともいえない
4. あまり納得していない
5. 全く納得していない

 
 
⑤企業理念・風土について

Q10. あなたは、会社の企業理念やビジョンに共感していますか。(1つ選択)
1. とても共感している
2. やや共感している
3. どちらともいえない
4. あまり共感していない
5. 全く共感していない
 
Q11. あなたは、会社の風土について、どのように感じていますか。(自由記述)

 
 
⑥その他

Q12. あなたは、仕事とプライベートのバランスをどのように感じていますか。(1つ選択)
1. バランスが取れている
2. ややバランスが取れている
3. どちらともいえない
4. ややバランスが取れていない
5. 全くバランスが取れていない
 
Q13. あなたは、会社に対して何か要望がありますか。(例:労働時間、休暇制度、福利厚生、人事評価制度、教育制度、コミュニケーションなど)(自由記述)

 
 

アンケートの回答率アップのためのポイント

せっかく時間をかけて作成したアンケートも、回答率が低ければ思うようにデータが集まらない可能性があります。ここでは、アンケートの回答率をアップするためのポイントを紹介します。

表 アンケートの回答率をアップするためのポイント
ポイント 内容
1.回答しやすい設問設計 設問の順番は論理的に構成する
質問の順番は、回答者が自然に答えられるよう、論理的な流れで構成しましょう。例えば、商品に関するアンケートであれば、「商品を知っているか」→「使ったことがあるか」→「使用感」→「購入意向」という流れが自然です。
設問文には主語を必ず入れる
「この商品についてどう思いますか」よりも「あなたは、この商品についてどう思いますか」と主語を明確にすることで、回答者は質問の意図を理解しやすくなります。
回答する負担を減らす
設問数は必要最低限に絞り、回答者の負担を減らしましょう。自由記述やマトリクス型の設問は、回答に時間がかかるため、多用を避けるべきです。
複数回答を多用しない
複数回答は選択肢間の差が分かりにくく、分析が難しくなる可能性があります。複数回答形式を採用する際は、本当に必要な質問に限定しましょう。
2.スマホ対応 スマホでの表示を確認する
作成したアンケートは、必ずスマホで表示を確認しましょう。文字が小さすぎたり、ボタンが押しにくかったりすると、回答率が低下する原因になります。
画像や動画は適切なサイズにする
画像や動画を挿入する場合は、ファイルサイズを小さくし、スマホでもスムーズに表示されるように配慮しましょう。
3.その他 アンケートの目的を明確に伝える
回答者がアンケートの目的を理解できると、アンケートへの協力意欲が高まります。アンケートの冒頭で、目的や回答内容の活用方法を簡潔に説明しましょう。
個人情報の取り扱いを明確にする
回答者が安心して回答できるよう、個人情報の取り扱いについて明確に示しましょう。
謝礼を用意する
謝礼を用意することで、回答へのモチベーションを高められます。謝礼の内容は、金券やポイント、プレゼントなど、対象者に合わせて検討しましょう。
締め切りを明確にする
明確な回答期限を設けることで、速やかな回答をうながせます。

 
 

アンケートに必要なサンプルサイズとは

アンケート調査の信頼度を高めるためには、適切なサンプルサイズの回答を集める必要があります。サンプルサイズとは、簡単に言うと、アンケートに実際に答えてもらう人数のことです。このサンプルサイズが大きいほど、アンケートから得られた情報が、調査対象全体(母集団)の意見を反映できる可能性が高まります。しかし、サンプルサイズが大きくなると、アンケートの実施にかかるコストや時間が膨大になってしまいます。そのため、アンケートを実施する際は、適切なサンプルサイズを決めることが重要です。
 
サンプルサイズは、統計学に基づいた計算式を用いて算出します。計算式では、以下の要素を考慮します。

  • 母集団の標準偏差
    母集団における回答のばらつき具合です。事前に知るのは難しいので、経験則から0.5~1.0の値を使うことが多いです。
  • 許容誤差
    アンケート結果に許容できる誤差の範囲です。±3%~±5%程度に設定するのが一般的です。
  • 信頼度
    アンケート結果の確実性を測る指標です。一般的には95%に設定することが多いです。

 
これらの値が決まれば、統計ソフトやオンラインツールを使ってサンプルサイズを計算できます。
 

 
 

まとめ

ここまで、アンケート設計の作り方について、基本から回答率アップのポイントまで詳しく解説しました。
 
アンケート調査は、顧客のニーズや市場動向を把握するための、とても効果的な手段です。短期間で多くの有益なデータを集められるため、商品開発やサービス改善などに役立てることができます。
 
しかし、アンケートの有効性を最大限に引き出すには、適切に設問設計することが大事です。設問の構成や表現、選択肢の設定などを工夫することで、回答者の負担を軽減し、アンケートの回答率を高められます。
 
ぜひ、この記事で紹介したポイントを踏まえ、適切な設問設計を行い、アンケート調査をビジネスに活用しましょう。
 
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執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク 営業部 マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

 
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「分析・設計の前提」が分かる正しいデータの見方とは

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● データを活用して、マーケティング戦略をより強化したい方
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サンプルサイズとは?計算方法やサイズの決め方など基本から解説

サンプルサイズとは?計算方法やサイズの決め方など基本から解説

調査やアンケートにおいて、限られた時間や予算の中で、調査対象全体を調べることは難しい場合がほとんどです。そこで、重要になるのが、サンプルサイズです。適切なサンプルサイズを設定できれば、調査結果の信頼性を高めながら、調査にかかる時間やコストを節約できます。

この記事では、サンプルサイズの重要性とともに、適切なサンプルサイズの決め方について解説します。

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