2019.12.05
イノベーター理論とは?5種類のタイプと事例、分析についてわかりやすくご紹介
イノベーター理論は、新製品や新サービスが市場に浸透していく過程で、消費者を5つのタイプに分類し、それぞれの特性を理解することで、効果的なマーケティング戦略を立て……
公開日:2020.05.13
会場調査(CLT)とはCentral Location Testの頭文字を取ったもので、あらかじめ用意した会場に調査モニターを案内し、製品や広告などに対してアンケートで評価を聴取する定量調査です。
まだ市場に出ていない上市前製品の評価を取る際に多く用いられ、通常30~400名程度の規模で実施するケースが多いです。
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会場調査(CLT)では、「競合商品との比較評価」「コンセプト評価」「パッケージ評価(デザイン評価)」「テイストテスト(試飲・試食)」などを目的として実施されます。「食べてもらいたい」「飲んでもらいたい」「見てもらいたい」「触ってもらいたい」「香りを嗅いでもらいたい」といった際に、調査対象者のリアルな反応をその場で確認できるため、気になる反応を示す調査対象者へは、その理由をリアルタイムでヒアリングすることができます。
また、全員に対して同一環境下で調査を行なうことができるため、アンケートを回答する際の外部環境による影響(バイアス)をなくすことができ、精度の高い評価データを集めることができます。そのため、均一の保存状態/加工状態でテストできる飲食物や、心理バイアスを揃えることができる広告・パッケージなど、同一環境で評価する必要がある対象物の際に多く用いられます。反対に、シャンプーや調理器具・調味料など日常の中で評価を取りたい対象物に対しては、ホームユーステスト(HUT)が適しています。
また、管理環境下で調査が実施できるため、製品の紛失や情報漏洩のリスクも抑えられます。そのため、上市前製品の評価テストや公開前の広告評価をしたい際に向いています。
【調査仕様】-会場調査(CLT)実例
調査目的 | 現行製品の改良を目的とした製品パッケージ・テイストのリニューアル | |
---|---|---|
対象者要件 | 20-50代・首都圏在住の女性/現行品もしくは競合品のユーザー | |
調査概要 | 2日で実施・1人につき所要時間は60分 | |
サンプルサイズ・割付 | n=132 ※下記の通り割付 |
|
調査フロー | ①シェルフチェック | シェルフ(商品棚)を準備し、競合製品と上市予定のパッケージを陳列し、視認性を把握する。「目を引くもの」や「買ってみたいもの」はどれか評価を取る。 |
②パッケージチェック | 上市予定である製品単体のみ提示し、絶対評価として商品の印象やデザイン評価を行う。「価格」や「味のイメージ」を示唆を得る。 | |
③テイストテスト | 対象者を二分し、バイアスがかからないよう現行/競合製品の回答順をローテーションし、製品試食も行う。「おいしさ」や「食べてみたいシーン」などの味覚評価を得る。 | |
④コンセプトテスト | 試食を経て、複数のコンセプト評価を行う。コンセプトの回答順は、対象者に合わせローテーションをする。製品魅力度や製品の味覚とイメージが合致しているかなどを探る。 |
上記の事例では上市前製品と競合製品を混ぜて陳列したシェルフ(棚)を提示し、どの商品を買ってみたくなったかの評価を取っています。その後、製品単体のパッケージ評価を行ない、試食による味覚評価を経て、コンセプトと合致するかどうかの受容性評価まで行なっています。例えば、ホームユーステストでは①~④の評価フェーズを数日かけて行なう調査対象者も出てくる可能性があり、また、同じ陳列でのシェルフ提示も困難になるため、こういった調査は会場調査でしか実施ができません。①~④のように、評価フェーズ毎に提示するものが異なるので、会場調査では多くの調査員と現場管理者が必要となります。
また、製品の提示方法や評価方法についてもテクニックがあります。下記に一例を記載します。
ブラインドテスト (Blind Test) |
ブランデッドテスト (Branded Test) |
|
---|---|---|
目的・用途 |
品質・性能に絞って製品評価したい ブランド名を明らかにしたくない ブランド名が決まっていない |
消費者が、製品の品質・性能だけでなく、ブランド名で購買を決定する商品カテゴリーに向いている |
特徴 |
商品自体の客観的な評価を得るために、銘柄名を隠して行うテスト。 特定銘柄に対して持っている評価やイメージ、先入観などを取り除いて製品そのものの評価を得たいとき 製品パッケージには無印の白箱やテスト用のラベルなどが用いられる |
どの銘柄であるか明らかにした上でのテスト 特定銘柄に対して持っている評価やイメージ、先入観なども含めて評価を得たいとき 市販されている(市販される予定の)製品のパッケージを使用して行う。 |
Monadic Test (MT:モナディックテスト) |
Direct Comparison Test (DCT:直接比較法) |
|
---|---|---|
特徴 |
どの調査対象者も、1つだけのテスト製品だけをテストする方法。 ※モナディック:「単一の」という意味 |
1人の調査対象者が、2種類以上の製品をテストし、それを直接比較する方法。 |
テスト製品が複数ある場合は、テスト製品分のグループを設定する必要がある。 | 2種類ならば、Pを先にテストするグループ、Qを先にテストするグループなど提示順を設定する。 | |
長所 |
テストの状況は、現実の製品購入時の判断プロセスに近い状況を再現。 製品の品質・性能面の特徴を具体的に把握できる 他のどのモナディックの結果とも比較が可能である(過去の結果と比較するなど) |
DCTはMTよりも評価の差が大きく出やすい。 テスト製品間差が微細なとき、優劣の判断を出したいときに適している。 |
短所 |
テスト製品が2種類以上のときは、マッチド・サンプル(性別、年齢、職業、使用状況などを同質にしたグループ)を組む手間がある。 過去の結果など比較する結果ないときは、結果の良否の判断は限られる |
先にテストした製品の評価が後の製品評価に影響しやすい(そのため、P先行、Q先行グループと設定し、順序効果を消去する方法をとる) どのテスト製品も絶対的に評価が低いときがある テスト状況はMTより人工的である。 |
※直接比喩法には、2製品双方の絶対評価と比較評価がとれる“シークエンシャルモナディック法”と、1製品の絶対評価と比較評価を行なう“プロトモナディック法”があります。
現場のコントロールを行なうことで、このような専門的な提示方法や評価方法を採用することができるため、結果データもより洗練され精度の高いものにすることができます。
定量調査に属するため、通常のアンケート調査と成果物は同じです。ただし、競合品などと比較評価する調査内容が多いため、その差が偶然による差なのかどうかを検証する「有意差検定」も同時に行ないます。また、会場では紙アンケートにて回答させるケースが多いため、ExcelやCSVへ回答結果を入力する工数を挟むことがあります。
納品物 | 概要 |
---|---|
ローデータ(Raw Data) | アンケート回答を入力したデータ。Excel、CSV、ASCIIなど様々な形式のアウトプット。 |
集計データ | GT(全体)集計のみの場合もあるが、クロス集計と合わせた納品データが基本。 |
FA(自由回答)集 | 用途に応じ、FAをアフターコーディングし、活用することも有用。 |
レポート | グラフやクロス集計表などにコメントを添え、結果を分析。 会場調査の場合、多変量解析や有意差検定表(検定)を活用し、競合品との比較差が統計的に基づいているかどうかを証明する内容に仕上げることも多い。 |
リクルートとは、「対象条件に合致した調査対象者を必要な人数だけ集めて、調査に参加してもらうこと」を指します。一見簡単な工程に聞こえますが会場調査においては大変重要な要素であり、「リクルートが完了すればCLTの70%は成功」といえます。
質の高い調査対象者を集めるために、まずは参加意識の低い対象者や回答なりすまし、スクリーニング時に偽った回答をした対象者は排除するようにしましょう。併せて出来る限り調査参加回数の少ないフレッシュサンプル(人)を確保しましょう。性別や年代など均等な割付設計を行うことで、回答者の偏りをなくすことができるため、よりフラットな評価が得られるようになります。また、分析・レポートに際して割付通りにサンプルサイズを確保することは非常に重要です。
(割付例)単位:ss(サンプルサイズ)
次に、調査当日のキャンセル者を減らすよう事前アナウンスをすることも重要です。50人の評価を取りたいのに45人しか調査に参加してくれなければ、そもそも調査が成り立たなくなってしまいます。多少当日キャンセル者が出ることも想定し、10%程度の予備サンプルを確保しておくことも有効です。
最後に、調査当日に関する注意喚起も重要です。試食調査においては「満腹で来ないように」、香りの調査においては「調査直前の喫煙や香水の着用は避ける」など事前に注意喚起を行なうことで、調査モニター間におけるバイアスをなくし、純粋な評価を得られるようになります。
会場調査は事前準備がなにより重要だといわれています。如何に不測の事態に備えた準備ができているかにより、調査当日の成否が大きく変わってきます。
「PC画面で動画広告を見せる調査なのにWi-Fiが繋がらない」「大型冷蔵庫を搬入したいのにビルのエレベーターに入らない」「火による調理を伴う調査なのに窓がない」など、想定していなかった事態が往々にして発生します。これらは、豊富な知識や経験により避けることができるため、会場調査に精通した人に事前準備をしてもらうことをお勧めします。
また、調査内容に適した会場が手配できるかどうかも調査の成否に影響します。前述のエレベーターや窓の件ももちろんですが、初めて訪れる人が来やすい立地にあるかどうか、備品が不足した際に近くに買い出しに行ける場所があるかどうかなど、会場選びも非常に重要となります。
最後に、そもそもですが、調査設計や調査票が課題・目的に見合ったものかどうかは入念に確認しましょう。スタート時点で方向が違っていれば、せっかく行なった調査自体が意味のないものになってしまいます。調査会社に依頼する際には、調査に至った背景/現状の課題/どういう結果を求めているのか(調査目的)/結果データをどう活用したいのか等々を認識の齟齬が生まれないように伝え、それをきちんと汲み取った調査の提案をしてくれる調査会社を選ぶようにしましょう。
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いざ調査設計!でも、スケジュールはどのくらい必要?シェルフって一体何段用意すればいいの?一回に許容できる人数はどのくらい?・・・・。気になる質問は全部下記Q&Aより解決できます!
会場調査(CLT)
会場調査(CLT)とは、あらかじめ用意した会場で、調査対象者から、製品、または広告等についての評価を聴取し、定量的にデータとして収集する手法です。
対象者が実際に製品や対象物に触れることで、よりリアルな評価を得られることができ、比較的短期間に、定量的に把握することができます。
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