公開日:2022.06.13

単純集計(GT集計)とクロス集計の違い

  • データ集計・分析・活用

はじめに

アンケートの結果を分析する際、どのような集計をする必要があるのか迷ったことはありませんか?
主な集計方法として、「単純集計」と「クロス集計」がありますが、両者の違いについて皆さんはどのくらいご存知でしょうか。

単純集計
データ(数値)を一覧表にまとめることで「どのような回答をした人がどのくらいいるのか」を視覚的に分かるようにする集計のこと
 
クロス集計
単純集計で得た数値に対して、性別・年代などを掛け合わせてその違いを読み取ることができる集計のこと

 
どのような集計をする必要があるのかを判断するためにも、単純集計とクロス集計の違いを理解することが重要です。
本稿では、単純集計とクロス集計の違いについて解説します。

アンケートを実施する際、何のために調査を実施するのか、またアンケートの結果から何を知りたいのかを明確にしてから、調査を実施しているかと思います。そして、その知りたいことを明らかにするために、アンケートの質問を考えていくでしょう。ではその際に、皆さんは集計のイメージまで考えているでしょうか?

例として、”男性のスキンケア事情を知りたい”と思い、以下の仮説を立てて、アンケートを実施したとします。
 

<仮説>
 
①男性は季節を問わずスキンケアをしているのか?
②年代別で結果に違いはあるのか?

 
最初にお伝えすると、①は単純集計、②はクロス集計をすると、上記2点の答えを明らかにすることができます。
上記の例は非常にシンプルですので、分かりやすかったと思いますが、事前に仮説を立てた上で、どのような集計が必要なのかをアンケートを実施する前に考えておくことが非常に重要です。そのためにもまずは、単純集計とクロス集計の違いを理解しておきましょう。

弊社で行った自主調査「男性の肌ケアに関する調査」の集計表を例として解説していきます。
 
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単純集計(GT集計)

単純集計とは、各質問のデータ(数値)を一覧表にまとめることで、「どのような回答をした人がどのくらいいるのか」を視覚的に分かるようにする集計のことです。

<図1>の[F2.あなたの年齢をお知らせください。(数値記入)]の表は、年齢を「20代」、「30代」、「40代」、「50代」と年代ごとにまとめています。この表からは400人が回答していて、年代ごとの回答者がそれぞれ100人いること、またその割合が25%であることが一目で分かります。

次に[SC1.あなたは、普段スキンケアをしていますか。(1つ選択)]の表をみると、普段スキンケアをしている男性400人のうち、季節問わずスキンケアをしている人は6割を占めることが分かります(赤枠)。
 
 
単純集計(GT集計)
 
つまり単純集計は、質問に対して用意した選択肢に何人が回答していたのか、またそれはどのくらいの割合だったのかを明らかにする集計であると言えます。回答者全体の結果のみでシンプルにまとめられているため、視覚的にもわかりやすいことが特徴です。
 
単純集計の集計方法を知りたい方はこちら
 

クロス集計

<図2>は、<図1>の[F2.あなたの年齢をお知らせください。(数値記入)(=年代)]を「分析軸」、[SC1.あなたは、普段スキンケアをしていますか。(1つ選択)]を「表頭」として掛け合わせた集計表です。

<図2>の「季節問わずスキンケアをしている」割合を各年代で見ていきましょう(赤枠)。20代~30代がそれぞれ7割以上、40代は約6割、50代になると約4割となり、年代が上がるにつれて減少傾向にあることが分かります。

単純集計では、男性で普段スキンケアをしている人(400人)のうち、季節問わずスキンケアをしている人は6割だったということまでしか読み取れませんでしたが、年代によって傾向の違いがあることがクロス集計をしたことで明らかになりました。
 
 
クロス集計
 
つまりクロス集計は、分析軸となる項目ごとに回答の傾向を読み取ることができる集計と言えます。
<図2>は年代が分析軸のため、年代ごとの傾向を知ることができました。単純集計に比べて情報量が多くなったことにより分かることも多くなりました。その反面、データを読み解いていくのに時間がかかってしまうというデメリットが生じてしまいます。
 
クロス集計の集計方法を知りたい方はこちら
 

まとめ

単純集計とクロス集計の違いを簡単にまとめてみました。

<単純集計>
・各質問の回答者全体の傾向を知ることができる集計
・クロス集計に比べて情報量が少ない分、結果の読み取りが容易
 
<クロス集計>
・性別・年代・購入頻度といった分析軸の項目ごとに回答の傾向を知ることができる集計
・単純集計に比べて情報量が多い分、結果の読み取りに時間がかかる

 
単純集計は全体の傾向をつかむために、クロス集計は分析軸の項目ごとの傾向をつかむために行うということをご理解いただけたかと思います。この違いを踏まえた上で、データを分析する際に必要な集計をイメージしてみてください。
 

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執筆者
小山 茜
株式会社アスマーク 実査部 定量3G 集計チーム
追手門学院大学卒業、社会心理学修士。 2016年新卒入社。定量調査のアンケート画面作成・データチェックを経験後、2019年より現職に至る。現在は定量調査・定性調査の集計を担当。これまで1000件以上の集計業務に携わる。実査の経験を生かした後輩育成、また社内への集計に関するアドバイスや提案活動を行っている。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

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