2024.07.01
消費者パネルとは?概要からデータの種類、メリット、成功事例まで解説
消費者パネルは、マーケティングリサーチにおいて継続調査や長期間の調査を行いたい企業にとって有益な存在となります。消費者の購買行動や嗜好、ライフスタイルなどを継続……
公開日:2020.06.25
市場調査を実施するには、回答者として調査に参加してくれる対象者が必要です。また、ある程度の専門的な知識を持って実施した方が、調査後の判断や施策実行に、より役立つ結果が得られる可能性は高いでしょう。
このような理由から、市場調査を実施する際に、市場調査会社に依頼することを検討する方も多いと思います。そこで、市場調査を依頼する際の、依頼先の選び方、依頼の仕方について考えてみます。
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「アンケート会員が多い方がどんな調査でも対応できるからいいだろう」と考える方は多いと思います。まず、市場調査会社の中には、アンケート会員を保有している会社と、そうでない会社がありますが、保有していない会社であっても、たいていは協力関係にある会社があり、調査対象者を確保することができます。
また、保有するアンケート会員が多い方が、対象者を集めやすく、調査を任せて安心できそうなイメージがあるかと思いますが、最近では、ほとんどの調査会社が協力関係にある会社のアンケート会員を利用することができるため、保有するアンケート会員の数は、以前ほどは重要なポイントにはならなくなってきました。
重要なポイントとなるのは、保有するアンケート会員の数よりも、その調査の目的に合致にした方に参加してもらえる、しっかりとした仕組みがあるかどうか、という点です。
定量調査にしても定性調査にしても、調査の対象者条件というものがあります。例えば、「●●という商品を週に1回以上自分でコンビニエンスストアで購入している」とか、「シミに悩んでいて、美白アイテムの購入経験があり、日中の外出頻度が週3日以上で、化粧水を週5日以上使用し、使用している化粧水の定価が3,000円以上」のような比較的細かい条件のものもあります。
これらの対象条件に合致した人を、ネットリサーチでも参加型の調査でも、通常、Webアンケートでスクリーニングを実施して選定します。ところが、全ての回答者が全て正確に回答してくれるとも限りません。すると、調査の目的に合致していない方が最終的な調査の参加者となってしまうことが考えられます。
このようなことが起きてしまいますと、せっかく実施した調査の成果は半減、あるいは台無しになってしまいます。そのため、その調査の目的に合致した方に参加してもらえる、しっかりとした仕組みがあるかどうか、という点は確認しておきたいところです。
市場調査の中で最も重要で専門的な知識を要する部分は、調査の企画・設計、集計・分析等の部分になります。これらを全てカバーしている会社から、サービスとして提供していない会社まで、サービスの提供範囲は様々です。
調査の企画・設計、集計・分析等をサービス提供しているかどうかについては、各社のホームページでも確認できるかと思います。この点は、依頼先選択の重要なポイントになりますので、ホームページで確認できない場合は、必ず事前に確認するようにしましょう。
現在、自社が必要としているものは何か、市場調査会社に依頼して解決したいものが何なのかに照らし合わせ、必要な部分をより確実に埋めてくれる会社を選びましょう。
「課題を共有して一緒に考えて欲しい」といったような課題の場合は調査の企画・設計をカバーしている会社に依頼した方が良いでしょう。その場合、今回、市場調査を実施するにいたった背景や、抱えているマーケティング課題について調査会社から質問させていただくかと思います。これらの質問に答えていただくことで課題を共有させていただきます。そして、マーケティング課題の原因の仮説、解決策の仮説などを一緒に考えていくことになります。
調査票作成までは自社で対応できるという場合は、その条件に合わせた会社やサービスを選択すれば良いでしょう。
仮説とは課題を解決するための疑問に対する仮の答えです。例えばあなたが日用品メーカーのマーケティング担当だったとして「最近シャンプーAの売上が落ち込んできたなぁ」といった状況に直面したときに「競合商品にシェアを取られたからかなぁ」あるいは「顧客の嗜好が変わってきたのかなぁ」といったように、その原因は何なのか、これまでの経験などから直感的に考えるかもしれません。この場合の「最近シャンプーAの売上が落ち込んできたなぁ」が課題、「競合商品にシェアを取られたからかなぁ」あるいは「顧客の嗜好が変わってきたのかなぁ」が仮説です。
あるいは、原因だけでなく、その解決策についても仮説が思い浮かぶかもしれません。例えば、原因が「競合商品にシェアを取られたから」だとすると「競合商品に対抗して新しい訴求点で新しいキャッチコピーを考えてプロモーション展開すれば、再度競合からシェアを奪えるのかなぁ」という仮説が思い浮かぶかもしれません。このように、課題に対して「その原因は何だろう」そして「それが原因だとすると、その改善策はなんだろう」という形式の仮説を複数立てておくと良いでしょう。
市場調査は非常に専門的な知識を要する部分もありますが、全ての工程で専門的な知識が必要なわけではありません。全て調査会社に依頼することもできますが、自社でできることは自社で賄うことで、費用を抑えることはできます。適切な調査結果を得るためには重要な部分ではコストを惜しまず、自社で対応できるところは自社で対応するのが良いかもしれません。
費用は調査手法によって異なります。同様の効果が得られて、低価格に抑えられる調査手法があれば検討してみるということも考えられます。例えば、グループインタビューとデプスインタビュー、会場調査とホームユーステストなどがそれにあたります。それぞれメリット・デメリットがありますので、本来の目的を損なわないようにご注意の上、ご検討ください。調査会社に相談してみてもいいでしょう。
他には、サンプルサイズを減らすという方法もあります。サンプルサイズには統計学ではじき出される適切な数値がありますので、せっかく実施した調査が無駄にならないように、減らしすぎには注意してください。こちらも調査会社に相談してみるのがいいでしょう。
市場調査を依頼する際には、調査結果が必要なタイミングがあるでしょうし、予算感も調査の実施可否に関わってくると思います。調査手法によってある程度の相場感がありますので、それを記載します。必要な納品物、調査内容によるオプション項目によって価格は変わりますので、あくまでも目安とお考えください。
インターネットを利用し、回答者にWeb上のアンケートフォームで解答してもらう調査方法です。
納期:最短4~5日(ローデータ、集計まで、レポートを含まず)
相場:100名、10問で5~9万円、500名、20問で25~40万円
複数人の調査対象者に対してインタビューする形式の調査です。テーマについて質問を行い、自由に発言をしてもらうことで定性的な情報を収集することができる調査方法です。
納期:3~4週間
相場:6名×1グループで40~60万円、6名×4グループで140~200万円
通常1対1で調査対象者にインタビューする形式の調査です。対象者に深く聞き込み、顧客のインサイトを探ることができる調査方法です。
納期:3~4週間
相場:5名程度で35~45万円
事前に準備された会場に調査対象者に来てもらい、管理された環境、条件の中で実際に製品を見たり、試飲や試食をしてもらったりして評価を取る調査方法です。
納期:3~4週間
相場:100名程度で170~200万円
対象者に家庭で製品を試してもらい、試した感想をアンケートで答えてもらう調査方法です。
納期:試用期間により、2~6週間
相場:100名、20問で30~50万円
対象者の自宅・職場等を直接訪問して、調査対象者の行動を観察したり、インタビューをしたりして、そこから得られた内容をもとに新たなニーズや課題を探る調査方法です。
納期:3~4週間
相場:リクルートのみ、5名で20~30万円
非常に大まかな目安としては上記のような納期、費用となります。ご参考になさってください。
企業がマーケティング課題を抱えたときに、その解決策を実行するためにはどんな施策がよいのか、その判断材料を得るために実施するのが市場調査です。今回の調査が、根拠のある判断材料を提供してくれ、意思決定を助けてくれるものになるよう、目的に合った適切な依頼先に、適切な方法・費用で依頼していただきたいと思います。
アスマークは、調査の企画・設計から分析・レポート作成までをカバーしており、経験豊富なリサーチャーにご相談いただけます。しっかりとしたヒアリングで御社の課題を共有し、価格や納期も含めたニーズに合わせた適切な市場調査をご提案させていただきます。
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