公開日:2024.08.27

インタビューで行うオンライン試飲・試食調査~基本からメリットや事例、調査を成功させるポイントを解説

  • マーケティングリサーチHowto

飲料や食品の味覚とコンセプトとの合致度などを、上市前やリニューアルのタイミングで行えるのが「試飲・試食調査(テイストテスト)」です。会場環境などの条件を統一して実施する必要があるため、以前は対象者を会場やインタビュールームへ案内し、オフラインで実施するのがメジャーでした。
 
しかしながら、現在ではオンラインによる試飲・試食調査に注目が集まり、アスマークによるこの調査は定着し、さらに安定した運営を行っております。
 
この記事では、当社の知見から、インタビューで行うオンライン試飲・試食調査の基本的な部分、事例や調査を成功させるためのポイントをまとめ、解説します。
 
オンラインでの試飲・試食調査のメリット・デメリット~定性調査編~ 無料ダウンロードはこちら>
 
 

オンライン試飲・試食調査とは?

オンライン試飲・試食調査とは、従来の会場調査とは異なり、対象者が自宅などの遠隔地からインターネットを通じて試飲・試食を行い、その場で評価や意見を収集する調査手法です。飲料や食品メーカーが、新商品開発やリニューアル、広告クリエイティブの評価などに活用しています。
 

従来のオフライン調査との違い
項目 オフライン調査 オンライン調査
場所 会場 自宅など
時間 指定された時間 対象者の都合の良い時間
対象地域 限定的 全国
コスト

 

メリット
感染リスクの回避 対象者、関係者共に感染リスクを抑制できます。
広範囲な対象者へのリーチ 全国各地の対象者へアプローチが可能です。
リラックスした環境での調査 自宅など、普段の環境での試飲・試食が可能です。
リアルな行動観察 生活環境における行動を把握できます。
コスト削減 会場費や移動費などを削減できます。

 

デメリット
試飲・試食環境の統制の難しさ 温度管理や飲食時の状況など、コントロールが難しい側面もあります。
ネット環境やデバイスの制限 対象者によっては参加が難しい場合があります。
機密保持の難しさ 製品の事前送付や情報漏洩のリスクがあります。

 

オンライン試飲・試食調査の事例

事例1:アルコールの缶飲料の『試飲のデプスインタビュー』
調査目的:既存製品のパッケージ・味覚リニューアルに伴うアルコール缶飲料の需要性評価
調査内容:普段お酒を購入している店舗で、ご自身が普段よく購入するアルコール飲料を購入してもらった。この上で、リニューアル品と指示書を対象者に事前発送しました。
 
そして、別の事前課題として、2つ追加し、1つ目は「指定のアルコール飲料から連想するイメージを数点の提出」。2つ目は「普段アルコール飲料を飲む時の標準的な食卓の様子の写真の提出」です。
 
その後、90分の個別インタビューを実施し、実際に冷蔵庫で保管している飲料を持ってきてもらい、「今から飲んでもらえますか?」と伺い、味覚評価を聴取しました。さらにパッケージ評価という部分も掘り下げて質問をしている形で調査を行いました。
 
 
事例2:冷凍食品の『試食のデプスインタビュー』
調査目的:上市前の冷凍食品のコンセプト・需要性評価
調査内容:食品を2品、指示書、アンケートを冷凍便で対象者に事前発送しました。そして、インタビュー中に電子レンジで解凍調理して、試食してもらいました。実際の自宅環境で、調理後に食べてもらい評価を聴取しました。
 
次のステップとして、90分の個別デプスインタビューを実施し、コンセプトを画面共有で提示し、対象ごとにローテーションをかけて、味覚評価を聴取しました。その上で、製品ごとに合致度を調査しました。
今回の調査の場合、2品送っておりますので、先にAを食べる人、先にBを食べる人、というローテーションを組んでおくことで、『順序バイアスがかからないようにする』という仕組みを使っています。
 
 

オンライン試飲・試食調査を成功させるためのポイント

事前準備

詳細な指示書の作成:試飲・試食方法、保管方法などを具体的に明記します。
必要備品の送付:軽量カップなど、評価に必要な備品を同梱します。
対象者とのコミュニケーション:事前確認やリマインドを徹底します。
 

オンラインツールの活用

画面共有:コンセプトや広告などの視覚情報を共有します。
録画機能:試飲・試食時の様子を記録します。
チャット機能:リアルタイムで質問や指示を送ります。
 

その他

事前課題:購買状況や利用シーンの情報を事前に収集します。
謝礼金額:協力率を高めるために、適切な謝礼を設定します。
機密保持:製品の取り扱い、情報管理を徹底します。
 
 

まとめ

オンライン試飲・試食調査は、従来手法の課題を解決する有効な手段として、今後も需要が高まると予想されます。テクノロジーの進化と共に、より精度の高いデータ収集や分析が可能になるでしょう。
 
消費者の行動変化を捉え、より良い商品開発につなげるために、オンライン試飲・試食調査を積極的に活用してみてはいかがでしょうか?
 
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執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク 営業部 マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

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