公開日:2020.09.23

これからの日本を支えるデジタルネイティブなZ世代の特徴

  • リサーチャーコラム

はじめに

情報番組や新聞、雑誌などで、「〇〇世代」と耳にすることが多くないでしょうか?
「団塊の世代」「バブル世代」などや、当社でも以前紹介させていただいた「ミレニアル世代」もそれに相当し、誰しも、「〇〇世代」という言葉を1度は聞いたことがあるかと思います。では、なぜ「〇〇世代」といった総称がされるのでしょう。それは、「その世代」が生まれ、育ってきた時代や社会的背景が彼らの消費行動や価値観全体に影響を与えていると考えられるからです。今回は、最も新しい「〇〇世代」と分類されている「Z世代」について書いていきたいと思います。
 

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Z世代とは

「Z世代」とは1996年から2012に生まれた世代を指します。この「Z世代」の特徴として下記、6つことが挙げられることがよくあります。

・お金やキャリアについて保守的な考えを持つ
・人種や性別にリベラルで自然体を好む
・娯楽や経験に多くのお金を使う
・場の意見に同調しやすい傾向がある
・SNSの投稿を目的に行動することがある
・ブランドよりも自分らしさを大切にする

(参考:Z世代会議ソーシャルネイティヴの「いま」と「本音」を知るメディアhttps://z-kaigi.com/ 抜粋)
また他にも、「多様性を求めやすい」、「ITリテラシーが高い」、「プライバシーを重視」、「インターネットでの発信が積極的」といった点も挙げられており、「バブル世代」、「団塊の世代」とは生活スタイル・文化が大きく異なります。もはや違う人種といっても過言ではありません。

ミレニアル世代とZ世代の相違点

「Z世代」の特徴を見ていただいたところで、「ミレニアル世代」との違いがあまり見られないと思われた方も多いのではないでしょうか。確かに、「ミレニアル世代」と同様の特徴が見られる点は、多々あるかと思います。一方で、大きな違いとして挙げられるのが、「Z世代」は、生まれた時からデジタル機器が生活の一部と化しており、テクノロジー依存が高いという点です。つまり、テクノロジーを前提とした生活が展開されており、その前提をもとに様々な行動が起こされているのです。
JETOROの「次世代を担う「ミレニアル世代」「ジェネレーションZ」―米国における世代(Generation)について」(一部抜粋・改変)では、「ミレニアル世代」「Z世代」の違いを下記のようにまとめています。(図1)

「次世代を担う「ミレニアル世代」「ジェネレーション Z」-米国における世代(Generations)について-」一部抜粋
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2018/ec095202b7547790/ny201810.pdf

 
 

2030年の消費経済市場を見据えて

最後に、Z世代を取り巻く環境が今後、どのように変化してくのかを、消費インテリジェンス研究会の報告書を参考に見ていきましょう。研究会の報告書では、2030年の消費経済市場を様々な有識者の意見のもと【確実に起こると想定される未来】、【起こるか どうか不確実だが、実際に起こったらインパクトが大きい未来】に分け、下記のようにまとめています。(一部抜粋、改変したものになります。)

最新技術(AI、ロボット、3D プリンタ、自動運転)の進展や電子決済をはじめとした金融・経済に関わる新システムの構築が行われる。(確実な未来)また、多拠点生活など空間や場所にとらわれない新しい生活様式が展開されていく一方で、コミュニケーションツール・量の過多によるコミュニケーションの場から離れる人が増える。さらに、AI、ロボット技術の発展により生み出された余剰時間が「より人間らしい活動の追求」への時間とされていく。(不確実な未来) また現在、普及が進んでいるシェアリングエコノミーやCtoCはさらに拡大、SNSコミュニティでのやりとりが当然となっている世代が台頭し、スマートフォンの普及も拡大していくだろう。(確実な未来)。

(参考:https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H28FY/000154.pdf 一部抜粋)
デジタルネイティブである「Z世代」は最新技術や多くの情報をより早くキャッチし活用していくことが予想されます。「未来のZ世代」の様子をとらえるためにも、上記に示された未来、発展しうる技術や展開されうる生活様式を予想し、それが彼らにどのような影響を与え、どのような行動を起こしていくのか、また起こさせるのかを「現在のZ世代」の価値観と照らし合わせながら検討していくことが、必要になっていくでしょう。

2030年の消費経済市場に社会的に大きなインパクトを与える変化の兆し

最後に

「Z世代」は、最近アメリカを中心に注目されてきた「〇〇世代」のひとつです。今後の日本社会においても、彼らが消費活動の中心の一部になっていくでしょう。その中で、彼らのもつ「SNSを駆使し自ら発信する力」にも、より着目するべきであると感じます。

「Z世代」の価値観や消費行動をとらえ、彼らに「売る」だけではなく、「拡散したい商品」や「拡散させやすいモノやシステム」そして「仕組みづくり」も検討することがより重要になっていくのではないでしょうか。そして、それは更なる、商品価値向上・付加価値向上にも繋がると考えられます。そのためにも、彼らの特徴を理解し、また未来の日本社会とそれが「Z世代」に与える影響を想像することが重要です。

デジタル関与度の高いZ世代やミレニアル世代とロスジェネ世代・バブル世代の生活格差は広がっていくことは間違いないでしょう。またそれぞれの世代の中にも色々なタイプが存在しています。そう考えれば、20代女性とか30代独身男性といったセグメントでターゲットを設定しても意味がなくなってくることでしょう。

世代の違い、価値観の違い、スタイルの違いによって、モノの見方や考え方捉え方が大きくことなりますので、これまで以上に誰に売っていくかといった「明確なターゲットの設定」が重要になってくるでしょう。

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執筆者
寺尾 祥子
株式会社アスマーク リサーチソリューショングループ
物流業界でロジスティクス業務を経験後、2019年中途入社。 入社後は広告・メディア関係の定量調査を中心に、調査票~レポート作成などの業務を担当。社名の意味でもある「輝く未来への架け橋となる、質の高いマーケティングサービス」を目指し奮闘中。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

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