2021.11.02
テスト品評価
4コマ漫画でわかるマーケティングリサーチ
ブランド担当者は自社ブランドに思い入れが強い分、テスト品に対して、知らず知らずのうちにバイアスがかかった評価をしてしまいがちです。 社内で行なうテスト品評価も……
公開日:2024.09.10
アンケートは、顧客の声を直接聞き、ニーズや課題を把握するための強力なツールです。しかし、アンケートの作成には「どんな質問をすれば良いのか」「どうすれば回答率を上げられるのか」など、様々な疑問がつきものです。
そこで、この記事では、アンケート作成の基本的な手順から、回答率を向上させるコツ、さらには課題別に役立つテンプレートまでご紹介します。アンケート作成に初めて挑戦する方も、既に経験がある方も、ぜひ参考にしてください。
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アンケートを実施する上で、単純に質問を並べるだけでは思うような情報を得ることはできません。効果的なアンケートを作成し、有益な回答を得るためには、いくつかのステップを踏む必要があります。
ここでは、アンケート作成から実施までの手順と、それぞれの段階におけるポイントを解説します。
アンケート作成の最初のステップは、適切な企画を立てることです。具体的には、以下の2点を明確にします。
項目 | 内容 |
---|---|
①目的と目標の設定 | なぜアンケートを実施するのか、その目的を明確にすることが重要です。例えば、「新商品のニーズを探る」「顧客満足度を調査する」「イベントの参加者の声を集める」など、できるだけ具体的な目的を設定しましょう。また、”誰に”という視点も設定しましょう。具体的には、”誰に”、つまりターゲット(調査対象者)を、年齢や性別、職業、家族構成、世帯年収などの属性を定めます。 さらに、最終的に達成したい目標を設定することも大切です。「新商品の改善点を見つける」「顧客満足度を向上させる施策を立案する」など、具体的なアクションにつながる目標を定めましょう。 |
②アンケートの実施方式の決定 | アンケートの実施方式には、大きく分けてオフラインとオンラインの2種類があります。 ・オフラインアンケート 紙や対面でのアンケートです。特定の場所や対象者に限定して実施したい場合や、詳細な意見を収集したい場合に適しています。 ・オンラインアンケート Webサイトやメールを通じてアンケートを実施します。広範囲の対象者から回答を集めたい場合や、短期間で調査結果を得たい場合に適しています。 それぞれの手法にメリットとデメリットがありますが、現在では実施期間やコスト面でメリットの大きいオンラインアンケートが主流となっています。 |
アンケートの企画が固まったら、いよいよ具体的なアンケートの作成に入ります。ここでは、質問内容の決定からアンケートの最終確認までのステップと、それぞれのポイントを解説します。
回答形式 | 特徴 | 回答方法 |
---|---|---|
シングルアンサー(SA)※単一回答 | 1つの質問に対して1つだけ回答を選択できる形式です。選択肢が明確で、迷わせることなく回答を促せる点が特徴です。単純な意見や事実を確認したい場合に適しています。 |
ラジオボタン いくつかの丸いボタンを一つだけ選択する形式です。 デモ画面 プルダウン 選択肢が隠れており、クリックすると一覧が表示される形式です。 デモ画面 |
マルチアンサー(MA)※複数回答 | 1つの質問に対して複数の回答を選択できる形式です。回答の自由度が高く、幅広い意見やニーズを収集できる点が特徴です。趣味や興味、好きな商品など、回答が複数に及ぶ場合に適しています。 |
チェックボックス 四角いボックスにチェックを入れて回答する形式です。 デモ画面 |
フリーアンサー(FA)※自由回答 | 回答者が自由にテキスト入力できる形式です。回答者の意見や感想を詳細に収集できる点が特徴です。具体的な意見や改善点、要望などを聞きたい場合に適しています。 |
テキストボックス 回答者に自由に記述してもらう形式です。 デモ画面 |
マトリクス | 複数の質問に対して、同じ選択肢で回答する形式(マトリクス形式=表形式)です。複数の項目について、同じ基準で評価や比較をしたい場合に適しています。 |
ラジオボタンなど SAマトリクスデモ画面 MAマトリクスデモ画面 |
スケール | 複数の段階から1つを選択して回答する形式で、リッカート尺度とも呼ばれます。回答者の意見や評価を段階的に把握したい場合に適しています。3~7段階で評価してもらうケースが一般的です。 |
ラジオボタンなど デモ画面 |
順位回答 | 複数の選択肢を回答者に順位付けしてもらう形式です。選択肢の優先度や重要度を把握したい場合に適しています。 |
選択肢に順位を入力、ラジオボタンでの選択などの方法があります。 デモ画面 |
数値配分法 | 複数選択肢の合計が100になるように数値を割り当ててもらう形式です。それぞれの選択肢に対する相対的な重要度や割合を把握したい場合に適しています。 | 各選択肢に数値を入力してもらいます。 |
上記の他にもマトリクス項目と選択肢のランダム表示や選択肢による分岐、FA再掲示(パイピング)など紹介しているページが下記となります。
「アンケートシステムの機能・デモ画面」紹介ページはこちら>
アンケート項目の種類
アンケートは質問の種類によって、得られるデータの性質や分析方法が大きく異なります。ここでは、アンケートでよく使われる項目の種類を紹介します。
項目 | 内容 |
---|---|
名義尺度 | 名義尺度は、カテゴリーやグループを識別するための尺度で、数値やラベルが順序や大小の意味を持たない形式です。例えば、「性別」や「職業」といった質問に対して、単に異なるカテゴリーを識別するために使用します。 |
順序尺度 | 順序尺度は、データに順序やランクを付けるための尺度です。数値やラベルは順序を示しますが、間隔の大小や比率は表せません。例えば、ランキング(1位、2位、3位…)などで用います。 |
間隔尺度 | 間隔尺度は、温度や年号などのように、単位となる基準があり、その差に意味があるデータです。例えば、温度が10℃から20℃に上がったとしても、重要なのは10℃という「差」であり、温度が2倍になったという意味ではありません。 |
比例尺度 | 比例尺度は、データの間に順序関係と等間隔性があり、さらに絶対的なゼロ点が存在する尺度です。年齢や身長、体重、金額などが該当します。これらのデータは、四則演算を含むあらゆる統計分析に利用できます。 |
アンケート作成には、多くの便利なツールが存在します。ここでは、特に人気のある2つのアンケート作成ツールを紹介します。
GoogleForms
Googleアカウントがあれば誰でも無料で利用できる、人気のアンケート作成ツールです。直感的な操作で簡単にアンケートを作成でき、質問の種類も豊富です。回答データは自動的にGoogleスプレッドシートに集計され、グラフ化や分析も簡単に行えます。
MicrosoftForms
Microsoft365のユーザーであれば追加費用なしで利用できるアンケート作成ツールです。GoogleFormsと同様に、ドラッグ&ドロップ操作で簡単にアンケートを作成できます。回答データはExcelにエクスポートでき、分析やグラフ作成に活用できます。
どちらのツールも、基本的なアンケート作成機能は無料で利用できます。アンケートの規模や目的に合わせて、最適なツールを選びましょう。
アンケートの作成が完了したら、いよいよ実施に移ります。ここでは、アンケートの実施と結果の集計・分析について解説します。
項目 | 内容 |
---|---|
①アンケートの実施 | アンケートを実施する際には、回答者に対してアンケートの目的や重要性を説明し、回答の協力を依頼します。オフライン形式であれば、紙媒体を配布し、郵送または対面で回答を回収します。 オンライン形式の場合は、基本的にアンケート会社のモニターに対して、アンケートのリンクをメールなどで通知して、回答を集めます。どちらの形式でも、回答者がアンケートに参加しやすいように配慮し、回答にかかる時間や手間を最小限に抑えることが重要です。 |
②アンケートの結果を集計し、分析 | アンケートの回答が集まったら、次はデータの集計と分析に進みます。まず、収集したデータを整理し、回答が欠けていないか、不正確なデータがないかを確認します。データ集計には、スプレッドシートなどを使い、質問ごとに集計を行います。 次に、集計したデータを基に、統計的な分析を行います。平均値や中央値、標準偏差などを算出したり、仮説検定を行ったりすることで、データから有益な情報や洞察を引き出します。 また、グラフやチャートを作成し、視覚的にデータを把握すれば、傾向やパターンを見つけるのに効果的です。分析する際はデータの解釈を誤らないように、慎重に評価し、意味のある洞察を導き出すことが大切です。 |
アンケートを作成する際、ただ質問を並べるだけでは、有益なデータを収集するのは困難です。回答者の立場に立ち、回答しやすい工夫や、データ分析に役立つ設計を取り入れることで、効果的なアンケートを作成できます。
ここでは、アンケートの回答率を高めるための方法や、読みやすい設問を作成するための工夫について解説します。
アンケートの回答率を高めるためには、アンケートの目的と重要性を明確に伝えることが大切です。自分の意見がどのように活用されるかを理解すれば、アンケートへの協力意欲が高まります。アンケートの説明文には、調査の目的や回答に対する感謝の意を伝えましょう。
また、アンケートの回答ボリュームを適切に保つことも重要です。質問数が多いアンケートは回答者に負担をかけ、途中で回答をやめられてしまう可能性が高まります。質問は必要なものだけに厳選し、回答にかかる時間を10〜15分以内に収めることを目安にしましょう。
回答率を高めるには、価値あるインセンティブを提供することも有効な方法です。金券や限定品など価値の高いインセンティブは、回答者がアンケートに参加する動機付けとなり、回答率を向上させる効果があります。
さらに、アンケートのデザインも重要です。使いやすく、視覚的に魅力的なデザインにすることで、回答者の関心を引き、参加しやすくなります。これらの工夫を取り入れることで、アンケートの回答率を向上させることができます。
アンケートの設問は、回答者がストレスなく回答できるよう、読みやすく工夫することが重要です。複雑な言い回しや専門用語はできるだけ避けて、多くの人が理解できる簡単な言葉を使いましょう。
質問に複数の要素が含まれると、回答者を混乱させることがあります。例えば、「満足度と改善点を教えてください」といった複合的な質問ではなく、「満足度を教えてください」と「改善点を教えてください」と分けて質問しましょう。
また、選択肢のバランスが均等でないと、回答者が正確に意見を回答できなくなる可能性があります。評価スケールを使用する場合は、選択肢の間隔を均等にし、すべての選択肢が同じ幅で表示されるようにします。
さらに、回答者の負担を軽減するために、設問はできるだけ具体的で、簡単に回答できるように設計します。例えば、複数選択肢がある場合は、チェックボックスを使用したり、自由回答を求めたりする場合は、十分な回答スペースを確保します。
加えて、関連する質問をグループ化し、理解しやすい流れに沿って配置することで、回答者が自然に回答を進めやすくなります。最初に一般的な質問を置き、徐々に詳細な質問に進むようにすると、回答者が自分の考えを把握しやすくなり、スムーズな回答を促すことが可能です。
アンケートを作成する目的や課題は様々です。ここでは、具体的な課題別にアンケート作成のポイントを解説し、すぐに使える無料テンプレートもご紹介します。
商品開発におけるアンケート
商品開発におけるアンケートでは、顧客のニーズや意見をしっかりと把握することが大切です。商品の機能やデザインについての質問を通じて、使いやすさや改善点に関するフィードバックを集めましょう。
ブランディングにおけるアンケート
ブランディングにおけるアンケートでは、ブランドイメージや認知度を正確に把握することが重要です。ブランド名やロゴ、メッセージに対する印象や評価について、質問を通じて集め、ブランドの強みや改善点を理解しましょう。
消費者実態におけるアンケート
消費者実態におけるアンケートでは、消費者の行動や購買習慣を把握します。購入頻度や購入場所、消費者の関心事に関する質問を通じて、具体的なニーズや傾向を明らかにすることが重要です。
社内調査におけるアンケート
社内調査におけるアンケートでは、従業員の満足度や業務の改善点を把握することが大切です。職場環境やコミュニケーション、業務効率に関する質問を通じて、従業員の意見や感じている問題点を収集しましょう。
その他ソリューションにおけるアンケート
その他ソリューションにおけるアンケートは、特定の課題や目的に合わせて柔軟に設計することが重要です。アンケートごとの具体的な課題や目標を明確にし、それに合わせた質問項目を設定しましょう。
下記「アンケートの設問意図と無料テンプレート」に上記でご紹介したテンプレートの紹介含め、10個以上のテンプレートをご紹介しております。
https://www.asmarq.co.jp/column/column-cat/how_to/quantitative2/questionnaire-template/
こちらも、参考になれば幸いです。
ご紹介したテンプレートは、アンケート作成の出発点として、ぜひご活用ください。ただし、テンプレートをそのまま使うのではなく、自社の目的や課題に合わせてカスタマイズすることが重要です。
これらのポイントを踏まえ、テンプレートを効果的に活用することで、アンケートはより洗練され、価値ある情報を収集できるようになります。
この記事では、アンケート作成の基本的な手順から、回答率を高めるコツ、さらには課題別に役立つテンプレートまで、アンケート作成に必要な情報について、幅広く解説しました。
アンケートは、顧客や従業員の声を直接聞き、ニーズや課題を把握するための非常に有効なツールです。しかし、効果的なアンケートを作成し、有益な回答を得るためには、目的の明確化、質問内容の選定、回答形式の決定など、様々な要素を考慮する必要があります。
この記事で紹介したポイントやテンプレートを参考に、目的や課題に合ったアンケートを作成し、貴重な意見を集めてビジネスに役立ててください。アンケートで得られた情報を、商品開発やマーケティング戦略、組織改善など、様々なビジネスシーンで活用していきましょう。
アンケート調査の設計やサンプルサイズに対するご相談はこちら>
お役立ち資料「アンケート調査を成功させるコツ」
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