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ホームユーステスト(HUT)とは?メリットとデメリット、注意点を解説
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公開日:2020.02.13
会場調査(CLT)で最も多い調査は、やはりテイストテスト(試飲調査・試食調査)になります。そもそも会場調査(CLT)は、「実際に飲んでもらいたい」「実際に食べてもらいたい」「実物を見てもらいたい」かつ「全ての対象者に同一の条件でアンケートを実施したい」場合に発生する調査だからというのがその理由です。
テイストテストを実施する場合は、テスト品の管理が非常に重要です。多くの場合、会場調査(CLT)で使用するテスト品は調査の前日かそれ以前に調査主催元から送られてきます。常温保存の製品であれば、いくら大量であっても社内のスペースを確保さえすれば問題ありませんが、冷蔵・冷凍保存の製品が大量に届いた場合には冷蔵庫・冷凍庫が必要になります。他の案件とバッティングした時は弊社で常備している業務用冷蔵庫・業務用冷凍庫の奪い合いが起きることもあります。保存時の設定温度を何℃位にすればよいかということも必ず確認するようにしています。また、チョコレート等、冷蔵の必要はないが高温NGの商品の保管には特に気を遣っています。一度溶けてしまうと形がくずれてしまうので翌日の会場調査(CLT)で使えなくなってしまいます。そのため夏場は必ず地下の倉庫等の涼しい場所で保管するようにしています。
テスト品が試作品(発売前の製品)の場合は調査主催元から送られてきますが、競合品との比較調査をしたい場合などに、弊社でその競合品を手配することがあります。実は、この競合品手配に苦労することがよくあります。特に調査主催元からの指定がなければ、簡単にネットで手配できてしまうのですが、「全ての対象者に同一の条件でアンケートを実施する」という観点から、「自社の試作品の製造年月日と競合品の製造年月日を揃えてほしい」というリクエストが来ることがあります。その場合、競合品Xを100人分手配するとしたら、当然100人分すべてを同じ工場で製造された同じ製造年月日のもので揃えなければなりません。ネットショッピングでそこまでの指定はできないため、直接スーパーやコンビニエンスストアなどに足を運んで購入します。なぜこの時に苦労するのかという理由は次のようなものです。
調査主催元の試作品はつい最近製造したものである、例えば10月の会場調査(CLT)で使用する試作品はそのタイミングに合わせて製造するので9月~10月が製造年月日となります。この製造年月日とできる限り近い日付の競合品を揃えようと思っても、一般には流通していないといった事態が発生します。このような時は、片っ端からスーパーやコンビニエンスストアに電話をかけて、「●●という製品で9月か10月の製造年月日のものはありますか。」と聞いています。お店からすれば「変わった問い合わせをするお客さんだな」と思われていることでしょう。
会場調査(CLT)でよく実施する調査方法で、スーパーやコンビニエンスストアの売り場を再現する「模擬棚」を使った調査があります。対象者に模擬購買をしてもらい、目立つと思う商品を選ばせます。「模擬棚」を使った調査でも調査主催元の試作品のパッケージを競合品と一緒に並べるため、指定された競合品を買いそろえなければならないことがあります。この場合は「製造年月日を揃える」必要はありませんが、指定された商品がなかなか店頭に並んでいないことがよくあるため、試飲・試食用テスト品と同様に様々なお店に電話をかけて問い合わせをして何とか買い揃えたりしています。
「模擬棚」を使った調査では次のような点に注意が必要です。
①最新の競合品パッケージを並べる
商品パッケージは割と頻繁にリニューアルされています。せっかく苦労して手に入れた競合品のパッケージが実は2ヶ月前にリニューアルされており、最新のパッケージデザインではなかったとなると、せっかく調査をしても、その商品は普段店頭に並んでいないものなのであまり参考にできないものになってしまいます。購入する前にホームページで商品パッケージを確認することをお勧めします。
②「キャンペーン中」や「増量中」の表示があるものを使用しない
「模擬棚」に並んでいる商品の中から「買いたいと思うもの」「目立つと思うもの」を選ばせる場合に、調査する側の意図としては「パッケージデザインの評価」を取りたいのに、「●●が当たる!」「20%増量中」等の要素が影響してしまうことになります。バイアス(調査上の偏り)を排除するというマーケティングリサーチにおいて最も重要な点が崩れてしまいます。ついつい見逃してしまいがちですが、気を付けなければならない大切なことです。
会場調査(CLT)
会場調査(CLT)とは、あらかじめ用意した会場で、調査対象者から、製品、または広告等についての評価を聴取し、定量的にデータとして収集する手法です。
対象者が実際に製品や対象物に触れることで、よりリアルな評価を得られることができ、比較的短期間に、定量的に把握することができます。
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