公開日:2025.04.14

在宅とオフィスで間食はどう変わる?
経理職女性へのインタビューから見えた“おやつの役割”

  • インタビューコラム

はじめに

近年、在宅勤務と出社勤務を組み合わせた「ハイブリッドワーク」が広がっています。このような働き方の変化によって、多くの人の生活スタイルも変化しています。業務中にリフレッシュする方法として、コーヒーを飲んだりストレッチをしたりする人が増えていますが、間食を選ぶ人も少なくありません。
本コラムでは、建設業の経理職として働く一人暮らしの女性に行ったインタビューをもとに、「在宅勤務」と「オフィス勤務」における間食習慣の違いを整理し、そこに潜む消費者ニーズや行動の背景を詳しく解説していきます。
 

 

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間食のタイミングと目的の違い

インタビューを通じて、勤務形態によって間食の目的に違いがあることが分かりました。
 
在宅勤務では「小腹満たし」や「自分へのご褒美」が目的
在宅勤務中は、空腹を感じやすい環境にあります。そのため、ナッツやドライフルーツなどを自由に間食する機会が増えます。時間を決めて食べるのではなく、「少し疲れたから」や「小腹が空いたから」といった感覚的なタイミングで手が伸びるケースが多いようです。
 
オフィス勤務では「集中力の維持」を目的に食べる傾向
一方で、オフィス勤務中は空腹を感じにくく、間食の役割も異なります。多くの人は、集中力をリセットしたり、業務効率を高めたりするために間食をとります。ただし、周囲の目や手の汚れを気にして、必要最小限にとどめる傾向が見られました。
 
在宅勤務時は、間食がちょっとした癒しやご褒美になる一方、オフィス勤務では、業務への集中を支えるサポート役として位置づけられていました。
 

実際のインタビュー風景
実際のインタビュー風景

 
 

食品選びの基準の違い

間食は、目的やタイミングだけでなく、何を選ぶかという点でも勤務形態によって変化が見られます。
 
在宅勤務では「嗜好性」や「自由度の高さ」が重視される
自宅では他人の目を気にする必要がないため、自分の好みに合わせた間食が選ばれます。味や食感、満足感を重視し、「今食べたいと思ったものを自由に食べる」という姿勢が見られます。ナッツ、ドライフルーツ、クッキーなどがよく選ばれる傾向にあります。
 
オフィス勤務では「配慮」や「利便性」が選定基準
オフィスでは、匂いや音、手の汚れに配慮した食品が好まれます。静かに食べられ、手が汚れにくいバータイプの栄養補助食品や、ミントタブレットなどがよく選ばれています。
 
他人の目を気にせず自由に選べる在宅勤務と、周囲への配慮が求められるオフィス勤務。こうした環境の違いが、間食の“中身”にもはっきりと表れているようです。
 

 
 

間食に求める価値と深層ニーズ

間食には以下のような価値やニーズが存在します。

  • ・健康意識:糖質オフ・高タンパクなど、成分表示を見て選ぶ人が増えています。
  • ・情緒的満足:頑張った自分へのご褒美として甘いものを食べたいというニーズがあります。
  • ・精神的リセット:集中作業のあとに気分を切り替えるための手段として活用されています。
  • ・自己抑制とのバランス:食べたい気持ちと、健康面での我慢との間で葛藤する人に向けた配慮が求められます。

 
間食とは単なる栄養補給ではなく、“気持ち”にも寄り添う存在なのかもしれません
 

 
 

まとめ

今回のインタビューを通じて、働く人々がそのときのシーンやニーズに応じて、間食をうまく取り入れていることが見えてきました。
在宅勤務では、嗜好性や満足感を重視する傾向にあり、オフィス勤務では、手軽さや食べやすさが求められるようです。
 

シーン 主なニーズ 商品設計のヒント
在宅勤務 嗜好性・満足感 味や食感のバリエーション/大袋+個包装の展開
オフィス勤務 手軽さ・配慮 静音包装/無臭設計/手が汚れにくい工夫
共通ニーズ 健康意識 糖質オフ・高タンパク・栄養機能強化
感情的価値 ご褒美・リセット 「仕事の合間にちょうどいい」サイズやストーリー性のあるパッケージ

 

 
 

おわりに

いま、間食は単なる「食べる行為」を超えて、「気分を切り替える手段」「集中力を回復させるツール」へと進化しています。
在宅勤務とオフィス勤務という異なる環境は、間食の役割や期待される効果にも違いを生み出しています。
そのため、これからの食品・製菓業界には、「どこで、誰が、どんな気持ちで間食をとるのか」といった背景に合わせた柔軟な商品設計が求められています。
一人ひとりの生活シーンや感情に目を向けた商品開発を進めることで、間食が持つ価値と可能性は、これからさらに広がっていくでしょう。

 
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執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク 営業部 マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

 
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