公開日:2011.12.01
- 仕事
仕事選びに関するアンケート調査
調査結果概略
今月は、「仕事に関する調査」ということで、仕事選びにおける重視点や転職回数、転職を考え出した時期など、仕事・転職にまつわることを調査した。
今回の調査結果から最も顕著だったのが、明るい兆しが見えない時世の中で、『就職活動をしている』もしくは『控えている学生』の「安定・安泰」志向の強さである。
彼らが会社選びをする際に惹かれることのトップは、「安定・安泰」で全体の59.8%が回答。
また、働く上で「安定・安泰」と「ベンチャースピリット」とどちらを選ぶかと尋ねたところ、91.0%の学生が「安定・安泰」と回答している。ただ、これは学生に限ったことではなく、現在何かしらの給与を得ている人も同様に「安定・安泰」と回答する人が85.7%となる。求職中・無職・就職浪人中の人の「安定・安泰」志向は8割以上といずれも高い。
また、ワーク・ライフ・バランスは、若干ではあるものの仕事重視層がプライベート重視層を上回る。しかし、重視度で見ると、仕事を重視するが平均65.4%なのに対してプライベートを重視するは平均69.9%と、僅差であるがプライベート重視度の方が高い。
また、3.11の大震災後のワーク・ライフ・バランスの考え方を聞いたところ、「プライベートを重視するようになった(計)」は40.8%であった。
先般、総務省が発表した2011年11月の完全失業率は4.5%、また2012年春に卒業する大学生の10月時点での就職内定率は59.9%。
内定率の低さや失業率の改善がない中であっても、企業からの面接や説明会の連絡を受けたにも関わらず断わりもなく行かなかったと回答する人が、全体の2割近くいた。給与所得者に至っては、24.1%と4人に1人は面接や説明会に無断欠席する経験を持つ。
今回の調査内では、「転職をしようと思ったきっかけや出来事」や「仕事に対して考えること」を自由回答で尋ねている。学生、給与所得者、求職中の人、それぞれに異なる特徴が見られ、とても読み応えのある結果となっている。
調査概要
調査名 | 仕事選びに関するアンケート調査 | ||||||||||
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対象者条件 | 一都三県在住の大学生、給与所得者、求職中・無職・就職浪人 | ||||||||||
調査項目 |
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サンプルサイズ | 500s | ||||||||||
割付 |
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調査期間 | 2011年12月16日~12月21日 | ||||||||||
調査方法 | インターネット調査(アスマークの自社モニター ) | ||||||||||
調査機関 | 株式会社アスマーク |
調査対象
性別 N=500 | |
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年代 N=500 | |
居住地域 N=500 | |
未既婚 N=500 | |
職業 N=500 |
Q1.あなたの理想とするワーク・ライフ・バランスをお知らせください。
Q2.3.11の大震災を機にあなたのワーク・ライフ・バランスの考え方は変わりましたか。(1つ選択)
■ワーク・ライフ・バランスの考え方の変化 N=500s
前問のワーク・ライフ・バランスの考え方は3.11の震災の前後では変わらないと回答している人が全体の半数以上を占める。また、震災後にプライベート重視型になった人も多く、全体の4割を占める。
Q3.「就職活動中の学生」「就職活動中以外の学生」「就職浪人中」の方にお伺いします。あなたは(今後)就職活動をする際、どういったところに惹かれて会社選びをしていますか(しますか)。あなたのお気持ちに近いものを全てお知らせください。(複数選択可)
Q7.あなたが転職活動をする際、どういったところに惹かれて会社選びをしましたか。あなたのお気持ちに近いものを全てお選びください。(複数選択可)
※調査結果(PDF)で大きな画像がご覧になれます
■会社選びのポイント
「就職活動中の学生」「就職活動中以外の学生」「就職浪人中」 n=102s、「転職経験者」 n=295s
就職活動中ならびに活動前の学生と転職経験者では会社選びに違いが見られる。就職活動中ならびに活動前の学生の会社選びのトップ3は、「安定・安泰」59.8%、「業務内容」55.9%、「お給料の良さ」52.9%。
一方、転職経験者のトップ3は、業務内容」40.7%、「交通の便の良さ」39.7%、「お給料の良さ」34.9%という結果。学生の「安定・安泰」志向は強いが、転職組は安定・安泰よりも業務内容といった仕事の中身を重視する傾向が見られる。
Q4.現在働いている方(パート、アルバイトの方も含みます)ならびに求職中の方にお伺い致します。学校を卒業してからのあなたの転職の回数(パート先やアルバイト先を変えた回数)をお知らせください。(1つ選択)
■転職回数 n=398s
給与所得者層ならびに求職中、無職、就職浪人中の人に転職回数を尋ねたところ、7割以上が転職経験者であった。最も多いのは「2~4社目」と回答する人で47.5%、続いて「5~7社目」と回答する日とで18.6%。転職回数「2~7社目」という人達で全体の半数以上を占める。
Q5.転職の経験がある方にお伺いします。あなたが転職をしようと思った時期は入社してからどのくらい経ってからになりますか。
※1回目の転職時のことを教えてください。
■転職を考えるまでの期間 n=295s
1回目の転職を考えるまでの期間は、入社から平均5年3ヶ月が経った頃である。最も長い人では勤続36年目で、最も短い人では入社から1ヶ月目で転職を考えている。
Q6.転職をしようと思ったきっかけや出来事はどういったことですか。転職をしてよかったですか。転職にまつわるエピソードをなんでも自由に教えてください。(自由回答)
■回答の一部
【求職中 36歳 男性 1回目の転職:入社4年目】
給料が上がらなくなった。
【求職中 42歳 男性 1回目の転職:入社10ヶ月目】
配属されるべき部署に配属されず、勉強した内容が仕事で活かされない部署だったから
【求職中 37歳 女性 1回目の転職:入社2年目】
お菓子作りを勉強するために製菓学校に入学→退職し、その後製菓関連の業務に携わるようになった。好きなことを仕事に出来ているので良かったと思う。
【求職中 46歳 女性 1回目の転職:入社6年3ヶ月目】
全く違う業種、職種に就く事によって、経験や知識が広がったので、転職は自分にとって良かったと思う。
【求職中 52歳 女性 1回目の転職:入社4年目】】
子どもの成長に合わせて。小学校入学に合わせて、より、収入のよい仕事に就きたいと思った。
【給与所得者 25歳 男性 1回目の転職:入社半年目】
他にやりたい仕事があったということと、当時働いていた会社の雇用条件が良くなかったから。まだ転職活動中だが、退職したことに後悔はしていない。
【給与所得者 33歳 男性 1回目の転職:8年3ヶ月目】
将来性を考えて転職したかったが、なかなかやめられなかった。30歳を機に転職はしたが転落の人生
【給与所得者 51歳 男性 1回目の転職:21年6ヶ月目】
転職の意向は固まっていたが、具体的な転職活動を起こす前に、知人から外資系の会社を紹介された。それ以前の経験やスキルを活かせる部分もあったが、異なる分野であり、新たなチャレンジと考え転職した。その後、そこでのスキルを活かせる職場に再就職して、現在、海外に勤務するに至っている。きっかけは予想しないところにあり、数少ないチャンスを活かせたと思っている。
【給与所得者 35歳 女性 1回目の転職:3年3ヶ月目】
経験を積むために1社目を選んだため、転職はもともと希望していた職へのものであり、就職時から考えていたことであった。実際、転職前の技術が役に立っており、転職を考えて良かったと思っている。
【給与所得者 38歳 女性 1回目の転職:2年6ヶ月目】
ノルマに追われて気の休まる時がなかった。学生時代はメーカー志望だったので、次はメーカーに転職できたので、結果としてよかったと思う。
【給与所得者 45歳 女性 1回目の転職:10年10ヶ月目】
年齢もちょうど区切りの年で、転職で新たな生活を望んだが1,2年は止めた事に後悔しまくった!結局その後留学の機会があり、韓国に留学、その後結婚となったが・・どの道が良かったのか、今でもわからない!
Q8.あなたが実際に働く上で・働く中で重視することはどういったことですか。あなたのお気持ちに近いもの(本音)をお知らせください。(企業の面接ではないので自由にお答えください。)(それぞれ1つずつ選択)
■働く上で・働く中で重視する事項 N=500s
最も顕著に表れたのは、「安定・安泰」志向で全体の86.4%を占める。特に、学生(20~22歳)の「安定・安泰」志向は強く91.0%に達する。一方、求職中、無職、就職浪人中層は3層の中で最も「安定・安泰」志向は低い。ただし、それでも8割を占め全体的に働く上で「安定・安泰」は重要になっていると推測される。
層別で見ると、給与所得者層は、他層とは異なり「プライベートな時間」よりも「仕事の遣り甲斐」を重視する傾向が見られる。求職中、無職、就職浪人中層は、「上場していること」よりも「上場していくこと」を重視する傾向がある。
学生は、3層の中で重視度が強く表れている項目が最も多い(7項目)。安定・安泰志向が示すように、「会社規模が大手であること」、「企業の歴史の長さ(老舗であること)」、「上場していること」など会社の土台の大きさを重視するだけではなく、遣り甲斐よりも「プライベートな時間」、仕事より「家族の行事」というようにプライベート重視志向も強いのが特徴的。
調査結果の引用・転載について
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■ワーク・ライフ・バランスについて N=500s
全体の38.6%は仕事重視層、33.8%はプライベート重視層という結果となった。仕事重視層の仕事重視度は61~70%未満が全体の61.7%を占め、平均は65.4%。これに対して、プライベート重視層のプライベート重視度は71%以上との回答が過半数。
回答者全体では、プライベート重視層よりも仕事重視層の方が回答者数は多いものの、各々の重視度を見ると、『仕事重視層が仕事を重視する度合』よりも『プライベート重視層がプライベートを重視する度合』の方が高くなっている。