公開日:2016.11.01
- 仕事
残業時間に関するアンケート調査
残業時間が「多い」と感じている人は26.2%、「少ない」と感じている人は32.2%
2016年9月、東京都の小池百合子都知事は都庁の職員に対して、全職員が午後8時には帰宅する「超過勤務縮減策」を取り入れることを宣言した。その他、各民間企業も「ノー残業デー」「変形時間労働制」「フレックスタイム」など、残業時間の削減に向けて取り組んでいる事例が多々見られる。
長い残業時間、長時間労働は、働く人の心身健康にも害を及ぼしかねない。
そこで今回は、「残業時間」についての消費者の様々な意識や状況について、アンケートを行った。
なお、今回の調査による業種別の構成比は「製造業」21.3%、「サービス業」15.6%、「医療・福祉」15.0%であり、職種別の構成比は「事務・スタッフ関連」37.8%、「営業関連」「流通・サービス関連」がそれぞれ9.4%となっている。
勤務している企業・団体の賃金体系についてたずねたところ、9割超が「定額制」となっており、年代別にみたところ、40代は「出来高制」の割合が他の年代と比べて高くなっている。
勤怠管理方法に関しては、約4割が「Webシステム」と回答しており、企業規模別にみると、中小企業は「タイムカード」の割合が38.8%となった。
「ノー残業デー」の制度有無については、「ない」という回答が半数を超えている。企業規模別でみると、大企業は「制度があり、実施されている」との回答が36.3%であった。
冒頭に触れた小池東京都知事の宣言については、「宣言自体を知らない」と回答した人が約1割いたものの、もし自分の会社で実施されるのであれば「賛成」という意見が半数を占めている。
1ヶ月あたりの平均残業時間は、「残業はない」と回答した人が21.3%だったが、「5時間未満」「10~20時間未満」「5~10時間未満」が上位であった。1日平均2時間超以上の残業をしている人は、2割に満たない結果となっている。
自身の残業時間に関しても、多いか少ないかの意識をたずねたところ、約4割が「どちらともいえない」と回答しており、「多い」と感じている人は26.2%、「少ない」と感じている人は32.2%であった。年代別・企業規模別でみても、「多い」と回答しているのは約3割である。
過去1年間の休日出勤の有無をたずねたところ、「休日出勤はしていない」との回答が全体では60.3%であったが、年代別では50代の「休日出勤をした」が47.4%で、約半数近くになる。
具体的な休日出勤日数は、全体では「2日」が20.7%となっており、次いで「4~5日」(18.9%)、「6~10日」(15.3%)と続いている。年代別では30代の「21日以上」の休日出勤が20.7%となっており、他の年代に比べて高い傾向がみられた。
また、休日出勤をした代替・振替休日の取得状況については、「取得していない」との回答が全体では約4割を占めている。性別でみると、女性の方が男性よりすべて取得した割合が高くなった。
続いて、昨年度の年次有給休暇の取得状況をたずねたところ、「取得した」が約8割となった。具体的な日数としては、「1~5日」が29.5%、「6~10日」が26.5%、「11日以上」は24.2%という結果となった。
最後に、仕事とプライベートの重視度合いをたずねたところ、「プライベート重視」の割合が6割となり、「仕事重視」の回答は11.4%にとどまった。
「ライフワークバランス」という言葉も、耳にするようになって久しい。 長時間労働が美徳とされる傾向にあった日本の働き方は、少しずつ変化をとげているのかもしれない。
調査概要
調査名 | 残業時間に関するアンケート調査 |
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対象者条件 | 全国/20代~50代/男女/有職者 |
調査項目 | ・勤続年数(SA)/賃金体系(SA)/勤怠管理方法(SA) ・「ノー残業デー」の制度の有無(SA) ・小池都知事の「超過勤務縮減策」に関する意見(SA) ・1ヶ月の平均残業時間(SA)/自身の残業時間に対する意識(SA) ・過去1年間の休日出勤の有無(SA) ・代替・振替休日取得状況(SA) ・年次有給休暇取得状況(SA) ・「仕事とプライベート」重視度(SA) |
サンプルサイズ | 320s |
割付 | 男女均等 大企業・中小企業均等 ※大企業=従業員数300名以上 中小企業=従業員数300名未満 |
調査期間 | 2016年10月18日(水)~10月 21日(金) |
調査方法 | インターネット調査(アスマークの自社モニター ) |
調査機関 | 株式会社アスマーク |
調査対象
性別 N=320 | |
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年齢 N=320 | |
個人年収 N=320 | |
婚姻状況 N=320 | |
業種 N=320 | |
職種 N=320 |
勤務先企業の設立年数 N=320
勤務先企業の勤務時間体系 N=320
Q2.あなたが現在お勤めの企業・団体の賃金体系について、あてはまるものをひとつお知らせください。(1つ選択)
■9割超が「定額制」
・賃金体系を全体でみると、「定額制」が9割を超えている。
・性別でみると、女性の方が男性より「定額制」の割合が高い。
・年代別でみると、どの年代も約9割が「定額制」であるが、30代・50代が95%を超えている。40代は「出来高制」が他の年代に比べて高い。
・企業規模別でみると、大企業・中小企業どちらも「定額制」が9割を超えているが、中小企業は「出来高制」の割合がやや高い。
Q3.あなたが現在お勤めの企業・団体は、どのような方法で勤怠管理をされていますか。あてはまるものをひとつお知らせください。(1つ選択)
■勤怠管理方法は「Webシステム」が約4割
・勤怠管理方法を全体でみると、「Webシステム」が36.9%で最も割合が高く、「タイムカード」が27.8%、「紙」が20.0%となる。
・性別でみると、「Webシステム」「IDカード」は男性の方が女性より高いが、「タイムカード」「紙」は女性の方が男性より高い。
・年代別でみると、「タイムカード」は、30代が他の年代と比べて高い。
・企業規模別でみると、「Webシステム」「IDカード」は大企業の方が中小企業より使用割合が高い。
Q4.あなたが現在お勤めの企業・団体に、「ノー残業デー」の制度はありますか。また、ある場合は、実施されていますか。あてはまるものをひとつお知らせください。(1つ選択)
■「ノー残業デー制度」は「ない」が半数を超える
・「ノー残業デー制度」の有無を全体でみると、「制度はない」が57.2%で最も高く、「制度はあり、実施されている」が23.4%、「制度はあるが、あまり実施されていない」が14.4%となる。
・性別でみると、「制度はない」は女性の方が男性より高く、「制度はあり、実施されている」は女性より男性の方が高い。
・年代別でみると、「制度はあり、実施されている」は40代・50代が高い傾向にある。20代は「制度があるかわからない」が11.3%で、他の年代より高い。
・企業規模別でみると、「制度はあり、実施されている」は大企業が中小企業の約3倍となっている。
Q6.あなたの1ヶ月あたりの平均残業時間はどの位ですか。あてはまるものをひとつお知らせください。(1つ選択)
■「残業はない」が約2割
・1ヶ月あたりの平均残業時間を全体でみると、「5時間未満」が19.4%で最も高く、次いで「10~20時間未満」が16.9%、「5~10時間未満」が13.8%となっている。「残業はない」が21.3%。
・性別でみると、「残業はない」は女性の方が男性より高い。
・年代別でみると、20代の「30~40時間未満」が全体と比べて高い傾向にある。
・企業規模別でみると、「残業はない」は中小企業の方が大企業より高い。
その他の設問
- Q1.あなたが現在お勤めの企業・団体での勤続年数をお知らせください。(数値記入)
- Q5-1.小池百合子都知事は2016年9月、都庁の職員に対して、全職員が午後8時に帰宅する「超過勤務縮減策」を10月中旬から始めることを宣言しました。もしもあなたの勤務先にこの策が取り入れられるとしたら、取り入れることに賛成ですか、反対ですか。(1つ選択)
- Q7.あなたは、ご自身の現在の残業時間について、どのように感じていますか。(1つ選択)
- Q8-1.あなたは、昨年1年間に休日(法定休日・所定休日)出勤をしましたか。(1つ選択)
- Q8-2.前問にて「休日出勤をした」とお答えの方にお伺いします。休日出勤した日数をお知らせください。(数値記入)
- Q9-1.昨年1年間に、休日(法定休日・所定休日)に出勤した方にお伺いします。あなたは、休日出勤をした際、代替休日もしくは振替休日を取得しましたか。(1つ選択)
- Q10.あなたは、昨年1年間に、年次有給休暇を何日取得しましたか。(1つ選択)
- Q11.あなたは、「仕事」と「プライベート」でどちらを重視していますか。重視の度合いをお知らせください。(1つ選択)
調査結果の引用・転載について
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勤務先企業の従業員数 N=320