2024.09.19
KJ法とは?メリットやデメリット、やり方・手順を簡単解説
新しいアイデアを生み出したり、複雑な問題を解決したりする時、どのようにすれば良いのか迷ってしまうことはありませんか?そんな時に役立つのが、KJ法です。KJ法は、……
公開日:2024.05.21
近年、多様化する消費者ニーズに対応するため、「セグメント」を用いたマーケティング戦略の重要性がさらに高まっています。
セグメントを適切に設定することで、それぞれのグループに最適な商品やサービス、プロモーション方法を提供することが可能になります。
そこで、この記事では、セグメントの概念から、具体的な分類方法、マーケティングへの活用方法まで詳しく解説します。
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セグメントとは、ある集団を特定の基準に基づいてグループ分けすることを指します。マーケティングの領域では、顧客や見込み客を、共通の特性を持ったグループに分類することで、それぞれのグループに最適な戦略を立てることができます。
セグメントという言葉は、「区分」や「部分」を意味します。マーケティングの文脈では、市場を構成する顧客や潜在顧客を、何らかの共通点を持つグループに分けることを指します。例えば、年齢や性別、居住地域、収入、ライフスタイルなどの属性に基づいて、顧客をいくつかのセグメントに分類することができます。同じセグメントに属する顧客は、似たようなニーズや価値観を持っていると考えられます。
市場細分化、つまりマーケットセグメンテーションを行う主な目的は、それぞれのセグメントに適した商品やサービス、プロモーション方法を提供することで、顧客満足度を高め、売上や利益を最大化することです。かつては、不特定多数の顧客を対象とした大規模なマスマーケティングが主流でしたが、近年では消費者ニーズの多様化が進み、セグメントごとに最適化されたアプローチが重要になっています。市場を細分化することで、ターゲットを絞った効果的なマーケティング活動が可能になるのです。
セグメントとよく混同されるのが、ターゲットという概念です。セグメントが「市場を分類した結果得られる各グループ」を指すのに対し、ターゲットは、「セグメントの中から企業が特に重要と考え、マーケティング活動の対象とするグループ」のことを指します。つまり、セグメントによって分けられた顧客グループの中から、自社の強みを生かせる、または利益を上げやすいと判断したセグメントを選び、それをターゲットとして設定するのです。ターゲットは、セグメント後の重要なステップといえるでしょう。
このように、セグメントとは市場を細分化し、顧客のグループ分けを行うことで、ニーズに合わせたマーケティング戦略を立案するために欠かせない概念なのです。
市場を細分化し、顧客をグループ分けする際には、様々な変数や属性を用いることができます。ここでは、代表的な4つの分類方法について詳しく見ていきましょう。それぞれの変数に基づいてセグメントを設定することで、ターゲットとなる顧客層のニーズや特性をより深く理解し、効果的なマーケティング戦略を立案することができます。
行動変数によるセグメンテーションは、顧客の購買行動や製品の使用状況、ブランドへのロイヤルティなどに着目します。例えば、購入頻度や購入量、利用シーン、ブランドスイッチの有無などを基準にグループ分けを行います。
行動データを分析することで、ヘビーユーザーやライトユーザー、ロイヤルカスタマーといったセグメントを識別し、それぞれに適した施策を講じることができます。また、クロスセル(関連商品の販売)やアップセル(より高価な商品の販売)の機会を見出すことにもつながります。
地理的変数は、顧客の居住地域や都市規模、気候などに基づいてセグメントを分類する方法です。国や地域によって、消費者の嗜好や購買力、ライフスタイルが異なることを考慮し、地域ごとに最適なマーケティング施策を展開することができます。
例えば、大都市圏と地方都市では、消費者の志向や競合環境が大きく異なる場合があります。また、季節や気候の違いが商品の需要に影響を与えることもあるでしょう。地理的変数を用いたセグメントにより、地域特性に合わせたきめ細やかなアプローチが可能になります。
心理的変数は、顧客のパーソナリティや価値観、ライフスタイル、趣味・関心事などに基づいてセグメントを分類する方法です。同じ年齢や性別、収入層であっても、個人の価値観やライフスタイルによって購買行動は大きく異なります。
心理的変数を用いることで、顧客の深層心理や動機を理解し、共感を得られるようなマーケティング・コミュニケーションを設計することができます。例えば、環境意識が高いセグメントに対しては、エコフレンドリー(環境に優しい)な商品やサステナビリティへの取り組みをアピールすることが有効でしょう。
人口動態変数は、年齢、性別、家族構成、収入、学歴、職業などの属性に基づいてセグメントを分類する方法です。これらの変数は比較的把握しやすく、セグメントの基本的な軸として広く用いられています。
例えば、ライフステージによって、求める商品やサービスのタイプが変化することがあります。若年層と中高年層では、関心事や購買力が異なるため、それぞれに合わせたアプローチが必要です。また、性別や収入層によっても、嗜好やニーズは大きく異なるでしょう。人口動態変数を活用することで、ターゲット像を明確にし、的確なマーケティング施策を打ち出すことができます。
実際のセグメントでは、これらの変数を組み合わせて用いることが一般的です。自社の事業領域や商品・サービスの特性に合わせて、最適な変数を選択し、効果的なセグメントを設定することが重要です。
効果的なセグメントを行うためには、いくつかの重要な条件を満たす必要があります。ここでは、セグメントの成功に欠かせない「4つのRの原則」について詳しく説明します。この原則に基づいてセグメントを設定することで、マーケティング戦略の精度を高め、限られた経営資源を最大限に活用することができるでしょう。
4つのR、通称「4R」とは、Rank(優先順位)、Realistic(有効規模)、Reach(到達可能性)、Response(測定可能性)の頭文字を取ったものです。これらの条件を満たすセグメントを選択することが、効果的なマーケティング戦略を立案するための鍵となります。
セグメントを設定する際には、自社の経営戦略や目標に照らし合わせて、各セグメントの優先順位を明確にすることが重要です。全てのセグメントに等しく注力するのではなく、最も重要で魅力的なセグメントに経営資源を集中的に投下することで、効率的かつ効果的なマーケティングが可能になります。
優先順位を決定する際には、セグメントの規模や成長性、収益性、競合状況などを総合的に評価する必要があります。自社の強みを最大限に発揮できるセグメントを選択し、戦略的に取り組むことが求められます。
選択したセグメントが、ビジネスを展開するうえで現実的な規模を持っているかどうかを見極めることも重要です。セグメントがあまりにも小さすぎれば、十分な売上や利益を確保することが難しくなります。
一方で、セグメントが大きすぎる場合には、的確なターゲティングが困難になり、マーケティングの効果が薄れてしまう恐れがあります。自社の経営資源や商品・サービスの特性に見合った、適切な規模のセグメントを選択することが重要です。
設定したセグメントに対して、効果的にアプローチできる手段やチャネルがあるかどうかも重要な条件です。どれだけ魅力的なセグメントであっても、実際にリーチすることが困難では意味がありません。
セグメントの属性や行動特性に合わせて、適切なコミュニケーション手段や販売チャネルを選択することが求められます。デジタルマーケティングの活用や、パートナー企業との連携など、セグメントとの接点を確保するための方策を検討しましょう。
マーケティング活動の効果を適切に測定・評価できるかどうかも、セグメンテーションの重要な条件の一つです。セグメントの反応や行動を追跡し、施策の成果を定量的に把握することで、PDCAサイクルを回し、継続的な改善につなげることができます。
セグメントごとのKPI(重要業績評価指標)を設定し、デジタルツールなどを活用してデータを収集・分析することが求められます。測定可能性の高いセグメントを選択することで、マーケティングの最適化と効果の最大化を図ることができるでしょう。
これらの条件を満たすセグメントを見極め、自社の経営戦略やマーケティング目標に合致するセグメントを選択することが、成功への第一歩となります。
セグメントを行うことで、市場を細分化し、顧客のニーズや特性を深く理解することができます。しかし、セグメントはあくまでも第一歩であり、その結果をマーケティング戦略に効果的に活用することが重要です。ここでは、セグメントをマーケティングに活かすための代表的な手法であるSTP分析について解説し、セグメントを成功に導いた企業の事例を紹介します。
STP分析とは、Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の頭文字を取ったマーケティング戦略の立案手法です。この分析を通じて、自社の商品・サービスが目指すべき市場の位置づけを明確にし、効果的なマーケティング施策を展開することができます。
STP分析の第一段階であるセグメンテーションでは、市場を細分化し、顧客のグループ分けを行います。次のターゲティングでは、セグメントの中から自社が重点的に狙うべき顧客層を選定します。その際には、セグメントの魅力度や自社の強みとの整合性を考慮することが重要です。
最後のポジショニングでは、選定したターゲットに対して、自社の商品・サービスがどのような価値を提供し、競合との差別化を図るかを明確にします。ターゲットのニーズや価値観、属性に合わせて、商品・サービスの特徴や訴求ポイントを最適化することが求められます。
STP分析を通じて、自社のマーケティング戦略の方向性を明確にすることで、限られた経営資源を最大限に活用し、効果的なマーケティング施策を展開することができるのです。
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セグメントを活用し、マーケティング戦略を成功に導いた企業は数多くあります。ここでは、その代表的な事例をご紹介します。
これらの企業は、独自のセグメントを行い、ターゲットのニーズに寄り添った商品開発とマーケティングを実践することで、競合との差別化と優位性を確立しました。セグメントは、マーケティングの基礎であり、戦略立案の出発点となる重要な概念なのです。
セグメントは、マーケティング戦略を立案する上で欠かせない重要なプロセスです。市場を適切に細分化し、顧客のニーズや特性を深く理解することで、効果的なターゲティングとポジショニングが可能になります。
セグメントの本質は、顧客の視点に立ち、ニーズや特性を深く理解することにあります。単なる市場の分類ではなく、自社の強みを活かせる魅力的なセグメントを見出し、そこに最適化された商品・サービスやマーケティング施策を展開することが重要です。
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STP分析とは
STP分析とは、「自社が誰に対してどのような価値を提供するのか」という問題を明確にするためのフレームワークです。製品開発前の段階において、重要なフェーズがSTP分析です。マーケティングのプロセスは大きく分けると4つのフェーズに分けられます。
STP分析のSは「Segmentation」のS、Tは「Targeting」のT、Pは「Positioning」のPです。
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