公開日:2024.11.14

定量調査と定性調査の相乗効果 — より深い顧客理解のためのデータ活用方法

  • マーケティングリサーチHowto

定量調査と定性調査の違いとは?

まず、定量調査と定性調査の違いを理解しておくことが重要です。
 
定量調査は、アンケート等を通じて数値データを収集し、顧客の行動や嗜好を統計的に分析します。市場全体の傾向を把握したり、消費者の属性ごとに意識の違いを明らかにしたりするのに適しています。
定性調査は、インタビュー等の方法で顧客の内面的な感情や動機を掘り下げ、数値では捉えにくい深層のニーズや動機、価値観、感情を明らかにすることが目的です。
 
このように、それぞれの調査手法には異なる強みがありますが、これらをうまく組み合わせることで、より詳細かつ正確な顧客像を描き出すことが可能となります。
 
 

定量調査で得たインサイトを深掘りする

定量調査によって得られるのは、例えば「購入したい」と考えている顧客の割合や、どの属性の顧客が特定の商品に興味を持っているかといった、数値に基づくインサイトです。こうしたデータから広い視点での傾向を把握することができますが、その理由や背景までは掴むことができません。
 
ここで、定性調査が重要な役割を果たします。定量調査で得られた結果を元に、さらに深く掘り下げて顧客の「なぜ」を明らかにするため、インタビューを実施します。例えば、「若年層が特定の商品に対して高い関心を持っている」という定量調査の結果が得られた場合、その理由を明らかにするために、若年層を対象としたインタビューを行い、商品のどの点に魅力を感じているのかを探ります。
 
 

定性調査から得た洞察を定量調査で裏付ける

一方で、定性調査で得られた洞察をより広い顧客層に当てはめて確認する際には、定量調査が有効です。例えば、インタビューで「特定の機能が非常に好まれている」というフィードバックが得られた場合、その感覚が全体の消費者に共通するものか、あるいは特定の層に限られるものかを明らかにするために、アンケートを使って定量的に検証します。
 
こうしたプロセスを経ることで、単なる仮説にとどまらず、確かなデータに基づく戦略立案が可能になります。特に市場投入前の新製品においては、定性調査で得た消費者の反応を基に仮説を立て、それを定量調査で裏付けることで、製品のポテンシャルを精査することができます。
 
 

定量と定性の相乗効果を引き出すための実践ステップ

1. 定量データから課題を発見する

まず、アンケートや各種データ分析によって、広範な顧客の行動パターンを把握し、課題を特定します。例えば「30代女性の購買頻度が低下している」といったトレンドを見つけたとします。
 
 

2. 定性調査で背景を深掘りする

次に、発見した課題について、深い理解を得るために定性調査を行います。インタビューを通じて、「なぜ30代女性の購買頻度が低下しているのか?」という問いに対する回答を探ります。ここで重要なのは、表面的な回答だけでなく、消費者の感情や潜在的なニーズを掘り下げることです。
 

3. 洞察を基に仮説を立て、再度定量調査で検証する

インタビューから得た洞察を基に、仮説を立てます。そしてその仮説が幅広い層にも当てはまるかどうかを、再度アンケート等の定量調査で確認します。これにより、単なる一部の意見ではなく、全体に通じる傾向として裏付けることができます。
 
 

相乗効果を活かしたマーケティング戦略の立案

定量と定性の相乗効果を活用することで、マーケティング戦略の質が向上します。例えば、新製品のプロモーション戦略を考える際、定量調査でターゲットとなる顧客層を特定し、その層の深層心理や購買動機を定性調査で掘り下げることで、より精度の高いメッセージングが可能になります。
 
また、広告のクリエイティブを作成する際にも、定量調査で「どのメッセージが響きやすいか」を確認し、定性調査でそのメッセージの背景にある感情や価値観を理解することで、より強力なクリエイティブを作り上げることができます。
 
 

まとめ:相乗効果を活かして顧客理解を深めよう

定量調査と定性調査を組み合わせることで、顧客をより深く理解し、効果的なマーケティング戦略を立案することが可能です。それぞれの調査手法の強みを生かしつつ、相互に補完し合うことで、単独では見えてこなかった顧客の姿を描き出すことができます。
 
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執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク 営業部 マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

 
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