公開日:2020.05.13

会場調査(CLT)とは?納品物の例や事例を紹介

  • 定量調査

会場調査(CLT)とはCentral Location Testの頭文字を取ったもので、あらかじめ用意した会場に調査モニターを案内し、製品や広告などに対してアンケートで評価を聴取する定量調査です。
まだ市場に出ていない上市前製品の評価を取る際に多く用いられ、通常30~400名程度の規模で実施するケースが多いです。
 

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会場調査(CLT)では、「競合商品との比較評価」「コンセプト評価」「パッケージ評価(デザイン評価)」「テイストテスト(試飲・試食)」などを目的として実施されます。「食べてもらいたい」「飲んでもらいたい」「見てもらいたい」「触ってもらいたい」「香りを嗅いでもらいたい」といった際に、調査対象者のリアルな反応をその場で確認できるため、気になる反応を示す調査対象者へは、その理由をリアルタイムでヒアリングすることができます。
また、全員に対して同一環境下で調査を行なうことができるため、アンケートを回答する際の外部環境による影響(バイアス)をなくすことができ、精度の高い評価データを集めることができます。そのため、均一の保存状態/加工状態でテストできる飲食物や、心理バイアスを揃えることができる広告・パッケージなど、同一環境で評価する必要がある対象物の際に多く用いられます。反対に、シャンプーや調理器具・調味料など日常の中で評価を取りたい対象物に対しては、ホームユーステスト(HUT)が適しています。
また、管理環境下で調査が実施できるため、製品の紛失や情報漏洩のリスクも抑えられます。そのため、上市前製品の評価テストや公開前の広告評価をしたい際に向いています。

 

【調査仕様】-会場調査(CLT)実例

 
 
上記の事例では上市前製品と競合製品を混ぜて陳列したシェルフ(棚)を提示し、どの商品を買ってみたくなったかの評価を取っています。その後、製品単体のパッケージ評価を行ない、試食による味覚評価を経て、コンセプトと合致するかどうかの受容性評価まで行なっています。例えば、ホームユーステストでは①~④の評価フェーズを数日かけて行なう調査対象者も出てくる可能性があり、また、同じ陳列でのシェルフ提示も困難になるため、こういった調査は会場調査でしか実施ができません。①~④のように、評価フェーズ毎に提示するものが異なるので、会場調査では多くの調査員と現場管理者が必要となります。
また、製品の提示方法や評価方法についてもテクニックがあります。下記に一例を記載します。

 

※直接比喩法には、2製品双方の絶対評価と比較評価がとれる“シークエンシャルモナディック法”と、1製品の絶対評価と比較評価を行なう“プロトモナディック法”があります。

現場のコントロールを行なうことで、このような専門的な提示方法や評価方法を採用することができるため、結果データもより洗練され精度の高いものにすることができます。

定量調査に属するため、通常のアンケート調査と成果物は同じです。ただし、競合品などと比較評価する調査内容が多いため、その差が偶然による差なのかどうかを検証する「有意差検定」も同時に行ないます。また、会場では紙アンケートにて回答させるケースが多いため、ExcelやCSVへ回答結果を入力する工数を挟むことがあります。

納品物 概要
ローデータ(Raw Data) アンケート回答を入力したデータ。Excel、CSV、ASCIIなど様々な形式のアウトプット。
集計データ GT(全体)集計のみの場合もあるが、クロス集計と合わせた納品データが基本。
FA(自由回答)集 用途に応じ、FAをアフターコーディングし、活用することも有用。
レポート グラフやクロス集計表などにコメントを添え、結果を分析。
会場調査の場合、多変量解析や有意差検定表(検定)を活用し、競合品との比較差が統計的に基づいているかどうかを証明する内容に仕上げることも多い。

 
 

リクルートとは、「対象条件に合致した調査対象者を必要な人数だけ集めて、調査に参加してもらうこと」を指します。一見簡単な工程に聞こえますが会場調査においては大変重要な要素であり、「リクルートが完了すればCLTの70%は成功」といえます。
質の高い調査対象者を集めるために、まずは参加意識の低い対象者や回答なりすまし、スクリーニング時に偽った回答をした対象者は排除するようにしましょう。併せて出来る限り調査参加回数の少ないフレッシュサンプル(人)を確保しましょう。性別や年代など均等な割付設計を行うことで、回答者の偏りをなくすことができるため、よりフラットな評価が得られるようになります。また、分析・レポートに際して割付通りにサンプルサイズを確保することは非常に重要です。

(割付例)単位:ss(サンプルサイズ)
割付例
次に、調査当日のキャンセル者を減らすよう事前アナウンスをすることも重要です。50人の評価を取りたいのに45人しか調査に参加してくれなければ、そもそも調査が成り立たなくなってしまいます。多少当日キャンセル者が出ることも想定し、10%程度の予備サンプルを確保しておくことも有効です。
最後に、調査当日に関する注意喚起も重要です。試食調査においては「満腹で来ないように」、香りの調査においては「調査直前の喫煙や香水の着用は避ける」など事前に注意喚起を行なうことで、調査モニター間におけるバイアスをなくし、純粋な評価を得られるようになります。

 

会場調査は事前準備がなにより重要だといわれています。如何に不測の事態に備えた準備ができているかにより、調査当日の成否が大きく変わってきます。
「PC画面で動画広告を見せる調査なのにWi-Fiが繋がらない」「大型冷蔵庫を搬入したいのにビルのエレベーターに入らない」「火による調理を伴う調査なのに窓がない」など、想定していなかった事態が往々にして発生します。これらは、豊富な知識や経験により避けることができるため、会場調査に精通した人に事前準備をしてもらうことをお勧めします。
また、調査内容に適した会場が手配できるかどうかも調査の成否に影響します。前述のエレベーターや窓の件ももちろんですが、初めて訪れる人が来やすい立地にあるかどうか、備品が不足した際に近くに買い出しに行ける場所があるかどうかなど、会場選びも非常に重要となります。
最後に、そもそもですが、調査設計や調査票が課題・目的に見合ったものかどうかは入念に確認しましょう。スタート時点で方向が違っていれば、せっかく行なった調査自体が意味のないものになってしまいます。調査会社に依頼する際には、調査に至った背景/現状の課題/どういう結果を求めているのか(調査目的)/結果データをどう活用したいのか等々を認識の齟齬が生まれないように伝え、それをきちんと汲み取った調査の提案をしてくれる調査会社を選ぶようにしましょう。

※会場調査を成功させるコツについて、詳しくは下記の資料をDLしてください。(無料)
 
 
 
会場調査(CLT)を成功させるコツ
 

執筆者
高橋 政之
株式会社アスマーク 実査部 定量2G
中央大学経済学部卒業。リアル調査をメインに、前社と合わせて、調査業界で30年の勤務経験あり。現在はCLTの調査設計・運営の専門部署の責任者を務める。食品・飲料・家電など、様々なジャンルのCLTを担当。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

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いざ調査設計!でも、スケジュールはどのくらい必要?シェルフって一体何段用意すればいいの?一回に許容できる人数はどのくらい?・・・・。気になる質問は全部下記Q&Aより解決できます!

 

会場調査(CLT)についてのご相談はこちら>

 

会場調査(CLT)

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会場調査(CLT)とは、あらかじめ用意した会場で、調査対象者から、製品、または広告等についての評価を聴取し、定量的にデータとして収集する手法です。

対象者が実際に製品や対象物に触れることで、よりリアルな評価を得られることができ、比較的短期間に、定量的に把握することができます。

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会場調査(CLT)の費用

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アスマークのモニター会員に対し、スクリーニング(絞り込み)アンケートを行ない、対象者条件に合致する方を抽出します。「対象者のリクルートのみ」「リクルートとモデレータのみ(ルームはお客様で手配)」など、お客様のご要望に合わせご依頼可能です。

● 基本料金:募集画面の設問数によって決められます。
● リクルート料金:「1名あたりの単価」×「人数」で計算されます。

その他の御礼やオプション金額等は、会場調査の実施料金例をご用意しておりますのでご参照ください。

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