2021.07.16
5分で分かるジョブ理論
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公開日:2020.04.14
「ロイヤルカスタマー」=「ファン」と定義されることが多いのですが、そもそも「ファン」というものを、みなさんはどのように解釈されているでしょうか。
熱狂顧客なのか、企業・ブランドのファンなのか。熱狂顧客というのは、一時的なブームで獲得できている一過性のロイヤルカスタマーであり、ファンとはいえません。ファンをつくることは、既存顧客の維持が基本となり、一朝一夕で作り上げられるものではないのです。マーケティングのタイプでいうなら、熱狂顧客は狩猟型マーケティング、ファンは農耕型マーケティングによって育成されたカスタマーといえるでしょう。
では、ロイヤルカスタマーの定義はどう定めればよいのでしょうか?
NPS(Net Promoter Score)は、ロイヤルティのグローバル指標として多く採用されています(下記参照)。
※NPS=推奨者率(%)-批判者率(%)
ですが、この指標は、日本人には不向きなのではないかと考えています。日本人は極端な回答を避ける傾向にあり、無難な回答に終始しがちだからです。
多くの調査において、NPSはマイナススコアになるのが当たり前になっており、マイナスのスコアで良し悪しを判断することには、やはり疑問が残るものです。
その他にも、NPSにはいくつかの問題点があります。
【主なNPSの問題点】
①11段階だと、人によってその段階の重みづけが異なることがある
・推奨したいと思っていても控えめに7を付けるなど。この場合は「中立」に分類される。
②自分では大いに気に入っているが、人には薦められないケースがある
・気に入り過ぎて他の人に推奨したくない、真似されたくない
・商品特性によっては人に薦めない(保険やランジェリー品、オタク系など)
・仲のよい友人は皆知っているので、薦めない
・薦める人が少ない(友人がいない)
このような問題があるため、NPSに代わるロイヤルティの指標はないものかと模索している中、ISラボが考案したNRS(Net Repeater Score)というものにたどり着きました。
NRSとは、「継続利用の意向」をロイヤルティのメイン指標としたものです。(下記参照)
Q.あなたは、1年後に●●を継続して購入・使用したいと思いますか。今の気持ちに最も近いものをひとつお知らせください。
※NRS=リピーター率(%)-離反リスク者率(%)
NPSの11段階では個人の重みづけに差が生じていましたが、NRSは継続利用の意向という単純な設問による回答のため、正確性が向上すると考えられます。
また、一口に「ロイヤルティ」といっても、意味合いの異なる3種類のロイヤルティに分類されるので、同じ意味合いでロイヤルティを語れているのか、今一度確認するのがベターだと思います。
~3種類のロイヤルティ~
1.経済ロイヤルティ:購入金額が多いかどうか etc
2.行動ロイヤルティ:利用頻度が高いかどうか etc
3.心理ロイヤルティ:継続利用、推奨意向が高いかどうか etc
※顧客からみた企業や商品への愛着度合いともいえる
この中でも、とりわけ3の心理ロイヤルティがとても重要です。
3つのロイヤルティを図式化すると、下記のようになります。
このロイヤルティを活用して、自社のブランドが「良い売上」なのか「悪い売上」なのか、数字ではなく、その内容を精査することが肝要です。
NRSによる分類の3カテで確認するのがよいでしょう。
ユーザー構成、すなわち売上の構成がどうなっているのか。その傾向を時系列で確認していくことこそ、ブランドの育成には不可欠だと考えます。その結果、悪い売上の比率が高い(増加している)場合は、対策が急務となります。
「満足度」と「ロイヤルティ」は表裏一体ですが、レイヤーが異なります。
ロイヤルティは満足度の上位概念であることから、ロイヤルティの向上は、ブランド育成にとって必要不可欠な要素です。もし合わない指標を用いているようであれば、一度、NRSという指標を用いてみると良いのではないでしょうか。
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※参考文献:心理ロイヤルティマーケティング(翔泳社出版)
顧客満足度調査(CS調査)
顧客満足度調査(略してCS調査)とは、自社の商品ユーザーやサービス利用者から評価・改善点などのアドバイスをいただくための調査です。
顧客が満足する商品・サービスを提供し続け、既存顧客の満足度を維持するだけでなく、新規顧客獲得に結びつけるためにも非常に重要な役割を果たします。また、顧客の「継続購買」や「推奨行動」といった「エンゲージメント」につなげることにあります。
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