公開日:2022.12.01
2022年10月24日、文教大学(湘南キャンパス)にて情報学部情報社会学科の大橋洸太郎先生が受け持つ「調査集計法B」の講座にて、アスマークの学術調査チーム(富田、曽我部)が「マーケティング課題からみる、調査事例セミナー」と題し、セミナー登壇させていただきました。
当講座は、マーケティングリサーチを学生に学んでもらうことを目的にしており、アスマークの学術調査チームの活動の一環として実現に至りました。
セミナー構成
● マーケティングリサーチとは?
● 多くご相談頂く悩みは?
● 調査から分かったこと
● 成功事例
● 調査会社で働くにあたって
● 質疑応答
セミナー後、本件の企画に携わった情報学部情報社会学科の大橋洸太郎先生にインタビューさせていただきました。
研究分野
心理統計学、多変量解析、社会調査、データサイエンス
著書
・日本心理学諸学会連合心理学検定局 心理学検定一問一答問題集[B編] 実務教育出版(2016, pp.274-286)
・村上征勝 監修/金明哲・小木曽智信・中園聡・矢野桂司・赤間亮・阪田真己子・宝珍輝尚・芳沢光雄・渡辺美智子・足立浩平 編 文化情報学事典(2019, pp.662-665)
データ分析を主として活動しております。早稲田大学文学部心理学コースの豊田研究室で心理統計学を学んだことから、人の心を計量的に捉え、事象を客観的に捉えることを目標に、研究を進めています。このため、どちらかといえば特定の分野に集中するというよりも、様々な分野において統計的な役割を担う場面で分析を応用的に用いたいと考えております。
研究室時代から引き継いでいる研究は、自由記述アンケートの回答処理に関するものです。自由記述回答は量的研究においては、その回答の種類の多様性から、クローズドクエスチョンにすることが難しい場合や、仮説を生み出す段階で、まず質問に対してどのような意見があるのかを広く求めたい場合などに用いられることが多い回答形式です。小標本データや、短い回答を求めるインタビュー等、必ずしもデータが多くない場合にも自由記述回答は用いられており、私が携わってきた研究では、このような場合に、自由記述の回答の種類が、いかに現時点の収集段階で十分収集できているのかを数量的に把握する研究でした。
また近年では、健康分野の先生とも共同研究をさせて頂いております。そちらの研究では、最近話題になっている“スマートフォン依存”と“食事”の関係について研究しており、学会等で成果を報告しております。アスマークさんの調査が分野に縛られないように、調査・解析を分野を問わずに挑戦していきたいと考えております。
例年Web調査をさせて頂いていた環境でしたので、アスマークさんのことは以前より存じておりました。内容を深く知ることになったのは、アスマークさんでアルバイトをしている学生がいたことがきっかけです。社会調査士の授業をしている最中に、彼が非常に楽しく調査に関わっていることを知り、アスマークさんの職場環境の良さと、リアルに調査を知る場として、調査会社にアプローチさせて頂くことは重要だと感じるようになりました。
そして今回、ご縁もあり、ついにアスマークの皆様にご講演をいただくこととなりました。企画の段階で「このようなことをお話しして頂けたら」というメッセージを送らせて頂いたのですが、最初の返答内容から私の想像を越えるクオリティでの講演内容の草案が帰ってきて、学術調査チームを抱えるアスマークさんはこのような学術系の講演にも耐えうる実力をお持ちであることに感激しました。こちらからのあらゆる要望を企画に盛り込んで下さり、これは学生に有益な講演となるだろう、と感じていました。
学生から得られた感想が物語っている通りですが、期待に応えて下さったというイメージを持ちました。
「マーケティング会社の魅力や楽しさ、面白さを学んだ。」この学生からの感想が端的に公演の内容を表していると思います。また、「実際に調査を行っている人しかしらないような貴重な聞けてよかった」「調査することの素晴らしさを感じた」といった感想からは、調査の実態をプロから聞くことの大切さを表していると思います。そして、「今後は講演で教わった事柄に意識して日常生活を送りたい」「自分がデータを取るときにも気を付けたい」「授業で習っていた内容が活用されていることが分かった」「社会調査士の資格取得に向けて励みたい」といった感想が得られたのは、普段授業を持っている私としてもありがたく、学生の学びのモチベーションに繋がったと感じました。
まず富田さんは、ご挨拶の時から感じていましたが、ユーモアに溢れている方だなと感じていました。マーケティング調査の概要や定性調査と定量調査の違いなど、基礎的で重要なマーケティング用語を分かりやすく説明して下さり、学生にとっては大学の学びを復習できる機会が得られました。
プロセスと課題に分けた説明も分かりやすく、何のためにどのようなことをする職業なのか、といったことも学生の頭に入ったと思います。また、「調査をした結果〇〇だった例」「△△だった例」などと、パターンを分けた実例を紹介して下さったため、これから社会調査士の実査や卒業論文を控える学生達に、「なるほど、こういう結末もあるのか」「こういうところに気を付けないと」といった有益な示唆を与えることができたと思っております。
曽我部さんには、調査会社で働く現場における面白さについて、実例をもとにお話しいただきました。例えばある食品のパッケージがどのように現在のデザインとなったかについての誕生秘話は、商品開発を陰で支える調査会社というスタンスが明確であり、そのような仕事に魅力を感じたという多くの感想を頂きました。今、私達の身の回りにある多くの商品が“当たり前に”その姿をしているというのはすごいことであり、調査の結果が異なっていれば、その商品は別の顔をしていたのかもしれないと思うと、パラレルワールドを垣間見るようで、興味深く感じる学生が多かったのでしょう。
また、どのようにして調査会社に勤めることになったか、どこに魅力を感じて就職したのか、それまでの学生時代の話など、将来を考えている学生にとっては本当に気になる“先輩の話”をして下さった点も有難かったと思っております。
お話を聞けてよかった、というのが私の率直な感想です。準備の段階で非常に魅力的なご講演の構成案を頂き、流石多くの発信を普段からされている企業だなと感じました。また、調査会社という性質から、私のような者からも意見を汲み取って下さる力も大きく、要望にお応え下さったように思います。
その完成度の高さからか、非常に興味深かったのがご講演の後の質疑応答であり、絶え間なく手を挙げる学生がいてくれたことが嬉しかったです。各自、気になることが多かったのは、それだけお話の内容が魅力的だったからなのではないかと思います。このような魅力を持ったご講演ですから、より多くの学生にも聞かせてあげたかったな、という気持ちになりました。もちろん学生から自然に生まれた質疑であり、やらせとかではありませんよ(笑)
職業柄からですが、学術調査に理解を示し、その取り扱いができる企業であれば有難いと思います。社会調査や公的機関からの要請と、その他から要請される内容には実務上、違いがあるかもしれません。ターゲットとなる母集団層の可能な限りの開示や今後も要請が高まってくる可能性のあるオンラインでの標本調査の可能性等へ寄り添って頂けると幸いです。
また一方で、マーケティング・リサーチの最前線を行かれる企業としてクライアントからの様々なニーズに沿った調査を立案し、現代的な調査の在り方を確立・発信していただける企業でありましたら申し分ありません。
学生によりリアルな社会を知って頂けるよう、定性調査、定量調査双方に渡るモニターや調査員等、データを取る側、取られる側の体験をさせる機会があれば良いなと思います。また理想で言うならば、学生の手による商品開発プロジェクトにおいて、実際に開発した商品コンセプトが実売となったら嬉しいですね。本物の調査用紙、インタビュー進行表、質問の取り方、受け答え方等を知ることで、自らの調査スキルを上げつつも、データのリソースとしても調査会社様に貢献できれば幸いです。
大橋先生、ありがとうございました!
アスマークが学術調査チームを発足、研究者/学生の学術研究を支援
アスマークでは、私立/公立問わず学術調査の相談件数が300件以上(※2019年度)の実績があり、独自のノウハウを学術研究の研究者/学生の皆様にご提供するために、新たに学術調査チームを立ち上げました。
WEBアンケート、回答者提供、郵送調査、被験者募集代行業務を中心に、学術調査チームが研究のサポートをいたします。
> 詳しく見る
被験者募集支援・リクルート代行
アカデミックリサーチの実績豊富なアスマークの学術調査チームが、被験者のリクルート・募集代行を行ない、大学/調査機関の学術研究を支援いたします。
● 研究対象者が集まらない
●臨床試験の参加者の公募に困っている
●質問紙調査の回答者が足りない
上記のようなお悩みをお持ちの方におすすめのサービスです。
> 詳しく見る