公開日:2011.09.01
- 東日本大震災関連
定点調査-震災半年後の生活に関するアンケート調査-3回目
調査結果概略
過去2回の調査同様に今回も回復・復旧実感度半数を超え、51.6%。また、 1回目の調査(4月)時は89.8%に達していた自粛ムード実感度は、今回の調査では44.0%と大幅減となり、震災前の日常生活を取り戻しつつあると推測できる。また、連日のように報道されている食品問題についての関心度も高く、震災を機とした生活変化について尋ねた質問では、トップに「食品の購入時に産地を気にするようになった」(37.8%)がきている【前回調査では、27.2%で3位】。
今回の調査では、今夏や今後の節電について尋ねた質問も設けた。この夏15%の節電に協力するために意識的に取り組んだことのトップ3は、「室温28度の心掛け」(58.2%)、「エアコンではなく扇風機の使用」(53.8%)、「日中は照明を消す」(49.0%)で、2人に1人がこのようなことを実行していたことになる。そのためか、この夏の電気代についても、去年に比べ、7月・8月の電気代はトータル的に「下がった」と回答する人が57.0%を占めていた。また、今年の冬も電力量が厳しくなると言われているが、「原子力の利用(再稼働)よりも節電」と回答する人が78.2%に達するなど節電意欲は高い。
政府に対する復興への期待も高く、「被災地の経済および生活環境復興支援」(29.4%)、「原発問題(電力問題)の解決」(26.8%)、「再生可能エネルギーの一層の実用化(太陽光)」(13.8%)なども上位にランクインする。
最後の「もし、あなたが東日本大震災復興特別委員会のメンバーだとしたら、復興のために、どのような活動をしたいですか。」の自由記述式の質問でも、復興・復活のための貴重な意見が多く寄せられた。
調査概要
調査名 | 定点調査-震災後の生活に関するアンケート調査 | ||||||||||||||||||||||||||||
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対象者条件 | 一都三県在住の20歳以上の男女 | ||||||||||||||||||||||||||||
調査項目 |
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サンプルサイズ | 500s | ||||||||||||||||||||||||||||
割付 |
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調査期間 | 2011年9月21日~9月22日 | ||||||||||||||||||||||||||||
調査方法 | インターネット調査(アスマークの自社モニター ) | ||||||||||||||||||||||||||||
調査機関 | 株式会社アスマーク |
調査対象
性別 N=500 | |
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年代 N=500 | |
居住地域 N=500 | |
未既婚・子供有無 N=500 | |
職業 N=500 |
Q1.現在のあなたご自身の生活について、今年3月11日に発生した東日本大震災が発生してから、回復・復旧を実感していますか。(1つ選択)
Q2.では、世間全体をみて、現在自粛ムードを感じていますか。(1つ選択)
■世の中の自粛ムード実感度 N=500
世間全体での自粛ムードについて、実感しているかを尋ねたところ、「非常に感じる」と「やや感じる」を足し上げた自粛ムード実感者は44.0%と半数を下回る結果となった。
過去2回の調査と比較しても、自粛ムードが和らいできていることがわかる。
Q3.東日本大震災を機に、以降の日常生活で変化したことはありますか。次にあげる項目の中で、あなたご自身に該当するものをお知らせください。(複数選択可)
■震災を機とした生活変化の内容 N=500
東日本大震災を機に生活上での変化を尋ねたところ、「食品の購入時に産地を気にするようになった」(37.8%)が最も多かった。次いで、「ニュースを見るようになった」(36.4%)、「防災用品を準備するようになった」(28.0%)と続く。
前回調査と比較すると、トップの「食品の購入時に産地を気にするようになった」は10ポイント以上上昇し、食品に対しての関心度が高まっていることが窺える。また、2位の「ニュースを見るようになった」も前回より5ポイント以上アップし、震災関連の情報収集も習慣化してきていることがわかる。
Q4.あなたがこの夏15%の節電に協力するために、意識的に取り組んだ節電対策はどのようなことですか。(複数選択可)
■この夏意識した節電対策(節電意識のある方) N=500
この夏15%の節電に協力するために意識的に取り組んだ対策を尋ねたところ、最も多かったのは、「室温28度の心掛け」で58.2%。次いで「エアコンではなく扇風機の使用」の53.8%、「日中は照明を消す」の49.0%と続く。
Q5.あなたのご家庭では、結果としてこの夏の電気代は下がりましたか。(1つ選択)
■この夏の電気代について N=500
最も多かったのは、「去年に比べ、7月・8月の電気代はトータル的に下がった」で57.0%と、半数を上回る。各家庭で消費電力量15%削減を達成させるため節電に協力したことが窺える。
Q6.率直なところ、あなた自身は、節電疲れを感じていますか。(1つ選択)
■節電疲れ実感度 N=500
節電疲れを感じているのは、全体の2割に留まり6割は節電疲れを感じないという結果となった。
Q7.今年の冬は、今年の夏以上に電力が厳しくなると言われています。本音のところ、あなたは15%以上の節電を実施することと原子力の利用(再稼働)とどちらを選びたいですか。(1つ選択)
■節電意向と原子力使用意向 N=500
15%以上の節電と原子力の利用(再稼働)のどちらを選びたいかを尋ねたところ、圧倒的に15%以上の節電を選ぶ人が多く、全体の8割に及んだ。 前問(Q6)で節電疲れを感じない=59.8%から見てわかるように、節電意向(意識)が高いことが窺える。
Q8.新しいエネルギー源の検討・開発が既に始められています。今後、日本ではどのエネルギー源を基盤にしていくべきだと思いますか。(1つ選択)
■今後のエネルギー源の選択 N=500
今後日本ではどのエネルギー源を基盤にしていくべきかを尋ねたところ、「太陽光発電」が最も多く、43.2%。次いで、「地熱」(19.4%)、「メタンハイドレード」(13.2%)と安全な自然エネルギーが続く。
Q9.あなたが現時点において政府へ期待すること(もしくは期待したいこと)は何ですか?お気持ちとして、近いものを上位3つまでお答えください。(上位3つまで選択可)
■政府へ期待すること N=500
現時点で政府に期待すること(期待したいこと)を尋ねたところ、「日本経済の復興」がトップで53.2%。次いで、「雇用の創出」(35.0%)、「被災地の経済及び生活環境復興支援」(29.4%)が続く。
3位の「被災地の経済及び生活環境復興支援」のランクインからも復興への関心度は高いことがわかるが、関連して原発問題への期待度も高く4位に「原発問題(電力問題)の解決」(26.8%)や「再生可能エネルギーの一層の実用化(太陽光)」(13.8%)なども後に続く。
Q10.もし、あなたが東日本大震災復興特別委員会のメンバーだとしたら、復興のために、どのような活動をしたいですか。(自由記述の抜粋)
※東日本大震災復興特別委員会: 3月11日に発生した東日本大震災で被害をうけた地域の復興を目的に発足され、現在も活動中の委員会を指します。
■東日本大震災復興特別委員会のメンバー と想定した場合の自身の活動内容 N=500
【20代男性】
「復興及び雇用創出のため、経済特区を設け様々な政策を打ち出し(法人税の引き下げ、地域住民を雇用した場合の補助金、無利子の融資等)様々な企業のデータ部門やベンチャー企業などを誘致する。」
【20代男性】
「震災前の状態に戻す復興ではなく新しい進化した都市づくりを被災地でしたい。被災した土地でスマードグリッドや太陽光発電を積極的にやることにより、エネルギー問題だけでなく、そこから生まれる新産業により雇用も増えると思う。ある意味、いろいろな場所が破壊されたことにより土地が更地になったのでどんどんそれを利用して行くべきだと思う。今後の復興のやり方次第で日本全ての未来が決まってしまうと思う。」
【30代男性】
「高所得者からの税金の引き上げと適切な復興支援への財源の配分。脱原発の推進と核燃料廃棄物や被曝した物を福島に集め、チェルノブイリの様にコンクリで固めること。その被害を被る福島の方々の保証をすること。」
【40代男性】
「国家公務員・国会議員の歳費及び給与50%削減を行い、復興事業への公共投資を行い、雇用もあわせて創出する。」
【50代男性】
「被災地および近県以外もう他人事のような生活習慣になっている。復興も経済の景気対策も含め義援金の額と使い道を毎月明確に公表して、復興の状況を全国民に公表して財源のマイナス面も公表して義捐金を寄付してくれた方の使い道も何に使用したか公表して国民一人一人に関心を持たせて政治家の力という事よりも一般市民としてスピードを持った復旧に協力させる。」
【60代男性】
「除染はかえって汚染の濃縮につながるので、完全実施は元来無理な話。復帰や復興の幻想で目先をごまかすことは罪悪。原発汚染の、除染実施地域と除染放棄地域とに分け、除染放棄地域は国有化し、住民は他の地域へ移住は仕方ないこと。一般人の活動を原則禁止し、太陽光パネルを一面に設置し、巨大な太陽光発電地域とする。これで原発4-5個分の電力生産は十分可能となり、脱原発の一助となる。」
【20代女性】
「何かしらしたいとは思うが、どのような活動が真の意味で復興につながるのか、この様々なことが隠蔽されている政府の上では考えられないのが本音。全体をみて何をすればプラスになるのかよく分からない。」
【30代女性】
「風評被害をなくすために放射性物質にかんする詳細データを毎日、新聞・テレビなどに出すとともに誤解の多い風評(放射能がうつる、など)について専門家(お抱えの学者を除く)に詳しく解説してもらう機会を多く作る。データの隠蔽は一切行わず正直に公表し、具体的な対策方法を提示する。その際、一度ではなく、こまめに定期的に行うようにする。」
【40代女性】
「過剰な物資支援が無駄を生んでいる現実の中では、まず人員を増やして実態調査をしてから被災者の度合いに応じた本当に必要不可欠な支援をする。また両親を失った子供たちの奨学金支援や里親支援のような制度を考えたい。職を失くした人の雇用創出につながる手立てを何とかしたい。私の所属する団体では南三陸町への炊き出し、気仙沼への物資供給や義援金などの支援をしてきたし、今後も南相馬へのチャリティライブなどの計画もあるが、個人的には、一時の支援ではなく被災者の皆さんの将来への不安を払拭できるような支援活動をしたい。」
【50代女性】
「地震と津波による被害者と原発による被害者(帰宅できない人たち)の切り分け。話し合いと全体合意だけではなく、法的強制力をもつ復興の推進。日本国内企業を使った復興。」
【60代女性】
「何よりも福島原発廃止の速度アップして放射能汚染を止める。放射能汚染地域の除染(ていうのかしら)の推進により、一日も早く住民が帰ってこられるようにする。二重ローン問題もあるので、被災地域をいったん国が買い上げ、将来の安全や産業復興を見据えた再開発を行い、そのうえで元の住民に適正価格で貸与または払い下げたらいい。」
調査結果の引用・転載について
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■生活についての回復・復旧実感度 N=500
現在の生活について、回復・復旧を実感しているかを尋ねたところ、全体の半数(51.6%)が実感している(やや実感しているを含む)と回答した。 前回に比べ若干数値は下回るが、回復・復旧の実感は安定して半数以上を占める。