2023.06.30
ドラッグストアの顧客満足度調査テンプレート:顧客の声を活用して競争力を高める方法
ドラッグストアは、私たちの日常生活において欠かせない存在となっています。医薬品をはじめとする健康や美容の製品を提供するだけでなく、日用雑貨や食品などの品揃えも豊……
公開日:2024.08.26
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、私たちの生活様式だけでなく、ビジネスのあり方にも大きな変化をもたらしました。その影響は、企業活動における重要な意思決定を支えるマーケティングリサーチの手法にも及んでいます。従来は対面で行うことが当たり前だった調査が、感染拡大防止の観点から実施困難に陥り、その代替手段としてオンライン調査が急速に普及しました。
特に、グループインタビューやデプスインタビューといった、従来は対面での実施が主流だった定性調査においても、オンライン化が急速に進みました。当初は、オンライン調査に対する戸惑いや、対面調査に比べて得られる情報量が限られるのではないかといった懸念の声も聞かれました。しかし、この状況下で多くの企業がオンライン調査を実施した結果、オンライン調査は対面調査の完全な代替手段ではなく、独自のメリットを持つ有効な調査手法であることが認識されつつあります。
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オンライン調査の普及により、マーケティングリサーチは新たな局面を迎えています。しかしながら、オンライン調査が全てにおいて優れているわけではなく、従来のオフライン調査にも、依然として重要な役割があります。
オンライン・オフライン調査のどちらを選択するかは、調査目的や内容、対象者、予算などを総合的に判断する必要があります。ここでは、グループインタビューとデプスインタビュー、それぞれの調査形式におけるメリット・デメリットを比較することで、それぞれの特性をより深く理解していきましょう。
複数の対象者を同時に集めて行うグループインタビュー(FGI:Focus Group Interview)は、活発な意見交換や議論を通じて、対象者の潜在的なニーズや意識を明らかにするのに有効な手法です。
詳しい「グループインタビュー(FGI)」はこちら>
オンラインの最大のメリットは、場所を選ばずに調査を実施できることです。遠隔地や海外在住の対象者も容易に参加できるため、従来よりも広範囲から対象者をリクルートすることが可能になります。
自宅など、対象者にとってリラックスできる環境で参加できるため、本音を引き出しやすいという利点があります。また、移動時間やコストの削減にもつながります。
オンラインでは、他の参加者と直接顔を合わせることがないため、より率直な意見を表明しやすくなります。
オンライン環境では、対面に比べて参加者同士の相互作用が制限されやすく、議論が活発化しにくい場合があります。
対面では、表情やしぐさ、視線といった非言語情報からも多くの情報を得ることができますが、オンラインではそれらの情報が限定的になるため、対象者の感情や本音を読み取りにくいという側面があります。
インターネット環境や機器の不具合など、技術的な問題が発生する可能性があります。
参加者同士が同じ空間にいることで、一体感や緊張感が生まれ、議論が白熱しやすくなります。
対面であれば、表情やしぐさ、視線といった非言語情報も直接観察できるため、言葉以外の情報からも対象者を深く理解することができます。
会場まで移動する必要があるため、対象者の負担が大きくなり、リクルートの範囲も限定されます。
会場費や移動費など、オンラインに比べてコストがかかります。
デプスインタビュー(IDI:In Depth Interview)は、対象者とインタビュアーが1対1で深く掘り下げたインタビューを行うことで、対象者の行動や意識の背景にある要因を明らかにする調査手法です。
詳しい「デプスインタビュー(IDI)の概要とメリット・デメリット」はこちら>
グループインタビューと同様、遠隔地や海外の対象者にも容易にアプローチできます。
自宅などリラックスできる環境で参加できるため、より深い話や個人的な内容を引き出しやすくなる可能性があります。
オンラインでは、対面に比べて対象者の微妙な表情や視線を感じ取ることが難しく、本音を見抜くことが難しい場合があります。
対面に比べて集中力が途切れやすく、長時間のインタビューが難しい場合があります。
対面でじっくりと時間をかけてインタビューを行うことで、対象者の行動や意識の背景にある文脈や感情まで深く理解することができます。
インタビュアーと対象者が直接顔を合わせて会話することで、信頼関係を築きやすく、より本音を引き出しやすくなります。
グループインタビューと同様、会場への移動が必要となるため、対象者、実施者双方の負担が大きくなります。
会場費や移動費など、オンラインに比べてコストがかかります。
オンライン調査とオフライン調査、それぞれにメリット・デメリットがあることを踏まえ、調査を成功させるためには、それぞれの特性を理解し、調査目的や内容に応じて最適な手法を選択することが重要です。ここでは、具体的な調査テーマを例に、オンライン・オフラインどちらが適しているかを考えていきましょう。
消費者の深層心理や行動の背景にある、潜在的なニーズやインサイトを探る調査では、オンライン・オフラインどちらの手法も有効です。オンライン調査では、より広範囲の対象者から情報を収集できるというメリットを活かせる一方、オフライン調査では、対象者の表情やしぐさ、場の雰囲気など、オンラインでは捉えきれない情報を得られるというメリットがあります。
例えば、新商品開発のためのインサイト探査調査の場合、オンライン調査で幅広い層の消費者の意識や行動を把握した上で、オフライン調査で少数のターゲットユーザーに絞り込み、より深いインサイトを探るというように、両者を組み合わせることで、より多角的な情報を取得できる可能性があります。
新商品やサービスのコンセプトに対する、ターゲットユーザーの反応や評価を調べる調査では、オンライン調査が有効なケースが増えています。オンライン調査では、コンセプトを視覚的に分かりやすく提示できるツールを活用することで、対象者にコンセプトを正しく理解してもらうことができます。また、アンケート機能などを用いることで、定量的なデータを取得しやすく、分析しやすいというメリットもあります。
詳しくは「コンセプト調査・コンセプトテストの必要性と評価ポイント」こちら>
商品パッケージのデザインや形状、素材などに対する評価を調べる調査では、オフライン調査の方が適しているケースが多いでしょう。パッケージ調査では、実際の商品を手に取って見たり、触ったり、使用感を確かめたりすることが重要となるためです。
ただし、オンライン調査でも、3D画像や動画などを活用することで、ある程度のリアリティを持たせることは可能です。オンライン・オフラインどちらの手法が適切かは、調査の目的や内容、予算などを考慮して判断する必要があります。
詳しくは「パッケージ調査・パッケージテスト」こちら>
ウェブサイトやアプリなどの使いやすさや分かりやすさを評価するユーザビリティ調査では、オンライン調査が適しています。オンライン調査では、対象者が実際にウェブサイトやアプリを操作している様子を、画面共有機能などを用いてリアルタイムで観察することができます。
詳しくは「アプリ・WEBサイトのユーザビリティテスト」こちら>
食品や飲料の新商品開発において、味や香り、食感などを評価してもらう試食・試飲調査では、オフライン調査が一般的です。試食・試飲調査では、温度や鮮度など、品質管理が重要な要素となるためです。
詳しくは「テイストテスト(試飲・試食調査)」こちら>
衣料品や化粧品など、実際に試着したり、使用感を確かめたりすることが重要な商品開発では、オフライン調査が適しています。オンライン調査では、試着や使用感を再現することが難しく、正確な評価を得ることが難しい場合が多いでしょう。
オンライン調査は、適切な準備と運営を行うことで、オフライン調査に匹敵する、質の高いデータを取得できます。ここでは、オンライン調査を成功させるために、特に重要なポイントを解説していきます。
オンライン調査では、円滑な進行と質の高いデータ取得のために、事前の準備が非常に重要となります。
オンライン調査では、対象者がインターネットや機器操作に不慣れな場合も想定されます。そのため、調査への参加方法や注意点などを、事前に分かりやすく丁寧に説明する必要があります。
当日のトラブルを避けるため、事前に対象者のインターネット環境や機器の動作確認を行う接続テストは必須です。
調査目的に合ったオンラインインタビューシステムやアンケートツールを選定し、事前に設定を済ませておくことが重要です。
オンライン調査では、資料を画面共有で提示することが一般的です。見やすく分かりやすい資料を作成し、事前にデータ容量などを確認しておきましょう。
オンライン調査では、インターネット環境や機器のトラブルが発生する可能性も考慮しておく必要があります。
オンライン調査では、時間配分を意識し、時間通りに進行することが重要です。
オンライン環境では、対面に比べて参加者同士の緊張感が高まりやすいため、インタビューの冒頭には、アイスブレイクの時間を設けることが有効です。
インターネット回線の不具合や機器の動作不良など、予期せぬトラブルが発生した場合に備え、代替手段を検討しておくことが大切です。
オンライン調査では、対面に比べてコミュニケーションが希薄になりがちです。モデレーターは、オンラインでのコミュニケーションを意識し、円滑な進行と場の雰囲気作りに努める必要があります。
可能であれば、対象者にはカメラをオンにしてもらうことで、表情や反応を確認しやすくなります。
相槌を打ったり、頷いたりなど、積極的にリアクションを示すことで、対象者に話を聞いてもらえている安心感を与えることができます。
専門用語や難しい言葉は避け、対象者に分かりやすい言葉で話すように心がけましょう。
オンライン調査では、集中力が途切れやすいという側面もあるため、適宜休憩を挟むことで、集中力を維持できるよう配慮が必要です。
オンライン調査では、専用のツールを活用することで、より質の高い調査を実施できます。
オンラインインタビューシステムでは、録画・録音機能、画面共有機能、チャット機能など、インタビューを円滑に進めるための様々な機能が搭載されています。これらの機能を効果的に活用することで、よりスムーズで質の高いインタビューを実現できます。
オンライン調査では、インタビューと並行して、アンケート調査を実施することも有効です。オンラインインタビューシステムとアンケートシステムを連携させることで、インタビューで得られた情報をより深く掘り下げたり、定量的なデータを取得したりすることができます。
コロナ禍を経て、マーケティングリサーチにおけるオンライン調査の活用は、加速度的に進展しました。オンライン調査は、地理的な制限がなく、コストを抑えながら広範囲の対象者から情報を収集できるなど、多くのメリットがあります。
一方で、オフライン調査には、対象者の生の声を直接聞き取り、表情や行動、場の雰囲気など、オンラインでは得られない情報を得られるというメリットがあります。オンライン調査とオフライン調査は、それぞれに異なる特性を持つため、どちらか一方の手法が優れているわけではありません。
より効果的なマーケティングリサーチを実現するためには、調査の目的や内容、対象者の特性、予算などを考慮した上で、オンラインとオフラインのメリットを最大限に活かせるような、最適な調査計画を立案することが重要です。
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アスマークのグループインタビュー(FGI)
グループインタビュー(FGI)とは、調査対象者を6人程度集め、モデレーターと呼ばれる司会者が調査テーマについて質問を行い、自由に発言をしてもらうことでさまざまな意見・情報を収集する調査手法です。消費者と直接対面することが最大の特徴で、消費者の生の声を収集することができます。また、グループ形式であるため、その相互作用で意見が活発になりやすく、多くの意見を収集しやすいというメリットもあります。
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