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公開日:2024.09.04
近年、顧客ニーズが多様化し、市場環境が目まぐるしく変化する中で、マーケティングリサーチの重要性はますます高まっています。しかし、闇雲にリサーチを行っても、成果に繋がらなければ意味がありません。限られた時間や予算の中で、最大限の効果を得るためには、適切な事前準備が欠かせません。
調査設計やデータ分析も重要ですが、その土台となる事前準備を疎かにしてしまうと、期待したような結果を得ることが難しくなります。「調査の目的が曖昧なまま進めてしまい、後からやり直すことになった…」 「分析を進めてみたものの、結局何を知りたかったのか分からなくなってしまった…」などの事態を避けるためにも、事前準備の重要性を理解し、適切な手順と方法を身につけるようにしましょう。
本記事では、マーケティングリサーチで成果を上げるための最初のステップ、事前準備に焦点を当て、具体的な内容と進め方を解説していきます。
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マーケティングリサーチの最大の目的は、顧客ニーズや市場動向を把握し、より効果的なマーケティング戦略を立案・実行することにあります。そのためには、調査によって得られたデータに基づいて、次のアクションに繋げることが重要です。
しかし、事前準備が不十分なまま調査を進めてしまうと、以下のような問題が生じることがあります。
例えば、新商品の開発を検討するために、顧客ニーズ調査を実施するケースを考えてみましょう。事前準備をせずに「顧客のニーズに関するデータを集めよう」という漠然とした目的で調査を進めてしまうと、膨大なデータ が集まる一方で、本当に新商品開発に必要な情報が埋もれてしまう可能性があります。
事前準備の段階で、以下のポイントを明確にしておくことで、収集すべきデータ、分析すべきポイントが明確になり、より精度の高いマーケティングリサーチを行うことができます。
効果的なマーケティングリサーチを行うためには、以下の4つのポイントを事前にしっかりと整理しておくことが重要です。
これらのポイントを明確にすることで、調査の全体像が把握できるだけでなく、関係者間での認識齟齬(そご)を防ぐことにも繋がります。
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まず、マーケティングリサーチの実施に至った背景を明確にしましょう。
これらの問いに対する答えを明確にすることで、調査の必要性を関係者全員で共有することができます。
例えば、「競合の新商品発売により、自社商品の売上が低迷している。顧客のニーズを改めて調査し、商品リニューアルの検討材料としたい。」といったように、具体的な状況や課題を言語化することが重要です。
次に、マーケティングリサーチを通して最終的に何がしたいのか、目的を明確にしましょう。
目的が曖昧なままだと、調査の方向性が定まらず、成果に繋がりません。
例えば、「顧客満足度を向上させるための施策を検討するために、顧客が自社商品に求める価値や不満に感じている点を明らかにする。」といったように、具体的な行動目標を踏まえた目的設定が重要です。
目的を達成するためには、具体的にどのような情報が必要なのか、調査課題を明確にしましょう。調査課題は、調査の中で明らかにしたい具体的な疑問点であり、質問項目を設定する際の指針となります。
例えば、「顧客満足度を向上させるための施策を検討する」という目的の場合、以下のような調査課題が考えられます。
これらの調査課題に対して、より具体的で分かりやすい質問項目を作成していくことになります。
調査課題を明確にすることで、調査範囲が明確になり、無駄なデータ収集や分析を避けることができます。
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最後に、調査によって得られた結果をどのように活用するのか、具体的なアクションプランを検討しておきましょう。
これらの項目を事前に決めておくことで、調査結果を行動に繋げることが容易になります。
例えば、「顧客満足度調査の結果、商品に対する不満の声が多かったため、商品リニューアルを検討する。3ヶ月以内にリニューアル案を策定し、6ヶ月後までに新商品を発売する。」といったように、具体的な行動計画を立てておくことが重要です。
調査課題を設定する際に役立つフレームワークとして、購買行動モデルがあります。購買行動モデルとは、消費者が商品やサービスの購買に至るまでのプロセスを段階的に表したものです。
代表的な購買行動モデルとして、AIDMA、AISAS、DECAX などが挙げられます。これらのモデルを参考にしながら、顧客の行動プロセスを段階的に分解し、それぞれの段階における顧客の心理や行動を把握することで、より的確な調査課題を設定することができます。
AIDMAは、最も古典的な購買行動モデルの一つであり、「注意(Attention)」「興味(Interest)」「欲求(Desire)」「記憶(Memory)」「行動(Action)」の5つの段階から構成されます。
例えば、新商品の認知度向上を目的とした調査を行う場合、AIDMAを参考にすると、以下のような調査課題を設定することができます。
AISASは、インターネットやモバイル端末の普及に伴い注目されるようになった購買行動モデルであり、「注意(Attention)」「興味(Interest)」「検索(Search)」「行動(Action)」「共有(Share)」の5つの段階から構成されます。
例えば、ECサイトにおける顧客満足度向上を目的とした調査を行う場合、AISASを参考にすると、以下のような調査課題を設定することができます。
DECAXも購買行動モデルの一つであり、「発見(Discovery)」「関係性作り(Engagement)」「確認や注意(Check)」「行動(Action)」「体験と、それの共有(eXperience)」の5つの段階から構成されます。
DECAXは、消費者が企業からの一方的な情報発信ではなく、SNSや口コミなどを通じて、他の消費者からの情報発信を通して購買行動を行うという特徴があります。
例えば、インフルエンサーマーケティングの効果測定を行う場合、DECAXを参考にすると、以下のような調査課題を設定することができます。
このように、購買行動モデルを活用することで、消費者の行動プロセスを段階的に理解し、それぞれの段階に応じた適切な調査課題を設定することができます。
マーケティングリサーチは、顧客ニーズや市場動向を把握し、より効果的なマーケティング戦略を立案・実行するための強力なツールです。 しかし、その真価を発揮するためには、事前準備が不可欠です。以下のポイントを事前にしっかりと押さえておくことで、調査の精度を高め、実用的な結果を得ることができます。
事前準備に時間をかけ、調査の土台をしっかりと固めることが、マーケティングリサーチ成功の鍵と言えるでしょう。
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