2024.08.30
オンラインインタビューシステム「i-PORT voice」を開発背景から特徴、メリット、事例まで紹介
近年、顧客の声を直接伺い、商品開発やマーケティングに活かすためのマーケティングリサーチにおいて、オンラインインタビューのニーズが高まっています。特に、コロナ禍を……
公開日:2024.04.16
近年、ビジネスにおいて定性的なデータ収集の重要性が高まっています。特に、顧客や従業員の生の声を聞き取るインタビュー調査は、製品開発やサービス改善、組織改革などに活用されています。
しかし、貴重なデータを得ても、その分析内容やまとめ方が不十分だと、本来の価値を十分に活かせません。そこで、この記事ではインタビュー調査結果の効果的なまとめ方について、解説します。
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インタビュー調査は、研究やビジネスの分野において重要なデータ収集手法の一つです。参加者との対話から参加者の持つニーズや価値観に関する深い洞察を得られるため、ビジネスや研究に分野における重要な調査手法となっています。
ここでは、効果的なデータ収集手法であるインタビュー調査について、その目的や種類とともに、調査実施前にすべき準備について解説します。
インタビュー調査の目的は、顧客や専門家など関連分野の知識や経験を持つ人から、ビジネスや研究に役立つ有益な情報を得ることです。そこで得られた情報を意思決定に活かすことで、組織に新たな価値を生み出せます。
インタビュー調査は主に、以下のような情報を得る目的で実施されます。
製品やサービス開発、マーケティング戦略の策定において、顧客のニーズ(抽象的欲求)やウォンツ(具体的欲求)はとても重要な情報です。インタビュー調査では、定量調査から得るのが難しい、顧客の潜在的なニーズや具体的な商品・サービスへの要望などの定性的な情報を掘り下げられます。
新制度の導入や社内改革など、組織にとって大きな変化を伴う施策を実施する際には、事前に関係者からの意見を聞くことが重要です。インタビュー調査では、関係者の率直な意見や懸念事項を聞き出すことで、施策実施における問題点を把握できます。
新規事業や新製品開発を行う際、それに関連する重要な情報を得られるかは、ビジネスや研究の成功に大きく影響します。専門家や業界関係者にインタビュー調査を行なうことで、文献や資料から得られる情報よりも、より深い洞察につながる重要な情報を得られます。
インタビュー調査には、代表的な2つの手法が存在します。
それは、「デプスインタビュー」と「グループインタビュー」です。
一つ目の代表的な手法は「デプスインタビュー」です。デプスインタビューは、個別に行われる深い対話を通じて、対象者の詳細な意見や感情を掘り下げる方法です。この手法のメリットは、対象者の潜在的な意識や感情を引き出せ、詳細な情報や生の声を収集できることが挙げられます。
もう一つの代表的な手法は「グループインタビュー」です。グループインタビューは、複数の対象者を一度に集め、議論や意見交換を通して行われる形式のインタビューです。この手法のメリットは、参加者同士の刺激によって新たな視点やアイデアが生まれることや、異なる視点や意見を一度に収集できることが挙げられます。
インタビュー調査を行う際には、その目的や調査対象に応じて適切な手法を選択することが重要です。デプスインタビューは個別の情報や洞察を得たい場合に有効であり、グループインタビューは複数の視点や意見を同時に収集したい場合に適しています。適切な手法を用いることで、調査の質を高め、より有益な結果を得られます。
インタビュー調査は、事前の準備が重要です。その中でも特に重要なのが「質問設計」と「参加者の選定」です。
質問設計とは、インタビューにおける質問の内容や順番を決定することです。質問設計が重要である理由は、調査で聞き出せる情報内容が、この質問設計によって大きく影響を受けるからです。
質問設計の重要なポイントは、仮説立案と質問の流れです。インタビューでの質問を考える際、調査内容に対する仮説を持つことで、質問内容がより的確になります。仮説の立案は、事前に収集した情報や、これまでの経験に基づいて行います。
また、「質問の流れ」の工夫によって、参加者自身の考えが整理しやすくなります。これにより、参加者の抽象的だった意見を具体的にすることが可能です。一般的に、簡単で具体的な質問から、詳細で抽象的な質問へと順序立てると効果的です。
さらに、参加者の選定は、調査の成果に直結する重要な要素です。調査の目的に合致した属性、意識、行動パターンを持つ参加者を選定することで、調査の信頼性と有効性が高まります。参加者の条件を明確にして、適切な選定を行いましょう。
インタビュー調査は対話によって行われるため、その内容を正確に記録し、後で分析できるように整理することが大切です。そうすることで、その後の分析やレポート作成に役立てられます。
ここでは、インタビューで集められる情報の記録と整理方法について解説します。
インタビューの様子は録画や録音によって正確に記録し、後で再確認できるようにしておくことが大切です。カメラやICレコーダーなどを用いて、インタビュー全体をしっかりと記録しておきましょう。
その後、録画や録音を元にして、文字データに置き換えるのが一般的です。文字データ化することで、情報の整理や分析を効率的に行えます。
インタビュー内容をデータ化する際には、「誰が、どの質問に対して、どのような発言をしたか」という形式で記録しましょう。さらに、言葉以外の反応や仕草、行動などもデータ化しておけば、後ほどの分析で新たな気づきを得るきっかけになります。
また、情報量が多くて要約する場合には、その意図や重要な情報が失われないように細心の注意を払いましょう。正確かつ詳細なデータの記録は、後の分析や報告において貴重な資料となり、調査の有益性を高めます。
インタビュー調査で得られた文字データを効率的に分析するには、適切に整理しておくことが必要です。まず、発言の中からキーワードや共通性、意見の違い、感情、行動などの重要な要素を抽出し、これらを様々な切り口でグルーピングします。このグルーピングを適切に行えると、データの中に潜むパターンや傾向を分析しやすくなります。
また、グルーピング項目を表計算ソフトなどで並べ替えができるようにしておけば、分析作業をより効率的に行えます。さらに、データの可視化もしやすくなるので、情報の把握や比較が容易になります。
インタビュー調査は、定性的な情報を得るための調査手法です。そのため、インタビュー調査で得られた意見を単に集計するだけでは、価値の高い情報を得られません。
インタビューで得られる情報は、参加者の経験や感情に根ざしたものです。そこから有益な情報を読み取るには、その背後に隠された意味やパターンを把握する必要があります。インタビューから全体像や関連性を捉えることは、インタビュー分析の重要な課題となります。
定性的な情報を分析する際には、データの共通点や相違点を見つけ出し、それらの関連性を明らかにすることが重要です。この関連性を理解することで潜在的な情報を発見でき、仮説の検証が可能になります。
定性情報を分析する代表的な手法には、コーディング、KJ法、上位下位関係分析が挙げられます。
コーディングは、インタビュー内容をカテゴリーに分類し、コードを割り当てることで、データの構造を整理する方法です。カテゴリーは、調査目的や分析対象に合わせて自由に設定できます。コーディングは情報を体系的に整理することで、関連付けや比較をしやすくできます。
KJ法とは、情報を視覚的に整理し、関連性を見つけるための手法です。この方法では、データをカードに書き出し、類似点や関連性に基づいてグループ化します。KJ法は複雑な情報をシンプルに整理して、新たな視点や洞察を得られます。
上位下位関係分析は、インタビュー内容から重要と思われる項目を抽出し、その重要度を比較する方法です。重要度は、回答者の発言頻度や強調度などを基に判断します。上位下位関係分析は、得られた情報の重要度を明確にできるとともに、項目間の関係性を把握できるというメリットがあります。
これらの手法を適切に活用することで、インタビュー調査から得られた定性的な情報の深い分析が可能となり、より有益な分析結果を導き出せます。定性情報の分析は、単なるデータの集計を超え、その背後にある意味や関係性を分析することが大切です。
インタビュー調査の分析結果をまとめる際には、以下のステップで行います。
1. 情報の整理と分類
最初に収集した情報を整理し、共通項やパターンを見つけて分類します。類似する回答や意見をグループ化し、データの概要を把握します。
2. 仮説の検証、分析結果の作成
次に、整理された情報を元に、事前に想定した仮説を検証し、分析結果を導きだします。分析の過程で新たな発見があれば、その内容を分析結果に取り込みます。
3. 分析結果の検証
分析結果の妥当性を確認するために、他のデータや資料と照らし合わせて検証を行います。担当者以外からの意見や指摘を検討することで、より妥当性の高い結論を導きます。
インタビュー調査で導き出した貴重な調査結果は、関係者に共有し、意思決定や戦略立案などに活用することが目的です。そのためには、読みやすく、理解しやすいレポートの作成が求められます。
レポートを作成する際には、利用者の立場に立ち、結果の重要ポイントを分かりやすく伝えるよう意識しましょう。
調査結果レポートの主な構成は以下の通りです。
1. 表題、目次
まずはレポートのタイトルや目次を記載し、利用者に内容の概要を示します。
2. 調査の目的
調査の目的を明示し、利用者が調査内容を理解するための視点を提供します。
3. 調査方法
調査の手法、対象、時期、実施者などを報告し、調査の信頼性を確保します。
4. 調査結果
調査で得られた情報を整理し、重要なポイントを利用者にわかりやすく提示します。
5. 分析結果
調査結果から得られた洞察や気づきを示し、利用者により深く理解してもらいます。
6. まとめ
分析結果から簡潔な結論や活用方法、今後の課題などをまとめて、次のアクションへの道筋を示します。
7. 添付書類
必要に応じて詳細な情報を添付書類として添付し、興味を持つ利用者が深く理解できるようにします。
調査結果レポートをこのような構成にすることで、関係者に適切な情報を伝達し、有益な議論や行動を促せます。
人は視覚的な情報を文字情報よりも迅速に理解する傾向があります。そのため、分析結果を多くの人に伝えるためには、図やイラスト、表、グラフなどのビジュアル要素を活用することが重要です。これらの要素を使用することで、調査結果を直感的に理解しやすくなります。
しかし、ビジュアル化する際には、「使い過ぎ」と「色の使い方」に注意が必要です。ビジュアル要素を使い過ぎると、レポートの重要ポイントが不明瞭になり、利用者が混乱する可能性があります。
また、色も多用しすぎると、視覚的に疲れる原因となり、情報の伝達効果が低下します。ビジュアル要素を用いる際は、できるだけシンプルにして、視覚的に疲れない色の使い方を心がけることが大切です。これにより、レポートの内容を明確に伝え、読者にとって理解しやすい文書を作成できます。
インタビュー調査はマーケティングリサーチのみならず、教育、社会学、心理学など多岐にわたる分野で有効な手法として認識されています。また、近年では、インタビュー調査の内容を効果的に分析するためのツールも多数販売されており、その活用が進んでいます。
ここでは、インタビュー調査の応用方法に焦点を当て、その有益性について解説します。
インタビュー調査は、論文や卒論においても効果的な調査方法として活用されています。特に、教育、社会学、心理学など人間心理に関する分野では、インタビュー調査の高い効果が期待できます。
論文や卒論におけるインタビュー調査のメリットは、テーマについてより深く掘り下げた情報を参加者から収集することで、調査結果の独自性を高められることです。また、定量調査では分からない、新たな発見や洞察を得られる可能性も高まります。
一方、注意点としては、調査の信頼性や客観性を確保できるインタビューの設計と実施を意識する必要があります。特に、論文や卒論では学術的に利用されるため、ビジネスよりも高い信頼性や妥当性が求められます。調査結果の有用性を保つためにも、信頼性に重点を置いた調査設計を行いましょう。
また、参加者のプライバシー保護や同意の取り扱いには、細心の注意が必要です。適切な方法論と倫理的配慮を持って、インタビュー調査を実施しましょう。
近年、定性調査の内容を分析するツールが普及しています。この中には、動画や音声ファイルから自動で文字起こしを行い、そのまま分析できる機能を有するものもあります。これらのツールを活用すれば、インタビューなどの定性調査を効率的に実施することが可能です。
特に、インタビュー調査を定期的に行う場合には、ツールの導入によって作業の効率化や品質向上が期待できます。また、効率良く情報を処理できるため、より多くの対象者からデータを収集し、分析に活かせます。定期的なインタビュー調査の予定が見込まれる際は、ツールの活用も積極的に検討してみましょう。
ここまで、インタビュー調査のまとめ方について解説しました。
インタビュー調査は、定量調査では得にくい、人間心理に根差す情報を収集できる調査手法です。しかし、集められる情報は断片的なことが多く、有益な調査結果を得るにはそれらの関係性を上手くまとめるスキルが必要です。もし、インタビュー調査のノウハウに不安があるのなら、専門家のアドバイスを受けるのも効果的です。
質の高いインタビュー調査を実施して、意思決定やマーケティング戦略策定などに役立てていきましょう。
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アスマークのグループインタビュー
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